【ソウル時事】韓国の李明博大統領は15日、日本の植民地支配からの解放記念式典で演説し、北朝鮮に対して通常兵器の削減交渉に応じるよう初めて呼び掛けた。また、北朝鮮が核放棄を決断すれば、「朝鮮半島の新しい平和構想を推進する」と表明。対話に前向きな姿勢を強調し、互いの軍備削減が経済活性化にも貢献すると訴えた。
李大統領は北朝鮮の核放棄を前提に経済協力を行う考えを改めて表明。「南北経済共同体」の実現に向け、高官会議を設置し、国際的な協力を基にインフラ整備などを進める方針も重ねて示した。
北朝鮮が拘束していた韓国企業職員や米国人記者を解放し対話姿勢を見せていることを受け、李大統領は北朝鮮にさらに前向きな対応を促した形だ。ただ、軍優先の政治体制を取る北朝鮮が韓国側の大きな譲歩なしに、大統領の提案を受け入れる可能性は低いとみられる。
一方、演説では日本の植民地支配への直接的な批判はなく、未来志向で日本との関係構築を目指す姿勢を改めて示した。李大統領は日本統治時代に起きた「3・1独立運動」の記念式典の際の演説でも日本批判を控えていた。(2009/08/15-10:56)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009081500045&j1