世界遺産である国立公園のど真ん中に高速道路を建設ししようというのは、許されること?
2010年6月8日発行
JMM [Japan Mail Media] No.587 Tuesday Edition
http://ryumurakami.jmm.co.jp/
supported by ASAHIネット
『マサイマラ・レポート』 第102回
□ 滝田明日香 :家畜獣医(ケニア在住)
■ 『マサイマラ・レポート』 第102回
昨日、やっと荷物をまとめて、陸路でマサイマラに戻って来た。道中、特にハプニングもなく、息子も悪路を6時間以上かけて通って来たのにあまりごねることもなかった。でも、さすがに着いてからは疲れたようで、夜中に4回ほど普段はしない夜泣きで起こされ、半日以上のドライブと寝不足で辛い朝を迎えた。
まず、マサイマラでの一番最初の仕事は、先週追跡犬のメムシが病気だったのでその様子を診に行くことだった。先週の時点で薬は投与されていたので、今日はその治療の続きと血液検査である。前回の血液検査ではバベシア原虫が見られていたので、血液スライドで今週の血液内の原虫の有無をチェックする為である。
その後、追跡犬ユニットのハンドラーを集めて、アメリカでのトレーニングの話や、私が不在の間にあった密猟者逮捕の様子などを報告しあった。8月にやって来るアナの話、そして、リンダ達が来る時までにどのようなトレーニングに力を入れなければいけないかなどを長いこと話し合った。ハンドラーたちが感じている現在の追跡犬ユニットの弱点など、話し合うことで今後のトレーニングの内容を決めるなど、とても為になるミーティングをすることが出来た。追跡犬ユニットの将来をかけた子犬アナが来ることをみんな喜んでいて、追跡犬たちはマラ・トライアングルでの保護活動の励みになっていると言っても過言ではない。
マラ・トライアングル以外のエリアでの私が不在だった期間のニュースは、どれも心が痛くなる暗いものばっかりだった。ナロック州でのクロサイの森のど真ん中で建設されていたロッジは、あれほど国際的なバッシングを受けながらもその建設を終わらせ、お客を取り始めてしまったそうだ。そしてロッジのオーナー会社の親会社であるSOMAK社は、クロサイの森の保護を訴えたワーデン、そして保護団体、さらにその報道をした新聞社を「不当な報道でロッジの収入が減った」という理由で告訴しているそうだ。今、保護団体は裁判にかけられている。アン・ローズさんによる勇気ある署名活動( http://www.thepetitionsite.com/petition/521955429
)は、腐敗された観光業の有様と野生動物保護など何も考えない人たちによって潰されてしまったのである。
そして、毎年ケニアのマサイマラ国立保護区とタンザニアのセレンゲティ国立公園の間のヌーの大群の大移動も、セレンゲッティ横断の高速道路の建設が許可が下りたことで危機に面している。このセレンゲッティ国立公園は、UNESCOによって世界遺産とされた場所である。世界遺産である国立公園のど真ん中に高速道路を建設しようというのは、いったい許されることなのであろうか? 建設は、2012年に開
始予定だそうだ。この活動も署名を求めているので、マサイマラとセレンゲティのヌ
ーの大群を守りたい人はぜひ署名に参加して欲しい。
( http://www.change.org/petitions/view/stop_the_serengeti_highway )
クロサイの森にロッジが建設され、この上、ヌーの大移動のルートのど真ん中に高速が建設(下記リンク先地図を参照)されてしまうなんて、この先マサイマラはいったいどうなってしまうのか・・・?
( http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report21_2059.html
)
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●マサイマラ国立保護区を守る為のキャンペーンや資金集めに協力してくださる団体
があったら、マラコンサーバンシーまで連絡ください。
Mara Conservancy
P O Box 63457
Muthaiga 00619
Nairobi, Kenya
Tel : +254 20 3749 632/6, 3749655/1/4/6/8 Fax : +254 20
3749636/3740754/3740721
Email: mara@triad.co.ke
( http://www.maratriangle.org/
)
●ネットによるマラコンサーバンシーへの寄付先
( http://www.maratriangle.org/donate/
)
●日本の口座が必要な場合は、以下の口座への寄付も可能です。
日本の寄付口座:
「マサイマラ巡回家畜診療プロジェクト」
三菱東京UFJ銀行
大森支店 普通預金
口座番号: 1299787
郵便振替口座:
「マサイマラ巡回家畜診療プロジェクト」
口座番号 00100-0-667889
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滝田明日香(たきたあすか)
1975年神奈川県藤沢市生まれ。ナイロビ大学獣医学部で獣医に。卒業後、マサイマラ国立保護区の回りに住むマサイを対象にした「マサイマラ巡回家畜診療プロジェクト」を立ち上げ、家畜診療以外にも野生動物へのジステンパー感染などを防ぐ為、保護区の外のマサイの犬2700匹にワクチンなどを投与している。著書に『晴れと
きどき、サバンナ』『サバンナの宝箱』(共に幻冬舎)、最新刊に『獣の女医 サバンナを行く』(産経新聞出版)がある。
( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/481911025x/jmm05-22
)
●いろいろな方から集まった募金の合計金額やマラコンサーバンシーからの感謝のレターなどを私のHP( www.asukafrica.com
)に添付しています。
●○○JMMホームページにて、過去のすべてのアーカイブが見られます。○○●
( http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/title21_1.html
)
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お金のために、サイの生息地に
いい加減な報告書で
ホテルを作ってしまうアフリカ。
自分で自分の首をしめていることに
なっているのではないか?
そのホテルのオーナーは、
過去にも自然を保護しないで自分たちの
利益のためだけに動いていると避難された家族。
名前だけ変えて「関係ない会社だ。」と言っている。
官僚の天下り組織と同じだ。
名前だけ変えて、従業員まるごと移動して
お給料をもらっているから、
無駄の排除なんかできやしない。
アフリカの政府は自然を保護する気なんか
まるで無い感じ。
自然保護区のど真ん中の貴重なサイが「生息している土地」に
ホテルを建て、保護区以外にも、ホテルを建てて
何千人もの旅行客が保護区を車で爆走しているのだそうだ。
保護区というより、
お金が入る動物園になっている感じ。
日本人の医者が現地のスタッフと保護区を守っている。
サイの住処をホテルが占領し(たぶん政府にワイロを払った)
ヌーの大移動のルートに高速道路を作る許可を出してしまった
アフリカの国の政治家は
本当に愚か者だと思う。
金が欲しかったんだろうね。