バターン「死の行進」の生存者を中心に、元捕虜やその子孫ら数百人 | 日本のお姉さん

バターン「死の行進」の生存者を中心に、元捕虜やその子孫ら数百人

バターン死の行進、元米捕虜らを日本招待へ

 政府は、第2次大戦中の1942年4月、日本軍がフィリピン・ルソン島で行った「バターン死の行進」で生き残った元米兵捕虜らを、来年度日本に招待する方針を固めた。

 政府が元米兵の捕虜を公式に招待するのは初めて。

 元捕虜の間には、今もなお反日感情が残る人々もおり、日本政府としてはこうした活動を通じ、日本に対する理解を深めてもらいたい考えだ。

 「バターン死の行進」をめぐっては、米国内に元捕虜で作る「全米バターン・コレヒドール防衛兵の会」があったが、高齢化に伴い、今年5月、テキサス州サンアントニオで解散式が開かれた。

 この会合に、藤崎一郎駐米大使が日本政府を代表して出席した。「バターン半島・コレヒドール島などで、悲惨な経験をした元戦争捕虜を含む多くの方々に、多大な損害と苦痛を与えたことに、心からのおわびの気持ちを表明します」と謝罪した。日本政府が元米兵捕虜に直接謝罪したのはこれが初めてのことだ。

 計画は、大使の謝罪を受けて動き始めた。来年度中に実施される見通しだ。対象となるのは、「死の行進」の生存者を中心に、元捕虜やその子孫ら数百人となる見込み。記念行事への参加や日本の青少年との交流、一般家庭へのホームステイなどが想定されている。

 政府は2004年度までの10年間、日本が戦争被害をもたらした国との関係を改善するため「平和友好交流計画」を実施した。外務省によると、オーストラリアや英国、オランダの元捕虜については日本招待を行ったが、激しく戦った米国からの招待は実現していなかった。

 一方、日本の戦争被害者らの間からは、政府の計画に疑問の声もあがっている。米国は原爆投下や無差別空襲などの犠牲者に謝罪していないためだ。日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳事務局長は、「米軍捕虜を招くなら、政府は米国に原爆や空襲の犠牲者への謝罪を求めるべきだ」と話している。

8月13日14時35分配信 読売新聞

最終更新:8月13日14時35分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090813-00000596-yom-pol