社民党は在日米軍基地問題や非核三原則についての明記も要求。
連立の火種「外交・安保」…民主案あいまい表現
3党連立協議での主な協議項目と内容
●消費税=現行の5%に据え置き、今回の衆議院議員任期中の税率引き上げは行わない。
●郵政事業の抜本的見直し=臨時国会で日本郵政などの株式売却凍結案を提出し、可決・成立させ、通常国会では郵政事業改革法案(仮称)を目指す。
●子供手当の創設=2010年度から1万3000円の半額支給で開始
●外交安全保障=インド洋での海上自衛隊による給油活動をめぐり、民主党は当面の継続を容認する考えを示し、社民党は即時撤退を要求。社民党は在日米軍基地問題や非核三原則についての明記も要求。
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民主、社民、国民新3党の連立政権樹立に向けた政策協議では、衆院選で掲げた3党共通政策のほか、新型インフルエンザ・災害対策と外交・安全保障政策が協議対象となった。
3党は来週早々の合意を目指しているが、これまで棚上げしてきた外交・安全保障政策で主張の相違が表面化し、協議が難航する可能性もある。
民主党が2日の政策責任者の協議で示した「連立政権樹立に当たっての政策合意(案)」は6項目の3党共通政策に、インフルエンザ対策などを加えたものだ。
共通政策では「民主、社民両党間で考えに隔たりがあり、足並みの乱れを露呈するようなことは避けるべきだ」(民主党幹部)として外交・安保に関する記述を見送り、衆院選で与党から批判を浴びた。こうした経緯もあり、「国の基本政策である安全保障政策で3党が一致していることを示さなければ、国民に不安を与えかねない」(幹部)と判断して、今回の政権合意には外交・安保政策も盛り込むことにした。
ただ、民主党が示した案では、「緊密で対等な日米同盟関係をつくる」「東アジア共同体の構築を目指す」「核兵器廃絶の先頭に立ち、テロの脅威を除去する」など、3党で一致できそうな抽象的な表現を並べている。インド洋での海上自衛隊による給油活動の継続など、民主、社民両党の主張が異なる具体的な政策には触れていない。
それでも、社民党は在日米軍基地問題の解決や非核三原則も盛り込むよう主張するなど、独自性を発揮する構えを示しており、調整には時間がかかりそうだ。
在日米軍基地問題では、ケリー米国務省報道官が「日本政府と再交渉するつもりはない」と、計画変更を認めない意向を示している。このため、民主党内には「鳩山首相の9月下旬の訪米、オバマ米大統領との会談を控え、首相の手足を縛る結果になるような社民党との妥協はすべきではない」という意見が強い。