常識的におかしいことをやってきたのだから。
資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、不起訴処分となった民主党の小沢一郎幹事長。ただ、「政治とカネ」をめぐる国民不信は根強く、小沢幹事長の責任問題も浮上している。「いま辞めてはいけない」とするジャーナリストの大谷昭宏さんに対し、民主党の村越祐民衆院議員は「政治的、道義的責任がある」と、あくまで議員辞職を求めている。(磨井慎吾)
◇
≪村越祐民氏≫
■道義的責任取り議員辞職を
--小沢幹事長への議員辞職勧告は党内外で反響が大きかったが、意見に変わりはないか
「当然、今でも辞めるべきだと思っている。政権交代が実現して、国民の民主党政権に対する大きな期待を最初の予算として具現化する大切なときに、この議論に長い時間を割いて、有権者を失望させてしまった責任は大きい。法的には不起訴でも、政治的、道義的責任がある」
〇常識的におかしなこと
--「国策捜査」など検察の姿勢に批判もある
「そもそも検察に疑われるようなことをするのが間違っている。不動産をいっぱい持つとか、ゼネコンからたくさん金を集めるとか、寮を建てて秘書を住まわせるとか、常識的におかしなことをやっていたわけだから。その当事者が、捜査手法に問題があるとか陰謀だとか言い出しても何の説得力もない。だから結局、党VS.検察という話にすりかえた」
--検察の不起訴判断は
「非常に中途半端な形で捜査が終わった印象だ。報復人事が怖くて日和見したということであればよくない。多くの国民はやはり問題があると思っているし、その証拠に世論調査では大多数の国民が(小沢氏は)辞めるべきだと答えている。検察の責任は重い」
〇一番の問題点は党運営
--「今の民主党は北朝鮮」と、党の空気を批判している
「私は“制度としての小沢一郎”ということをずっと言っている。金銭問題はもちろんだが、小沢さんの一番の問題点は、党運営にある。1年生議員の取り扱いが典型的だが、政府に入っていない与党議員の活動を幹事長室が規制している。各議員はそれぞれ追究したい課題を持っているのに、それを封じ込めて、ただ党が決めたことに賛成する要員として扱うやり方を変えなければならない。自由闊達(かったつ)な発言の場を設けて、民主党らしい運営にしなくては」
--「政治とカネ」問題への処方箋(せん)は
「結果的に秘書がやったことだと言っている形だが、起訴された石川知裕議員らが扱っていたのはあくまで小沢さんの資金管理団体の収支報告書であり、当事者はあくまで小沢さんだ。そこに責任が及ばないのでは、やはり国民の理解は得られない。責任はあくまで秘書ではなく、政治家本人にあるのだと改めなければならない」
--この問題の影響は
「端的に、長崎(県知事選)と町田(市長選)の結果に出ていると思う。致命的な事態になりつつある」
--夏の参院選はどうか
「厳しいと思う。このままだと参院で過半数を取るという目標は達成困難ではないか。党のため、ひいては日本国のためにも、小沢さんが身を引くことが必要だ」
◇
≪大谷昭宏氏≫
■「信頼に足る立法府」を作れ
●捜査は間違えている
--不起訴判断をどう思うか
「この捜査は間違えていると当初からずっと言い続けてきた。それを小沢さん擁護だと短絡されるのは困る。こんな話で辞めさせるのはおかしいということだ。検察OBでも、これは無理筋だと言っていた人がかなりいる。検察は本来、贈収賄で立件したかったのだろうが、“筋悪(すじわる)”だった。お金には“前足(まえあし)”と“後足(あとあし)”があり、まずお金の変な動きから捕まえて、その流れをつきとめていくという“前足”でやるのが(贈収賄捜査の)筋だ。だが今回は、何だかよく分からないお金があるというところから始めて、きっとその中に水谷建設の金があるのだろうと、“後足”から無理にやった」
--各紙の世論調査でも幹事長続投に批判的な意見が大勢だが
「不起訴ということは、人を立件するだけの証拠がそろっていないわけだ。それなのに、メディアがまだ説明責任があるとか言うのはおかしい。昨年から裁判員制度が始まって、起訴されて裁判にかかった人でも、有罪の予断を与えるような報道は極力慎重にしなければならないと裁判所と合意したばかりだ。それを起訴にもなっていない人に、怪しいというだけでメディアが責任を問うのでは、この裁判員制度を根底から崩す有罪視報道がまかり通ることになる」
●政争に巻き込まれた
--今回の捜査の最大の問題は
「かつての検察には、政争に巻き込まれない、選挙に影響を与えないという不文律があった。今回一番情けないのは、日本の検察が発展途上国並みになったことだ。そうした国では政変のたびに、司法が自分たちの思惑で政治に手を突っ込む。中立性という点で、日本の法曹界は立法や行政よりも国民の信頼があったが、これだけ検察批判が出たのは初めてだ。信頼回復には長い時間がかかるだろう」
--司法はどう変わるべきか
「日本の権力構造の中で一番おかしいのが検察庁の立ち位置だ。検察が法務省という行政機構の一機関として存在する制度的問題が、行政と司法の間のあいまいさを生み、検察の独立性が疑われる事態を生んでいる。マスコミも検察べったりになり、検証能力を失ってしまった。だから国権の最高機関である立法府が、中立公正な検察を立て直さなければならない。ここで政権政党の幹事長が辞めて、腐った検察を認める結果になってはいけない」
--立法側の問題点は
「今なすべきは、企業・団体献金の禁止など政治とカネの問題を与野党で真剣に議論することだ。これをやらないと、また検察が介入してくる原因を作る。検察捜査に引っかき回されない、国民の信頼に足る立法府を作らなければならない。小沢さん、辞めないのならあなたがそれを作りなさい」
◇
【プロフィル】村越祐民
むらこし・ひろたみ 民主党衆院議員。昭和49(1974)年、千葉県生まれ。36歳。青山学院大国際政治経済学部卒業。外資系コンピューターハードウエアメーカー勤務、早稲田大学大学院法学研究科(中退)、千葉県議を経て、平成15年に衆院選に初当選。現在2期目。
◇
【プロフィル】大谷昭宏
おおたに・あきひろ ジャーナリスト。昭和20(1945)年、東京都生まれ。64歳。早稲田大学政治経済学部卒業後、読売新聞大阪本社に入社。大阪社会部で府警捜査1課担当を長く務める。62年に同社を退社。現在、大阪に事務所を設けジャーナリズム活動を展開している。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/370413/
いいことを言っているかと思えば
小沢氏を擁護するようなことを言う。
責任はあくまで秘書ではなく、政治家本人にあるのだと改めなければならない
と、言いながら
検察捜査に引っかき回されない(国民の信頼に足る)立法府を(作らなければならない。小沢さん、辞めないのならあなたがそれを)作りなさいと
検察が悪者だとはっきり言っている。
でも、検察は、政治家の悪を見つけて裁くのが当然だと思う。
そうでなければ、なんのために検察は存在するのか?
一般人は、政治家を逮捕できないから、彼ら専門家たちが
頑張るしかないだろう。
今まで小沢氏が陰でいろんな工作をして不動産を増やしてきたのは
誰でも知っていることで、今まで検察が起訴しなかったことが
おかしいと思う。結局、秘書だけが悪者になったが、小沢氏の
直轄の秘書が3人も小沢氏の金に関して悪事を行っていたのだから、
小沢氏に責任があるし、当然、小沢氏も知っていたハズ。
そういうことは、国民はみんな分かっているよ。秘書たちは黙って、
自分たちが勝手にやったことにしているけど、
そうやって秘書たちが小沢氏の罪をかぶるのは、
その分、後でいいことがあるからだと思う。