民主党と、次期首相となる鳩山由紀夫代表は、困難な任務に直面している
独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】
2日付「タイムズ・オブ・インディア」(インド紙)
『日本に吹く変革の風』の社説。
『日本はこの50年間、事実上の一党支配下にあった。しかし8月30日に行われた総選挙で、野党民主党が、戦後のほとんどの期間、日本を統治してきた自民党を打ち負かして、この一党支配体制は大きく変化した。』
『一党独占体制を終わらせたことで、日本の有権者と民主党は、日本の民主主義を強化することになった。』
『民主党と、次期首相となる鳩山由紀夫代表は、困難な任務に直面している。』
『長期にわたった経済停滞とマイナス成長によって、日本の経済は惨めな状態にある。』
『鳩山代表は、新聞への寄稿で「抑制されない市場原理主義と金融資本主義」に反対する姿勢を示唆した。それ自体はなにも悪いことではない。しかし懸念されるのは、その背後にあるグローバル化と経済改革に対する反感である。』
『それは、悪名高いほど厳格な労働関連法など既に過剰規制されている経済に日本政府がさらに関与する方向に進む可能性をもたらす。』
『しかし、勇気づけられるのは、民主党が、強力な官僚機構の力を抑制すると公約していることだ。民主党は官僚機構の権限分散化を図り、その要職を政治的に任命された者に担当させるとしている。』
『日本の将来の外交政策では不安な点もある。鳩山代表は、米国との関係を見直したいとしている。その代わりに、東アジア地域と安定した関係を築くことに焦点を合わせることを希望している。』
『これが中国との関係をより密接化する予兆なのかどうか判断するのは時期尚早である。中国は近く、世界第2の経済大国という地位を日本から奪うことが見込まれている。』
『日本の新政府は、インドと日本の関係にどのような影響をもたらすだろうか。』
『民主党の2005年のマニフェストでインドは、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)とともに、アジア経済発展の一部として言及されていた。』
『しかし、今回のマニフェストでは、温室効果ガス削減をめぐる国際合意でのインドの重要性に通り一遍の形で触れたことを除けば、インドについてはほとんど念頭におかれていない。』
『鳩山氏は、彼が日本の「基本的な存在圏」であると考えている東アジアにより焦点を合わせている。』
『日本はインドに対する最大の援助国の1つであり、新政府と関与するのはインドの義務である。インドは、日本との貿易拡大に努めるべきである。』
『両国間の貿易は、中国とインド間貿易の3分の1以下にすぎない。また同時にインドは、インド洋における日本との軍事的なつながりのレベルを上げることも追求すべきだ。』
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昨日は、韓国の新聞社説から、日本の政権交代を見てみた。
今日は、インドからの視点だ。
「タイムズ・オブ・インディア」紙では、新たな政権与党となる民主党のマニフェストが、『インドについてはほとんど念頭におかれていない』ことを気にしているようだ。
『インドは、日本との貿易拡大に努めるべきである』
『インドは、インド洋における日本との軍事的なつながりのレベルを上げることも追求すべきだ』
と、インド政府に向けた主張になっているが、同時に日本に対する要望でもあるだろう。
(桐鳳)
◎世界の新聞「101紙」の視点
のバックナンバーはこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000174275/index.html
【最近の社説の、ここに注目】
2日付「タイムズ・オブ・インディア」(インド紙)
『日本に吹く変革の風』の社説。
『日本はこの50年間、事実上の一党支配下にあった。しかし8月30日に行われた総選挙で、野党民主党が、戦後のほとんどの期間、日本を統治してきた自民党を打ち負かして、この一党支配体制は大きく変化した。』
『一党独占体制を終わらせたことで、日本の有権者と民主党は、日本の民主主義を強化することになった。』
『民主党と、次期首相となる鳩山由紀夫代表は、困難な任務に直面している。』
『長期にわたった経済停滞とマイナス成長によって、日本の経済は惨めな状態にある。』
『鳩山代表は、新聞への寄稿で「抑制されない市場原理主義と金融資本主義」に反対する姿勢を示唆した。それ自体はなにも悪いことではない。しかし懸念されるのは、その背後にあるグローバル化と経済改革に対する反感である。』
『それは、悪名高いほど厳格な労働関連法など既に過剰規制されている経済に日本政府がさらに関与する方向に進む可能性をもたらす。』
『しかし、勇気づけられるのは、民主党が、強力な官僚機構の力を抑制すると公約していることだ。民主党は官僚機構の権限分散化を図り、その要職を政治的に任命された者に担当させるとしている。』
『日本の将来の外交政策では不安な点もある。鳩山代表は、米国との関係を見直したいとしている。その代わりに、東アジア地域と安定した関係を築くことに焦点を合わせることを希望している。』
『これが中国との関係をより密接化する予兆なのかどうか判断するのは時期尚早である。中国は近く、世界第2の経済大国という地位を日本から奪うことが見込まれている。』
『日本の新政府は、インドと日本の関係にどのような影響をもたらすだろうか。』
『民主党の2005年のマニフェストでインドは、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)とともに、アジア経済発展の一部として言及されていた。』
『しかし、今回のマニフェストでは、温室効果ガス削減をめぐる国際合意でのインドの重要性に通り一遍の形で触れたことを除けば、インドについてはほとんど念頭におかれていない。』
『鳩山氏は、彼が日本の「基本的な存在圏」であると考えている東アジアにより焦点を合わせている。』
『日本はインドに対する最大の援助国の1つであり、新政府と関与するのはインドの義務である。インドは、日本との貿易拡大に努めるべきである。』
『両国間の貿易は、中国とインド間貿易の3分の1以下にすぎない。また同時にインドは、インド洋における日本との軍事的なつながりのレベルを上げることも追求すべきだ。』
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昨日は、韓国の新聞社説から、日本の政権交代を見てみた。
今日は、インドからの視点だ。
「タイムズ・オブ・インディア」紙では、新たな政権与党となる民主党のマニフェストが、『インドについてはほとんど念頭におかれていない』ことを気にしているようだ。
『インドは、日本との貿易拡大に努めるべきである』
『インドは、インド洋における日本との軍事的なつながりのレベルを上げることも追求すべきだ』
と、インド政府に向けた主張になっているが、同時に日本に対する要望でもあるだろう。
(桐鳳)
◎世界の新聞「101紙」の視点
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