【大人力】の元祖&本家!石原壮一郎の『大人のお悩み教室』
第46回 会社の人間関係が煩わしい
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会社勤めをする限り、会社のメンバーと接しないわけにはいかないし、何かと付き合いもあります。そこに意味や楽しさを見出せればいいんですが、多大なストレスを感じてしまうケースも少なくありません。会社の人間関係がこじれたら、どう修復すればいいのか。そのコツを探ってみましょう。
「組織とのつきあいが煩わしくてたまりません」という26歳の女性。勤めて2年、忘年会や社員旅行はすべて欠席してきたものの、上司に「今年はできるかぎり出席するように」と言われたとか。「浮世の義理は果たすべきでしょうか」という相談に、フリーアナウンサーの生島ヒロシさんは、こう答えます。
この相談のポイントは、彼女が会社の中でどのように生きようとしているのか、だと思います。(中略)もし「仕事に生きる」気持ちが少しでもあるなら、日本特有の人間関係を拒んではいけない。多くの人間が味方をしてくれるには、普段のつきあいが肝心ですからね。
上昇志向などはない、仕事は仕事、それ以外は自分の時間という個人としての強いポリシーがあるなら、今の態度を通してもいいでしょう。
そして皆に「あの人はしょうがない」と諦めてもらうのも一つの流儀です。〈文藝春秋『クレア』1993年7月号「新・1冊まるごと人生相談」より〉
試しに参加してみると「いろんな発見があって人生の楽しみがふえると思いますよ」とも。頑なに拒否することが、必ずしも「自分の時間」や「自分の人生」とやらを大切にする行為とは限らないかもしれません。
「会社の人間関係がギクシャクしています」とこぼす30歳の男性。会社以外での深い付き合いはせず、社内で友だちはいないそうです。ただ、「どこに勤めてもソリの合わない人はいると思う」から、会社を辞めるつもりはないとか。元ボクサーの竹原慎二さんは「自分が原因のくせしてエラそうなことぬかすなや」と、容赦のないパンチを繰り出します。
仕事する場なんじゃから、別に仲良しこよしクラブにする必要はない。だがな、誰だって気分よく働きてぇんだよ。ギクシャクしないように、笑顔で挨拶したり、たまには一緒にメシ食ったりすんのが大人じゃねぇのか?(中略)ただ単に、お前がまともに人付き合いもできねぇ「できそこない」なだけのハナシじゃろ。お前に会社での人付き合いを考え直す気がないなら、その職場はギクシャクしたまま変わらん。周りの人間にとっちゃ迷惑な話じゃ。〈小学館プロダクション『竹原慎二のボコボコ相談室』より〉
最後は「たぶん、お前が辞めれば会社のギクシャクがなくなるわ」と一刀両断。確かに、煩わしさから逃げることが、余計に煩わしい状況を招いている場合もありそうです。
会社でイベントがあると、司会や芸をやらされるという29歳の男性。お調子者のキャラを演じつつも「本当は苦痛で仕方がありません」とのこと。どうすれば自然にフェードアウトできるかという悩みに、タレントのルー大柴さんは、こんなアドバイスを贈ります。
俺もルー大柴っていうキャラがひとり歩きしている感覚がサムタイムあります。(中略)ただキミは芸人じゃなくて会社員なんで、やるやらないはフリーダムなんですよ。(中略)期待に応えたいならやる。嫌ならやらない。芸達者な人間が、ホワイそのぐらいのことがいえないのよ。今、キミがやるべきことは自己主張。それで今の自分の立場が変わるかもしれないけど、恐れずに進んでください!〈リクルート『R25』2007年12月20日号「オレはオマエをスルーできない!」より〉
一度キャラが決まると、周囲はどうしてもそのイメージで見てきます。ありがたい一面もありますが、苦痛を感じてまで守らなければならないものではないし、実はそこまで強く期待されているわけでもありません。
小さいころから無駄口を叩くのが嫌いで、今も職場で無駄口の輪に入れず、孤独な思いをしているという52歳の男性。喜劇役者の藤山寛美さんは、無駄口にもチームワークが生まれるなどの効用もある、あなたが「まじめな人」であることがマイナスになっていると思う、と言いながら、次のように説きます。
ぼく、あなたに言いたいことは、いまからでも遅くない。あなたに、まじめな人間になってもらいたいということ。(中略)人という一字は一字で表わされるけど、人間という字は二字で人の下に間という字がついてるでしょう。つまり、人間というのはね、間があるわけよ。いつも無駄口たたいてる人間と自分との間……人間社会には、この間を保つことが大事なわけよ。(中略)まじめなあなたは、これから、まじめな人間となって、人と人との間を大切にするよう心がけられたらどうやろうか。〈毎日新聞社『サンデー毎日』1976年5月30日号「藤山寛美の人生相談 ソラ難儀ですなぁ!」より〉
「人という字は、お互いに支え合って……」という有名な“いい話”がありますが、その発展型ですね。いつの日か、部下や恋人に「人間」とは何かについて語る機会があったら、この言い方を使わせていただきましょう。
会社の同僚や上司は、好きで選んだわけではありません。たまたま同じ器に入れられて、いっしょに働いているだけです。それぞれの相手とは、気が合わなくて当たり前、合えば儲けモノと思ったほうがいいでしょう。
極端な話、会社の人間関係は、誰にとっても煩わしいものです。しかし、日々いっしょに働いていかなければならない以上、どうにかして煩わしさを最小限に抑えたいところ。そのために多くの人が選んでいるのが、「適度に付き合って、それなりに仲良くする」という方法です。仕事以外の付き合いで多少の時間やエネルギー使ったとしても、そうすることで「いつまでも気心の知れない相手」と仕事をする気苦労やストレスを感じずに済むなら、そんな効率のいい話はありません。
もちろん、煩わしさを最小限に抑える方法は人それぞれ。孤高の道を歩むのがいちばん楽という人もいるでしょう。ただ、どういう道を歩むにせよ努力は必要。付き合いを避けたら楽だと思うのは大人として浅はかだし、居心地のいい環境にしてくれることを周囲に期待するのは、大人として虫が良すぎます。楽な人間関係や居心地のいい環境は、自分でジタバタ努力してみて、初めてそのイメージが浮かんでくると言えるでしょう。
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第26回 無能な同僚にウンザリ
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日本のお姉さんのひとこと。
クリスチャンなので日曜日はつき合わない。
教会に礼拝に行くから。日曜日は神さまを礼拝するために
休みになっているだからね。
それに、お別れ会や、新入社員歓迎会は
行くけど、二次会には行かない。
すでに、みんな酔っぱらっていて
面白くないことにもゲラゲラ笑って気持ちが悪いから。
酔っぱってくるとお下品なことも言いだすし、
そんな異常な状態の人たちと
つきあう必要はない。
忘年会や社員旅行にいっさい出ない人もいるけど、
別にかまわないと思う。そういう人は普段から
会社の人とあまり仲良くしないし、そういうポリシーで
生きているのだから、全然、かまわないと思う。
自分のプライバシーを大事にする人は、他人も大事にしている
ように感じる。
自分の個人的なこともいっさい話はしないかわりに、
他人のことも根掘り葉掘り聞くこともしない。だいたい、日本人は
人のプライバシーを知りたがりすぎなんです。
仕事がちゃんとできていて、積極的に仕事のジャマを
してくるような人が会社にいないなら、それでいいと思う。
ただ、普段から会社の人間と仲良くしていると
自分が仕事で、失敗したときに、気がついた人が
早めに教えてくれたり、そっとカバーしてくれたり、
何かと助けてくれたりするので
気持ちよく、いい仕事ができるようになる。
秘書がわりに使っている社員にも、気分よく働いて
もらうと、頼んだ仕事も喜んで最優先でやってくれるから
普段から会社の人と仲良くしておくのは、自分の仕事が
スムーズにはかどるために役立つ。
営業の仕事をしている人は、人間関係を良好に保っておくことが
自分のために役に立つと知っているからか、
社内の人とも仲良くしている人が多いように感じる。
今は、もう、会社にはいない人だけれど、自分の家の
引っ越しや、自分の趣味のイベントを日曜日や
祝日に部下に手伝わせている人がいたけど、
陰で嫌われていたっけ。
そんなことまで、付き合わされるのはたまらないよね。
その人は会社を辞めてからも、何かと会社の人と
会おうとしていたけど、若い男子職員は、嫌がっていた。
仲良くするなら、会社を辞めてからも友人として楽しく
外で会えるような付き合い方をしたらどうかと思う。
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仕事ができない人っていうのは、います。
教えても仕事が遅いし、ミスが多いので
仕事を頼むとチェックに時間がかかるので
自分でやった方が楽チンなんです。
そういう人には、
みんなが仕事を頼みたがらないので、いつも
ヒマそうにしている。そういう社員をずっとやとっている
のは会社だから文句は言えない。
しかも、給料は一律同じだから
できる社員は常に忙しく、できない社員はつねにヒマ。
仕事ができるパートさんだった母親の友人は
「社員のオジサンよりも有能なのに、仕事ができない
無能なオジサンがボーナスをたっぷりもらって、
家族手当ももらって優遇されて、無能なオジサンの分まで
バリバリ仕事ができるパートがもらえないのは
不公平で信じられない。」と言っていた。
日本では、女子社員は、給料は男子社員の6分の1で、
日本人でありながら外国人と同じ扱いですから。
それだけの仕事しかしないし結婚したらすぐ辞めると
思われているから、いくら法律で男女同権とか給料で
差別をしたらいけないと言われても
社長の気分しだいですから。
結婚しないで、ずっと仕事をしている女子社員は
いくら有能でも関係なく、役職も主任ぐらいまでしか
いただけないし、
同期の男性社員がどんどん給料が上がっていって
家を買ったり、車を買ったりしているのを横目で見ながら
新入社員の女子とそんなに変わらないボーナスを
もらって、つつましく暮らしているんです。
これからの日本の有能は女性は、
最初から会社を自分で作ってください。
または、医者や公務員になって男子と同じ額の給料を
もらってください。または、有能な女性を差別しない外国
(先進国)に出て行って、それなりの給料をもらってください。
ただ、日本の会社にいるとそうやすやすとクビにならないから
気持ちが安定できて、
そんなに重要な仕事も任せられず、(役職が与えられないから)
楽に暮らせるかな~。安い給料でも規則正しい生活はできる。
わたしは、規則正しい生活ができて、日曜日に教会に
行けたら満足。
安い給料で重い責任を任せられ、有給休暇も気持ち良くもらえず
毎日残業をさせられて、病気になっても病院に気持ち良く
行かせてもらえないような会社は悪い会社だから
しっかり、自己主張してください。
http://c.filesend.to/plans/otona/body.php?od=20080226.html&pc=1会社という場所には、いろんな人間が棲息しています。尊敬できる人もいれば、能力や人柄に疑問を抱きたくなる人もいるでしょう。「無能な同僚」にウンザリさせられたり、具体的な被害を受けたりといった悩みは、いわば会社生活の宿命。どう立ち向かっていけばいいのか、そのコツを模索してみましょう。
一昨年、一部上場のメーカーに就職した25歳の男性。仕事にはやりがいを感じているものの「上司・先輩に盗むところがない」ことが悩みだとか。漫画家の弘兼憲史さんは、相談者が非常に優秀なんだったら、ほかの部署も見渡して「あ、この人には勝てないな」と思える人を見つけるのはどうかと提案しています。そうじゃないと仮定した場合のアドバイスは、以下の通り。
もうひとつ、考えられることは、それはキミが自分の力を過大評価しているケースだ。(中略)僕がまだ新人の漫画家だった頃、自信を持って描いた絵コンテを担当編集者にみせたところ、あれこれ問題点を指摘された。その時、鼻っ柱の強い僕は、この編集者は“わかっていない”と思っていたけど、今になってその作品をみると、まさに編集者の指摘してくれた通りだったというのがよくわかって、忸怩たる思いをしている。実力のないヤツに限って、自分の実力を見極めることができないものだ。そのへん冷静に考えて、もう一度自分を客観的に見てほしい。 (PH
P研究所『「人は人、俺は俺」でいいじゃないか。愛と勇気のビジネス人生相談』より)
周囲の無能さにウンザリしたくなるのは、自分が無能だからという怖い可能性もあるようです。不安や自信のなさが、周囲への不満の原動力になってしまうケースも、きっと多いでしょう。
新しく入ってきた40代のパートさんが仕事の覚えが悪く、同じ失敗をしたり、何度も同じ説明をさせられたりしてウンザリしているという26歳の女性。診療内科医の海原純子さんは、「なんでも自分の思いどおりに動いてほしいという、脚本家思考をしていると、ちょっとしたことがストレスになります」と言いつつ、こんな対処法を示します。
たとえば植物に向かって「あした花を咲かせてほしい」と言って、そのとおりにならなかったとしても、怒る人はいないですよね。人間もそれと同じ。(中略)「そういう人なんだ、しかたないな」と思って、それ以上のことを期待しないこと。彼女は彼女なりのペースで仕事を覚えていくはずですから、そのうち聞きに来る回数も減るでしょう。(主婦の友社『OLのオシゴトの悩み解決マニュアル』より)
他人は自分の思い通りには動いてくれないもの。つい自分で勝手に描いた「脚本」を押しつけたくなるけど、それは自分にとっても押しつけられた相手にとっても大きなストレスになる、とも言っています。
「自分で言うのもなんだけど仕事はできる方」で、同僚や後輩の仕事ぶりを見ているとイライラしてつい口を出して煙たがられるというOL。人材教育の塾を主宰する今井登茂子さんは、自分を引き合いに出しながら、こう答えます。
私に関していえば、よく人から頭の回転が早いといわれるんですね。そのためかまわりが付いてこられないとイライラしています。だからまず自分が頭の回転が速いことを客観視して、良いことだと誉めます。その次に自分の駄目なことはと考えるの。(中略)すると私にないのは忍耐力だと。(中略)客観視しながら自分の欠点を上手にのりこえていくこと。そういう意識がないと、いつまで経っても今の悩みから抜け切れず、何度も何度も同じ所に戻りますよ。(講談社『FRAU』2008年2月8日号「あらゆる「悩み」にケリをつけるQ&Aブック」より)
「仕事ができる」というのは確かに長所かもしれませんが、イライラして口を出さずにはいられないのは立派な短所です。都合の悪い部分から目をそらしながら周囲を見下すのは、あまりフェアではないと言えるでしょう。
「職場の人たちのちょっとした言葉や態度に対して過敏に反応してしまう」という25歳の女性。いつも不愉快な状態から抜け出したいという切実な叫びに、吉本ばななさんは、箇条書きでこんなアドバイスを贈ります。
(1)まず、自分がそこにいるから不満があるのか、どこへ行っても今調子が悪くて不満を持ちそうなのかちゃんと見つめること。もし、「そこにいるから」であれば、やめちゃいなさい。(中略)(2)もしかしてあなたがいやな人は、1人なのでは?その人を中心にその人をひいきする上司、ひいてはその人とかかわる自分をもいやになっているのでは?その人と具体的に離れられるかを考えてみては?(部署を変わるとか)(角川書店『B級BANANAばなな読本』より)
確かに、まずは原因がどこにあるのかをハッキリさせないと、対策の取りようがありません。実際は、そこをないがしろにして、ひたすらイライラやウンザリをふくらませているケースも多そうです。
「無能な同僚」にウンザリするのは、有能な人の専売特許ではありません。客観的に見て無能な部類に入る人でも、その気持ちを抱いている人は少なくないはず。また、周囲に対していつもウンザリしたりイライラしたりしている人が、本当に有能と言えるのかどうかも、議論の余地があると言えるでしょう。
どうやら「ウンザリ」のタネは、いろんなところに潜んでいるようです。ウンザリすることによって、自分が「有能な側」に入っている気になれたり、自分の力不足から目をそらすことができたりというメリットもありますが、それはあまりカッコイイ構図とは言えません。どんな種類のタネだったにせよ、どうすれば取り除けるかを考えて、果敢に立ち向かったほうがはるかに有意義です。
どう考えても、ウンザリの原因が相手や周囲の無能っぷりにあるとしても、そこで素直に「ウンザリの誘惑」に身を任せてしまうのは、大人としてやや安易かも。どうすればウンザリを減らせるかを考えて、できそうな手を打ってみましょう。それが大人の粘り腰であり、無能な同僚から受ける被害を最小限に抑える大人の生活の知恵に他なりません。