たとえば、3K移民推進論者は両党にいます。日本の自立を進めるような候補をお選びください。 | 日本のお姉さん

たとえば、3K移民推進論者は両党にいます。日本の自立を進めるような候補をお選びください。

      ロシア政治経済ジャーナル No.603

                         2009/8/27号
★選挙の前に考えよう5(日本が自立国家になるために)


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

いつもありがとうございます。

北野です。


さて、いよいよ選挙が近づいてきました。

今まで、


・経済政策
・移民政策
・外国人参政権
・東アジア共同体
・農業政策


について書いてきました。

今回は原点に戻り、世界で起こっていることと、日本が現在置かれ
ている状況をはっきり理解しておきたいと思います。


▼アメリカの衰退


05年に「ボロボロになった覇権国家」
(→ http://tinyurl.com/dypky  )
を出したとき、アメリカは好景気の真っ最中。


知的レベルが高いスーパーエリート読者の皆さまと、東洋経済など
一部のメディアをのぞいては、あまり問題視されませんでした。

誰もアメリカが衰退する、没落するなんて思ってない。

ところが、07年にサブプライム問題が起こり、雲行きが怪しくなって
きた。

08年にリーマンショックが起こると、「新自由主義教徒」だったエコ
ノミストたちまで、「アメリカの衰退」を語りはじめます。

リーマンショック前と後で、世界の構造は一変してしまったのです。

アメリカ衰退の原因について、RPE以外の専門家さんは


・住宅バブル崩壊
・サブプライム問題


が原因としています。

しかし、RPEでは05年から「独仏・中国・ロシアが組んで、意図的
にドル体制を壊していることが危機の原因になる」と書きつづけて
きました。


そう、

1、アメリカは世界最大の財政赤字・貿易赤字・対外債務国である

2、でもドルが基軸通貨なので大丈夫

3、ドルが基軸通貨でなくなれば、アメリカはただの借金超大国に
なり没落する

4、独仏・中ロは、意図的にドル体制を崩壊させてきた

5、それで危機が起こった


実際にここ数年で起こったことを見てみましょう。

リーマンショック直前に発売された「隷属国家日本の岐路」まえが
きから引用します。


【引用ここから▼】

<1999年、ユーロが導入された。
 
なぜこれがアメリカの脅威なのか、もうおわかりでしょう。

 さて、ドルに挑戦し、アメリカに処刑された男がいます。

 イラクの独裁者サダム・フセイン。

 彼は2000年9月、「イラク原油の決済通貨をドルからユーロにか
える!」と宣言しました。

 そして同年11月から実際にかえてしまった。

 これにはアメリカのトップもびっくり仰天。
 
 そこで、「フセインは大量破壊兵器をもっている!」「アルカイダ
を支援している」等々、ウソの理由をでっちあげ、フセインを血祭
りにあげることにした。

 そして、原油の決済通貨をこっそりユーロからドルに戻しました。



<イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユ
ーロに転換した。国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユ
ーロで実施された。米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドル
に戻した経過がある。>

(毎日新聞06年 4月17日)



 さて、これで「ドル体制は磐石、アメリカの覇権は永遠」というこ
とになったのでしょうか?

 残念ながら、そうはいきませんでした。

 フセインの後につづく国々が、ドンドン現れてきたのです。

 例えばイランは、原油の決済通貨をドルからユーロ・円にシフト
させています。



<イラン、原油のドル建て決済を中止=通信社

07年12月10日9時31分配信 ロイター

 [テヘラン 8日 ロイター] イラン学生通信(ISNA)は8日、
ノザリ石油相の話として、同国が原油のドル建て決済を完全に
中止した、と伝えた。

 ISNAはノザリ石油相からの直接の引用を掲載していない。あ
る石油関連の当局者は先月、イランの原油の代金決済の「ほぼ
すべて」はドル以外の通貨で行われていると語っていた。>



 どうしてアメリカは核兵器保有を宣言した北朝鮮にやさしく、核
兵器をもたないイランに冷たいのか、おわかりでしょう。

 「イランがアメリカから逃げ切ることができれば、自分たちも決
済通貨をかえちゃおう」と考えているのが、サウジアラビア・クウ
ェート・アラブ首長国連邦など中東産油大国がつくる、湾岸協力
会議(GCC)。



<GCC首脳会議声明、2010年の通貨統合目標維持へ=事務
局長

07年12月4日18時29分配信 ロイター

[ドーハ 4日 ロイター] 湾岸協力会議(GCC)首脳会議の声
明では、2010年までに通貨統合を達成することへのコミットメン
トが維持される見通し。

アブドルラハマン・ビン・ハマド・アティーヤ事務局長が4日明らか
にした。

同事務局長は、声明の最終案には2010年の目標時期が盛り
込まれているか、とのロイターの質問に対し「そうだ」と答えた。>



 さらに原油価格高騰によるオイルマネーで潤うロシアは、自国
通貨ルーブルを「世界通貨」(基軸通貨)にしようと企んでいます。



<米露“破顔一笑” 「ルーブルを世界通貨に」プーチン大統領ま
すます強気

07年6月12日8時0分配信 産経新聞

【サンクトペテルブルク=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は
10日、出身地サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォー
ラムで、同国の通貨ルーブルを世界的な基軸通貨とすることなど
を提唱した。

同国など急成長する新興国の利益を反映した経済の世界新秩序が
必要であるとの考えを示した形だ。

世界的な原油価格高騰を追い風に強気のロシアは、米国主導の世
界経済に対抗し、欧米諸国に挑戦する姿勢を強めるものとみられる。>



さらにこの国は、ドルではなくルーブルによる石油取引もはじめてい
ます。


<ルーブル建て原油取引開始 ロシア、影響力強化狙う

【モスクワ9日共同】モスクワの取引所、ロシア取引システム(RTS)
で8日、初のルーブル建てロシア原油の先物取引が始まった。

サウジアラビアに次ぐ世界第2位の産油国であるロシアは、自国通
貨建ての自国産原油市場を創設することで、国際原油市場での影響
力強化を図る狙いだ。>

(共同通信06年6月9日)



 ここまで、ドル離れを示す証拠を挙げてきました。

ユーロは既に、ドルに並ぶ基軸通貨になったといえるでしょう。

現在、ユーロの流通量はドルを超えています。



<<ユーロ>現金流通から5年 米ドルを超えた模様

06年12月30日19時46分配信 毎日新聞

【ロンドン藤好陽太郎】欧州単一通貨ユーロの市中での紙幣流通量
が今月初めて米ドルを超えた模様だ。

ロシアや中東地域などユーロ圏外でも保有する動きが広がっている
ほか、ユーロ高でドル換算した額が膨らんだ。

旧ユーゴスラビア連邦のスロベニアも来月1日から新たにユーロに
加盟し、ユーロ圏は今後も拡大が予想される。

通貨として誕生してから丸8年、現金流通開始から5年。

ユーロは国際通貨としての存在感を強めつつある。>



 この他、南米共同体や東アフリカ共同体が共通通貨導入を目指し
ています。

世界的ドル離れの動きは、もはや止めることができない段階にきて
いるのです。

 それで、国際的投資家ジョージ・ソロスは08年1月23日、ダボス会
議で歴史的発言をしました。



「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する」



 これらの事実を見ると、「アメリカの没落はもはや不可避である」と
いう結論にならざるをえません。
 


【引用ここまで▲】


リーマンショック後、いろいろ状況は変わっていますが、大きな流れ
は変わっていません。

中国・ロシアは、ブラジル・インド、イラン・中東産油国などをまきこみ
相変わらずドル攻撃をつづけている。

危機勃発後の大きな動きを見ると、


1、中国はIMFのSDRを「世界共通通貨にしよう」と提案した



< 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は23日、国際通貨基金
(IMF)の特別引き出し権(SDR)がドルに代わる可能性を示唆した。

 SDRはIMFが1969年に創設した準備資産。

周小川総裁は、人民銀行のウェブサイトに掲載された論文の中で、S
DRが準備通貨として機能する潜在力があると指摘した。>

(09年3月24日 ロイター)



2、SDR建てのIMF債発行が決定され、ドル体制に大打撃



<「IMF債」発行を正式決定 ドル基軸論争に弾み

7月2日23時33分配信 産経新聞 

【ワシントン=渡辺浩生】国際通貨基金(IMF)は1日の理事会で、設
立以来初めてとなる債券発行を正式決定した。

日本や米国など主要加盟国からの融資に依存していた資金調達手段
が多様化し、金融危機に陥った国への支援にIMFの財源を拡充する。>


<IMF債の発行は、ドル基軸通貨体制の見直し論議に勢いをつける
            ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
可能性もある。>(同上) 



3、ブリックスは、貿易における「ドルはずし」で合意



< 同筋によると、4カ国の首脳はまた、域内貿易での自国通貨に
よる決済拡大に向け提案をまとめるよう求めた。>

(6月17日ロイター)



4、中国・ロシアは二国間貿易で「ドルはずし」に合意



< インタファクス通信によると、両首脳は現在ドルで行われている
原油など貿易取引の決済について、

ルーブルや人民元への切り替えを検討することでも合意に達した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
世界最大規模のエネルギー消費国と生産国が自国通貨による決済
に踏み切れば、

世界貿易におけるドル離れを加速させる可能性もありそうだ。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(6月18日産経新聞)



5、人民元決済(ドルはずし)による貿易がスタート



<対外貿易での人民元建て決済がスタート

 各方面の期待を集めていた対外貿易における人民元建て決済のテ
スト事業が6日、全国に先駆けて上海市でスタートした。

これにより、人民元が国際貿易の決済に占める地位が勘定通貨から
決済通貨に上昇し、中国の対外貿易における人民元建て決済業務
が実質的な運営の段階に入ったことになる。

 テスト事業のスタート式典では、上海市にある企業3社ーー上海電
気集団株式有限公司、上海絲綢集団株式有限公司、上海環宇進出
口有限公司と各社の香港、インドネシアの貿易パートナーとが、人民
元建てでの対外貿易決済に関する合意書に初めて調印した。>

( 「人民網日本語版」2009年7月7日 )



これらすべての動きは、「ドル体制を崩壊させる」動きであり、それは
つまり「アメリカを没落させるための動き」ともいえる。

日本には、「ドル体制が崩壊するとみんなが困る。だからドル体制は
安泰だ」なんて寝ぼけたことをいまだにいっている人がいます。

そういう人は、↑のような数々の事実をどう説明するのでしょうか?



▼中国の飛躍


日本でもっともポピュラーな迷信は、「アメリカ覇権永遠信仰」。

次にポピュラーなのが、「中国大したことない信仰」。



まあ、私も「中国が永遠に繁栄する」とは思いません。

中国も他国同様ライフサイクルを逃れられない。

ライフサイクルで見ると、この国は「成長期の後半」に入ったばかり。

後10年間は中国の影響力・支配力がドンドン強まっていく。

そして、20年頃日本のバブル崩壊のような出来事が起こること
でしょう。

その次は、インドの時代に移っていきます。


とはいえ、「中国が次期覇権国家」の最短距離にいることもまた
事実。

毎回書いていますが、覇権とは支配力のこと。

そして、国家の支配力の源泉は、金(経済力)と力(軍事力)。

金(経済力)と力(軍事力)が一番なら覇権国家といえる。

現在は、GDPでも軍事力でもアメリカがNO1。

そして、中国は経済力でも軍事力でも、NO2になろうとしています。

まず経済力。

前々からRPEで書いてきましたが、ついに中国がGDPで世界2位
になることが確実になってきました。




<中国「世界2位の経済大国」へ 「内需主導」成長路線で

7月17日7時57分配信 産経新聞

 【上海=河崎真澄】第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)
成長率が7・9%となり、政府目標の「8%前後」達成が視野に入
った中国。

今年、マイナス成長を見込む日本を尻目に、GDPで米国に次ぐ
「世界第2位の経済大国」の地位を射止めることがほぼ確実
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
となった。>




中国は人口が多いので、一人あたりのGDPはまだまだ低い。

とはいえ、国力をはかるのは通常「国家のGDP」で見ます。

日本が「世界第2の経済大国」というのも、「一人当たりのGDP」
ではありません。

一人当たりなら、日本は19位。

ですから、中国はまもなく、「世界第2位」の経済大国になると
いうのは真実なのです。


さらに、軍事費。

これも公式数字で世界2位に浮上しました。



<中国国防費14・9%増 09年、21年連続2けた伸び

3月4日15時53分配信 産経新聞

 【北京=野口東秀】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の李
肇星報道官(元外相)は4日、記者会見し、2009年の国防予算が前
年度実績比で14・9%増の4806億元(約6兆9000億円)に上ること
を明らかにした。
 
国防費の2ケタ伸びは21年連続。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
史上空前の金融危機でこれまでで最大の財政赤字を見込むにもかか
わらず、“軍だけは別”という実態に「中国脅威論」が高まるのは確実だ。>



しかも非公式では、この国の軍事費は3倍くらい多いといわれている。
(米国防総省などによる)


さらに悪いことに、中国の外貨準備は約200兆円、米国債保有高は約
80兆円で、共にダントツ世界一。

世界のルールは、「金を貸す方が、借りる方を支配する」です。


アメリカは中国に頭があがらない状況になっている。

それで「G2(米中)で世界を支配しましょう!」なんて恐ろしい提案をして
いるのです。

「隷属国家日本の岐路」で危惧していたことが、わずかな期間で現実化
している様が見えてきます。


▼日本の選択


さて、世界の現状を二言でいうとこうなります。


1、覇権国家アメリカは衰退している

2、中国が台頭している


そして、衰退するアメリカと台頭する中国が、「G2で世界を支配しまし
ょう」と話合っている。


そこに、日本の位置はないのです。

アメリカは、すでに「金」(中国に米国債を買わせつづける)を「人権」「
民主化」よりも重視するようになっている。

その証拠に、ウイグル問題に関して、ほとんどノーリアクション。

実際、アメリカは「台湾の独立」をあきらめているようなムードすらあ
ります。

チベット・ウイグル・台湾を見捨てているアメリカ。

今までのように日本を守りつづける気があるのでしょうか?

事情を知る人なら、「アメリカが日本のために、「核大国」中国と戦争
にいたる可能性は極めて低い」と答えるでしょう。

戦後60年以上、アメリカの「天領」だった日本。

そのアメリカ幕府が衰退し、「もう面倒みきれません!」となったとき
どうするか?

日本には二つの選択肢があります。


1、中国の天領「小日本省」になる

2、真の自立国家になる


皆さん、共産党一党独裁国家の天領になんてなりたくないでしょう?

日本が真の自立国家になるためには、以下のことが必要です。


・経済の自立(内需型経済・財政の黒字化)

・軍事の自立(自国は自国で守れる体制つくり)

・食糧の自立(自給率100%)

・エネルギーの自立(自給率100%)

・精神の自立(日本の歴史・文化を重んじる教育)


はじめて読まれた方は、「こんなん絶対無理だ!」と思われるでしょ
う?

特にエネルギー自給率100%なんてね~。

でも、これ全部可能なのです。

具体策については、長くなるので書ききれません。

これを選挙前にご一読ください。
→  http://tinyurl.com/6zcszc  


資料山盛りで全部わかります。


▼中国が日本を天領化するのに武力はいらない


さて、RPEでは5回にわたって、「選挙の前に考えようシリーズ」を書
いてきました。

重要な国防について触れなかったのは、時間がないこともそうです
が、「中国が日本を天領化するのに武力はいらない」からです。

目標を達成するのに武力を使うのは「下策」。

できれば、武力を使わずに日本を天領化した方がいい。



書いてきてわかるのは、自民党も民主党も、相対悪・相対善だとい
う事実です。

たとえば、3K移民推進論者は両党にいます。

農業政策についても、自民党は「減反継続」であり、民主党は「ア
メリカとのFTA締結」をマニフェストに入れている。

ですから私は皆さまに、「○○党に入れましょう」とはいいません。

以下のRPEを読み返していただき、日本の自立を進めるような候
補をお選びください。

逆に日本の天領化を推進する候補を落としてください。

今回の選挙は、「日本が中国の『小日本省』になるか、『自立国家』
になるかの戦いなのです。↓


2009/07/04 【RPE】選挙にむけて考えよう1(景気対策か?財政
再建か?)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090704161227000.html

2009/07/23 【RPE】選挙の前に考えよう2(日本をウイグル化す
る売国政策1)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090723004133000.html

2009/07/28 【RPE】選挙の前に考えよう3(日本をウイグル化す
る売国政策2)↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090728234529000.html