スパイからの領収書(渡部 亮次郎)
核搭載艦船の寄港は「密約」=半島有事・沖縄肩代わりも-持ち込み「排除できず」
3月9日15時52分配信 時事通信
日米間の四つの「密約」を検証してきた外務省の有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)は9日、報告書をまとめ岡田克也外相に提出した。最大の焦点となっていた、1960年の日米安全保障条約改定の際に核搭載艦船の寄港・通過を事前協議の対象外とする了解の有無について、日米間に「暗黙の合意」があったと指摘し、「広義の密約」と結論付けた。
また、安保改定時に交わしたとされる、朝鮮半島有事の際の在日米軍の自由出撃容認を、合意文書に基づく「狭義の密約」、72年の沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わりを「広義の密約」とそれぞれ認定。一方、沖縄返還の際、有事での核再配備を容認したとの「密約」は、認めなかった。
これを受けて外相は記者会見し、米国が艦船からの戦術核兵器の撤去を表明した91年以前の日本への核持ち込みについて、「可能性は排除できない」と述べ、否定してきた歴代政権の見解を修正した。鳩山由紀夫首相は、非核三原則について「これまで通り堅持する。変える必要はない」と記者団に表明した。
「密約」の調査は、「失われた日本外交への信頼を回復する」として外相が主導。自民党政権ではできなかった真相解明を進め、政権交代の効果を示す狙いもあった。
有識者委は、外務省が内部調査で把握した関連文書331点を精査するとともに、独自に関係者らのヒアリングを実施。合意文書による秘密の取り決めを「狭義の密約」、文書がなくても暗黙の合意があれば「広義の密約」と位置付けた。
また、安保改定時に交わしたとされる、朝鮮半島有事の際の在日米軍の自由出撃容認を、合意文書に基づく「狭義の密約」、72年の沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わりを「広義の密約」とそれぞれ認定。一方、沖縄返還の際、有事での核再配備を容認したとの「密約」は、認めなかった。
これを受けて外相は記者会見し、米国が艦船からの戦術核兵器の撤去を表明した91年以前の日本への核持ち込みについて、「可能性は排除できない」と述べ、否定してきた歴代政権の見解を修正した。鳩山由紀夫首相は、非核三原則について「これまで通り堅持する。変える必要はない」と記者団に表明した。
「密約」の調査は、「失われた日本外交への信頼を回復する」として外相が主導。自民党政権ではできなかった真相解明を進め、政権交代の効果を示す狙いもあった。
有識者委は、外務省が内部調査で把握した関連文書331点を精査するとともに、独自に関係者らのヒアリングを実施。合意文書による秘密の取り決めを「狭義の密約」、文書がなくても暗黙の合意があれば「広義の密約」と位置付けた。
パンツの中身までさらけ出して、日本にとって何か益になることでもあるのか。
岡本克也外相は「害」相である。
日本にとって害になることばかりしている。
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スパイからの領収書
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渡部 亮次郎
朴正煕(パク・チョンヒ)氏が韓国大統領在任中、未入閣時代の衆議院議員園田直氏が表敬訪問したことがあった。その時、雑談の中で大統領が呟くように言ったそうだ。「わが国もお終いだ。会計検査院(?)が言うんです『スパイから、ちゃんと領収書を貰わなくちゃ困ります』って」。
スパイは敵方陣営の所属。いうなれば自らの味方を欺いて、こちらに協力しているわけだから、極秘に受領するカネに領収書など手交するわけがない。それなのに「領収書を貰ってこなくちゃ困ります」とは官僚主義の凝り固まりの発言なわけだ。
帳簿の帳尻は合っても国家の帳尻の合わないことをなんと解釈するのか。
朴大統領はそれを嘆き、「国家の行く末」を案じたわけである。だが、鳩山政権はそれと同じ事をやって「透明な政治」「官僚の秘密主義を断乎、許さない」と息巻いている。
岡田外務大臣は「核」をめぐる米政府との密約文書を表に出す事で有権者の人気をとろうとし、平野官房長官は「官房機密費」の内訳を公開しようと努力中である。
一見正当な行為のように映るがこれが、結局はめぐりめぐって国益を著しく損ない、国民を不幸に陥れることになるとは気付かないのだろうか。
まず「核密約」である。核が、日本国土に果たして無いのか、ひょっとしてあるのか。あるのか無いのか、敵を疑心暗鬼にさせることが「抑止力」となって、敵の軍事的行為をためらわせることになる。
佐藤栄作元総理はノーベル平和賞を受けたが、本当の功績は沖縄返還に有るのではなく、非核3原則を謳いながら、密約によって核の存在をあいまいにして「核抑止力」を手中にしたことにあるのだ。
だから密約を外務大臣にも知らせずに京都産業大学教授の若泉敬をしてキッシンジャーと交渉させて成功。ニクソン大統領との間で署名しあった。その姿を若泉にも見せなかった。
若泉は病死する寸前「他策ナカリシヲ信ゼント欲ス」と一書を世に問い、莞爾として死んでいった。日本の平和は「核密約」によって保たれてきたものである。
それを岡田克也外務大臣はわざわざ、探し出して公開しようとして大車輪だ。「行政の透明化」だという。密約を透明化して日本の国益が少しでも増すのか。国民の安全になんらか、役立つのか。
岡田氏の功名心を満足させるだけで、1円にもなりはしない。それどころか全国民を裸にして恐怖のどん底に落とし、中国や北朝鮮に晒して喜ばせるだけではないか。当に国賊、売国奴と言わずしてなんと呼ぼうか。
次に「官房機密費」につてである。あれは国民に知らせずに仕事をしているようにマスコミは暴こうとしているが、実態は外国に秘密に仕事をするために行なう「機密」なのである。
特に外交交渉にあたって国民にすべてを公開する事は同時に相手国に手の内を晒すようなものだから「機密」にするわけである。そのことを考えずに内閣や行政から「機密」を無くせば、結局は国益を損じ、国民を不利に追い込むことになる。
戦後、ほぼ一貫して自民党が政権を握ってきた事で、民主党は今回の「政権交代」で密約や機密を公開することが、「永年の膿」を出すかのごとく考えているようだが、国益優先に考えれば、行為はよほど慎重に運んで然るべきだ。政治に暴露趣味や悪趣味はいけない。2010・3・7
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渡部 亮次郎
朴正煕(パク・チョンヒ)氏が韓国大統領在任中、未入閣時代の衆議院議員園田直氏が表敬訪問したことがあった。その時、雑談の中で大統領が呟くように言ったそうだ。「わが国もお終いだ。会計検査院(?)が言うんです『スパイから、ちゃんと領収書を貰わなくちゃ困ります』って」。
スパイは敵方陣営の所属。いうなれば自らの味方を欺いて、こちらに協力しているわけだから、極秘に受領するカネに領収書など手交するわけがない。それなのに「領収書を貰ってこなくちゃ困ります」とは官僚主義の凝り固まりの発言なわけだ。
帳簿の帳尻は合っても国家の帳尻の合わないことをなんと解釈するのか。
朴大統領はそれを嘆き、「国家の行く末」を案じたわけである。だが、鳩山政権はそれと同じ事をやって「透明な政治」「官僚の秘密主義を断乎、許さない」と息巻いている。
岡田外務大臣は「核」をめぐる米政府との密約文書を表に出す事で有権者の人気をとろうとし、平野官房長官は「官房機密費」の内訳を公開しようと努力中である。
一見正当な行為のように映るがこれが、結局はめぐりめぐって国益を著しく損ない、国民を不幸に陥れることになるとは気付かないのだろうか。
まず「核密約」である。核が、日本国土に果たして無いのか、ひょっとしてあるのか。あるのか無いのか、敵を疑心暗鬼にさせることが「抑止力」となって、敵の軍事的行為をためらわせることになる。
佐藤栄作元総理はノーベル平和賞を受けたが、本当の功績は沖縄返還に有るのではなく、非核3原則を謳いながら、密約によって核の存在をあいまいにして「核抑止力」を手中にしたことにあるのだ。
だから密約を外務大臣にも知らせずに京都産業大学教授の若泉敬をしてキッシンジャーと交渉させて成功。ニクソン大統領との間で署名しあった。その姿を若泉にも見せなかった。
若泉は病死する寸前「他策ナカリシヲ信ゼント欲ス」と一書を世に問い、莞爾として死んでいった。日本の平和は「核密約」によって保たれてきたものである。
それを岡田克也外務大臣はわざわざ、探し出して公開しようとして大車輪だ。「行政の透明化」だという。密約を透明化して日本の国益が少しでも増すのか。国民の安全になんらか、役立つのか。
岡田氏の功名心を満足させるだけで、1円にもなりはしない。それどころか全国民を裸にして恐怖のどん底に落とし、中国や北朝鮮に晒して喜ばせるだけではないか。当に国賊、売国奴と言わずしてなんと呼ぼうか。
次に「官房機密費」につてである。あれは国民に知らせずに仕事をしているようにマスコミは暴こうとしているが、実態は外国に秘密に仕事をするために行なう「機密」なのである。
特に外交交渉にあたって国民にすべてを公開する事は同時に相手国に手の内を晒すようなものだから「機密」にするわけである。そのことを考えずに内閣や行政から「機密」を無くせば、結局は国益を損じ、国民を不利に追い込むことになる。
戦後、ほぼ一貫して自民党が政権を握ってきた事で、民主党は今回の「政権交代」で密約や機密を公開することが、「永年の膿」を出すかのごとく考えているようだが、国益優先に考えれば、行為はよほど慎重に運んで然るべきだ。政治に暴露趣味や悪趣味はいけない。2010・3・7