頂門の一針 捕鯨反対の本当の意味(4) 岡崎 溪子
捕鯨反対の本当の意味(4)
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岡崎 溪子
≪堂々と商業捕鯨をするノルウェー≫
外国での捕鯨国の筆頭はノルウェーである。
ノルウェーも捕鯨の歴史が古く、3000年前から続いている。
彼らは堂々と宣言する。「我々はバイキング(海賊)の子孫であり、捕鯨
は我々の歴史そのものである。だから絶対に捕鯨は止めない」
捕獲量はミンククジラを年間約600頭・2500~3000トンである。
日本・ノルウェー・アイスランドをシー・シェパードは「悪の3国」と
非難しているが、もっとも暴力的に攻撃するのは日本だけである。
ノルウェーでは、捕鯨船に海軍の護衛艦を同行させている。
それはノルウェー政府が捕鯨を守っているので、妨害船が近づくと「国
として戦う」ことをはっきりと明示しているのだ。
さすがにテロリストどもも戦争となるとビビってしまうので、ちょいと
こけおどしで威嚇してさっさと逃げる。
シー・シェパードへの解決策はノルウェーのように「妨害船に対しては
即時撃沈して救助せずに帰還する」断乎とした態度を取ること、これに
尽きる。
事実それ以後このテロリストどもはノルウェーに一切絡んでこなくなっ
た。ロシア・アラスカでも軍隊が自国民を守るために戦争も辞さずと出
てくるから行かない。軍隊を持たない日本の悲しさ、またも国際的に見
くびられている。
日本もせめて海上自衛隊の護衛艦を同行させるべきだ。
武力攻撃を受けているのだから海賊対策の国際法を適用すればいい。
ミサイルも魚雷も砲弾も必要なく、軍艦が衝突阻止のために彼らの船の
進路を塞げばそれで終る。ぶつかってきたら相手船が木端微塵になるだ
けで、平和裏に乗組員を守れるのだ。
しかも護衛艦にはちょうどいい実地訓練になる。
そもそも近代捕鯨はノルウェー式の捕鯨を見習うことで大量の捕獲量を
得た。
1868年にノルウェー式捕鯨砲が完成し、ノルウェー式捕鯨が開幕した。
日本では明治維新のときである。
日本の捕鯨は網で絡め、銛(もり)を打ち、弱ってから縛り上げる「網取
り式」であった。
明治32年になると日本も古式漁法をやめてノルウェー式捕鯨にして商業
捕鯨の道を選んだ。
ノルウェーを訪れると日本同様レストランで鯨料理のメニューがある。
オスロで食べた「尾の身」の美味で安いことに驚いた。
2000円で大皿一杯に盛られていて食べきれないほどである。
日本では和歌山県の太地町の旅館で、漁協から買って冷凍されていたも
のを無理を言って食べさせてもらったが、一人前1万円近かった。
日本の経済産業省は2009年2月6日、ノルウェーから5・6トンのミンクク
ジラの肉を輸入することを公式に認めた。 アイスランドも2008年より日
本に輸出を始めている。
≪鯨は増えている≫
ミンククジラは推定100万頭、ナガスクジラ3万5500頭、コクジラ2万6
500頭、ザトウクジラ6万3000頭、ゴンドウクジラ78万頭、マッコウクジ
ラ73万頭である。ミンククジラはサンマやカタクチイワシを食べる。
日本捕鯨協会の報告によればミンククジラの発見位置とサンマ漁場との
関係から競合することが明らかにされた。
サンマ漁場は主に12から13度の水温帯に形成され、ミンククジラもこの
時期にはこの水温帯で多数発見されている。
夏季の太平洋沿岸におけるカタクチイワシやサンマの漁業による水揚量
はそれぞれ16万トン、26万トンであり、同海域におけるミンククジラに
よる消費量はそれぞれ4~5万トン、6~9万トンと試算されており、
漁獲量のそれぞれ30%にも及んでいる。
国際捕鯨委員会(IWC)の規定には先住民生存捕鯨として特別に許可されて
いるものがある。
米国・アラスカエスキモー、ワシントン州マカ族、ロシア・チュクチ先
住民・デンマーク・グリーンランド住民、セント・ビンセント(ベックェ
イ島沿岸)など。
フィリピン、インドネシア、カナダは非加盟国で、捕鯨量は数百トンと
少ない
。
なおIWCはイルカ類などの小型鯨類は対象としていない。
ところがアメリカのアカデミー賞で和歌山の太地町のイルカ漁が隠し撮
りされ、記録映画部門で受賞した。
これに関して「テキサス親父」こと、トニー・マラーノ氏は「日本人が
食料調達の場面を録画してなにか不思議なのか?
アメリカでももちろんテキサスでも牛や豚を殺して食べているからいつ
でも見に来るといい、どこの国でも人間は食料を得ている。日本人だけ
攻撃するのは明らかに人種差別だ」
まことに同感。私の言いたいことをネットでユーモアたっぷりに語って
くれる。トニーさんは日本人の礼儀をわきまえた文化が大好きなのだと
か。トヨタ問題にしてもデータを集めてアメリカ車のほうがはるかにリ
コール数が多いのに、議員が選挙対策に日本車をバッシングするのだと
言い切っている。(つづく)
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調査捕鯨母船が帰港=南極海で妨害受ける
4月12日7時32分配信 時事通信
昨年11月に日本を出発し、南極海で調査捕鯨を行っていた日本船団の母船「日新丸」が12日午前、東京港の大井水産ふ頭に帰港した。日新丸は今年に入って数度にわたり、米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の妨害船からレーザー光線を照射されたり、酪酸とみられる液体入りの瓶を投げ付けられたりした。東京海上保安部は乗組員から事情聴取し、船体の状況を調べる。
今季活動した調査捕鯨船団は、不法侵入したSSの小型高速船船長を乗せて3月に帰港した「第2昭南丸」を含め、これで全5隻が日本に戻った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100412-00000020-jij-soci