核兵器数千発を恒久的に削減する
米、核数千発削減へ 「先制不使用」宣言は拒否 NY紙報道
3月2日7時56分配信 産経新聞
【ワシントン=佐々木類】米紙ニューヨーク・タイムズは1日、オバマ米政府が今後5~10年の核政策指針となる8年ぶりの「核戦略体制の見直し」(NPR)報告で、核兵器数千発を恒久的に削減する方針を打ち出すと報じた。ブッシュ前政権が提唱していた地下貫通型の核弾頭など、新型核兵器の開発を行わない方針も盛り込む考えだ。ただ、「核兵器の先制不使用」宣言は拒否する見通し。複数の政府高官の話として伝えた。
NPR策定作業はほぼ完了しているが、未決着の問題に関してオバマ大統領は1日にもゲーツ国防長官と会談し、今後、数週間かけて最終判断する。国防総省がNPR報告書の議会への提出を延期するのは、昨年末に続いて3回目で、今年10月に始まる2011会計年度の予算要求への影響は必至だ。
同紙によると、削減される核兵器は退役予定の核弾頭などになる見通しで「非常に劇的な削減」(政府高官)になる。しかし、核開発を進めているイランや北朝鮮への対応を不安視する声もあることから、オバマ政権は先制不使用宣言は拒否する。
NPRは、オバマ大統領が主唱する「核兵器なき世界」の実現と、同盟国を守る抑止力維持のバランスをどうとるのかが焦点となっていた。こうした中、未決着問題の一つだった核兵器の目的をめぐっては、民主党に核攻撃の抑止を「唯一の目的」と宣言するよう求める声がある一方、国防総省などは、生物・化学兵器などで米国を脅かす恐れのある敵に対する核兵器使用の選択肢を残すため、あいまいな表現とするよう主張しているという。
発表が3回も先送りされたのは、ホワイトハウスと国防総省が(1)抑止力維持のための代替核弾頭開発を続けるのか(2)核の先制不使用を宣言するのか-という点で対立してきた構図がある。ゲーツ国防長官は抑止力維持のため、老朽化した核弾頭に代わる代替核弾頭開発を提唱しているが、バイデン副大統領をはじめホワイトハウスは「核不拡散に向けた国際社会での米国の影響力が低下する」(バイデン副大統領)と開発に反対していた。
NPR策定作業はほぼ完了しているが、未決着の問題に関してオバマ大統領は1日にもゲーツ国防長官と会談し、今後、数週間かけて最終判断する。国防総省がNPR報告書の議会への提出を延期するのは、昨年末に続いて3回目で、今年10月に始まる2011会計年度の予算要求への影響は必至だ。
同紙によると、削減される核兵器は退役予定の核弾頭などになる見通しで「非常に劇的な削減」(政府高官)になる。しかし、核開発を進めているイランや北朝鮮への対応を不安視する声もあることから、オバマ政権は先制不使用宣言は拒否する。
NPRは、オバマ大統領が主唱する「核兵器なき世界」の実現と、同盟国を守る抑止力維持のバランスをどうとるのかが焦点となっていた。こうした中、未決着問題の一つだった核兵器の目的をめぐっては、民主党に核攻撃の抑止を「唯一の目的」と宣言するよう求める声がある一方、国防総省などは、生物・化学兵器などで米国を脅かす恐れのある敵に対する核兵器使用の選択肢を残すため、あいまいな表現とするよう主張しているという。
発表が3回も先送りされたのは、ホワイトハウスと国防総省が(1)抑止力維持のための代替核弾頭開発を続けるのか(2)核の先制不使用を宣言するのか-という点で対立してきた構図がある。ゲーツ国防長官は抑止力維持のため、老朽化した核弾頭に代わる代替核弾頭開発を提唱しているが、バイデン副大統領をはじめホワイトハウスは「核不拡散に向けた国際社会での米国の影響力が低下する」(バイデン副大統領)と開発に反対していた。