◎ロシア政治経済ジャーナル★ドルで原油が買えなくなる??? | 日本のお姉さん

◎ロシア政治経済ジャーナル★ドルで原油が買えなくなる???

★ドルで原油が買えなくなる???


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

いつもありがとうございます。

北野です。

読者の皆さまが、健康で幸せで豊かでありますように!

皆さまのご家族に、愛と信頼と調和が満ちていますように!


先日、為替や株をやっている人には、どうしても気になってしまう
情報が飛び込んできました。

「ドルで原油が買えなくなる日がくる(かも)」というのです。


▼ドルで原油が買えなくなる???


この記事をごらんください。




<アラブ諸国、原油取引での通貨バスケット建て移行を協議=英紙

10月6日11時57分配信 ロイター

[シドニー 6日 ロイター] 英インディペンデント紙(電子版)は6日、
アラブ湾岸諸国が原油取引での米ドル利用を中止し、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^~~~~
通貨バスケット建て取引移行に向け、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ロシア・中国・日本・フランスなどと極秘に協議していると報じた。>



う”お”っ!

ついに「原油取引でドルを使うのやめようよ!」との協議がはじまった?

この記事のせいで、ドルはほとんどすべての通貨に対し下落しました。




< ロバート・フィスク中東特派員によるこの記事を受け、ドル相場は
軟化した。>(同上)



円は88円台になりました。

ドルへの不信により金(ゴールド)への逃避が起こり、金は1049ドルま
であがっています。



ドルを使わないということは、何を使うのでしょうか?




< 同紙がアラブ諸国の関係筋および香港にいる中国の銀行関係者
の情報として伝えたところによると、通貨バスケットは、

円・人民元・ユーロ・金
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
のほか、

サウジアラビア、アブダビ、クウェート、カタールなど湾岸協力会議(G
CC)関係国が計画している

統一通貨
~~~~~~~~~
などで構成される。>(同上)




なるほど~。

円・人民元・ユーロ・金・湾岸共通通貨の通貨バスケットだと。



< 記事は

「ロシア、中国、日本、ブラジルの財務相と中央銀行総裁
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
らがすでにスキームについて極秘の協議を行っており、

原油取引は今後、ドル建てにならないことを意味する」と指摘。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
また、この協議にはフランスも関与しているとされる。>(同上)



ポイントは、ロシア・中国・ブラジル・フランス、そして、


日本
~~~~~~

の財務相と中銀総裁が協議を行っている。


さて、こんな情報に接したアメリカはどう動くのでしょうか?




< 同紙によると、米当局はこの協議が行われたことを認識している
が詳細を把握しておらず、

「この国際的な陰謀には対処する」姿勢を示しているという。>(同上)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「国際的な陰謀には対処する」


こわ。


▼この記事はインチキか?


皆さんをミスリードしないために、本当のことを書いておきますが。

記事にあがった国々のほとんどが、「この記事は大ウソだ!」という
内容の声明を出しています。

フランスは。




<仏財務相、アラブ諸国と通貨バスケット建て石油取引協議との報
道一蹴

10月7日6時10分配信 ロイター

 [パリ 6日 ロイター] フランスのラガルド経済財務雇用相は6日、
アラブ湾岸諸国が通貨バスケット建ての石油取引をめぐり、フランス
などと協議しているとする英紙報道を、「憶測」と一蹴(いっしゅう)し
た。>



ロシアも。




<露財務省、原油取引での米ドルの役割変更協議していない=
財務次官

10月6日16時30分配信 ロイター

 [イスタンブール 6日 ロイター] ロシアのパンキン財務次官は
6日、財務省は原油取引における米ドルの役割変更を協議してい
ないと述べた。

 記者団から英紙報道について質問された同財務次官は、「われ
われは、これについてはまったく話し合わなかった」と語った。>



そのほか、サウジアラビアの中銀総裁も、日本の藤井さんも、この
報道はウソだとしています。

実際どうなのでしょうか?

よくわかりません。


本当だとしても、

< 同紙によると、米当局はこの協議が行われたことを認識している
が詳細を把握しておらず、

「この国際的な陰謀には対処する」姿勢を示しているという。>(同上)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


陰謀というのは、「陰で謀(ハカリゴト)をする」ので、「この記事は本
当ですか?」ときかれて、


「うっひゃ~、バレちゃったね~。実はそうなんだよ」


とはいわないでしょう。

また、日本が「国際的陰謀」(^▽^)に加担しているという部分。

自民党だったら、「そんなアホな!」ということで、笑ってすませられる
ところ。

ところが民主党政権は、アメリカに対し「全部NOという日本」になっ
てますから、

「そんなこともあるかもね~」と思えるのです。


何はともあれ、この報道が事実かどうかを追求する必要なんてあり
ません。

大事なのは、この報道に接したときの世界の政治家や投資家の反
応です。

私もそうですが、「うお!青天の霹靂だ!」とは思いませんでした。

皆さんもそうでしょう?

RPEを読まれている期間が長ければ長いほど、「そんなこともあり
得るよね~」と心の準備ができていたはずです。

そう、この記事が事実かどうかは別として、世界はこの報道の方向
にむかっている。

超特急でここ10年の流れをふりかえってみましょう。


▼ドル崩壊の歴史


アメリカは世界最大の財政赤字・貿易赤字・対外債務国。

しかし、「ドルが還流している」ことと、「ドルが基軸通貨」であること
で、今まで安泰だったのです。


ところが、反逆する国々が現われてきた。

最初の反逆は欧州で起こりました。

かつて世界の中心だった西欧諸国は、田舎者のヤンキーが覇権を
握っていることを快く思っていません。

しかし、東に怖い白熊(ソ連)がいるので、どうしようもない。

ところが1991年にソ連が崩壊。

西欧の脅威は地上からなくなった。


それで彼らは、「ソ連は消えた。今度はアメリカから覇権を取り戻そ
う」と考えた。

どうすればいいのか?

そう、「ドルを基軸通貨でなくしてしまえ!」

というわけで、1999年にユーロが誕生したのです。


さて、原油の話。

2000年まで、原油の取引はすべてドルで行われていました。

ところが2000年11月、イラクのフセインは、原油の決済通貨をド
ルからユーロにかえてしまいます。

背後には、「ユーロを基軸通貨化させたい」フランスがいたので
す。

アメリカはドル体制に反逆したイラクを許しませんでした。

03年、わけのわからない理由でイラクを攻め、決済通貨をユー
ロからドルに戻します。




<イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユー
ロに転換した。

国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。

米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある>

(毎日新聞06年4月17日)



そういえば、ライスさんが補佐官時代、イラク攻撃に反対した独仏
ロについて、


「フランスは懲罰、ドイツは無視、ロシアは許す」


といっていました。

なんでフランスに対して一番厳しいのか?

こんな裏の理由があったのです。


イラクを攻撃し、ドルを防衛したアメリカ。

今度は、「ユコス問題」「旧ソ連諸国のカラー革命問題」でロシアと
対立します。

怒ったプーチンは、イラクにつづいてこんな決定をくだしました。




<ルーブル建て原油取引開始 ロシア、影響力強化狙う

【モスクワ9日共同】モスクワの取引所、ロシア取引システム(RTS)で
8日、初のルーブル建てロシア原油の先物取引が始まった。

サウジアラビアに次ぐ世界第2位の産油国であるロシアは、自国通貨
建ての自国産原油市場を創設することで、国際原油市場での影響力
強化を図る狙いだ。>

(共同通信06年6月9日)



皆さん、アメリカの中国とロシアに対する態度、変だと思いませんで
した?

アメリカはプーチンに対し「独裁者だ!」「独裁者だ!」と批判しつづ
けていたでしょう?

まあ、たしかに独裁者ですよ。

それでも、彼は一応選挙で選ばれたし、下院には4つの政党が存在
しています。

一方、中国は共産党の一党独裁。

アメリカがロシアを「民主的でない」と非難する気持ちもわかります
が、それなら中国だってもっと非難されなければならない。

でも、アメリカはロシアばかりを叩く。

アメリカが狂ったようにロシアをバッシングしつづけていた背景には、
こんな理由があったのです。


さて、ロシアの反逆に力を得たイランも。




<イラン原油決済イラン、原油のドル建て決済を中止=通信社

07年12月10日9時31分配信 ロイター 

[テヘラン 8日 ロイター] イラン学生通信(ISNA)は8日、ノザリ
石油相の話として、同国が原油のドル建て決済を完全に中止した、
と伝えた。>



イランが中国・ロシアに守られているのをみた他の中東産油国も。




<GCC首脳会議声明、2010年の通貨統合目標維持へ=事務局長

07年12月4日18時29分配信 ロイター

[ドーハ 4日 ロイター] 湾岸協力会議(GCC)首脳会議の声明で
は、2010年までに通貨統合を達成することへのコミットメントが維持
される見通し。

アブドルラハマン・ビン・ハマド・アティーヤ事務局長が4日明らかにし
た。>



このように、ドル基軸通貨体制は、ユーロ誕生からジワリジワリと穴
をあけられてきた。

ですから、今回のインディペンデントの記事が「誤報」であったとして
も、「大きな流れは変わらない」と見るわけです。


▼アメリカの選択


さて、徐々に追い詰められているアメリカはどうでるのか?

何度も書いていますが、オバマ政権はこんなプランを描いているの
でしょう。


1、イランを核兵器開発問題でおいつめ、原油の決済通貨をユーロ・
円からドルに戻させる

2、他の中東産油国を脅迫し、湾岸共通通貨の導入を断念させる



これを阻止するのが中国。

「これからはG2(米中)の時代だ!」「米中は一体化している」なん
ていう人もいますが。

米中は一体化なんてしてませんよ。

中国はG1になるべく、着々と準備をすすめている。

中国がG1になるために、中東の資源を抑えることは絶対必要。

それで、国連安保理で拒否権を使ってもイランを守るのです。

するとどうなるか?

イランを守れば、他の中東産油大国がアメリカを裏切って中国に寝
返るでしょう。


アメリカの選択肢。


1、イラク戦争時と同様、国連安保理を無視して、イランを攻撃する

そして、原油の決済通貨をユーロ・円からドルに戻す

その上で中東産油国を脅迫し、湾岸共通通貨導入をやめさせる


この場合、「オバマもブッシュとかわらない!」「アメリカは悪の帝
国だ!」となる。

世界の人々はもはや「アメリカは民主主義の守護神」と思わなくな
るでしょう。

逆に中国は、共産党の一党独裁制を維持したまま、「正義の味方」
として浮上します。



2、イランと中東産油国の動きを容認する

「イラクと同様の理不尽は行えない」ということで、イランと中東産
油国の動きを容認する。

つまり、「原油をドル以外の通貨で売ること」を認める。

この場合、ドルは(急速にあるいはゆっくりと)下落しつづけ、アメリ
カではインフレが起こる。

そして、ゆっくりとあるいは急速に没落していくことになるでしょう。


世界は共産党の一党独裁・中国が覇権国家という、なんとも夢のな
い時代に突入することになります。


「・・・・・・・大げさな!中国にそんな力があるわけない!」


そう願いたいです。

でも、最近05年1月出版の
「ボロボロになった覇権国家」(→ http://tinyurl.com/dypky   )


を読み返していて気付いたことがあるんです。

05年の時点で、中国のGDPって世界6位だったんですよね。

それがたった4年で、フランス・イギリス・ドイツを抜き世界3位。

今年か来年には、日本を抜いて世界2位になるのが確実だといわれ
ている。



一方のアメリカ。

当時、「ボロボロになった覇権国家(アメリカ)」なんていっても、誰も
本気にしてくれなかった。

それがこの本出版後、わずか4年で、「ホントボロボロよね~」と全て
の人がいっている。

要するに世界の流れは


中国 ↑

アメリカ ↓


というのが間違いない。

日本は、共産党の一党独裁国家の天領にならないよう、あゆみをす
すめていかなければなりません。


「・・・・・・・どうすれば日本は中共の天領にならずにすみますか?」


ここでは長すぎてお話できません。

今すぐこの情報を入手してください。

http://tinyurl.com/6zcszc

山もり資料付きで全部わかります。

(おわり)

●↓

★メルマガでお伝えできない情報は・・・・


1、北野がモスクワに来てからの詳細なあゆみは
→  http://rpejournal.com/kitanonokoe.html

2、北野の夢とは?
→ http://rpejournal.com/kitanonoyume.html

3、スーパーエリート読者さんの声は
→ http://rpejournal.com/dokusya.html
▼おたよりコーナーへ
★Lambさまからのおたより


いつも楽しく読まさせてもらっております。

だいぶ前に、冬の頃ですが、「北風小僧がささやいたー」とか書か
れてあって、それからファンです。

私も北野さんと近い歳で、海外に出て来て10年以上立つので、
日本に郷愁を思う部分が近いのかもしれません。

北野さんのメルマガが無ければ、私の世界観はまったくちがった
ものになっていたかもしれません。

ありがとうございます。

私は政治関係のニュースとか好きで、記事を単にためてます。

それで、少し後から読み返すのが趣味です。

もしよければ覗いてみて下さい。
http://keroro129.wordpress.com/

本当は、英語記事であれば、短く日本語で何が書いてあるかとか、
ノートを全てにつけたいのですが、なかなか忙しくてできません。


最近はどうしても中国の海外への躍進、それも多角的にすすめて
いるようで、その辺のニュースが気になってしまいます。

アフリカでは中国の人の現地の人の扱いがあたかも奴隷を扱う
ようで、なおかつ、スキルを持たない中国から沢山人を連れてくる
ので、現地の人達は雇用率もあがらず、非常に不満をもっている
ようです。

喜んでいるのは、腐敗した政府の一部の人とか読みました。

あと、最近特に目立つのが、中国工作員と思われるのですが英
語圏の新聞で、中国に関し、否定的な記事が出たときにあらわれ
る、親中国系のコメントの嵐です。

なんだか、中国怖いです。

最後は愚痴のようになってしまいましたが、これからもお体に気を
つけて、がんばって下さい。

陰ながら応援してます。

それでは



▼編集後記へ
★北野絶対お勧めメルマガ

・世界的危機は、これで乗り切れます!
心と体の健康、脳力開発の世界的研究者
斉藤英治博士のメルマガ
★完全無料
登録はいますぐ→ http://www.mag2.com/m/0000146702.html


・軍事情報日本一!これを読まずに今の世界は語れません。
★完全無料
登録はいますぐ→ http://www.mag2.com/m/0000049253.html


・中国情報日本一!Xデーはいつくる?
★完全無料
≪ WEB 熱線 ≫≡アジアの街角から≡
登録はいますぐ→  http://chinachips.fc2web.com/common/31mag.html

=================================================================

★編集後記


私はモスクワのはずれに住んでいるのですが、歩いて5分
のところに、広大な森があります。

今年はリスが増え、1時間散歩をすると20匹くらい見かける
ようになりました。

この森のリスは人を怖がらないので、私もエサ(ナッツ)をも
っていってあげます。

そのうち、HPにリスの写真を載せようかと思っています。


RPEジャーナル
北野幸伯


●北野への応援・激励・新刊感想メールは
こちら→ tjkitanojp●yahoo.co.jp 

▲迷惑メール対策のために真ん中が●になっています。
これを@にかえてお送りください。

北野幸伯・公式HPは→ http://rpejournal.com/  

アドレス変更・解除は→ http://www.mag2.com/m/0000012950.html
◎ロシア政治経済ジャーナル
のバックナンバーはこちら
http://archive.mag2.com/0000012950/index.html