実は読売紙は、「自民党寄り」というよりも「政権党寄り」なのだろうか。 | 日本のお姉さん

実は読売紙は、「自民党寄り」というよりも「政権党寄り」なのだろうか。

独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】

2日付「読売新聞」
『自民党再出発 後継総裁選びを急ぐべきだ』の社説。


『野党に転落しても、自民党に課せられた責任は重大だ。』

『党再建にあたっては、その先頭に立つ後継総裁の選出を急ぐ必要がある。』

『ところが、自民党は、今月中旬の特別国会での首相指名選挙の後に総裁選を先送りするという。(中略)これでは首相指名選挙で、現総裁の麻生首相に投票することになる。』

『一時しのぎとは言え、有権者に「ノー」を突きつけられて退陣する党首を首相に推挙するというのは、余りにお粗末ではないか。』

『混乱すれば党分裂の危機につながりかねない。状況を深刻に受け止めるべきだ。』

『地方党員、組織の声に耳を傾けるのは重要だ。しかし(中略)後継総裁選びに(中略)、1か月近くかける余裕が、今の自民党にあるのだろうか。』

『過去の例をみても、(中略)10日前後で後継を選出している。1日も早く(中略)代わる旗頭を立て、鳩山政権に立ち向かう体制を整える時だ。』

『無論、その際は、地方の意向を十分に反映させるのは当然だ。』

『自民党は今、結党以来最大の危機にある。肝心なのは、党再建の意志とビジョンを明確に示すリーダーが現れるかどうかだ。派閥の動向を様子見するようでは、リーダーの資格はない。』

『再出発には、惨敗の原因を徹底して洗い出すことが必須だ。』

『党の理念や政策の方向性は基本的に間違ってはいないが、(中略)「小泉劇場型政治」の総括も必要だろう。』

『個人後援会を政党支部に衣替えしただけで、いまだに組織政党の体をなしていない、という指摘もある。公明党・創価学会に頼った選挙運動も、本来の支持基盤の足腰を弱めた。』

『自民党が、政権奪還に向かって力強く再起できるかどうか、国民は注視している。いつまでも茫然自失しているようでは、これまでの「政権党」の看板が泣く。』

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衆議院解散が決まったあたり…ちょうど、皆既日食が話題になった頃である。

自民党寄りとされる読売紙が、自民党に対して「冷たく」感じられるような時期があった。

実は読売紙は、「自民党寄り」というよりも「政権党寄り」なのだろうか。
或いは、「麻生降ろし」を望んでいるのだろうか。
…当コーナーでも、いろいろと書いてきた。

この社説を読んで、その点についての読売紙の立ち位置のようなものが明確になったように思う。

やはり読売紙は自民党寄りであり、「麻生総裁」だと自民党にとってマイナスとなると考えているようだ。

『自民党が、政権奪還に向かって力強く再起できるかどうか、国民は注視している』
この一節に、読売紙の気持ちがよく出ているように感じられる。


それにしても、以前にも書いたが、「国民はこう思っている」的な書き方が社説ではよく使われる。

全く正反対の主張をする社説の両方にでさえ、使われることがあるくらいだ。
(桐鳳)


昨年のちょうど今頃、9月2日発行の弊誌「注目社説」コーナーの一節。

(福田首相辞任の社説を受けて)
『ちょうど2年前の今日、安倍氏が自民党総裁選への出馬表明をした。
 そして1年前には、その安倍内閣が崩壊寸前という状態だった。

 そして昨日、福田首相が辞任の意向を示した。

 このところの政界。
 本当に「一寸先は闇」という状態だ。

 1年後には、どのようになっているのだろうか。』


その翌日、昨年9月3日の弊誌「注目社説」コーナーの一節。

『総選挙、そして「国民の審判」が下るまで。
 不謹慎だが、近来まれに見る面白さとなりそうだ。』


不謹慎ですが、確かに面白くなりました。
1年後には、こうなりました。
(桐鳳)

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