ロシア政治経済ジャーナル No.604 ★民主党政権とのつきあい方 | 日本のお姉さん

ロシア政治経済ジャーナル No.604 ★民主党政権とのつきあい方

ロシア政治経済ジャーナル No.604
 2009/9/5号
★民主党政権とのつきあい方

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
読者の皆さまが、健康で幸せで豊かでありますように!
皆さまのご家族に、愛と信頼と調和が満ちていますように!

それにしても圧勝でしたね、民主党。

実をいうと、選挙の日、私も日本にいました。
8月の末、伊勢神宮に初めて参拝し、「日本が自立した国になれますように」と祈願しました。
そして、選挙日8月30日は、新宿のホテルで選挙結果を見ていました。

台風が来て大変でしたが。

読者の皆さまの中には、

・民主党に投票した

・自民党に投票した

・その他の政党に投票した

等々、さまざまな人がいることでしょう。

好き嫌いにかかわらず、これから308議席の民主党に政治がゆだねられることになります。

今回は、「日本の自立」をめざす私たちが、どう民主党政権とつきあっていけばよいのか考えてみましょう。

▼自民大敗の理由

結果についてあれこれいう必要も感じませんが、それでも自民大敗の理由を考えてみましょう。


1、バブル崩壊

1989年、バブルの絶頂期にあった日本は自他ともに認める、「世界一の経済大国」でした。

ところが90年にバブルは崩壊してしまいます。

バブル崩壊の理由は「人為的ミス」であったといわれています。

具体的には、大蔵省が1990年4月から91年12月まで行った「不動産融資総量規制」。(行政指導)

これによって不動産価格が暴落してしまったのです。

「大蔵官僚が勝手にやったんだ!」とはいえません。

明らかにバブル崩壊の責任は自民党にあります。


2、バブル崩壊後の対応を誤った → 暗黒の10年をつくった

バブル崩壊により自民党政権への不信感が現われてきました。

そして、非自民の細川内閣が93年に発足します。

自民党は38年ぶりで野党に転落。

しかし、細川政権は8党からなるよせあつめだったため、94年には退陣に追い込まれてしまいます。

後をついだ、これも非自民の羽田内閣。

この内閣は、94年4月~6月という超短命政権。


羽田内閣の後にできたのが、村山内閣。

これはなんと、自民党と宿敵・社会党の連立政権でした。(村山さんは社会党のトップ)

96年1月までつづきます。


その後はアメリカへの強行な態度で人気があった自民党橋本さんの時代がやってきます。

橋本さんは、とても愛国的な人ではありましたが、消費税を3%から5%にあげることで、景気をさらに悪化させてしまいました。

橋本さんの後は、小渕・森・小泉と自民党政権がつづいていきます。


自民党は、93年から94年の10か月ほど政権を離れただけで、残りの期間ず~と政権の中心にいました。

そして、この期間を日本では「暗黒の10年」と呼びます。

明らかに自民党の責任といえるでしょう。


3、小泉改革による「格差社会」

小泉改革については賛否両論あります。

しかし、前回当選した83人の「小泉チルドレン」のうち、今回勝ち残ったのはわずか10人。

国民は明らかに「小泉改革は間違いだった」と判断しているのでしょう。


4、世界的経済危機

これはコメントも必要ないでしょう。
「100年に一度」といわれる不況が、全世界を覆っています。
全ての国が対応に追われている。

こ時期にあたった麻生さんは、ある面かわいそうでした。


こうみると、自民党が負けるのは当然の結果といえます。

とはいえ、日本国民の自民党に対する怒りがここまで強いとは思いませんでした。


民主党のマニフェストにも、うまい部分がありました。


<・中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。 >


子持ちの家庭は「民主党に一票入れれば収入が増えますよ!」というお誘いです。

子供のいる家庭は、例外なく民主党に入れたのではないでしょうか?

さらに、おじいちゃん・おばあちゃんも、「息子夫婦が楽になれば・・」という思いやりから、民主党に入れたに違いありません。


私は「隷属国家日本の岐路」の中で、フランスの少子化対策に触れました。

子供のいる家庭に現金を渡すのは、確かに効果があるのです。

実は外国投資家の多くが、民主党の「子供手当」を高く評価しています。(例、天才投資家ジム・ロジャーズ)

しかし、本の中では「日本の財政状況でこれをやるのは無理だろう」と書きました。


ところが、民主党は「ムダづかいをなくせば、財源はある」としています。

この点、テレビ朝日の「報道ステーション」に出演した民主党の藤井裕久さんが、とても具体的に詳細を語っておられました。

藤井さんは現在、民主党最高顧問という肩書。

しかし元々大蔵官僚で、主計局主計官を務められた方。

非常に説得力がありました。

「ムダに使われていた金を、子育てにまわせ」というのは、おそらくできるのでしょう。


もう一つインパクトのあるのは、


<農業の戸別所得補償制度を創設>。


これで、農家の人たちは、民主党に入れたことでしょう。

(ただし、農家の所得補償は、「アメリカとのFTA締結」とセットになっているので、手放しに賛成はできません。)

また、「高速道路無料化」で票を入れた人もいるでしょう。


多くの人が民主党の公約を「バラマキだ!」と批判しています。

確かにそういった面はあるでしょう。

しかし、日本政府が莫大な債務(ほとんどが国内債務だが)をかかえているのは、自民党の責任。

ですから自民党が、「わが党に入れてくれれば財政を再建します!」と叫んでも、全然説得力がないのです。
▼劇場選挙になる理由


小泉さんは、「郵政選挙」の時、国民を二つのカテゴリーにわけたそうです。

1、10%の知的エリート

2、90%の無知な大衆


で?

3、勝つためには、90%の大衆をひきずりこむのが効果的

ひどい話です。

もっと正確にいえば、「日常生活と仕事に追われて政治・経済のことをマクロに考える時間がない人」が90%ということでしょう。

この10%対90%の法則というのは、古今東西どこでも変わらないようです。

(もちろん、多忙の中RPEを読んでおられる皆さんは、10%の知的エリートであり、日本の宝です。)

たとえば、ドイツの選挙で大勝し、独裁国家をつくりあげたヒトラー。

こんなことを語っています。

<大衆の受容能力は非常に限られており、理解力は小さいが、そのかわりに忘却力は大きい。

この事実からすべて効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、そしてこれをスローガンのように利用し、そのことばによって、目的としたものが最後の一人まで思いうかべることができるように継続的に行われなければならない

人々がこの原則を犠牲にして、あれもこれもとりいれようとすると、すぐさま効果は散漫になる。

というのは、大衆は提供された素材を消化することも、記憶しておくこともできないからである。

それとともに、結果はふたたび弱められ、ついにはなくなってしまうからである。>


(ヒトラー「わが闘争」(詳細は→ 
http://tinyurl.com/lutnaa  )
                     ↑
(プロパガンダで洗脳されないよう、読んでおきましょう。)


整理しておきます。


1、大衆は理解力がなく、すぐ忘れてしまう

2、大衆は理解力がないので、主張は「簡潔で」「サルでもわかる」程度にしなければならない

3、大衆は忘れっぽいので、オウムのように何千回も何万回もくりかえし、完璧に覚えさせなければならない

4、この原則を忘れ、大衆の能力を買いかぶり、複雑な主張をすると、彼らは消化不良を起こしてしまう



ヒトラーの時代、ドイツ人は第1次大戦の敗北と、莫大な賠償金に苦しみ、意気消沈していました。

そこでヒトラーは、「ゲルマン民族は世界1優秀だ!」と繰り返した。


70年代、アメリカは「オイルショック」「ベトナム戦争の敗北」「ニクソンショック」「ウォーターゲート事件」等々でボロボロでした。

そこでレーガンさんは、「アメリカはNO1だ!」「ソ連は悪の帝国だ!」と繰り返した。

小泉さんは05年、「郵政民営化に賛成か?反対か?」というわかりやすい図式を作り勝利した。


今のアメリカはどうでしょうか?

あんまり大衆のレベルは変わらないようです。

オバマさんが繰り返したのは、たった一言。


「チェ~~~~~~~~~~~ンジ!」


すると皆の衆が、


「イエス・ウィーキャン!イエス・ウィーキャン!イエス・ウィーキャン!」


と叫ぶ。

そこで10%の知的エリートが「チェンジの具体的中身がわからない」などというと、

「よけいなつっこみを入れるな!」と殺されてしまいます。



今回の選挙でも、民主党はわかりやすい図式をつくりあげました。


スローガンは「政権交代!」。


実にわかりやすい。


そして、「ムダづかいをやめます!」


なんで今までは「ムダづかい」してたの?

そう、悪い官僚が政治家を支配していたから。


だから、「官から政」へ。


この辺のプロパガンダ手法は、選挙PRのプロ・三浦博史さんが書かれた


「神様に選ばれるたたひとつの法則~人生を勝利に導く『プロパガンダ』」

(詳細は→ 
http://tinyurl.com/lnehnp   )


をご一読ください。


▼民主党への疑念と希望


今まで書いたことは、どれも納得できるものです。

自民党がバブルを崩壊させ、「暗黒の10年」と「格差社会」をつくったのは事実でしょう。

もっと細かい点まで突っ込めば、「食糧自給率が40%」なのも、「エネルギー自給率が4%」なのも自民党の責任。

さらに、実質賃金が下がりつづけていること、一人当たりのGDPがなんと世界19位まで下がっていること。

これらも自民党の責任です。


しかし、前々から書いてきましたが、民主党も明らかに「日本の自立」と逆行する政策を公約に掲げています。

たとえば朝日新聞9月1日付けに


<改憲派、3分の2切る 外国人参政権 賛成53%>


という記事がありました。

同記事によると、民主党議員のうち実に

67%(!!!)が
~~~~~~~~~~~~~~~~
外国人参政権に賛成
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

となっています。


ちなみに、公明党・共産党・社民党は、

100%(!!!!!!!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
外国人参政権に賛成
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
だそうです。



一方、自民党当選者の中で外国人参政権に賛成なのは、

1% 。
~~~~


これも、前々から書いていますが、


1、3K移民大量受け入れ政策を推進する

2、豊かな生活を求め、中国から移民が殺到する

3、愚かな政府が外国人(おもに中国人と朝鮮人)に選挙権を与える

4、政府は日本の国益より、中国の国益を追求せざるを得なくなる

5、日本は中国の天領になる


という恐れがあります。

平和ボケしている日本人は気づいていませんが、中国は移民を推進することで、ウイグル・チベットを実効支配してきたのです。



しかし、希望もあります。

民主党は、一度発表したマニフェストをコロコロ変えていました。
これは「自分の政策に対する信念がない」ともいえますが、「国民の声に耳を傾けている」ともいえます。


10%の知的エリートである皆さまは、是非民主党が「外国人参政権」「3K移民大量受け入れ」を推進しないよう、あらゆる機会を見つけて発言していただきたいと思います。


この点よくわからない人は、是非これをご一読ください。


2009/07/23 【RPE】選挙の前に考えよう2(日本をウイグル化す
る売国政策1)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090723004133000.html

2009/07/28 【RPE】選挙の前に考えよう3(日本をウイグル化す
る売国政策2)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090728234529000.html


【要注意!】
(「外国人参政権・3K移民問題については、エジプト・トルコ・ドイツ在住経験をもつアリーマ山口さんのご意見が参考になります。

【おたよりコーナー】をご一読ください。)


▼自民党が攻撃すべきなのは?


野党に転落した自民党。

反省して、「日本の自立」を後押しする政党に生まれ変わって欲しいと思います。

自民党の大部分は「外国人参政権」に反対ですので、これはそのままつづけていただきたい。

つづけていただきたいというか、むしろ積極的に「攻撃」していただきたいと思います。



「民主党は外国人に参政権を与えることで、国を売るつもりだ!」



と。

さらに、もう一つの攻撃材料があります。

民主党はアメリカとのFTA締結推進を公約にしています。
これをすると、日本の食糧自給率は40%から12%になるといわれている。



< 集会で、JA全中は日米FTA締結を契機に自由化の動きが各国に広がり、日本の農産物関税が全廃された場合の被害試算を発表した。
それによると、農業総産出額の42%に当たる3兆6000億円が減少し、375万人分の雇用機会を喪失、

食料自給率は現在の40%から12%に低下するという。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(8月8日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)



まあ、自民党内も「減反政策継続派」が多いです。

しかし、



1、世界人口が年間8000万人増えている

2、食糧価格が高騰した07~08年、インド・ベトナム・カザフスタンなどは、穀物輸出を一時停止した



等々の時代に「減反政策」はないでしょう?

自民党は、減反政策中止を決意し、民主党の日米FTA締結を攻撃するべきです。


ヒトラーによると、あんまり複雑だと大衆理解力のキャパをこえてしまう。

みんながRPE読者の皆さまのように、知的エリートではありません。

ですから自民党はとりあえず、

1、3K移民大量受け入れ政策に反対

2、外国人参政権に反対

3、アメリカとのFTA締結に反対


ということで、進んでいけばよろしいのではないでしょうか?


その他「日本が自立」するための政策は山ほどありますが、ここでは書ききれません。

今すぐ↓をご一読ください。
http://tinyurl.com/6zcszc  

山盛り資料つきで全部わかります。
~~~~~~~
▼おたよりコーナーへ
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★アリーマ山口さまからのおたより


いつも貴重な情報をありがとうございます。

愛読させていただいています。

ずいぶん以前に『軍事情報』で中東関係のメールマガジンを連載させていただいていたアリーマ山口と申します。

自分がエジプト、トルコ、ドイツと三カ国に移り住んだ経験があるもので、移民問題について日本の政治家や世間一般の認識の緩さ甘さにいつも苛立ちを感じています。

北野さんがおっしゃる「3K移民絶対反対」に100%賛成です。

そして、この問題に関する日本の世論というものは、どうもどこか理解認識の根本がずれているように思えて仕方ないので、思わずお便りさせていただく次第です。

日本国内の議論を聞いていると、まず「国籍を取得すること」と「労働許可を得ること」が混乱気味にいっしょくたで考えられている印象があって不安になってしまいます。

この二つの話を雑然と並行して語ることで、世論を撹乱しようとしているのか・・・?

などとあらぬ疑いまで持ちたくなります。

どっちも日本政府が自由化や緩和の先導を取るなどなどとんでもない点では同一ですが、問題の根本は全く違うところにあると思います。

経済難民(3K移民)の受け入れについては、北野さんのおっしゃる通りの理由で制限こそすれ積極的に受け入れる理由などどこにもありません。

まずそもそも「労働許可を正式に得て海外で就労する」というハードルは、先進国とすら言わず「ある一定レベル以上の国」では世界中どこに行こうが基本的に厳しく高いものですよね。

なのに、我が国の誤った海外憧憬志向のなせる技なのだか、何故か「海外では日本のように頑なな制限は存在しない」と言わんばかりの論調があちこちに見受けられるのは実に不思議なことです。

先進国とは言いがたいエジプトやトルコでの個人的な経験を考えても、正式就労には煩雑な手続きや審査がつきものです。

増してやドイツの厳しさなど、言うまでもありません。

外国での正式就労は世界中どこに行こうがアタリマエに難しいのだよ、という一般認識が、どうも日本の世論には欠けているような気がします

労働許可以前に、正式の居住許可自体が基本的に制限つきなのが当たり前です。

先進国のパスポートを持っていれば、入国時に簡易に取得できることの多い「入国査証」というものすら、出身国によっては事前の厳しい審査を経るケースが多くあります。

国籍問題については、日本国籍を保有することが「日本人として日本の国家に帰属する権利と義務を伴う証」という観念がキッパリ欠落しているようで、これも大きな驚きです。

そもそも先進国の「国籍」を保有していることが、どれほどの特権と特典なのかが理解されていないようです。

だれか言ってやってくれえ・・・!

と、この類の話を耳にするたびに痛切に思います。

これはのっけから多民族国家を謳う諸国の話ではなくて、基本的に単一言語で文化的相違の薄い人々がほぼ全体を構成している、我が日本国のことなのです。

文化相違が紛争にまで発展するような国からすると、実に磐石で安定した素晴らしい国家だというのに、こうした恩恵が当たり前すぎて無感覚になっているのでしょうか。

だから、国籍や選挙権は、イコール居住権や正式就労の有無ではない・・・

という当たり前な理屈が欠落してしまうのでしょうか。

外国人が新たに日本国籍を取得する場合には、例外なく「日本の国益に貢献できること」という条件が課せられて当たり前なのに、なぜか甘っちょろい経済効果だの安っぽい「世界は一家主義(?)」だのが幅を効かせている現状。

本当に放っておくと、とんでもないことになってしまうぞ、と日々不安に思っております。


私も優秀な外国人受け入れ推進には大賛成です。

もしそういう優秀な人が「居住するだけではなく国籍も欲しい」と考えるようになったら、それはきちんと受け入れられる前向きな姿勢があるべきです。

しかし、そこにはまず「日本の国益」という意識ありき、だと思います。

この根本の意識の欠如が、こういった議論を大きく歪めているように思えてなりません。

長々と散漫なお便りになり申し訳ありません。

国籍、労働移民などについての日本政府の対応で、常々不思議に思うところを書きました。

メールマガジンは非常に勉強になり、いつもウンウンと強くうなづきながら拝読いたしております。

より一層のご活躍をお祈り申し上げます。


◎ロシア政治経済ジャーナル
のバックナンバーはこちら
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