露のインド戦略=兵器・原発・宇宙・ダイヤ (アジアの街角から)
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☆ 露のインド戦略=兵器・原発・宇宙・ダイヤ ───── はぐれ雲さん
アメリカはインドを地政学的に重要な国と設定し、急接近し始めたのはわずか数年前である。一番の目玉はNPT非加盟国であるインドと米印原子力協定締結、次は「戦闘機」の売り込みを狙っているようだ。
インド独立後、特に原爆実験以降、インドの兵器は殆どロシア製であり、現在でも60~70%がロシア製である。ーーーインドはこの5年間で500億ドルかけ老朽化した兵器の近代化を推し進めている。
アメリカは対インド政策を転換し始めたが、リーマン・ショック、リセッション…、その最中に期待されて登場したオバマ新政権だが、オバマの目玉一つである「医療保険問題」などで内政はゴタゴタ続き、1年経過しても景気回復の兆しすら見えず、失業率も一向に改善されない。
現状は「内政」で手一杯で、インドどころではないようだ。「原発」も「戦闘機」も「トップセールス」「トップ外交」で決まる。
アメリカ不在の間隙を縫って着々とロシアが動いている。
BRICsのR、成長を期待されているロシアだが、原子力・兵器・宇宙を除けばさしたる産業もなく、石油・ガスなどの天然資源輸出に支えられているのが実態である。
そのロシア、表面上は中国との関係強化で、共に経済成長する道を模索しているが、一方では急速に存在感と発言権を強めている中国に警戒感を強めているようだ。
今週プーチン首相が訪印、マンモハン・シンと首相と直談判し商談を纏めた。
懸案事項であった空母「アドミラル・ゴルシンコ≒4万5千トン」=2004年に9億7400万ドルで基本契約した中古の空母、インド側が装備の刷新を求め、数年間、刷新費用を幾らにするかで交渉難航していた。
今回、23億4千万ドル≒2114億円、2012年末までの引渡しで決着した。インドは独自に4万トン級の空母を建造中である。
この2艘の空母の搭載機として、既に契約済みの16機のミグ戦闘機に加え、新たに29機のミグ戦闘機をロシアから追加購入することで合意した。
兵器ばかりではない。
ロシアは現在、インドで原発2基建設中であり、昨年新たに4基発注したが、それに12基加え3ヶ所に合計16基の原発を建設することで基本合意、2012年~2017年の6年間で6基建設する計画である。
兵器・原発の他にも様々な分野で協力強化の覚書が締結された。
ITとTelcom分野での協力、サテライトナビゲーション装置の共同開発、肥料やダイヤモンド、銀行分野での協力強化等々。
特にダイヤモンドに関しては世界最大の宝石用ダイヤモンドの生産国ロシア、年産2千1百万カラットのダイヤモンドのうち、50%は宝石用である。
インドは世界最大のダイヤモンド研磨基地、最大の宝石用ダイヤモンド産出国と最大のダイヤモンド研磨国が協力すれば、宝石ダイヤモンド市場で圧倒的な影響力を持てる。
ダイヤモンドの産出地はシベリア、まだまだ手付かずのダイヤモンド鉱脈があるだろう。
インドは内政不干渉、世俗主義、核先制不使用宣言、国際法を重視する国家。
全方位外交を行っているが、国境を接し、未だに国境紛争未解決の中国とパキスタンを仮想敵国と設定しそれに見合う軍事力を持つことを国策としている。
イスラム教過激派・テロリストの問題はロシアと共通する重要な問題である。
テロリストの拠点であるパキスタンとの関係、パキスタン政府はアメリカ寄りだが、パキスタン国民は反米、但しパキスタン政府もパキスタン国民もインドを敵視している。ジハディー予備軍も多い。
他方、将来的にアフガニスタンとどのような関係を結ぶか、ロシアとインドの共通の課題である。
アフガニスタン侵攻失敗という苦い経験をしたソ連、ロシアは「新たなアフガニスタン政策」を、インドを上手く使う方法を考えているようだ。
ロシアがインドとイランを友好国と位置づければ、アフガニスタンにもパキスタンにも地理的牽制効果がある。中国も迂闊に手を出せまい。
ロシアが復権してくれば、世界の様相は複雑さを増してくる。
ロシアはインドを上手く取り込んでいく戦略だろう。インドはロシアを利して国力を強化していく戦略だろう。ロシアとインドとが関係強化すればする程、アメリカも焦ってインドに資金を投入してくる。
原発進出を巡ってGEやWHのロビーストの行動が活発化するだろうし、「戦闘機」を巡ってボーイングのロビーストが動き出すかも知れない。
余裕のインド、インド中央銀行=準備銀行・RBI」はIMF債を最大100億ドル購入する事でIMFと合意した。「インドには資金が潤沢にある」という事を世界に示した。
外貨準備は2800億ドルほどある。「持ち過ぎ」と考えているようだ。
トップセールス、日本の政治家はコンプライアンスに怯え、動けないだろう。
経済界もコンプライアンスやビジネス・リスクに怯え、中々動かない。動けばマスコミの餌食になる。将来的大市場インド、アメリカ、ロシアのみならず、フランス、ドイツ、韓国等々が政治的に動き始めている。
先日、日本政府のインド諮問機関のメンバーの一人=学識者に会ったが、日本は「誰も真面目に検討していない」というのが実態のようだ。
ーーー日本は中国依存の国になりかけている。日本国内は飽和状態だろう。
= この稿おわり =
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タイでは、ジャングルでインド人とヘビに出あったら
先にインド人を叩けと言われているそうだ。
インド人は、タイ人にとって、相当恐ろしく危険な存在なのだと思う。
インド人は、ウソつくからなあ。
インドに旅行に行った人で、無理やり、荷物ごと拉致されて
テロで危険な地方を観光させられて、料代金と称して
お金を取られた日本人が何人もいるんですよ。