砂漠と玉葱のくにで何がおきたのだろう
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成22年(2010年)2月19日(金曜日)
通巻2881号
(速報)
ニジェールでクーデターが成功した模様
ウラン鉱脈の利権をめぐる政争? 砂漠と玉葱のくにで何がおきたのだろう
**********************
アフリカ北西部のニジェールで軍事クーデターがおこり大統領を拘束、政権転覆の模様である。
大統領官邸で四時間に亘る銃撃戦ののち、軍部はタンジャ大統領を拘束し、戒厳令を敷いた。政府高官多数も拘束された模様(ロイター、19日)。
タンジャ大統領は昨年、強権発動で議会を解散し新憲法の下、終身大統領を狙っていたという。
「憲法を停止し、行政機能を一時的にとめる」と軍事指導者のカリモウ大佐(「民主主義回復最高評議会スポークスマンを名乗る」は西側記者団と会見した(アルジャジーラ、19日付け)。
ニジェールといっても、日本にはまったくなじみのない国。
いったい何処にあるの?
アルジェリアの南、ナイジェリアの北、国土の三分の二が砂漠。ニジェール河の両岸に町が密集し、人口は1530万人。
日本大使館はない。日本にもニジェール大使館はない。北京にあるニジェール大使館が兼務する。
さてこの国は旧フランス領。1960年に独立後、すでに三回か、四回憲法を変えている。それも改正ではなく国民投票で新憲法。クーデターが三回、大統領暗殺もおきて、ともかく政情不安。
ところが西側列強がニジェールに注目する理由は、ウランである。全世界のウラン埋蔵の7・5%が、このニジェールにあり、新政権の出方が注目される。
ニジェールの輸出はこのウランのほかはタマネギくらい。石油はいまのところ発見されていない
~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)元イラン大使の孫崎享氏が首相に進言し、大村基地へ普天間移転をはかろうとする案が急浮上したとかで、米側もこれを受け入れるグループがあるなどという情報が永田町を駆けめぐっているようですが、孫崎氏の主張は宮崎正弘先生も『日米安保五十年』の冒頭で引用されたほどの論客と見ました。
鳩山首相の私的ブレーン集団の外交部会長でもあり、影響力は大きいと思いますが、そのあたりの動きはご存じありせんか?
(YT生、吉祥寺)
(宮崎正弘のコメント)鳩山首相がスタンフォードで博士論文は『確率論』です。しかもマスコフ理論の影響を受けています。お近くに大きな書店があれば、『表現者』という雑誌の97pー98pを立ち読みして下さい。かつて専修大学で鳩山の同僚だったのが、大学の紀要に書いた鳩山の論文は「見合いの確率論だった」と。
いま発売中の『文藝春秋』今月号も佐藤優と手島龍一の対談があり、鳩山の博士論文は確率論として宝くじの当選率、離婚最適率などが専攻としています。
そこで調べてみるとマルコフ理論。直近の出来事だけで、過去を無視して判断し未来予測を立てる、天気予報に重宝される数式理論です。
これで分かりました。
鳩山は過去のパターンを学習しない、だから歴史意識ゼロ、直近情勢だけで判断する癖がある。ともあれハトのおかげで国内政治が緊張の連続、逆に言えば何をしでかすか分からないので面白くもありますが。。。
♪
(読者の声2)シーシェパードのスポンサーは誰か確証のある答えを持っていませんが、おそらく米国の食肉業界でしょう。
古来、魚獲高が減ると三陸沖で鯨漁が行われてきました。鯨が食べるえさの量の多さを考えれば、漁獲量減による肉食増大を期待して反捕鯨宣伝を行っていることでしょう。マグロの乱獲でマグロが減り環境に悪い影響を与えているとの宣伝も同工異曲です。
ただしマグロの乱獲自体は存在します。漁船の位置を追尾するための技術レベルの高さと費用の大きさを考えれば、彼ら以外にスポンサーを探すのは困難です。
牛にとって不自然な穀物飼育で育った米国産牛肉を大量に輸入すれば、米国の食肉業者はデマ宣伝を止めさせることができるかもしれません。しかし不健康な牛の肉を食べる害と、シーシェパードの害のいずれが勝るかの答えは明らかです。
さてキツーイ冗談を以下にひとつ。
貴誌通巻2880号(読者の声1)で「HK氏」が中国の一人っ子政策が世界の人口動態に及ぼす悪影響について論じられましたが、妙案があります。
日本の高度かつ繊細な技術で開発されたダッチワイフを輸出するのです。安物の代用品というイメージが定着しないように、一体300万円以上の精巧なもののみ輸出してステータスシンボルとなるようにプロモートするのです。
独身のキャリアウーマンで子供を授かりたくないという女性向けにダッチハズバンドや同性愛者用なども高級イメージが定着すれば高い値段で売れることでしょう。さらに、反応を制御するソフトウエアのオプションでいろいろなタイプの相手に変身させることも可能です。ハードウェアのオプション、個々の顧客の嗜好に合わせた、たとえば女優のXX似の特注品と市場の裾野は大きく広がります。
(ST生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)おなじような行為を欧米で展開するのはどうでしょう?「牛が可愛そう。ビーフを食べるな」とか。「ブタを殺すのはやめよう」とか。
食文化は、その国の伝統でもあり、日本人から鯨を取り上げたことが文化破壊であることに気がついてくれるかも知れません。
♪
(読者の声3)バンクーバーの冬のオリンピック真っ盛りで、2/17現在、日本は銀、銅ふたつのメダルを獲得したとマスコミ報道では大喜びしております。
お隣の韓国はすでに3つの金メダルを獲得しております。私はそちらの方に興味があり、むしろ日本の現状を憂いております。
人口は日本の半分以下なのに韓国はいつも日本の倍くらいのメダルを獲得しています。
これは強化策や金メダルの価値の違いなどが影響していると思いますが、どうも釈然としません。猫と虎が闘っているような、あまりにも人種差が出てしまう競技は仕方がないなあと思いますが、同じ人種で同じ競技で負けると、ちと悔しい気がします。
個人的には国際競技に参加する場合、体格差があまり反映されない、日本人でも勝てる競技に集中すべきと思いますし、極端な話、勝つことだけが求められる野蛮な国際競技からは身を引いて、心技体のバランスを重視した相撲や武道を発展させて日本は日本の道を行けばよいと思っています。
宮崎先生は日本としてスポーツに対してどのような取り組みをすべきだとお考えでしょうか。
興味のないお話かもしれませんが、是非お聞かせ下さい。
(TM生)
(宮崎正弘のコメント)五輪で小生が見ているのは選手ではなく、応援団の恍惚度、愛国度、熱狂の度合い。かつてビートルズが来日したおり三島由紀夫が武道館に見に行って、ビートルズを見ないで観客を観察していたとするエッセイを読んだことがありますが、なぜ五輪で愛国心が急浮上し、国旗に敬礼し、国家を酔うように歌えるのか。そのあたりに興味と関心があります。
△
宮崎正弘最新刊
『中国のひとり勝ちと日本のひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
宮崎正弘 v 西部邁『日米安保、五十年』(海竜社、1680円)
(1680円 送料無料)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有)宮崎正弘事務所 2001-2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
~~~~~~~
独身のキャリアウーマンは、
ダッチハズバンドなんか
買いません。
それより、気のきいたことを言う
ロボットをつくったらおもしろいと思う。
ロボットは、パソコンとつながっていて
担当者が適当なことを入力して
しゃべらせる。
ロボットの声は有名人に担当してもらう。
でも、そんなロボットに頼る人を客観的にみると、
なんか哀れだ。
最近、町でおしゃべり人形を抱いて買いものを
している婦人をみかけた。
大人の女性は、そんなお人形さんを抱えて
あるいてはいけないと思う。
by日本のお姉さん