◎世界の新聞「101紙」の視点 やはり、「熟慮」ではなく「優柔不断」が先延ばしの理由ではないか | 日本のお姉さん

◎世界の新聞「101紙」の視点 やはり、「熟慮」ではなく「優柔不断」が先延ばしの理由ではないか

独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】

名護市長選について書かれた社説を見てみる。

朝日。
『鳩山由紀夫首相は今回の結果を重く受け止めざるをえまい。日米合意の重さとともに、沖縄の地元の意思の尊重を語ってきたからだ。』

『首相は、新候補地探しにいよいよ全力を挙げねばならない。』

『名護市民には、難しい選択を迫る選挙だった。』

『基地の騒音や事件、事故の危険を考えれば、基地を受け入れたくないというのが市民の正直な思いだろう。しかし、失業率の高さなど地域経済の衰えは深刻だ。』


『基地受け入れで、建設に伴う公共事業や見返りの地域振興策に将来の期待をつなぎたい。そんなジレンマの中での選挙だった。』

『名護市が普天間の移設先に浮上してから10年余りになる。過去3回の市長選ではいずれも容認派が勝った。振興策より基地ノーを求める民意が多数派を占めたのは初めてのことだ。』

『昨年の政権交代で、普天間の県外・国外移設を主張してきた民主党政権が誕生したことが、そうした変化を後押ししたに違いない。』

『それだけに、こうした民意を受け止めなければならない鳩山首相の責任は極めて重い。』

『いずれにせよ、自治体に受け入れを説得したうえで、さらに米国政府を動かさなければならない。相当な力わざが必要だろう。広く国民の間で基地負担を分かち合うという難問に、答えを見いださなければならない。』


産経。
『これが鳩山由紀夫首相が「県民の声を聞きたい」としてきた結果であり、普天間をキャンプ・シュワブ沿岸部(同市辺野古)に移設する現行計画は著しく困難となった。』

『日米同盟への悪影響は甚大だ。日本の安全保障の根幹を一首長選の判断に委ねてしまった首相の責任は極めて重大で、禍根を残しかねない。』

『首相は政治生命をかけて移設受け入れを地元に説得し、一日も早く問題を決着させるべきだ。』

『移設問題は日米が1996年に普天間全面返還に合意して以来の懸案だ。』

『2006年に合意された現行計画は両国であらゆる選択肢を検討した末の結論で、米政府も「最善の選択」とし、地元も県も足並みをそろえていた。』

『市長選の結果は政府の不決断と無責任によるものだ。』

『現行計画が挫折すれば、普天間移設ばかりか海兵隊部隊のグアム移転や嘉手納以南の米軍施設返還も白紙となる。アジア太平洋の米軍戦略や日米の共同抑止態勢にも重大な支障を生じかねない。』

『「県民の基地負担軽減」という歴代政権の約束を果たせず、米国の対日信頼も失われる。日米同盟関係は空洞化の危機に直面させられるだろう。』

『鳩山首相は自ら招いたこの結果を深く反省するとともに、今からでも現行計画を推進する決断を下し、地元の説得と政権の意思統一に全力を注ぐべきだ。』


東京。
『鳩山由紀夫首相は県内移設断念を躊躇(ちゅうちょ)せず、県外・国外移設の検討を本格的に始めるべきだ。』

『国の基本政策である安全保障は、政府が責任を持って判断し、地方選挙に委ねるべきでないというのが原則だ。』

『しかし、地元の反対が強い中で基地移設を強行しても、基地の安定使用はままならず、日米同盟は脆弱(ぜいじゃく)性を抱え込むことになる。』

『首相はこれまで、辺野古移設を決めた日米合意の重さとともに、地元の意思を尊重する考えを示してきた。首相が今回の選挙結果を重く受け止めるのは当然だ。』

『首相は衆院選の公約通り、県外・国外移設の検討に本腰を入れ、辺野古に代わる移設計画の取りまとめを急いでほしい。』

『検討委委員長の平野博文官房長官は(中略)、現行案も排除しない考えを示した。』

『しかし、検討した結果、辺野古移設が息を吹き返したのでは、過重な基地負担に苦しんできた沖縄県民の期待を大きく裏切る。』

『沖縄以外の日本国内に移設する場合、地元の説得に加え、辺野古移設を最善とする米政府の理解も得なければならない。それを成し遂げなければ、普天間の固定化という最悪の結末を迎える。』

『首相はあえて困難な道を選んだことになるが、この道を切り開くのもまた、自らの責任である。』

日経。
『皮肉にも、鳩山政権は、民主党推薦候補の勝利により、特に対米関係上苦しい立場に追い込まれる。』

『鳩山由紀夫首相は(中略)、(1)日本の安全保障は日米同盟が基盤であり、日米合意の重みは認識している(2)移設先は県外、国外が望ましいと主張して選挙を戦い、勝利した重みも認識している(3)連立政権を維持するために、社民党、国民新党の意思を尊重する必要もある──の3条件を指摘してきた。』

『普天間移設問題は地域の問題である以前に日本の安全保障上の問題である。したがって名護市民に安全保障上の問題の選択を委ねるのは適当ではない。』

『鳩山首相が意識したかどうかはわからないが、首相があげた3条件は重要度の順でもある。』

『安全保障の観点に立った判断をし、それに抵抗のある沖縄県民や社民党を説得する。それは最終的には首相だけができる仕事である。』


毎日。
『明確に受け入れ反対を掲げた候補の勝利は初めてである。移設問題に与える政治的な影響は極めて大きい。』

『辺野古移設の道は限りなく狭まったと言える。』

『外交・安全保障は国の基本政策であり、地方自治体選挙の結果に影響されるべきではないという原則論もある。』

『しかし、移設先が再検討されているこの時期に「受け入れNO」を突きつけた地元の意思を尊重することも現実の政治には必要だろう。』

『鳩山政権には、選挙結果をどう受け止め、どんな方針で移設問題に取り組むのか、明確にしてもらいたい。』

『普天間移設の原点は飛行場周辺住民の危険・生活被害の除去であり、移設が暗礁に乗り上げて「普天間」が固定化することは何としても避けなければならない。』

『同時に、移設先選定では、米軍基地が集中する沖縄県民の負担軽減と、米軍のプレゼンスによる抑止力の維持を両立させることが求められている。』

『国内の調整に日米外交が絡み合って、鳩山政権の対応は極めて難しい。』

『先の日米外相会談で「5月決着」は対米公約となっており、これをほごにするようなことになれば、日米関係が一層悪化する可能性もある。』

『普天間問題解決が日米同盟深化の試金石になると明言した鳩山首相の言葉を信じたい。』


読売。
『許可権限は県知事にある。市長が反対しても、法律上、建設は可能だ。』

『ただ、施設を円滑に建設し、安定使用していくには、地元自治体の理解と協力が欠かせない。』

『政府・与党は、グアム移設や嘉手納飛行場への統合など、地元も米国も反対する非現実的な案を軸に検討している。』

『こうした案と比べれば、今回の市長選結果を踏まえても、現行案の方が実現可能性が高い。5月の決着が対米公約となる中、現行案を断念すべきではあるまい。』

『そもそも、国の安全保障にかかわる問題を首長選挙の結果に委ねること自体が誤りであり、国の責任で結論を出すべきだ。』

『首相が具体的な展望のないまま県外移設に言及し、「沖縄の民意」を重視する発言を繰り返した結果、沖縄の期待が過剰に高まり、問題解決が難しくなった。』

『移設先が見つからなければ、市街地の中心に位置し、事故の危険性と騒音問題を抱える普天間飛行場の深刻な現状が、長期にわたり固定化される。日米関係も悪化し、危機的状況に陥るだろう。』

『普天間問題が紆余曲折を経てきたのは、地元、米国など、すべての関係者が完全に満足する解がないためだ。現状を改善するには、完璧でなくとも、関係者が同意できる案の実現を追求するしかない。』

『新市長が早期に現行案をそのまま容認する姿勢に転換するのは無理だろう。
だが、現行案を修正したり、新たな条件を加えたりすることで、市側と合意できる選択肢はあるはずだ。政府はその可能性を粘り強く探るべきである。』


赤旗。
『民意に従って新基地建設計画を断念するとともに、「基地のない沖縄」「基地のない日本」へ大きくふみだすことが求められています。』

『普天間基地をはじめ沖縄の多くの基地は、米軍が沖縄を占領し住民を収容所に入れている間に土地を奪って建設し、「銃剣とブルドーザー」で拡大してきたものです。』

『基地をたらい回しにする「移設条件付き撤去」の路線は破たんしており、普天間基地問題は無条件返還を求めることでしか解決できません。』

『基地か振興かの問題ではありません。』

『名護市では新基地受け入れの見返りにこの11年間に386億円もの巨額の振興予算を受け取っているのに、振興が進むどころか市民の生活も地域経済も衰退しているのが実態です。』

『基地関連の振興予算を使った公共事業では特定の企業と本土のゼネコンだけがもうかり、地元の建設会社も倒産し、商店街もシャッター通りといわれるありさまです。』

『失業率は2けたに達し、市の借金は08年度には220億円にふくらんでいます。事態は「基地依存」を続ける限り、地域経済の振興も発展もないことを示しています。基地をなくしてこそ地域経済を活性化できるのは明らかです。』

『鳩山由紀夫首相は、「ゼロベースで移設先を検討する」というだけで、「移設条件付き」の態度に固執しています。北沢俊美防衛相は辺野古も「選択肢として排除しない」とのべました。基地なくせの県民の願いに背を向ける態度です。』

『名護市長選の結果は、「基地のない沖縄・日本」をめざす希望ある流れです。
沖縄と本土が連帯を強めた一大運動がいよいよ重要です。』


沖縄タイムス。
『民意は示された。沖縄にだけ負担を押し付ける矛盾を振興策で取り繕う仕組みは「終わり」を迎えた。』

『単に基地容認、反対の対決ではなかった。基地を安定化させるために政府が支出する基地関連予算に基づく地域振興か、あるいは基地依存構造からの脱却を目指すかどうかの選択だったといえる。』

『市民の判断は「アメとムチ」の構造を終わらせることだった。これは日米安保体制を支えてきた「補償型基地行政」の破(は)綻(たん)を意味する。』

『岡田克也外相が(中略)国外移転を否定する以上、選択肢は「県外」しか
ないが、北部振興策などの「補償型」が名護市でつまずいたいま、本土の自治体に海兵隊受け入れを求めるのも難しくなる。』

『有数の米軍受入国である日本の安保政策は未曾有の試練に直面するだろう。』

『市財政に占める基地収入の割合は97年以前の6~9%台から近年20%前後に上昇、依存度の高まりが顕著だ。』

『多くの市民が景気対策を新市長に望んでいる。いばらの道ではあるが、基地に頼らない自立策が課題となる。』

『よもや辺野古に舞い戻ることは許されない。』

『米政府は現行案をベストと言い続けているが、米国からも柔軟な意見が聞かれる。元国務副長官のアーミテージ氏が「我々は“プランB”を持つことが必要だ」と述べるなど、新たな解決策を模索する雰囲気も生まれそうだ。』

『名護市長選は今後、「日米安保=基地提供=沖縄」という戦後日本の安保政策を終わらせるきっかけになるかもしれない。』


琉球新報。
『鳩山首相が普天間移設問題の結論を「5月末まで」先送りしたのも、「辺野古」を選択肢に残していることの証左だ。』

『決断力と指導力が問われる鳩山首相だ。普天間問題でも2006年の米軍再編合意の早期実施を求める米政府の圧力に迷い、悩み、決断を遅らせてきた経緯がある。』

『「よもや」ということはなかろうが、示された民意を重く受け止め、早急に「県外」の意思をしっかりと表明をすべきだ。』

『名護市民にとって普天間移設問題で「民意」を問われるのは、今回で4度目だ。過去3度は結果として「辺野古移設容認」の候補者が当選してきた。』

『市長選を基地より市民生活の選択の場と市民は受け止めてきた。』

『移設問題で名護市民は1997年に実施された移設の是非を問う名護市住民投票で、すでに「辺野古」移設に明確に「ノー」の意思を表明した。』

『ところが、当時の市長は住民投票が示した民意を無視し、「移設受け入れ」を政府に表明し辞任する反民主的行為に出た。』

『背景には、米軍基地建設の受け入れと地域振興策をリンクさせ、市政を揺さぶる自公政権の「アメとムチ」の利益誘導型政治、貧困な安保政策と地域政策があった。』

『基地に依存しない真の地域振興策をいかに構築し、必要な財源をどう確保するか。』

『言うは易く行うは難しの脱基地経済だが、稲嶺氏が市長選で掲げた「市町村の自由裁量、市民本位の事業」「透明な市政運営」「うそのない政治」は、その端緒となろう。』

『新市長には、自公政権下で基地受け入れを条件に投入されてきた北部振興策など基地振興策の費用対効果を十分に検証し、真の豊かさを実現できる効果的な振興策を市民とともに構築してほしい。』

『移設問題が浮上して13年。名護市民は新基地受け入れと基地とリンクする地域振興策の可否をめぐり、地域や家族すらも分断され、論争を強いられてきた。』

『辺野古移設を容認する島袋氏を支持し、応援した仲井真弘多知事は、示された民意を誠実に受け止め、自らも主張する「県外・国外」というベストな選択に挑んでほしい。』


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いつもの社説の他、「沖縄タイムス」と「琉球新報」からも抜粋した。

琉球新報に、
『鳩山首相が普天間移設問題の結論を「5月末まで」先送りしたのも、「辺野古」を選択肢に残していることの証左だ』
との一節があるが、実際のところはどうなのだろう。

『過去3回の市長選ではいずれも容認派が勝った』(朝日紙)
『2006年に合意された現行計画は両国であらゆる選択肢を検討した末の結論で、米政府も「最善の選択」とし、地元も県も足並みをそろえていた』(産経紙)
と、ある。

首相の考えとして辺野古が優先順位の上位にあるのなら、名護市長選を待たずに結論を出したほうが良かったものと思われる。

個人的には、名護市長選で「辺野古はNO」となればそれを後押しに県外等への移設を、「辺野古でOK」となれば現行案通りに、と目論んでいたようにも感じられる。

首相に確固たる信念があるのならば、へたに結論を先延ばしにはしなかったのではあるまいか。

やはり、「熟慮」ではなく「優柔不断」が先延ばしの理由ではないかと見えてしまう。


現実的には、読売紙の、
『新市長が早期に現行案をそのまま容認する姿勢に転換するのは無理だろう。
だが、現行案を修正したり、新たな条件を加えたりすることで、市側と合意できる選択肢はあるはずだ』
というところが妥当なのではあるまいか。

それとも、沖縄タイムスにある、
『元国務副長官のアーミテージ氏が「我々は“プランB”を持つことが必要だ」と述べるなど、新たな解決策を模索する雰囲気も生まれそうだ』というような、意外な秘策でも出てくるのだろうか。


また、沖縄タイムスや琉球新報の視点が独特だ。
全国紙とは違う、地元ならではの切り口だろう。
(桐鳳)

【編集後記】

基地移設の問題。

『そもそも、国の安全保障にかかわる問題を首長選挙の結果に委ねること自体が誤りであり、国の責任で結論を出すべきだ』(読売紙)というのが正論なのだと、個人的には思います。

しかし、ならば地元の方々の意向はどうでもいいというものでもないでしょう。

本当に難しいものです。
私が総理大臣だったら、体調を崩して投げ出していることと思います(苦笑)。

民主党閣僚の方々も、政権与党の大変さが身に沁みているのではないでしょうか。

鳩山首相など今頃、「野党の時のほうがよかった」などと思っていたりして…??
(桐鳳)

最後までご覧いただき、ありがとうございます。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう…。
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はとやま首相の目はすでに生命が抜け出た猫の目のように

光をなくしている。精神状態がおかしくなっているのではないか。

ただ、言いわけだけは上手だ。

ちゃんと答えずにはぐらかして乗り切るだけだと

本人も分かっているのだ。

はとやま首相には指導力も決断力も実はないようだ。それに

小沢氏に逆らったら、首相をやめたあとも何かと恐いから

逆らえないのだ。権力は小沢氏が持っているようだし、

普天間移転は無しだね。

アメリカ軍の一部はずっと普天間に残って

今までグアムに移転した費用は払わされて、

今後、グアムでかかる費用も

一部は弁償させられるのだと思う。

アメリカ軍は別に普天間にいたって支障はない。

ただ、アメリカ軍が一気に沖縄から出ていくと困る。

日本には軍隊が無いし、急に作っても核も持たないし弱いから

フィリピンのようにアメリカ軍が出た瞬間、チュウゴクに

海やら島やら資源やらを奪われてしまう。

アメリカのプランBとやらができたら従うだけだと

思っているのかしらん。