シベリア抑留、露に76万人分の資料 | 日本のお姉さん

シベリア抑留、露に76万人分の資料

シベリア抑留、露に76万人分の資料 軍事公文書館でカード発見

 【モスクワ=遠藤良介】モスクワのロシア国立軍事公文書館に、第2次大戦後にシベリアなど旧ソ連に抑留された日本人約76万人分の資料が収蔵されていることが23日、分かった。同館では日本政府に写しを提供する方向で話し合いを進めているという。これまで日本の厚生労働省はいわゆるシベリア抑留者の総数を約56万人、うち死亡者を約5万3000人と推定しており、新資料がこの問題の全容解明に寄与することが期待される。

 同館のクゼレンコフ館長によると、見つかった資料は抑留者の氏名や生年月日、収容歴など個人情報を記したカードで、総数76万枚と推定される。これまで日本政府に提供されてきた名簿や身上書類とは別の書式であり、「新しい名前が明らかになる可能性がある」という。ただ、カードには同一人物に関する情報が重複している恐れがあり、これまでの身上書類と照合するなど膨大な整理作業が予想される。

 シベリア抑留者に関する資料提供は1991年4月、当時のゴルバチョフ・ソ連大統領の訪日を機に始まり、これまでに計4万1000人の死亡者名簿が日本側に引き渡された。これに対し、日本政府が帰還者や家族らへの聞き取り調査で判明した死者は約5万3000人と約1万2000人の開きがあるのが実態だ。また、死亡者のうちロシア側の資料で収容所や死亡地が確定したのも約3万2000人にとどまっている。

 旧ソ連は第2次大戦での日本降伏後、満州や樺太(サハリン)などから日本の将兵や民間人をソ連各地に連行し、約2000カ所の収容所や作業所で強制労働を課した。元抑留者や遺族の高齢化が進む中、ロシアだけでなくカザフスタンやウズベキスタン、ウクライナなど旧ソ連各国での実態解明も急がれている。

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 厚生労働省は23日、ロシア国立軍事公文書館で発見された新資料に含まれるシベリア抑留者の人数について「(公文書館側が推定する76万人分でなく)70万人程度ではないか」との見方を示し、ロシア側との新資料提供に関する交渉については「まだ新資料の入手に向け調整をしている段階で、両国間で合意ができているわけではない」と話している。7月24日1時35分配信 産経新聞
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