万里の長城こそ中国の限界 | 日本のお姉さん

万里の長城こそ中国の限界



☆ 万里の長城こそ中国の限界  竹下義朗さん
                           原著 2003/04/07

世界最大の建造物は?と質問されたとしたら、大抵の方は、エジプト・ギザの三大ピラミッド、大阪の大山[だいせん]古墳=仁徳天皇陵と言われている)、そして「万里の長城」が思い浮かぶと思います。

その中の一つ、万里の長城は、人類史上最大の建造物で、月面からも見えるとまことしやかに言われたものですが、まあ、それは嘘にしても、東は渤海湾に面した河北省山海関から、西は砂漠地帯の甘粛省嘉峪関[かよくかん]に至る、

総延長2400キロにも及ぶ大城壁で、正に「万里」の長城の名に相応しい建造物である事は確かです。しかし、この日本からも多くの観光客が訪れ、実際に目の当たりにする万里の長城の意義について知っている人は意外と多くありません。

そこで今回は、万里の長城を通して中国を論じてみたいと思います。

万里の長城は、前述の通り総延長2400キロにも及ぶ大城壁なわけですが、その歴史は今から二千数百年前の春秋・戦国時代(紀元前770年~221年)にまで遡[さかのぼ]ります。

元々、殷王朝(紀元前1500年頃~1111年頃)は黄河流域を領有していたに過ぎなかったのですが、版図が拡大するにつれて周辺異民族との接触の度合いも多くなっていきました。

特に北方の草原地帯にあって、厳しい環境の下、遊牧・狩猟を生きる糧としていた遊牧騎馬民族にとって、肥沃な黄河流域を次々と開墾し、農耕社会を発展させていった殷・周(紀元前1111年頃~256年 )といった支那諸王朝は、まさに「巨大な食料庫」として映った訳で、以後、支那は幾度となく北方遊牧騎馬民族の南侵にさらされています。

その南侵を防ぐ為に構築されたのが、後に「万里の長城」と呼ばれる城壁なのです。

万里の長城の元となった長城=城壁を最初に建造したのは、春秋・戦国時代、現在の山東省にあった斉国といわれていますが、以後、韓=河南省・趙・魏=共に山西省・燕=河北・遼寧省・楚=華南地方・秦=陜西・甘粛省といった列国が次々と建造を始めたのです。

これらの長城は、あくまでも列国が自国の防衛目的で勝手に構築していったもので、位置も規模もバラバラだったのですが、秦の始皇帝によって支那全土が統一されると、

列国の長城のうち、北方にあった趙・燕の長城を連結補完し、東は遼寧省遼陽から、西は甘粛省臨[りんとう]に至る最初の万里の長城(以下「長城」と略)が完成、漢代には西端が甘粛省玉門関迄延長されたのです。

ちなみに、秦漢時代の長城は、現在よりも北に位置していました。

さて、このように秦漢時代に一応の完成を見た長城ですが、これらは単に北方の脅威であった匈奴[きょうど]・鮮卑[せんぴ]といった遊牧騎馬民族に対する防御目的から構築された訳ではありません。実は、長城にはもう一つの側面があったのです。

それは、司馬遷が著した「史記・匈奴列伝」のこんな一節が物語っています。

「先王の制に、長城以北は弓を引く国」

つまり、当時の支那=秦・漢は、長城の北側は「弓を引く国」=匈奴・鮮卑といった遊牧騎馬民族の国であるといっている訳で、長城とは、支那と遊牧騎馬民族国家との「国境線」でもあった訳です。

その後、五胡十六国時代に、長城を越えて匈奴・鮮卑・羯[けつ]といった北方遊牧騎馬民族が南侵、五胡によって建国された列国が淘汰されて南北朝時代を迎えた5~6世紀にかけて長城は南に移り、ほぼ現在の位置に定まったのは隋の時代のことです。

とはいっても、その後も増改築が繰り返され、現在の長城が完成したのは、なんと15~16世紀、明の時代なのです。つまり、現在我々が目にしている長城は、支那人によって営々二千年以上にもわたって造営されてきた訳で、そこには物凄い執念が感じられるのです。

それと同時に、これらは裏を返せば、支那人がいかに北方遊牧騎馬民族に対する畏怖を抱いていたかをも表しており、ベルリンの壁よろしく、何としても自分達=支那人)と野蛮人=遊牧騎馬民族)とを隔絶したいという強い思いが働いていたともいえるのです。

話は変わりますが、「国(國)」という漢字の外側の「囗(くにがまえ)」が一体何を表しているか、皆さんはご存じでしょうか? 実は「囗」は城壁を表しており、「国」とは城壁(長城)に囲まれた内側の世界を意味しているのです。

余談ですが、支那の長安=西安・洛陽と、日本の平城京=奈良・平安京=京都は、かつて両国を代表した「都城制」に基づいた首都でしたが、両者には決定的な相違点がありました。それは「城壁」の有無です。

平城京・平安京は、確かに長安・洛陽といった支那の都城制に倣[なら]って造営された首都でしたが、外部からの侵入を防ぐ為の城壁がありませんでした。

それに対して、長安・洛陽、いや、南京大虐殺の舞台になったとされる南京でさえも、かつての支那の主要都市は城壁に囲まれていました。ーーー何故このんな事をわざわざ言うのか?と思われる方もおありでしょう。それは、支那における「国」の概念を知って頂きたいからなのです。

「国」という漢字が城壁「囗」に囲まれた内側の世界を表している事は前述の通りです。そして、長城が支那人自らの意思によって構築された城壁である以上、長城に囲まれた内側=南側が、元来、彼らの考えていた中国だと言えるのです。

すると、こういうことになります。ーーー長城の外側=北側にあって、支那自身が「潜在的中国領」と考えている沿海州や外蒙古=モンゴル国はもとより、現在領有している満州=中国東北部・内蒙古=内蒙古自治区・ウイグル=新疆ウイグル自治区でさえも、元来、中国の領土ではなかったということになるのです。

確かに支那の歴史を繙[ひもと]くと、長城の外側をも支配した時代がありました。しかし、それは、突厥[テュルク]を平定して一時的に蒙古平原を支配した唐(ただし、皇帝李氏が鮮卑系だったのを始めとして支配層の多くが非漢人)を除くと、

遼=契丹族・西夏=タングート族・金=女真族・元=蒙古族・清=満州族と、何れも非漢民族系であり、非漢民族が漢民族の国を征服支配した時代だった訳です。

また、南北朝時代に終止符をうって支那を再統一したにも関わらず、長城を越えての高句麗遠征に何れも失敗して滅亡した隋や、皇帝=英宗正統帝)自らが総兵力50万人もの大軍を率いて蒙古の瓦剌[オイラート]親征を敢行したにも関わらず、逆に包囲され大軍は全滅、皇帝自らも捕虜として抑留されることになった明(1449年 土木の変)等、支那側が長城の外側をまともに支配した例はないのです。

かつてソ連のフルシチョーフ首相は、中ソ国境紛争で対立していた1969=昭和44年、支那=中華人民共和国)に対してこんな発言をしました。

「中国の国力の限界は長城までである」

「古来中国の国境は、長城を越えたことがなかった」

つまりフルシチョーフ首相は、長城に対して前述したのと同様の認識を持っていた訳です。そして、もしも国家にも適正規模というものがあるのだとすれば支那の適正規模はあくまでも長城の内側ではないかと思うのです。

その長城を越えて満蒙疆=満州・内蒙古・ウイグル)にまで拡張し、さらに、現在も拡張し続けようとしている巨大帝国「中国」は、膨らましに膨らましたゴム風船のように、いつか破裂(分裂滅亡)する運命にあるとはいえないでしょうか?

それは、過去の歴史において、長城を越えて拡張しようとした王朝が、その後何れも国力が衰退し滅亡している事実が図らずしも証明しているのです。


─── 余談つれづれ

中国は、解放の名の下に満州・内蒙古・ウイグル(新疆)・チベットと、周辺諸民族・地域を侵略支配しています。その中国に問いかけたい事があります。

それは、何故、同胞として解放(侵略併合)した筈の周辺諸民族の地域に長城が存在するのか?と。それら長城が誰からの強制でもなく、支那人自らの意思によって営々と構築されてきたという歴史的事実や、どんな経緯で構築されてきたのかということを考えると、支那人が、

「中国人」である我々は、絶対に「野蛮人(周辺諸民族)」とは同化したくはない。ーーーと考えてきたという結論にしか達しないのです。
そのような中国──ベルリンの壁よろしく長城を構築してきた支那が、周辺諸民族に対して同胞と呼びかけ、祖国・中華大家庭への復帰と称して中国への帰属を執拗に求める姿勢には反発を覚えるというよりも、最早、呆れてものも言えない、開いた口が塞がらない、いや、


ーーー救いようがない、というしかありません。


                        = この稿おわり =
┌─┬───────────────────────────────┘
│●│ お寄せいただきましたご意見や感想。
└─┘
┌──────────「Hal さん」

竹下義朗様、「移民による既成事実化─支那の領土拡張策」まさにその通りですね。

最近、日本の人口減少をいいことに、今回のご指摘の事情を知りながら、彼の国から何百万人も移民を導入しようとする勢力が蠢いていますが、本当に危険ですね。

GHQ教育で日本人の心性を破壊された現状を考えれば、「人海戦術の国ならではの武器=人)を使った『静かなる侵略』」により、簡単に日本国(人)は、無血占領されるでしょう。

更にいえば、「支那人は元来、狡猾で商業に長けており」「総人口の僅か5%で・・東南アジア経済は、概ね華僑に牛耳られ」「華僑達には・・自らの暮らす国家に対する愛国心や忠誠心は殆どありません」という事実があるのに、

彼の国の人に、日本経済の下支えを期待するというんですから、日本人はどこまでお人好しなんでしょう。ほんとにこのまま「家畜人ヤプー」の世界まで落ちて行くんでしょうかね。

└──────────

┌──────────「lonsome carboyさん」

移民3千万人計画とか、沖縄に1千万人呼び込むとか、馬鹿げた政策を唱える政治家が与野党共にいますが、日本をシナの属国にする手助けをしているように思えてなりません。

地方自治とはいえ、在日外国人への選挙権付与がその第一歩となりえるので、民主と公明(社民・共産は論外)は信用できません。

日本列島は日本人の為のものです。地球市民とか青臭い理想論を唱える人は、チベットやウィグルの惨状を見聞きしていないのでしょうか。いくら日本のマスメディアが過小報道しようとも、現実は見えているはずなのに。

話は変わりますが、米国のカリフォルニア州が経済破綻状態に陥っています。

知事が非常事態宣言を発表しました。現地の報道によると、違法移民の増大が大きな原因のひとつといわれています。労働人口の40パーセントが現金収入だけを目的にした税金不払い者だそうです。

出産する3分の2が税金を払っていない移民であり、その費用は真面目に税金を払っている人たちの保険料から賄われているそうです。

それら移民に掛かる福祉費用、教育、救急医療、踏み倒された治療費、増大する犯罪、その対策費用、刑務所の建設、その維持、刑務官や警察官の増員。

日本の近未来をどうするのかが問われています。

人口減による経済規模の縮小、中規模国家 もしくは、移民増による経済規模の確保、治安悪化と社会保障費の増大による増税。

移民を呼込むことによるメリット・デメリットを真剣に考える時期でしょう。

└──────────

┌──────────「権兵さん」70代@男性@関東

~~~緑の保守派尊野ジョーイさんは言いました。

「義勇兵と正規兵」の別も分らず アホとは何だと・・・

それでは聞くが、昭和16年12月8日以前に、アメリカの正規兵が参戦していたのかな??ーーー参戦していない。いたとしても正規兵ではない。

軍籍を離脱して、あくまで義勇兵としてならばいたでしょう。

このへんを知らすしてよく言うと思うよ・・・アハハ

└──────────

┌─────────────────────────────────┘

 竹下義朗さんは「帝国電網省」という超有名なウェブサイトを主宰されておられます。─→ http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/

「帝国電網省」の凄いところは、英語バージョンのページがあり「歴史再考」の記事で、外国人に知らせたほうがいいと思われるものについては、英文にして掲載していることです。たくさんの題目がありますが、卑近な例では「従軍慰安婦問題」や「南京大虐殺問題」などです。

我々は日本語では主張していますが、英語ではしておりません。しかし、世界中に訴えるべき主張は、やっぱり英語でやったほうが効果があるわけで、そのご努力には頭が下がります。

自分の勉強にもなります、著書を購入して応援を!しようじゃありませんか!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
竹下義朗さんの著書: http://astore.amazon.co.jp/chinachips-22

「検定不合格 教科書になれなかった史実」  雷韻出版1500円
「検定不合格 教科書になれなかった史実2」 雷韻出版1500円
「汝の敵中国を知れ 知られざる反日国家の顔」雷韻出版1350円


「帝国電網省:歴史再考」収載ページは ▼ こちら!
http://chinachips.fc2web.com/repo5/051takesita.html


┃▼▽ オヤジの嫌味 ▽▼


hideおじさん


ーーー野党の副代表がこんなことを言っていた。

「日本は日本人だけの所有物じゃないので....」

この発言には正直耳を疑った。ーーー彼は同じことをアメリカや中国にも言えるのだろうか?いろいろな民族が同居している中国に、

中国は漢人だけのものじゃない。だから少数民族にも同じ権利を与えよ」と面と向かって言えたら「良く言った!」と支持するが、どうもそんな肝っ玉はなさそうである。

彼は、果たしてこの「日本」が、いったい誰のものであるといいたいのだろうか。一歩間違えれば、これほど国民をバカにした発言はない。

そもそも国家の何たるか理解していないからこんなことが言えるのだろう。
それで政権を担うとは、おこがましいし、日本国民への侮辱である。

これから政権を取ろうかという政党の副代表が、日本国民のことより外国人の居心地を考えてどうすると言いたい。

国民を代表する国会議員なら、まず日本人の利益を最優先に考えて貰わないと困るが、そんなことより、目の前の政党支持率が大事なのだろうか?

彼の主旨は、移民や定住外国人に対する参政権に関しての意見のようだが、何でも杓子定規に考えず、過去はどうあれ、現在は真面目に日本社会に貢献し、今後も十分日本人としての責務を担える外国人には日本国籍を認める、という意見には賛成である。

しかし、国籍は変えたくない、でも権利は欲しい、では、日本人みんなが納得できるとは思えない。何ゆえ日本国籍を取得することを考えないのか不思議である。

どうにもならないという理由があるなら理解もするが、日本に長く住んでいて税金も納めているから参政権を与える、ということがグローバルスタンダートであるはずがない。

彼の御仁「韓国では外国人にも参政権がある」とも言っていたが、それなら向こうで政治家になってはいかがだろう。ついでに、立候補するときはこう言ってもらいたい。

「韓国は韓国人だけの所有物ではない!」

ところで先日お辞めになった代表殿が、テレビコマーシャルで「国民の生活が一番!!」と言っていたが、よ~く見ると、

そのフレーズの前に薄っすらと「他国の」という文字が浮かんでいる。


                        = この稿おわり =

 感想やご意見をお待ちしています。 ojindesu@hotmail.com
 http://form1.fc2.com/form/?id=273573

│●│「ある大学教授」お寄せいただきましたご意見や感想。
└─┘
┌──────────「田舎暮らしさん」50代@男性@管理職@海外

Hideおじさんの意見に同意しかねる。「アメリカが攻撃されたら日本は逃げればいい」という某経済評論家の一言に「友達」との関係で非難をしているが、まったくポイントがずれている。

裏返せば「アメリカが攻撃されたら日本は助けに行く」ということ。=アフガンやイランが良い例。結局「アメリカ(友達)」が言うこと、することはすべて正しく、助けが求められれば「友達」だから助けに行く。

「お前はオレの最大の友達」「世間がなんと言おうとお前を信じついて行く」「世間の正義や常識よりお前との友情が大切」個人的な仲間、暴力団などではそれでもいいが、国家がそれではダメだろう。

さらに、日本が思うほどアメリカ様は日本なんて気にしちゃいないよ。日本がお金持で世間知らずなお坊ちゃまだからさ。そして、Hide様のような、真面目で人を信じやすく、義理人情に厚いお金持がアメリカ様の1番好きな友達。

幸か不幸か、東京裁判以降、アメリカ様の庇護の下、アメリカ様の意向どおり素直に実行してきたから、日本の政治家は何も考えなかったし育たなかった。
(田中角栄以外)

その体たらくが今の日本の政治家。経済は一流、政治(家)は三流。アメリカ教の熱心な信者、

(以下8行、文字化けで判読不能)

└──────────

┌──────────「hideおじさん」

身近な例のほうが判りやすいかなと思ったのですが、「友人」という語句にとらわれ過ぎていらっしゃるのか、私のたとえが良くなかったのでしょう、少々誤解があるように思います。

アメリカが良いとか、アメリカだから言うことを聞くなどということ言いたい訳ではありません。少なくとも「同盟国」という国際的にいう契約形態をとっている以上、相手に何かあった際に、無視してよいとはいえないだろうという
ことです。

国連においても同様で、互いに協力しましょうといっている国々に対して「俺には協力してくれ、だけど俺は協力できない」という主張が国際的に通じますか?ーーーということです。

それを某大学教授のように、TVで「アメリカが攻撃されたら日本は逃げればいいんですよ」と軽々しく口にすべきではないということです。

さらに、日本が攻撃されたら「黙って殺されたらいい」とか「戦争に巻き込まれたらアメリカに逃げます」とか、そういう無責任な発言をTVで堂々と流す日本がとても正常な姿とはいえないということです。

言われるまでもなく、アメリカは日本が思うほど恋焦がれているわけではありません。安保条約を見れば、日本が攻められたら無条件でアメリカが守るなどという記載なんかありません。

そういった現実には目を背けて、国防をほとんど全てアメリカに任せている現状が、とても国として正常とは思えません。「アメリカはアメリカ、日本は日本」と主張するならば、少なくとも自分のケツは自分で拭けるだけのことはし
なければなりません。

それを、毎年防衛予算を2%削減しているという現状は愚の骨頂です。

こういったことも判らずに、一端のインテリぶって、それがあたかも先進的な意見だといわんばかりに持ち上げられている日本が危ういということ、それが私の言いたかったことであります。


「オヤジの嫌味」→ http://chinachips.fc2web.com/oyajino/index.html


┃▼▽ インド徒然 ▽▼


☆ 自動車産業好調・小型車の輸出基地へ  はぐれ雲さん


世界の乗用車メーカーが悪戦苦闘している中、インドの乗用車メーカーは着々
と成長の道を歩んでいる。この1~2年の特徴は‘小型車’‘エコカー’‘輸
出基地化’である。

インド最大の乗用車メーカーであるマルチ・スズキの6月の販売台数は7万5
109台で、前年比22.6%増、その内、1万3336台は輸出である。仕
向け先は、ドイツ、イギリス、オランダ、スペイン、フランスである。

一方、現代の6月の販売台数は4万7267台、5~6月の輸出は2万425
1台で、前年対比32.5%増、全て欧州向けである。

現在、インドからの輸出に注力しているのはこの2社だけだが、ホンダ・日産
・トヨタ・GM・タタ等々も、輸出を睨んだ生産設備増強を図っている。

他方、NYKはムンドラ港に、MOSKはチェンナイ港に、それぞれ乗用車専
用輸出ターミナルを建設中である。

欧州向け輸出が急増している背景には、ドイツ、フランス、イタリア、イギリ
スなどの政府が、新車(小型車・エコカー)買い替えに対する補助金支給制度=
緊急経済対策)がある。

欧州では、この制度を利用して、格安のインド小型車を更に安く購入する乗用
車所有者が増えている。厳しいヨーロッパ基準を満たした燃費効率の良いエコ
カーとして人気が出ているようだ。

国内産業保護政策に否定的な欧州各国、インド車の販売台数が増えても文句は
いえまい。スズキも現代も‘ラッキー’と喜んでいる。

インドの乗用車国内市場規模は、2008年度の年間販売台数は約160万台
で中国の1千万台と比較すれば非常に小さい。それだけに増加する余地が十分
にあるといえる。それに加え、各メーカーがインドを小型車・エコカーの輸出
基地として活用し始めている。

インドも、経済対策の一環として物品税=消費税)の大幅引き下げ(16%→
8%)や、クリーン燃料車・燃費効率の良い車に対する税優遇措置等による新
車購入促進策を導入しており、特に小型車の国内需要は急増している。

専門家 (Ernst & Young)は、インドの乗用車市場は「今後5年間、毎年12%
以上の成長が見込まれる」「2009年度の販売台数189万台が、2014
年には販売台数275万台(国内275万台・輸出199万台)に増加する」と
予測している。

2000年代前半は、IT・サービス産業がインド経済の牽引役になっていた
が、今後は乗用車産業もインド経済の牽引役に加わる事になる。

現在、小型車・エコカーを生産、設備増設、若しくは検討中のメーカーは、ス
ズキ、ホンダ、トヨタ、日産、現代、GM、フォード、フォルクスワーゲン、
フィアット、BMW、アウディ、タタ…、世界の大手自動車メーカーがインド
で頑張っている。GMインドもやる気満々である。

インドの貿易量は世界の貿易量の約1%にしか過ぎない。お蔭で世界不況の影
響を余り蒙らなかった。

インド政府は、本年度の予算案の中で、貿易量の倍増を謳っている。乗用車輸
出拡大などは典型的な好例であり、インド政府も側面支援するだろう。

先日、タタ・モーターズが「ナノ」をナイジェリアに売り込んでいる、との噂
が広まった。ーーーそのうち日本でも、インド車が走るかも知れない。


                        = この稿おわり =


「インド事報・インド徒然」 ▼ 収載ページはこちら!
http://chinachips.fc2web.com/repoas/06haguregumo.html

はぐれ雲さんのブログ」→ http://dankaisedai.iza.ne.jp/blog/

┃▼▽ 読者の広場 ▽▼


┌──────────「流水長思さん」

NHKの件についての拙論に対し、厳しいご意見、いろいろ有難うございました。私もあらためて感じるところがありました。

── youzanさんへ、

日台戦争など、歴史に意味不明な用語が使われていたとすれば、それがどのような根拠で使われたのか、出典があるのか等、問い質して、相手に非を認めさせることができれば前進でしょう。

こちら側ではなく、相手の自覚を促すことが大切なのだから。許す、許せないの問題ではないように思います。

ともあれ、訴訟に参加されたことは、不正を正そうとする意欲に燃えられての事と思い、敬服致しました。ただ、あなたを否定するのではなく、応援する意味で、以下のような意見もあることを知ってほしいのです。

人間の考え方は、物事の見方によって様々に変わり得るのです。いくら相手の意見や考え方がおかしくても、訴訟にまで持ち込むことは、自由な論議をする機会を奪ってしまうことになります。ーーー相手も容易に引き下がれなくなってしまうでしょう。

犯罪を犯したと思われる人間に、お前がやったんだな、と自白を迫る取調官によって冤罪も生れるのです。もっとも、今度の件に限って言えば、冤罪に繋がるというような性質のものではないでしょうが。

明らかにおかしな内容は、自由な論議の場によって正当な意見とおかしな意見の色分けがつければそれが一番いいと思うのです。それが甘いという状況があるのなら、そのへんを、右翼や左翼の思想に素人の私に、いやそういうことでないなら、それがどういうことなのか、もう少し客観的な状況をご説明いただきたいと思いました。

それを、笑うしかないとか、まるで話にならない、というのでは、感情が先行されていて、いささか民主的な話し合いができない恐いものを感じます。

私がNHKの回し者であるなら、そのような話し方は仕方のないことでしょうが、全く関係のない一市井の人間です。そのような人間に対してもう少し謙虚なご議論を期待したいのです。

それほどあなたが正しいなら、さすが、そうなんですかと誰でも自然に納得させてくれるご説明ができると思うのですが、残念ながらそのような感じは受けませんでした。

もう少し冷静な議論をお願いしたいと思います。ーーー誰もが事情に精通しているわけではないのですから。

それでも、あなたのご意見、現場の厳しい雰囲気が伝わってきました。有難うございました。

└──────────

┌──────────「hideおじさん」

ーーー「NHK番組訴訟は行き過ぎ」への感想。

流水長思さんのお話、何となく判るような気がするのですが、何かはき違いがあるように思えてなりません。

┌--------
公正な評価と日本国を思うあまり、言論や思想信条の自由を侵犯することになりはしないか、と。
└--------
とのお話ですが、言論や思想信条の自由だから他人の話をつまみ食いしたりウソをついてよいという訳ではないのではないでしょうか。それは放送だとか視聴率だとかという以前の問題です。

裁判の是非は別として、問題を突き詰めて考えるとこの点に尽きるのではないかと思います。言論の自由、思想信条の自由は尊重されるべきですが、だからといってそれはウソを言ってよい自由ではないですよね。

ウソに対して「それはウソですよ」と抗議することが言論・思想信条の自由を侵犯するというのであれば、そもそも議論など成り立ちません。まして全世界に流される公共放送が、他人の話を歪曲していい自由などありませんよね。

裁判を起こされた方々は、日本人だけでなく、放送に出ていたご本人だったりしているわけです。何度NHKに説明を求めても満足に回答も寄越さない、抗議など来ていないというウソを言う。さらに出演者に口止めしようとした事実まで判明しました。

なにより、流水長思さん仰っておられました「自由な議論を戦わせる場」を、NHKが拒否しているのです。こういったNHKの不誠実な対応だからこそ、裁判という手段で事実を解明するしかなかったのではないでしょうか。

相手がどんなに大きな組織であろうとも、ウソに対して毅然として立ち上がる

それが現代の「義」の精神じゃないんですか。

└──────────

┌──────────「ta-ku-miさん」30代@男性@管理職@海外

OJINさん、業界の内部からという企画についてですが、現在のままだとテーマが漠然としていると思います。最初はもう少し項目を絞ってみてもいいかなと思います。例えば、(中国に限定するならば?)

1)中国人労働者の習性
  ⇒死んでも食事はしっかりととる!とか??
2)製造業でしたら、
  ⇒過積載トラックの恐怖(無事に品物が着くのか??)

え、意図が違う?! こりゃまた、失礼しました!!

└──────────

┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」

「中国に限定するならば」というta-ku-miさんのご提案、大変結構でございます~~~♪ ただし!言い出しっぺのta-ku-miさんがまず書いて下さる、というのが道理ですよね~♪

お待ちしておりますよ~~~~~~~~~~~~~~♪(^^)

└──────────

以下「中国庶民と交流♪上海─南通4泊5日の旅」
http://chinachips.fc2web.com/