中国人に対するビザ発給の緩和について | 日本のお姉さん

中国人に対するビザ発給の緩和について

世界の新聞「101紙」の視点☆

独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】
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3日付「東京新聞」『中国人ビザ拡大 互いを知るチャンスに』
5日付「産経新聞」『中国人ビザ緩和 治安を悪化させぬ対策も』の社説。

東京。
『日本に観光でやってくる中国人を受け入れる条件が、大幅に緩和された。中国からの客が飛躍的に増えると期待されている。何かと、ぎくしゃくする両国の国民が互いをわかりあう機会にしたい。』

『中国人への観光ビザは、二〇〇〇年に団体旅行向けの発給が始まった。昨年七月から個人向け観光ビザもできたが、対象は年収二十五万元(約三百二十五万円)以上のお金持ちに限られていた。』

『七月一日からは対象が大手クレジット会社が年収六万元(約七十八万円)以上に発行する「ゴールドカード」の所持者や、勤め先で役職に就いている人の家族に拡大された。』

『外務省によると、これでビザを受けられる対象は現在の十倍の約千六百万世帯に増えるという。』

『ビザ条件が大幅に緩和されたのは、経済成長の続く中国から来る観光客の購買力に期待したためだ。』

『昨年は金融危機の影響で外国人訪日客数が落ち込む中でも、中国からの客は約百万人と過去最高を記録した。観光庁はビザ緩和で中国人の訪日客を一六年には六百万人に増やす目標を掲げている。』

『往来の広がりで、互いを知り誤解が解けることも期待される。日本を訪れた中国の若者は、よく「日本人が、やさしくてびっくりした」という感想を口にする。』

『中国では、いまだにテレビのチャンネルをひねれば、軍服姿の日本人が怒鳴っている姿を、よく目にする。祖父母から聞いた話や社会にも広がる「愛国教育」の影響で「日本は怖い」と思い込んでいる若者は少なくない。』

『百聞は一見に如(し)かず。日本を体験すれば日本人が、どれほど平和的で穏やかに暮らしているか、わかってもらえるに違いない。』


『日本人にも中国人を知る機会だ。十年ほど前まで、中国の客と店に行くと冷ややかに扱われることがあった。豊かになった中国人への対応はよくなるに違いないが、摩擦は避けられない。』

『例えば、中国では店に注文を付けるのは当たり前だ。料理の温め直し、持ち帰り。マニュアルにはない対応が迫られる。』

『摩擦が起きても、互いに悪意はなく習慣の違いにすぎないとわかれば不快に思うことはない。』

『体験を通し双方が当たり前の人間同士であると実感できるなら、政権やメディアの宣伝で、どれほど反感があおられても効き目はない。それは隣り合う大国が、とげとげしい対立に陥るのを防ぐ最大の防波堤になるだろう。』


産経。
『発給要件の安易な緩和は不法就労などを増す要因ともなり得る。』

『観光振興は経済波及効果が大きい。政府が力を入れるのは当然だが、査証の制度変更は国民生活の安全にも影響を与えかねない。』

『実際の査証発給にあたってはこれまで以上の慎重な対応が求められる。今後の推移次第では、躊躇(ちゅうちょ)なく見直す判断も必要だ。』

『中国人の個人観光客への査証発給は昨年7月に始まったが、不法滞在などへの懸念から、対象は年収25万元(約340万円)以上の富裕層に限定してきた。』

『新制度は、これを一気に中間層にまで広げ、官公庁や大企業の幹部で、年収6万元(約80万円)以上かクレジットカードのゴールドカードを持っていれば査証を発給する。1人が条件を満たせばその家族も発給を受けられる。』

『訪日旅行客数3千万人を目指す観光庁も、中国を最大のターゲットにしている。団体客を含め昨年の101万人から3年後は390万人、6年後には600万人とする目標を掲げている。』

『中国人富裕層の旺盛な購買力も要件緩和の大きな理由だ。日本政府観光局の調査によると、中国人旅行客が日本国内で落とすお金は1人平均約11万6000円(平成19年)で国別のトップクラスだという。』

『首都圏のデパートでも、来店する外国人観光客の8割は中国本土からで、利幅の大きい高額品などを購入している。』

『とはいえ、添乗員もつかない個人旅行の拡大は、不法滞在をもくろむ者には願ってもない合法的入国手段になり得る。査証申請にからんで、中国側の文書偽造がしばしば発覚する現実もある。』

『法務省によれば、一昨年、不法滞在などで日本から強制退去処分を受けた外国人約4万人のうち、3割近くが中国人で6年連続の1位だった。』

『本紙6月25日付のeアンケートでは、9割以上が治安の悪化を心配している。こうしたことを忘れてはなるまい。』

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中国人に対するビザ発給の緩和について、それぞれ長所と短所を挙げた形となっている。

産経紙の、
『本紙(中略)アンケートでは、9割以上が治安の悪化を心配している』との一文は、産経読者ならではの結果だろう。

しかし、それを差し引いても、
『添乗員もつかない個人旅行の拡大は、不法滞在をもくろむ者には願ってもない合法的入国手段になり得る』
という危惧は、やはり否めない。


対する、東京紙の、
『往来の広がりで、互いを知り誤解が解けることも期待される』
『百聞は一見に如(し)かず。日本を体験すれば日本人が、どれほど平和的で穏やかに暮らしているか、わかってもらえるに違いない』
との一節。

『昨年は(中略)、中国からの客は約百万人と過去最高を記録した。観光庁はビザ緩和で中国人の訪日客を一六年には六百万人に増やす目標を掲げている』
とあるが、100万人が600万人に増えたところで、大きな変化が生まれるものだろうか。

また、そもそも日本に悪感情を持っている中国人が、わざわざ観光旅行先に日本を選ぶものだろうか。


個人的には、東京紙の主張にはあまり説得力を感じなかった。
(桐鳳)


【編集後記】

昨夕、私の居住する地域ではかなりの「ゲリラ豪雨」がありました。
浸水する世帯も多くあったと、ニュースでも報じられたようです。
その時間帯、たまたま家人が外出しておりまして、大変だったと申しておりました。

私はというと…。

夜勤に備えて、ちょうど睡眠の真っ最中。
激しい雨音が聞こえたような気はしましたが、起きた時にはもう雨はやんでおりました。
熱帯地方のようなゲリラ豪雨が、これからは日本でも当たり前になってゆくのでしょうか。
これもやはり、地球温暖化の影響?
(桐鳳)

最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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