ためになることがいっぱい書いてあるメルマガ「軍事情報」 | 日本のお姉さん

ためになることがいっぱい書いてあるメルマガ「軍事情報」

 『軍事情報 第435号 (最新軍事情報) 』
◇◆◇ 発行講読者数:11357名/平成22年(2010年)6月21日(月)発行 ◇◆◇
取材・インタビュー・原稿作成・webコンテンツ用テキスト文作成・自費出版の
原稿作成支援およびアドバイス・その他《書く》ことに附帯する一切の業務に
ついて執筆活動を展開しております。     ライター・平藤清刀
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB  http://homepage2.nifty.com/hirayan/
【おしらせ】平藤さんが執筆に参加!『ゼロ戦の秘密』 PHP文庫
       ⇒ http://okigunnji.com/s/zero/
◎  【最新軍事情報】「イタリア、新たな海上部隊指揮機能を立ち上げ」など
◎ 【国民年金の花柳な生活】「うそ」「賭博」
◎ 【「田母神塾」のご案内】来週金曜日放映です
◎ 【編集雑記】「遼君」
◎ 【おたより】なし

こんにちは!!
おき軍事のエンリケ航海王子です。
今週も目を通していただきありがとうございます。

今週の最新軍事情報をお届けします。
受け取っていただいたあなたに、心より感謝しております。

ここで2つお知らせがあります。

●アリーマさんの問い合わせ(100619配信)へのご投稿を受け付けています。
すでにいくつかいただいており、すべてアリーマさんにお伝えしました。
当該資源の内容に関する興味深いお便りもありました。ありがとうございまし
た。

●宮崎の口蹄役に関してしばらく前に「県庁対策本部が派遣部隊の司令部」
というようなことを伝えていたと思いますが、誤りでしたのでここにお知らせ
します。

県庁対策本部に詰めている統幕・西方等からの派遣要員は連絡要員です。
現地部隊を統轄しているのは8師団司令部と思われます。
同じく派遣されている空自の5航空団についてはどういう位置付けにあるか
良くわかりません。以上お詫び方々、ご参考までにお知らせします。

今週もよろしくお願いします。

(エンリケ)

--------------------
■シナの謀略に対抗するための国防倫理観涵養
「日本安全保障倫理啓発機構(JSEEO)」
詳しくは ⇒ http://www.jseeo.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●  最新軍事情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
------------------------------------
【軍事理解のための「3つの土台」】

1.せめてこれくらいは国民として把握しておきたい軍事の常識

⇒軍事は政治の延長線上にあるもので、決して特別なものではない。
 だから、軍事を忌み嫌う人は、政治を正しく理解することが出来ない。
 一方で、軍事を必要以上に神聖なものと捉える人も、全体を見誤まる。

2.国民の軍事理解でイチバン欠けている部分

⇒国際政治がバランスオブパワーの関係で成り立っているということを知らな
 い。一方で、そのようなことを知らないお人好しが、あたかも善良な人で
 あるかのように捉えられる傾向にある。残念ながら、現実の国際社会は
 単なる仲良しクラブにあらず。

3.ナゼ国民は、軍事理解に乏しいのか?

⇒ 自国への帰属意識が希薄であるため。守るべき対象(日本)を感じることが
 出来ないのだから、軍事を理解することなど到底不可能。国家観に対する
 教育を怠ってきたことのツケ。
------------------------------------

■イエメンのアデンでアルカイダが攻撃

複数の海外報道とイエメン国営サバ通信、および現地からの話によれば、100612、アルカイダ系武装勢力がイエメン南部の港町アデンで、イエメン情報当局の本部を攻撃。イエメン側に11名(うち民間人4名)の被害が出たようです。
ここへの攻撃はあらかじめ予想されており、かなり重度の警備体制が敷かれていたためか、イエメンの内務相は「テロリストによる攻撃が深刻に過激化している事実を示す出来事」と述べています。

その他詳細は以下のとおりです。

1.イエメン治安当局は「テロリストによる犯行」と断定した
1.攻撃は、本部建物正面から行われた
1.武装集団は軍服を着ており、攻撃は手投げ弾と銃撃によるものだった。
1.武装集団は現場からバスで逃走し、その際人質を連れ去った模様
1.攻撃はよく練られた作戦計画の下で行われたと見られる
1.武装集団に若者はいなかった

⇒イエメンは、ビンラディン家系の出自です。そのためかこれまで、アルカーイダによるさまざまな重要攻撃が行われてきました。2000年の高速ボートによる米駆逐艦「コール」への自爆攻撃はアデン湾で、2002年の仏船籍の巨大タンカーへの自爆ボート攻撃は南東部のアシュシル港(アデンの東)で、それぞれ発生しています。

◎昨年9月時点で専門家は、
「アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)」(サウジとイエメンのアルカーイダ勢力が一緒になったもの)は米の強力な圧力のもと困難な状況に陥っているが、存在そのものがイエメンを「テロ訓練・攻撃基地」にしてしまいかねない。との懸念を示していた。

◎昨年のクリスマスに発生した AQAP指導による米航空機爆破未遂を受け、イエメン政府は、地域の武装勢力掃討に乗り出している。
今年5月には、イエメンと米の共同作戦による空襲でAQAPの指導者が腹心4名と共に死亡している。

◎この11日金曜日に、現地の情報収集を実施している米は、「AQAPが先週、イエメン東部の部族に対し、空襲で政府から脅されていることに報復・反抗するよう訴えた」ことを明らかにした。内容は「アラーの思し召しは、不義の専制君主である(イエメンの大統領)アリ(アブドラ)サレハと彼を手助けするものたち(アメリカ)の圧制下にある我々が、わが地を炎で照らすことにある」というものだったらしい。

■ロシア、北コーカサス分離独立派武装勢力指導者を拘束

拘束されたのはアリ・タジエフ(別名:マガス)で、コーカサス首長国武装勢力(Caucasus Emirate militant group)のイングー方面指揮官です。ロシア治安当局によれば、連邦保安庁(FSB)特殊部隊が、イングーシのマルゴベ
ク(*)という町でタジエフを拘束したそうです。拘束作戦は極めて迅速に展開され、タジエフ側は武力反抗する暇もなかったそうです。

(*)http://maps.google.co.jp
/maps?f=q&source=s_q&hl=ja&geocode=&q=Ingushetia%E3%80%80Malgobek&sll=55.736772,37.658486&sspn=46.595917,113.027344&brcurrent=3,0x0:0x0,0&ie=UTF8&hq=&hnear=%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%99%E3%82%AF,+%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%99%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC,+%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%82%B7%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD,+%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2&ll=43.508721,44.604492&spn=3.665241,7.064209&t=h&z=7

⇒ 「北コーカサス」と聞けば「?」という人も多いでしょうが「チェチェン」と聞けば「はは~ん」となることでしょう。

コーカサスは、黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス山脈と、それを取り囲む低地からなる面積約44万km2の地域をさしていわれる言葉です。

ソ連崩壊後、南コーカサスではグルジア、アゼルバイジャン、アルメニアの各共和国が独立しました。一方で北コーカサスの自治共和国はロシアからの独立を認められず、これに対し、第一次チェチェン紛争、第二次チェチェン紛争をはじめとする内戦やテロが発生しました。
現在も、独立運動組織のほかイスラム原理主義過激派によるテロがロシア国内で続いています。
北コーカサスにはグルジアとアゼルバイジャンの一部が属しますが、その大部分はロシア領で、行政的には北コーカサス連邦管区(2010年に南部連邦管区より分離)に、経済地区では北コーカサス経済地区に属しています。
北コーカサス連邦を構成するのは、クラスノダール地方とスタヴロポリ地方の二つの「地方」のほかに、アディゲ共和国、カラチャイ・チェルケス共和国、カバルダ・バルカル共和国、北オセチア共和国、イングーシ共和国、チェチェン共和国、ダゲスタン共和国などの「共和国」です。

なお、拘束作戦を展開したFSBはロシアの情報機関で、昔のKGBに相当するものです。プーチン首相が1998年から1年ほど長官をしていたことでも知られますね。
ここには特殊任務センターという対テロ特殊部隊を統括する機関があり、高名な「アルファ部隊」をはじめとする部隊が所属しています。
【参考】Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%80%A3%E9%82%A6%E4%BF%9D%E5%AE%89%E5%BA%81%E7%89%B9%E6%AE%8A%E4%BB%BB%E5%8B%99%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9

■ インド陸軍参謀総長「FMS経由の調達に警戒せよ」

100608のジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーによれば、インドで次のような話があるそうです。

1.インド陸軍参謀総長のシン大将がアントニー国防相に対し、FMS(ForeignMilitary Sales)計画を通じて米の軍需品を調達することに警戒を促す文書を出したらしい。

1.シン大将は、2002年に約1億4千万ドルでFNS経由で調達した12個のレイソン社製「ファイアファインダ(AN/TPQ-37(V)3)」で継続的な問題が発生しており、調達後の整備支援に問題があるとしている。

【用語】FMS
対外有償軍事援助; 米国防総省、対外軍事援助方式の一つ、米国政府が軍事物資を貿易会社を通さずに外国政府に直接売却する方式、装備品価格には一定の輸入諸経費が含まれる

◎"Firefinder","ファイアファインダ;
米陸軍、新対砲レーダ・AN/TPQ-47(旧称:AN /TPQ-37 P3-1 Block2)、RaytheonSystems Co.製('98/05/19・製造技術開発(EMD:Engineering and Manufacturing
Development) 用原型3基を受注、設計・製造・試験契約期間53か月、納期'02/02/28)、現用AN/TPQ-37を換装、現用 AN/TPQ-37のアンテナ・送受信機グループ(ATG:antenna tranceiver group)を新技術で改修し標定目標数/速度/精度/距離/識別能力を改善、対砲兵戦能力を向上、探知距離を約2倍の60kmに延伸、同時処理能力
50 目標/分、戦術弾道ミサイル(TBM:tactical ballistic missiles)及びロケット探知距離 250+ km、TMDシステムに対するキューイング機能、C-130輸送機にroll-on/roll-off搭載又はCH-47スリング輸送可能、操作員12名から9名に省力化、アンテナの野外校正可能、Advanced Field Artillery Tactical DataSystem (AFATDS)によってArmy Tactical Command and Control System (ATCCS)に連接、方向探知装置及び対電波源ミサイルDF/ARM)に対するESM性能完備、自己位置標定GPS機能完備、遠隔操作可能、移動間に蓄積データ処理可能;構成=運用センタ(Operation Central)/アンテナ・送受信機部/電源部/携帯型操作部< 陸>
【参照】コモ辞書
http://www.komodic.flnet.org/komo/equip/equip-2.html#Firefinder

■ イタリア、新たな海上部隊指揮機能を立ち上げ

5月末、イタリアに新設される地上司令部「EU海上部隊集団(EU MaritimeComponent Command (ITA EU MCC))」の中核機能が、EU戦闘戦隊司令部による計画確認演習「ヨーロピアン・ウインド10」のなかではじめて実動しました。
イタリア海軍司令官のマンテルリ海軍大将はITA EU MCCについて「この海上部隊指揮機能は、EUが主導する”あらかじめ構成されているが永続的ではない”危機管理作戦において、海上部隊に対する命令への即応を可能にする」と述べています。


■ マレーシア、潜水艦の整備・支援の価格交渉を継続中

マレーシアは2002年、「スコルペヌ級潜水艦(マレーシア名:アブドルラーマン王子級)」を2隻取得することを決定し、1隻は2009/10に就役、1隻が現在調達中です。
ただ、現在就役中の艦「アブドルラーマン王子」が初期運用能力(*)を達成したとしても、整備・支援に関する価格交渉はいまだ終了していないようです。
マレーシアのハミディ国防相は100608、マレーシア下院において、交渉の継続を確認しています。

スコルペヌ級潜水艦はフランスとスペインが共同開発・製造したもので、これまでに、チリ、インド、マレーシア海軍が採用しています。
通常型のCM-2000型、沿岸向けに小型化した CA-2000型、AIPを搭載したAM-2000型があり、また、スペイン海軍向けの発展型としてS-80型が開発されています。

⇒ わが「そうりゅう(蒼龍)」でも採用された「AIP」(非大気依存推進)仕様のモデルもありますね。わが蒼龍はスターリング・エンジンでしたが、スコルペヌ級はMESMAのようですね。

【用語】
●AIP
"air independent propulsion (or power) 吸気不要推進(又は動力);潜航中に大気の供給を必要としない機関、(1)原子力機関 (2)艦内の酸素で作動するエンジンex.スターリング・エンジン (3)燃料電池/電動機エンジン (4)自立潜航エンジン・モジュール(MESMA);

世界初のAIP潜水艦=スウェーデン海軍のスターリング・エンジン搭載ゴトランド(Gotland)型;

'03/04・ドイツ海軍は世界初の燃料電池発電システム(シーメンス製)搭載AIP潜水艦U31の公試をバルト海で開始、同艦はU212型4隻の1番艦; イタリア海軍はシーメンス製・同上システムを導入し燃料電池潜水艦建造を計画; 韓国現代重工はドイツ技術を導入しAIP潜水艦3隻を建造中、出力120kWのポリマ電解液膜型燃料電池
(PEMFC: Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)を使用、酸素タンクを加圧船体外部に装着、2週間連続運転; 英国BMT DSL社はディーゼル機関とAIP併用で約1か月・速度8ktで連続潜航するSSGT構想を発表; ロシア・イタリア両造船企業は沿岸海域の対潜戦・機雷戦・哨戒・特殊戦を主任務とするAIP・電動機併用型潜水艦の共同開発に着手、最大潜航深度= 250m; <海>
【参照】コモ辞書
http://www.komodic.flnet.org/komo/acrony/acrony-1.html#AIP

●MESMA
"Module d'Engine Sous-Marine Autonome 自立潜航用エンジン・モジュール;フランス海軍開発、潜水艦の吸気不要推進 (AIP: air independent propulsion)機関方式の一つ、

'94開発開始、極低温液体酸素とエタノールを燃料とし、燃焼炉で高圧(60 bar)燃焼させて得た700℃の熱をランキンサイクル(Rankine-cycle)伝熱ループに与え、発生する高圧蒸気でタービンを駆動し発電する方式、発生水蒸気は復水器で冷却して循環させ、その一部を熱交換して艦外に放出する、発電した電力(約200kW)を電動機に供給してプロペラを駆動;

'08/09・パキスタン海軍はフランス製「アゴスタ」型潜水艦3隻の3番艦「ハムザ」にMESMAを搭載、'12迄に残る2隻にも搭載予定、インド海軍は'12から導入する「スコーペン」型潜水艦 6隻の3番艦以降にMESMAを搭載する可能性大<海>
【参照】コモ辞書
http://www.komodic.flnet.org/komo/acrony/acrony-17.html#MESMA
【参考】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%8C%E5%9E%8B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E7%B4%9A%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6


■5 月28日のテロ

インドとパキスタンで100528にテロが起きています。

パキスタンでは、ラホールにあるイスラム教の少数派アハマディア(Ahmadi)派のモスク2か所を武装勢力が襲撃。銃撃と手投げ弾、自爆攻撃で95名が死亡しました。
パキスタン警察は、タリバン系組織で南ワジリスタン地区に拠点を置く「パキスタン・タリバン運動(Tehreek-e-Taliban Pakistan、TTP)」と協力関係にあるパンジャビの武装勢力を非難する声明を出しています。

パキスタン当局は、昨年10 月からTTPに対する掃討作戦を展開しています。

インドではマオイスト(インド共産党毛沢東主義派(CPI-M))が、西ベンガル州西ミドナプール県ジャールグラム地区で、コルカタ発ムンバイ行きの特急列車(24両編成)を脱線させ、この列車に反対路線を走行してきた貨物列車が衝突。少なくとも65人が死亡、200人以上が負傷するテロを起こしました。
現地は毛沢東主義派の勢力が強い地域とされています。

⇒ インドのマオイストがらみで面白い話があります。
「警察犯罪に対する人民委員会(PCPA)」なる団体についてインド当局が「反乱勢力であるインド共産党毛沢東主義派の表の顔であり、列車脱線の首謀者・活動家集団である」との見方を示し、これをPCPAが否定したというものです。

支那は、いつも必ず同じ階段を使って、国内の治安不安をあおり、勢力浸透を図ります。わが国も同じでしたね。


■テロリストと科学

9.11テロ以降の国際社会は、テロリストが化学・生物・放射能・核武器等の大量破壊兵器を使ったテロを行うことを最も懸念しています。現時点でわかっていることは、一部のイスラム過激派勢力は公式にその種の大量破壊兵器を入手し、使用したいという願望を明確にしていますが、大量破壊攻撃を使う攻撃計画を具体化するために必要不可欠な「専門家」探しに苦労しているらしいということです。

■ 水戦争?

5月14日にウガンダのエンテベで始まった東アフリカのナイル流域5ヶ国によるナイル川の水配分に関する深刻な論議は、協定調印後も悪化の一途をたどりそうです。

ナイル上流域諸国がより公正な取り決めを求めて新たな法の枠組みを構築するとした協定に対し、中・下流域に属するエジプトとスーダンは強硬に反発。会合に欠席しました。両国はナイル川の水利用に関する歴史的権利の擁護を訴えつづけています。

【5月18日 AFP】ルワンダ、エチオピア、ウガンダ、タンザニアのアフリカ4か国は14日、ウガンダのエンテベで、ナイル川流域国の公平な水利用を目指す新協定「ナイル流域協力枠組み協定」に署名した。

ナイル川上流の諸国は、下流のエジプト、スーダンと協議して、かんがい施設や水力発電所の建設ができるようにしたい意向だが、利用可能水量の減少を恐れ新協定に反対している下流のエジプトとスーダンは会合に欠席した。
エジプトとスーダンが1959年、ナイル川の水の90%以上を両国で利用することで合意していた。新協定は、流域国は他国に悪影響を与えない範囲で自由に水を使
えると定めている。
ケニアは署名はしなかったが新条約を支持する声明を出した。ブルンジとコンゴ民主共和国(旧ザイール)は会合に出席しなかった。


【5月20日 AFP】エジプトとスーダンは、上流7か国がかんがい施設や水力発電所を建設した場合、自国への水供給が大幅に削減されるとして、新協定に反対している。エジプト政府は、「新協定には法的拘束力がなく、自国の水の取り分が減らされるいかなる協定も拒否する」と表明している。

署名に臨んだケニアのチャリティ・ヌギル(Charity Ngilu)水利相は、「(署名を拒否する)2か国は、協定の導入を妨げることはできない」と強気の姿勢を見せた。

⇒エジプトなど、「ナイルの利水権を守るためなら一戦も辞さない」という覚悟を持っていると聞きます。他の国も同じでしょう。

国の維持発展には水が不可欠です。生き物が生きるためもそうですし、工業生産にも水は不可欠な存在です。21世紀が資源戦争の時代になるという人がいますが、資源のなかに水が含まれていることを知る日本人は意外に少ないと思います。わが国は世界でも希な「意識せずとも水が手に入る、世界一水に恵まれた国」だからでしょう。

さてわが国ですが、
水を守るには山を守ることが先決です。山を守るには森を守ることが不可欠です。これらは国力維持・増強の根っ子にあたる国策の柱と思いますね。
ほったらかしにしておくと、天与の水も自国から他国に渡り、いつか枯れてしまうでしょう。


(おき軍事情報部)

●  高志さんのコラム 「国民年金の花柳な生活」
■2010/06/19 (土) うそ

《民主党の参院選マニフェストで、高速道路無料化の記述が昨年の衆院選時から変わったことについて、前原誠司国土交通相は18日の閣議後会見で「修正されたとは思っていない」との認識を示した。・・・・衆院選マニフェストでは「高速道路を原則無料化し、地域経済の活性化を図る」とし、所要財源を1.3兆円と明記。今年度から段階的に無料化し、12年度には完全実施する「工程表」も盛り込んでいた。(朝日)》

公約は守られないものだとは言え、こうも簡単に破られてしまうと真面に相手をするのが嫌になる。これだけではない。他にもウソは一杯吐いている。不意に昔流行った「ウソ」と言う唄を思い出して私は一人苦笑した。
「エプロン姿がよく似合う。爪も染めずに居てくれ」と男は「女があとから泣けるような」言葉で女心を揺するのだ。

  『折れた煙草の吸いがらで/ あなたの嘘がわかるのよ
   誰かいい女できたのね/ できたのね』

山口洋子さん作詞の「うそ」は遠い昔を思い出させてくれる。政治には全く関係ないが、週末の夜、一寸、脱線する事にした。

テレビ屋の駆け出しの頃、私のサービスエリアには祇園とその周辺が含まれており、中でも宮川町と先斗町・木屋町界隈は度々行った懐かしい場所だ。ただ、私が行ったのは明るい日中で、夜働くこの街は眠っていた。元は遊郭だったという宮川町も、その頃はお茶屋さんの並ぶ静かな佇まいの町になっていた。

現在はこの周辺が撮影スポットとかでアマチュアカメラマンがウロウロしているという。先斗町や木屋町も同様で、私は昼間の情景しか知らない。そこで働く女性の多くは、程近い烏丸御池から丸太町へかけての古い町家の一部屋を借りて住んでいる人が多かった。

京都で働く様になった時、真っ先に教えられたのは、「丸竹夷二押御池姉三六角蛸錦四綾仏高松万五条(以下略)」という符丁の様な歌である。東西の通りの頭文字を繋いだもので、「丸」は丸太町、「竹」は竹屋町を表す。これに南北の通りを加えると、後は簡単だ。例えば「四条河原町」といえば二つの通りが交差する1点しかない。そこから北へ「上る」か南へ「下る」か、東へ「入る」か、西へ(入る)何軒目と言えば忽ち場所は特定されるのだ。

今はそうも行かない面もある様だが、当時は、京都市内の住所は行政の定めた「○町○番地」ではなく「○○通り上る××通り東入る3軒目」などという、丁髷時代から続く言い方が普通に使われていた。これなら地図がなくても目的の場所は簡単に分かるのである。

夜の蝶は朝が遅い。昼過ぎに訪問しても、未だ寝巻きにガウンを引っ掛けた姿で、頭には赤いボビンを一杯つけて出て来るので、よくもまあ、こんな女に釣られるバカが居るもんだと思っていたが、ある時、訪問すると見た事もない美人が現れたので、危うく「部屋を間違えました」と言いそうになった。変装の術は素晴しいものだった。

女性たちは大抵大きな本箱を持っていて、中には難しい専門書が並んでいる。
大学生より蔵書の多い人も居たくらいだ。経済学が多かったが、時には電気関係の専門書を持っている人もあった。飾り物ではなく、客と話を合わす為に何でも広く浅く勉強するのである。

そういう女性の部屋に何時の間にか男が同居している事があった。「同棲時代」が歌や演劇になり、学生たちのトレンドとなるのは14~5年後の事で、当時は同棲生活は秘め事である。その所為か同じ様に見えても「新婚生活」とは雰囲気が違っていた。女性の「献身」度を比較すると普通の嫁はんなどは足元にも及ばない。

どういう事情か知らないが女が男のご機嫌を取っているという感じだ。反対にほっそりした美男で女に尽くす男がいた。昼間テレビを修理に行くと男が出て来る。男は仕事はしない。夕方、女を職場へ送り、深夜、迎えに行く。仕事といえばそれが仕事である。何となく頼りなくて母性本能をかき立てるのである。これが「ひも」で一見「楽」そうに見えるが、決してそうではない。イザという時は身体を張って女を護らなければならないからである。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20100619

■2010/06/18 (金) 賭博

未だ学生だった頃、大相撲の一行と同じ車両に乗り合わせた事がある。帰省の為に乗った列車は昼間の鈍行だった。学生は金はないが暇はあるので、特急や急行には乗らず、何時も昼間の鈍行を利用していた。鈍行なら座席は空いているからである。しかし、その日は様子が違っていた。巡業の途中らしい大相撲の一行が乗っていたのだ。

もう正月も間近の12月だというのに彼等は浴衣1枚という姿だった。相撲の世界は厳しい階級制度である。その地位によって服装も定められている。足袋を穿けるのは幕下からだが、見ると皆裸足だった。髷をつけているから序の口ではないだろう。序2段か3段目か、俗に言う「褌担ぎ」である。関取衆に先駆けて巡業地に赴き興行の準備をするのだ。彼等の年令は17、8才だろうか。

普段は縁のない連中との道行きで、先ず、驚いたのは彼らの旺盛な食欲だった。
駅弁を10個買ったので皆に分けるのかと思っていると、一人で食べている。
別の一人がアンパンを50個買って食べる姿を見た時は大食いの私もシャッポを脱いだ。相撲取りの世界は一般社会とはかなり違うのである。その違いを理解しないと、事態はあらぬ方向へ行ってしまう。だから、昔は相撲取りのおかみさんになる人は玄人の女性と決まっていた。素人のお嬢さんでは勤まらない世界なのだ。

だが、この世界も最近は変わって来た。若い女性が支度部屋へどっと押し寄せ、本来は覗く事の出来ない奥の部屋で力士がマワシを着けるところを観察したりする。おかみさんになる娘もスチュワーデスやアナウンサーがいる時代だ。しかし、大相撲は学生や実業団の相撲部員とは全く違うのである。それを一般社会と同じレベルで見てしまうから、ややこしくなるのだ。
 
相撲の世界には昔から、「飲む」「打つ」「買う」が常識として存在している。
「飲む」のは酒。いくら飲んでも良い。『そんなに飲むと糖尿病になりますよ』などと言う者はアッチへ行け。「打つ」のは博打。オイチョカブから始まって野球賭博まで。買うのは「春」です。どちらも見つかると具合悪いけれど、見つからなかったら、まあ良い・・・となる。許されないのは「盗み」で、これを遣ると追放される。

基本的にその辺を頭に入れて、今度の大騒ぎを見て頂きたい。女性を土俵に上がらせないのは差別だと言った女性知事がいたが、こんな手合いが多くなった事も問題を複雑にしている。

教育ママが現れてから余計面倒になった。良い子ばかり集めているから外人力士に勝てないのだ。突き詰めるとここにも戦後教育の欠陥が影を落としている。博打好きもある意味で生まれつきだ。賭け好きな奴は何でも賭ける。

日頃、自分自身が丁半どちらかの(白星か黒星かどちらかの)生活をしているだけに相撲取りには博打好きが多い様だ。大獄親方の現役時代(貴闘力)は博打大好き人間で度々週刊誌の話題になっていた。金銭的には実家が金持ちなので困らなかった。ただ、そのままピリオドを打つ事なく、するすると親方になってしまったところに問題があった。

「賭博」とは偶然の勝負に関し金銭・品物を賭けて争う遊戯である。「刑法」では
《第185条 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
第186条 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。》となっている。

野球賭博と聞くと何故かユニヴァーサル映画『スティング』が浮かんで来た。
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの。尤も、あれは野球ではなく、競馬だったが。
ヤクザとの付き合いにはまた別の問題がある。地方巡業を遣ると、勧進元にヤクザ絡みが少なくない。それが縁となり、付き合いが続く例は多い。かつては美空ひばりと某組長の問題もあった。付き合いそのものは犯罪でも何でもないのだ。

警視庁は「ヤクザの資金源」を断つ為という「錦の御旗」を持つ。御旗の意義は良く分かるが、分からないのはメディアの論調だ。一体、悪いのは誰なのだ?
野球賭博の親元は誰で、主犯は誰なのか。大騒ぎする前にそれを先ず報道して欲しい。

最近の一連の騒ぎを見ているとあらぬ疑念が涌いて来る。俄かに動き出した文科省は問題の本質を捉えるよりも自分たちの権威をひけらかすのが目的の様にも見える。本来は日本の「相撲道」を護り、育てるべき立場なのだが、逆に潰そうと企んでいる様に思えて来る。

大獄親方が「貴乃花」一派の有力なメンバーである事も気になる所以だ。貴乃花を「改革派」とするならば、改革を望まぬ勢力はこの事態を歓迎するであろう。
相撲協会は大きな利権だからな。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20100618

【「国民年金の花柳な生活」より  http://www5.diary.ne.jp/user/514369/


●  「田母神塾」のご案内
次回の講義は、来週金曜日7月2日です。

最新刊『それでも体罰は必要だ』(*)は、戦後日本というより、明治以降のわが国最大の問題「人づくり、教育」のあるべき方向性を示した見逃せない一冊です。戸塚さんと田母神さんはいずれも「人生かけて人づくりに全力で取り組んできた人」です。だからその人づくり論には読み応え、説得力があります。具体性に富んだ有機的滋養を与えてくれる質量ともにいい内容です。一人でも多くの方に目を通していただきたい一冊です。(*)http://tinyurl.com/25r33n9

090509 20:00スタート
塾長:田母神俊雄さん(元空将[元空軍大将] 前空幕長)
塾生:sayaさん(シンガー)

■講座名:田母神塾
■講義時間:隔週金曜日 2100~2130
■講義場所:スカイパーフェクTV 217チャンネル
■見るには?⇒  http://www.ch-sakura.jp/1012.html
■テキスト:『田母神塾』双葉社  http://tinyurl.com/cf2fd4
■過去の放映分:「So-TV」 http://www.so-tv.jp/

-----------------------------
■ 田母神俊雄公式後援会
⇒ http://www.tamogami.sc/club/
----------------------------
●  編集雑記

▼遼君
ゴルフの全米オープンに出場した石川遼君が、今これを書いている段階で、首位と9打差の7位につけました。

優勝は非常に厳しい状態となり、ひそかに期待していた私としては残念至極ですが、一日で「59」という世界記録を持つ遼くんが実力を出し切ればまだどうなるかはわかりません。
天助を祈りたいと思います。

人事を尽くして天命を待つという言葉がありますが、
遼君には、悔いのない全力発揮を最終日に見せてもらいたいです。

応援しています。

▼幣マガジンへの募金・カンパも受け付けております。m(__)m

(エンリケ)

■国防・軍事・わが自衛隊等に関するご質問などあれば、いつでも
お問い合わせください。⇒
http://okigunnji.com/s/form/
●  おたより
なし
■ 組織論への新たなアプローチ
『空軍創設と組織のイノベーション--旧軍ではなぜ独立できなかったのか--』
  http://tinyurl.com/b7tn68
■ メールマガジン「軍事情報」が製作に協力。
『サムライと日本刀─土方歳三からの言伝て─』
  http://tinyurl.com/mzmruz
メールマガジン「軍事情報」
■ メルマガ紹介
心身の健康と能力開発の世界的研究者 斉藤英治博士のメルマガです。
詳しくは⇒  http://www.mag2.com/m/0000146702.html
一貫して自衛隊を「人」の側面から見つめ、文筆活動を行なってこられた
教育家・荒木肇さんのメルマガです。
詳しくは⇒  http://www.melma.com/backnumber_174026/
090425 に創刊10周年を迎えた北野幸伯さんのメルマガです。
詳しくは⇒ http://www.mag2.com/m/0000012950.html
天皇・皇室をあなたにわかりやすく話し掛けてくれる専門家・斎藤吉久さんの
メルマガです。
詳しくは⇒  http://www.melma.com/backnumber_170937/
シナ庶民の生活・意識の変化を先取りできるOJINさんのメルマガです。
詳しくは⇒  http://www.mag2.com/m/0000074019.html

最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝しています。

◎軍事情報
のバックナンバーはこちら
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html