反捕鯨と同様、環境団体はクロマグロを寄付金集めの象徴にしようと動いた
クロマグロ禁輸案否決 漁業者の視点が共感呼ぶ
配信元:2010/03/19 01:38
【ロンドン=木村正人】日本が土壇場で巻き返しに成功した理由としては、漁業資源は国際漁業管理機関で管理すべきだ-という日本の主張が、途上国や漁業国を中心に支持を広げたことが指摘されている。
1982~90年に同条約事務局長を務め、象牙取引をめぐり環境団体と衝突したことがあるユージン・ラポワント氏は「日本は感情的にならず、漁業資源の持続的利用を訴える良い声明を出した」と、正論を唱えた日本を称賛した。
記事本文の続き 日本は外交ルートで中国や韓国の支持を取り付ける一方、水産庁の町田勝弘長官ら約30人の代表団をドーハに派遣、国際捕鯨委員会(IWC)で捕鯨を支持する三十数カ国に協力を要請。太平洋の島嶼(とうしよ)国、アジア、アフリカの途上国に支持を広げた。
反捕鯨と同様、環境団体はクロマグロを寄付金集めの象徴にしようと動いたが、漁業で生計を立てる人々の視点の大切さを訴えた日本の主張が漁業国の共感を呼んだといえる。
その一方で大西洋・地中海産クロマグロの漁獲制限に取り組む上で、世界のクロマグロの7~8割を消費する日本の責任は限りなく重くなった。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/370405/
クロマグロ禁輸否決 日本の巻き返し奏功 予想上回る大差
3月19日7時56分配信 産経新聞
モナコと連携してクロマグロ保護キャンペーンを展開してきた環境保護団体、グリーンピース・インターナショナル(本部・オランダ)のスポークスマン、オリバー・ノールズ氏は18日、ドーハの会議場で採決の推移を見守った。
欧州連合(EU)修正案に続いてモナコ提案が否決されたことに「乱獲を防ぐための取引禁止案は否決された。失望している。この会議ではこれ以上打つ手がない」と敗北を認めた。
同条約の付属書改定を議論する第1委員会ではこの日、提案国モナコが「地中海のクロマグロは絶滅の危機に瀕(ひん)している。同条約を適用して国際商業取引を禁止するのが最後の手段」と趣旨を説明。日本は「同条約の枠組みでの規制は適切ではない」と反対の立場を訴えた。
EUは12日の閣僚理事会でモナコ提案への支持を正式採択。クロマグロを畜養する地中海沿岸国に配慮して、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が11月までに発表する評価報告と、来年5月までに行われる同条約常設委員会の勧告を待って最終判断するとの条件を付けた。しかし、いったん取引禁止になると再開は事実上不可能なため、EU加盟国のマルタとポルトガルが会議開幕後に、EUの全体方針の再考を求めるなどEUの結束にもほころびが見え始めていた。
ブッシュ前米政権とは異なり気候変動に積極的に取り組むなど環境問題を重視するオバマ米政権は、ICCATの漁獲制限は不十分としてモナコ提案の支持を表明していたが、18日までに代表団全員がそろわず、多数派工作を展開する十分な態勢を築けなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100319-00000068-san-bus_all