中国の河川で二十一人の死体を発見。病院が投棄? | 日本のお姉さん

中国の河川で二十一人の死体を発見。病院が投棄?

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010年)3月31日(水曜日)
        通巻2925号 
  
 中国の河川で二十一人の死体を発見。病院が投棄?
  大半は胎児、女性が多いと判別され妊娠中絶のあとの処理と推定
************************


 「医療廃棄物」とかかれ黄色のプラスチック袋に包まれた死体が二十一個、河に投棄されていた。新華社が写真入りで伝えた。なかには生後七ヶ月ほどの赤ちゃんの死体もふくまれていた。

 プラスチック袋には名前、生年月日、体重などのタッグが付いており、『医療廃棄物』を河川に捨てる行為は、中国でも違法、非難の声があがった。
 そのタッグから済寧医療センターらしきことがわかり、捜査班が赴くと、「いくつかのタッグはうちのものだが」と関係者も絶句。
http://english.aljazeera.net/news/asia-pacific/2010/03/201033014914998755.html
 (写真は上サイト ↑)

 廃棄物業者に処理をまかせたら、河に捨てていたというのが真相らしい。

 現場は山東省済寧市。西は河南省、南は江蘇省、徐州の北北西140キロほどの場所で、一帯は魯運河など無数の運河が東西南北を縦横無尽に貫通しつつ、市の南に位置する巨大な湖=南陽湖に注ぎ込む。
発見現場はグアンフ(音訳不明。関湖か?)。

 発見された遺体は二十一個だが、河の泥に埋まった「医療廃棄物」はまだまだ出てくるだろうと言われている。これが中国の現実である。
 新生児の男女比率は男119vs女100.これに一人っ子政策がからむから、この種の悲劇が繰り返される。

 筆者はこの報道に接したおり、三十年ほど前に中国から台湾に亡命した医者の話を思いだした。
文革当時、病院の裏庭には死体が山のように積まれて凍結しており、それをまとめるとトラックで山に捨てに行った。

人工中絶の病院では裏に赤ちゃんの死体が山と積まれていて、ある程度たまるとガソリンをかけて燃やした。
住民はみな、そのことを知っていた云々(詳細は拙著『中国の悲劇』、1984年、山手書房)。
  ◎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(読者の声1)中国が二年前の毒餃子事件の犯人は中国人だったと認めたアヤの中には、日本のフランケン面相の某外務大臣とその実家である中国に進出している某小売チェーンへのアメ玉が含まれているのではありませんか。
 その某小売チェーンは長年、某総合商社とトップ経営幹部同士が互いの本社で定期的に全体会議を催して、国内での郊外複合店舗の用地取得・建設からPBをはじめとする商品の開発・原材料の輸入調達などまで幅広く密接に共動した「実績」もあります。
 その某総合商社は中国政界に深く食い込み、一例を挙げれば上海オフィスは当時、上海市長だった黄菊筋から得た浦東の特別地区の土地に建てた瀟洒な自社ビルです。
 そこに日本の取引先を招待して中国進出を促せば、相手はその商社の実力を実見して目を眩まされイチコロとなる仕掛けです。その商社の中国市場への執着ぶりの一端は、中国食品の実態をマスコミで展開した社員に即座に詰め腹を切らせたことからもうかがえます。
 民主党政権下、国内市場がますます逼塞してゆく中、ナイーブな民間企業は国益を忘れた政治家や浮利を追う商社などに先導されて次から次に中国に取り込まれてゆくのではないでしょうか。
  (有楽生)

(宮崎正弘のコメント)カネのためには首相は靖国神社へ行くなと平然という財界人。渋沢栄一や岩崎弥太郎らの心意気や何処?

  ♪
(読者の声2)中国毒餃子事件の突然の解決は「読者の声1」(貴誌2924号)の御指摘の通りだろうと推量する。
レームダックの鳩山総理の退陣前に早く決着をつけておこうとの中国政府の魂胆見え見えである。裏切り、騙し合い、何でもありの群雄割拠の山賊の国、4000年の歴史の悪知恵の国、内戦を続けてきた中国の歴史を思えば、いつでも引っ張り出せるシナリオが満載だろう。
謀略に基づくシナリオライターはごろごろいるのだろう。
自分自身の疑惑にはしどろもどろで返答もできない鳩山総理が、中国の一方的な報告に早くも「感謝する」などと軽薄なコメントを出した。
山賊集団=中国を前にして手も足もでない小鳩内閣、辞職前の訪中だけは阻止せねばならぬ。金持ちのバカほど度し難い人間はいない。放置すれば、日本の歴史に取り返しの付かない禍根を残すことになる。
過去に鳩山ほどの馬鹿はいなかった。日本民族の恥だ。
「先人の偉業やこいし大和魂」。
野党「自民党」は、憲政史上最悪の総理大臣・鳩山に中国訪問の時間を与えてはならない。
  (一読者)

(宮崎正弘のコメント)毒餃子犯人逮捕。昨日から早朝にかけて何本かの週刊誌のインタビューに追われました。日本中が強い関心を持っている事件だということを改めて感得しました。

  ♪
(読者の声3)30日の時事通信の記事で「中国で麻薬密輸罪で死刑判決が確定した日本人男性(死刑囚)に対し、中国当局が近く死刑を執行すると通告してきた」
とありました。
これは「日本が騒ぐから、毒餃子の犯人を2年もかけて探してやったんだぞ。感謝するのが当たり前だ。死刑執行してほしくなかったら、、、、。」と切り出し、あれやこれやと厚かましく要求を突き付けるつもりなのでしょうか。
それとも「対アメリカのように、大人しく中国の言う事を聞かないと、こういう事(死刑執行)になるぞ、わかったか。」という太々しいメッセージなのでしょうか。
何もかもが疑わしい中国の今回の企み(真意)は、一体何なのか?と薄気味悪いです。
 (IK子、神奈川県)


(宮崎正弘のコメント)麻薬犯罪に死刑執行はシンガポールなどもそうですから、とくに問題はないというのが中国の考え方。その「日本人」とて純粋日本人だとすればやくざ、所謂「日本籍」とすれば日本に帰化した中国人かもしれない。
 毎年五千人から八千人を死刑に処し、銃殺の弾代金を遺族に請求し、死骸はすぐに救急車で運んで臓器を取り出し、手術を待つ人に売りつける。待っているなかには日本人も相当数いると聞きます。効率よいビジネスでもあります。国家権力がからんでの大々的商売です。
 ともかく日本人と基本の感性が違うんですね。シナ人は。拙編『シナ人とは何か』(展転社、宮崎正弘&内田良平研究会編集)をご参照いただければ幸いです。

  ♪
(読者の声5)ワシントン条約会議でクロマグロ禁輸否決を勝ち取り、日本のロビー活動も捨てたものじゃないなあと感心していました。
実際、水産庁は国際的な場での交渉能力に長けている省庁という話を耳にしました。また外務省の役人よりもやり手らしいとも。
 しかしマスコミの論調では、実は中国にお願いしてリビアをはじめアフリカ、中東諸国の票まとめをしてもらったお陰、中国様様という風です。
 貴誌を拝読する限りでは、中国はアフリカにおいても嫌われ者になりつつあるという印象が強いのですが、政治的にはアフリカで親分のように取りまとめられる立場にあるのでしょうか?
  (TM生)


(宮崎正弘のコメント)中国にお願いしたわけではなく、中国は鮪が駄目になると次はフカヒレ、もし日本が敗退すれば次の標的として中国の権益が脅かされるとわかり、突如、恩着せがましく日本の応援をしただけ。
 さて中国はアフリカの「庶民」に嫌われていますが。しかしアフリカ各地では「高級官僚」と政権のトップから好かれています。ゲンナマと特権。その独裁的体制を守るための武器を呉れるんですから。石油やガスや、レアメタルの権利を中国にくれてやっても、いいんですよ。
 つまり図式的にはアフリカ国民は、腐敗した政府を恨み、その政権を背後で操るチャイナを恨むということになります。
 アフリカ56ヶ国中、例外的な民主国家で中国からの賄賂を貰って裁判となっているのは南アとナミビアくらいでしょう。

     ◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@


  ――そうです、党の団結は党の死活問題なんです
         『増強党的団結』(浦江紅 上海人民出版社 1974年)



この本は、「マルクス主義を実践しブルジョワ階級と一切の搾取階級を完膚なきまでに叩きのめし潰滅させ、プロレタリア階級独裁によってブルジョワ階級の独裁を退場させ、社会主義によって資本主義に勝利し、究極的に共産主義の理想を実現させるためには、我われ共産党人は、なによりも団結を革命的に強化しなければならない」と、断固たる決意をもって書き出されている。

なんとも大時代といって笑い飛ばすこともできそうだが、冒頭の数行からある種の矜持と使命感を痛感してしまう。それがナンセンスであったとしても。

21世紀初頭の現在、はたして何人の「我われ共産党人」が四半世紀ほど昔の「我われ共産党人」が抱いていた緊張感と誇りを・・・どう考えても、共有しているわけがない。

党の団結を断固として堅持することは偉大なる革命の導き手の一貫した教えであり、正確な政治路線を進む重要な足場であり、革命を勝利に導く最も基本的な条件である。
だが、団結はマルクス・レーニン主義と毛沢東思想を基礎にした団結でなければならない。というのも、マルクス・レーニン主義と毛沢東思想が党にとっての団結の思想的基礎でなければならないからだ。

民主集中制は組織の団結を保証するものであり、毛主席を頭に戴く党中央こそが、全党団結の核心なのだ。

正しい党内闘争は党の団結を強化するためには通過しなければならない根本的な道であり、そのためには闘争の哲学を堅持し、「誰が我われの敵であり、誰が我われの友なのか。この問題は革命の主要な問題である」との毛沢東の主張が示しているように、敵と味方の2種の矛盾を明確に分別し、“団結⇒批判⇒団結“の基本方針を貫徹しなければならない。

かくして共産党員こそが団結の確固たる模範となり、敢えて時代の潮流に立ち向かう革命精神、「五湖四海(ちきゅう)」のように広く懐深い心、公明正大で高貴溢れる品格、謙虚で謹慎な優れた作風を持たなければならない。

以上を要するに、「我われ共産党人」はマルクス・レーニン主義と毛沢東思想とを血肉化(嗚呼、なんとも懐かしく青臭い表現だろうか)し、《共産主義的聖人君子》になることによって党の団結は確保され、革命が成就できる――ということだろう。じつに抽象的で回りくどい言い回しだが、直裁に表現するなら、個人的感情を完全に捨て革命のためのマシーンになることが「我われ共産党人」に求められているということだろう。

この本は、「我われの党員のなかには組織上は入党してはいるが思想上は必ずしも入党しているわけではなく、甚だしい場合は完全に入党してはいない者がいる。この種の思想の上から入党していない党員の頭の中には搾取階級の穢れが多くあり、その世界観は依然としてブルジョワ階級のそれだ。やはり彼らの頭の中には主観主義、セクト主義、さらには正しくない考えが詰まっている。

これこそが党の団結に危害を及ぼさないわけがない」と率直に危機感を吐露している。それだけに、この本は崩れ行く四人組主導の共産党にとっての断末魔の叫びだったようにも思えてくる。

あの超過激な政治の時代ですらこうだ。ならば現在は「完全に入党してはいない」党員も少なくないことだろう。にもかかわらず共産党は崩壊せず、党員は増加の一途。「完全に入党してはいな」くても、入党さえしていれば美味しい汁を味わえるからですよネ。
《QED》

(ひいずみ・かつお氏は愛知県立大学教授。京劇、華僑研究の第一人者)
 ◎△
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の最新刊!
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社、1575円)
<ロシア、中国、北朝鮮 猛毒国家に囲まれて日本はいかに生き延びる?『教養』『情念』『超越性への感覚』が日本を救う>
http://www.amazon.co.jp/dp/475931122X/

 はやくも増刷! 売り切れ店があります!
 宮崎正弘・佐藤優共著『猛毒国家に囲まれた日本』海流社
 << 佐藤優「まえがき」から抜粋 >>

 「国家には、生き残り本能がある。去年(2009年)8月30日の衆議院議員選挙(総選挙)で民主党が308議席を獲得して、政権交代が実現したことも、日本国家の生き残り本能によるものだ。
 マスコミは、総選挙で民主党が圧勝したと報じたが、これは間違いだ。自民党が自壊しただけのことだ。2001年4月の自民党総裁選挙で、小泉純一郎氏は、「自民党が変わらないならば、自民党をぶっ壊す」という公約を掲げ、当選し、自民党総裁兼内閣総理大臣に就任した。自民党は変わらなかった。それに加え、新自由主義という猛毒を「改革」という名で導入してしまった。その結果、富裕層と貧困層の格差がかつてなく開いてしまった。日本の総中流社会は、崩壊しかけている。競争に敗れ、底辺に転落してしまうと、自力で這い上がることができない状態になってしまった。都市と地方の格差も開いてしまった。地方で生まれた人々は、教育や就職で不利な状況に置かれている。

 問題は、経済面だけではない。新自由主義が浸透したことによって、一人一人がばらばらに分断されてしまった。そして、同胞意識が稀薄になった。北朝鮮による日本人拉致に関しても、国民的関心が低くなっている。拉致問題は、日本人の人権に対する侵害であるとともに、日本国家の主権を北朝鮮政府の工作員が侵した複合事案だ。国権と人権に対する侵害を回復できない国家は、まともな国家ではない。
 北方領土交渉もまったく進捗していない。それどころか、法的にはわが国の領海である北方領土周辺において、日本漁船が銃撃される例が後を絶たない。(中略)

 日本は、中国、北朝鮮、韓国、ロシアという、実に面倒な諸国に囲まれている。もっとも世界のどの国を見ても、隣の国との関係は、常に難しいのだ。しかし、東西冷戦の時代、このような隣国との関係の難しさを日本人はあまり自覚しないで済んだ。日本がアメリカの傘の下に入っていたからだ。しかしそのような甘えはもはや通じない。今年2月に突然始まったトヨタ・バッシングで明らかなように、アメリカも自国の国益を第一義的に追求しているのだ。
 検察が民主党の小沢一郎幹事長に「戦争」を仕掛けた後遺症で、日本の政治エリートの関心が極端に内向きになっている。検察・小沢戦争は、「誰が日本国家を支配するか」を巡って展開されている官僚と政治家の権力闘争に過ぎない。こんなつまらない諍いを起こしている間に、日本の国際的地位が低下していく。

 このような情況を変化させ、日本の国家体制を少しでも強化させ、猛毒国家と対抗できる力をわれわれがつけなくてはならない。私は宮崎正弘氏をとても尊敬している。それは、宮崎氏が、私の言葉では親日保守で右翼、宮崎氏の言葉では真性保守だからだ。宮崎氏は中国事情に関する第一人者だ。日本人のみならず、中国人が、中国情勢に関する情報や分析について宮崎氏に尋ねる。私の外交官としての仕事は、ほとんどロシア絡みだった。いまでもときどきロシア人から、クレムリン(露大統領府)の権力闘争についての見方や、ロシアの国家戦略について意見を求められることがある。こういう質問をしてくるロシア人に、「なぜ現役を退いている僕の意見を求めるのか」と尋ねたら、「政争に絡む利害関係がなく、熱い政局から距離がある外国人の方が、政治の流れを正確にとらえることができる」という返事がかえってきた。

 この対談で、宮崎氏は主に中国について、私は主にロシアについて、特定の勢力に肩入れをすることもなく、また、日本にとって都合がよい希望的観測も入れずに、突き放して、冷静に分析することを試みた。宮崎氏と話していると、外務省国際情報局の主任分析官として、諸外国インテリジェンス機関の分析専門家と共同作業をしていたときのことを思い出した。

 猛毒国家に対抗して、日本国家と日本人が生き残っていくためには、われわれが強力な解毒剤をもつ必要がある。この解毒剤は、思想の力によってのみつけることができる。南北朝時代に南朝の忠臣であった北畠親房は、『神皇正統記』の冒頭で、われわれの思想の神髄を「大日本者神国也(おおやまとはかみのくになり)」という一文で表現した。神の国である日本にたくわえられてきた叡智によって、現在の国難を乗り切るのだ。まず、中国、ロシア、北朝鮮という危険国家に囲まれている現実を直視することだ」。
 ♪
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社、1575円)
http://www.amazon.co.jp/dp/475931122X/

~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘新刊 
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
宮崎正弘 v 西部邁
『日米安保、五十年』(海竜社、1680円) 増刷出来!
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
<宮崎正弘のロングセラーズ>
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
  ◎宮崎正弘のホームページ 
http://miyazaki.xii.jp/
(C)有)宮崎正弘事務所 2001-2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。