国家指導者が来てくれるのはありがたいが、腹は減った
青海省地震 外国救援隊は不要 死者1700人超 高地、二次災害懸念
4月19日7時56分配信 産経新聞
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中国・青海省の玉樹(写真:産経新聞)
■胡主席が被災地入り
【北京=川越一】中国国営新華社通信によると、青海省を襲った地震は18日、死者が1706人、行方不明者は256人となった。南米歴訪を切り上げて緊急帰国した胡錦濤国家主席は同日、青海省玉樹チベット族自治州に入り、被災者らを見舞った。被災地では不明者の捜索が続いているが、そこには2008年5月の四川大地震の際のような外国の救援隊の姿はない。
[フォト]被災地の住民と握手する胡錦濤国家主席
新華社通信によると、負傷者は1万2100人を超え、そのうち重傷者は約1400人に上っている。同通信は18日、68歳の男性が発生から約100時間ぶりに救出されたと報じた。
地震発生直後から、中国政府には世界数十カ国・組織から見舞いが寄せられ、一部の国からは支援提供の申し出もあった。これに対し、民政省災害救援局の鄒銘局長は15日の記者会見で、「救援隊は基本的に足りている」と述べ、受け入れ辞退を表明した。
現在、被災地で救援活動に当たっているのは5529人の人民解放軍兵士を含む約1万2500人。18日に台湾の医療チーム20人が青海省入りしたほかは、外国の救援隊は被災地に入っていない。被災者のほとんどが少数民族のチベット族で、政治的にも“敏感”な地域への外国人受け入れに中央政府が慎重になっているとの見方もあった。
こうした中、国務院震災救援総指揮部などは17日、緊急を要しない救援隊員やボランティアは被災地に向かわないよう通達を出した。標高約4千メートルの被災地では余震が続いている上、高山病にかかる恐れが高い。さらに最低気温は氷点下。高山病に肺炎を併発すれば命にかかわる危険もある。
事実、現場では他省からの応援部隊を中心に数百人の救援隊員が吐き気や頭痛、めまいなど高山病の症状を訴え、手当てを受けるケースが続出している。
温家宝首相に続き、胡主席も被災地入りしたことは、中央政府がチベット族の被災者らを掌握していることの表れでもある。二次災害の危険がある以上、外国の救援要員受け入れは混乱を招きかねない、との判断が働いたとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100419-00000044-san-int
中国青海省地震 国家主席視察で交通まひ
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2010/04/19 00:45更新
中国青海省地震で18日、被災地の同省玉樹チベット族自治州玉樹県を胡錦濤国家主席が視察に訪れた影響で、複数の道路で車が止まったまま一日中動けなくなるなど、同県の市街地全域で交通がまひした。
厳重警戒で多くの道路が封鎖され、救急車や救援物資の輸送トラックが立ち往生するなどし、救援活動が終日滞った。
同県郊外の空き地で避難生活を送るチベット族の男性(42)の元には、この日も支援物資が届かなかったという。男性は「国家指導者が来てくれるのはありがたいが、腹は減った」とぼやいた。(共同)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/381620/
外国の救助隊拒む中国 民族対立と2次災害懸念
配信元:
2010/04/19 01:20更新新華社電によると、南米歴訪を切り上げて急遽帰国した中国の胡錦濤(こきんとう)国家主席(67)は18日、青海(せいかい)省地震の震源地の青海省玉樹(ぎょくじゅ)チベット族自治州玉樹県に入り、被災者らを見舞った。一昨年にチベット族、昨年はウイグル族の暴動が相次いだだけに、少数民族問題に神経をとがらず中国指導部は、被災地重視をアピールする狙いがあるようだ。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(74)も17日、多数のチベット族が犠牲になった被災地を訪れることを「熱望している」と述べた。
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被災地では17日夜、電気供給が地震から3日半ぶりに再開され、被災者の避難用テントなどに明かりがともった。夜間は氷点下に冷え込む日が続いており、青海省の震災救援指揮部はライフラインの復旧を急いでいる。
対策本部は18日、地震による死者がさらに増えて1706人になったことを明らかにした。中国メディアが伝えた。行方不明者は256人で、死者・不明者の合計は1962人と前日発表より160人以上増え2000人に迫った。負傷者も1万2128人に増加し、うち重傷者は1424人という。
現地入りした胡主席は17日に帰国後、直ちに共産党政治局常務委員会会議を開いて被災地での救助活動と住民の生活支援を強化する方針を打ち出した。
現地では救助活動が続いており、18日午前、被災地の青海省玉樹県結古鎮の倒壊家屋から男性が発生から約100時間ぶりに救助された。現地の報道によると、男性は68歳。診療所に搬送され、手当てを受けているが、意識ははっきりしているという。
■根強い反政府感情
今回の地震の被災地には、2008年5月の四川大地震の際のような外国の救援隊の姿はない。事態の緊急性を考えれば、外国の救援隊を受け入れて当然だが、中国当局は15日の記者会見で、「救援隊は基本的に足りている」と述べ、受け入辞退を表明した。
現在、被災地で救援活動に当たっているのは5529人の人民解放軍兵士を含む約1万2500人で、18日に台湾の医療チーム20人が現地に向かったほかは、外国の救援隊は被災地に入っていない。
援助を辞退する理由の1つとして、中国当局が民族問題をはらむ“敏感”な地域への外国人受け入れに慎重になっている、との見方がある。
被災地の人口の97%がチベット族で、一昨年のラサ暴動以降、周辺では反政府の抗議運動が散発的に発生。「玉樹のチベット族は比較的おとなしく、暴動時も大きな問題は起こさなかった」(住民)というが、潜在的な反政府感情は根強い。政府が震災対応を誤れば、深刻な民族対立が再燃しかねない、との懸念は強いようだ。
■高山病の恐れも
さらに、現地の二次災害の危険性も指摘される。標高約4000メートルの高地では高山病の恐もあり、夜間の気温は氷点下で、高山病に肺炎を併発すれば命に関わる危険もあるからだ。
現場では他地域からの応援部隊を中心に数百人の救援隊員が吐き気や頭痛、めまいなど高山病の症状を訴え、病院で手当を受けるケースが続出しているという。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/381627/