石原総一郎の大人のお悩み教室 第3回 職場でイジメにあっている
どんなに世の中が移り変わっても、人間社会の中でイジメが完全に消滅することは、たぶんありません。現にイジメにあっている人は、その状況をどう受け止め、どう抜け出せばいいのか。いろんなジャンルの回答者が、親身にアドバイスを送っています。
先輩が、コピーやお茶汲みといった雑用を自分にばかりやらせると訴える24歳のOLに、女子プロレスラーの神取忍さんは、「これってイジメじゃなくて、仕事をイッパイ覚えられるように教育してくれてるんじゃないの」と前置きしながら、こう答えています。
もしかしたら、本当にイジメかもしれないよ。でも、教育してくれているんだ、って考えることで、積極的に楽しくできるじゃん。(中略)だから、どんな注文も、ハイってニッコリ笑いながら気持ち良く答えて、バリバリこなしてやろうよ。楽しく、楽しく、ね。イジメてる奴がまったくこたえてないことが、イジメる側にとっては、一番つまんないことなんだから(マガジンハウス『ターザン』1996年11月6日号「人生相談タッグマッチ」より)
とにかく「教育」と解釈してしまえば、相手がイジメのつもりでもそうじゃなくても、事態が改善されると提案しています。相手の真意を探るより、自分にとって都合のいい勘違いをしてしまおうというのは、なかなか実践的なアドバイスと言えるでしょう。
ミュージシャンであり作家でもある大槻ケンヂさんは、お局様に服装からお茶の飲み方まで、ネチネチとイジメられているという25歳のOLに、般若心境からヒントを得たというこんな妙案を示します。
「自分というものは、それほどのものではない」と考えれば、人が自分のことをどう思っていようと、どう思われていようと、愛されようと憎まれようと、たいして気にならなくなるはずです。(中略)「自我をも捨てる」これで全ての悩みは解決です(イースト・プレス『大槻ケンヂのお蔵出し』より)
深遠そうで力強いアドバイスです。ところが「実際どうやりゃ、捨てられるのか? そこらへんは、筆者もまだわかっていません」と締めているのが、残念というか無責任というか……。ただ、「イジメられてる私ですが、それが何か?」という境地になれたら、見える風景が変わってくるに違いありません。
後輩イジメの標的になって毎日が辛いという23歳OLの相談に、いじめっ子といじめられっ子は一対の組み合わせとして成立すると言っているのは、作家の村松友ミさん。※(注=ミはへんが「示」でつくりが「見」)
いじめられているあなたは自分が田舎者だから格好の標的になって……と事態をまとめないで、 自分の中の"いじめられっ子"部分を考えるべきではないでしょうか。そのT枝さんは、あなたにそれをさせるために天から派遣された使者であると考えましょう(文藝春秋『週刊文春』1989年5月18日号「オトナの相談室」より)
キツイ言い方ではありますが、イジメられている状況を変えるには、相手に何かを望むより、まず自分が変わることが有効なのは確か。強引に相手を「天から派遣された使者」扱いすることで、憎むという不毛な行為に費やすエネルギーも節約できそうです。
作家の出久根達郎さんは、夏目漱石の言葉を引きながら、職場の先輩が仕事の覚えが遅い自分を仲間はずれにするという20歳フリーターの女性の悩みに答えています。
いろんな人がいますけど、いちいち相手にしていると疲れます。笑顔で、いなすのも、大人というものです。夏目漱石という小説家が「気にいらぬこと、癪にさわること、怒りたくなることはいっぱいある。それと戦うよりも、それを許すことが、人間のつとめとして立派なものなら、自分はそうする」と書いています(中央公論新社『出久根達郎の人生案内』より)
イジメられている側は、とかく自分を責めがちですが、イジメられているからこそ「人間のつとめとして立派」なことができると思えば、必要以上に自分を卑下する必要はありません。さすが漱石先生、いいことおっしゃいますね。
どの回答にも共通しているのが、イジメてくる相手を変える方法を示す気は、最初からないところ。自分の受け止め方を変えたり、自分の中にある原因を探ったりすることを提唱しています。
逃げの姿勢のようにも見えるし、理不尽にも思えますが、他人を変えることは容易ではないし、人間はイジメをしてしまう生き物だと知るのが大人の悟り。大きすぎる夢を追っても、ままならない現実とのギャップになおさら苦しめられるだけです。
できるところから手をつけるのが、辛い状況を着実に変えていく近道だし、大人としての勇気や覚悟が問われる攻めの姿勢に他なりません。イジメに限らず、そこにはいろんな悩みを解決するヒントがあるように思えます。
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日本のお姉さんの意見。↓
「会社の中でのイジメ」
会社の中で実力があり、社員を
クビにできるような地位にある人
(社長に告げ口ができる立場の人)には、
誰も逆らえない。
その実力者(仕事ができるかできないかは別の話)は、
そのことを自覚していて、その立場を利用して
嫌いな人を追い落とすときもある。
周りの社員も、その実力者を恐れるから、その人が
イジメる人を一緒になってイジメるか、
イジメに参加しなくても、やられている人を
助けようとはしない。
自分がとばっちりを食らうのは割が合わないからだ。
その場合、イジメられている人は、その原因が分かれば
嫌がられていることを止めたらよろしい。
周りの人にもイジメられないように
周りの人に頼むとか、もっと上の人に
訴えるのもいいと思う。
逆に、まわりの雰囲気をくずす人として排除される(クビ)ことも
あると思うし、上の人に窮状を訴えたことが、イジメる人にバレて
逆に復讐される場合もあるだろう。
そんな嫌な上司や同僚がいる会社はやめたらよろしい。
悩みすぎてウツ病になって自殺したり、
むしゃくしゃして他人を殺傷してしまうより
ずっといい。でも、そんなことで
自分の好きな仕事場を放棄したくないなら
じっと、相手がいなくなる日を待てばいいと思う。
イジメられている原因というものが、
性格や悪癖などで、
変えることができない場合は
自分が会社を辞めるか、それともイジメている相手が
会社を辞めるのをじっと待つしかない。
待つというのは、意外に有効で
待っている間に自分も人間として成長するし、
イジメられている原因も自分が成長するにしたがって
なくなってしまう場合もある。
相手も成長する場合もあるし、
人間は生身なので
確実に退職する時期がくる。
それまで、イジメられている人は、しっかり仕事をして
会社の重要人物になればよろしい。
重要人物になれば、みんな、多少クセがあっても、
それなりに大事にしてくれる。
それまで精神や体が持たないなら
会社を辞めて、別の会社に行けばよいが、
どこの会社にも変な人はいるので、
それより、みんなに好かれない理由を探して直した方がいい。
会社を辞めるのは勇気がいる。
不況なので忙しい会社しか雇ってくれないだろうし、
新しい会社でもしかして自分より年下の人に
一から教えてもらうのはよけい大変かもしれない。
仕事自体がみつかるかどうかも、わからない。
でも、ウツ病やストレスで病気になって、
病がこじれて早死にするよりマシだと思う。
ただ、一年ごとに会社を辞めている人は
辞め癖がついているようだから、たぶん、
「我慢が足らないだけの人」なのかも。
または、怒りを納めることができない人。
心に憎しみやらイジケた気持ちとかを
抱えていて、負の感情が相手に伝わって
嫌われている場合もあると思う。
いくら丁寧にしゃべっても、目が憎しみに燃えていたら
相手も嫌な気分になると思う。
会社を辞めたくないなら、イジメられている相手の
いいところを認めてあげて、好きにならなくても
いいから、大事にして親切にしてあげたらいいと思う。
同じ会社の一員として、尊重してあげるといい。
でも、一度、気に入らない人をイジメて追い出した経験が
ある人は、味をしめているので、
嫌いな人が会社を辞めるまでイジメるから
そういう場合は、どうせ辞めるなら
社長に訴えてから辞めたらどうかと思う。
それか、あまりにも人権無視なことをされたら
裁判所に訴えたらいいと思う。
日本人は、誰にも理由を言わずに辞めるから
悪い人が態度を改めないまま
会社を腐らせていくのだ。
他人をイジメて追い出す人は、会社の
がん細胞みたいなものだ。
そんな人がのさばっている会社は、
きっと成長しないと思う。
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知っている大会社では、
ある人を辞めさせようと決めたら
みんなでイジメるそうだ。
仕事を与えずに、干すと
すぐに元気がなくなって自ら辞めていくそうだ。
人間って、ヒマだと辛いんだよね。
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女子社員には、ヒマでも平気な人もいるけど!
給料が男子社員よりも安いのだから
仕事量や責任が男子社員よりも
少なくて当然だと思っている。
女子社員を安い給料で残業もめい一杯させて
コキ使う会社が悪いと思うよ!
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学校でイジメにあっている人は、
参考にしないでね。
子供のイジメは、
残虐性があって、容赦なしだから
イジメにあっている子供は死ぬほど辛い思いをしている。
親や先生が注意して見ていて
どうしても、イジメっこがイジメを辞めないようなら
事件が起こる前に、
イジメを受けている子とイジメている子を
離れさせるよう手を打つしかない。
教育でいい子にしようと努力している間に
イジメにあっている子が自殺してしまうかもしれない。
大人が弱い子を保護しないと、
誰が弱い子を助けると思う?
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そういうわたしも女性の上司のイジメに長年あって
きた過去があるのだけど、本人には、その記憶がなくて、
「あんなに嫌われていたのに、いつもニコニコとして
立派やったね。やっぱり、クリスチャンやからやろか。」と
会社を辞める時に言ってくれたけれども、
上司がイジメだすと、周りの女子も一緒になって
イジメるのが日本人なのです。
「そりゃ、あなたがわたしを嫌って悪口を言うから
みんなが影響されたんですよ。」と言いそうになった。
言ってもしょうがないから言わなかったけど、
その女性上司に部下が一人もいなくなった時点で
イジメはほぼ終わったし、わたしも年齢が上がってきて
はっきりと物が言えるようになってバトルになったので、
上の人が気を使ってくれて、フロアーを変えてくれたから
助かった~。じっと待っていたら席替えもあるからね!
オバサンになって過去を振り返ってみると、
嫌われる原因も、自分にもあったなと
反省できるようになった。イジメにあっている時には
原因なんか、分からないんですよ。
そんなもんや。自分が悪くて叱られている場合は、
おとなしく叱られるのが仕事です。給料には
嫌な目に会う分も含まれているのです。
仕事が100パーセント、楽しいことばかりなんて
ありえませんからね。嫌なことも起こるし、
お客さんにひどい事を言われることもあるし、
上司の失敗のとばっちりを受ける時もあるし、
いろんな上司が違うことを命令するから戸惑うこともあるし、
いいことばかりではないけど、
仕事があるから、食べ物も買えるし
家賃もはらえるし、服も買えるしたまに遊びに行ける。
日曜日の夜に
「あした会社や。嫌やな。」と言っている人がいるけど、
仕事がなかったら、生活に困るのに
何を言っているのやら。