気になったニュース
中国の外貨準備、初の2兆ドル突破=人民元切り上げ圧力、強まる公算
【北京15日時事】中国人民銀行(中央銀行)は15日、今年6月末時点の外貨準備高が2兆1316億ドル(約198兆円)と、前年同月末比17.84%増加したことを明らかにした。外貨準備高が2兆ドルを突破するのは初めて。巨額の貿易黒字を背景に、外貨準備も膨張を続けており、米欧など巨額の対中貿易赤字を計上する国々から、改めて人民元切り上げ圧力が高まりそうだ。
7月15日12時9分配信 時事通信
ウイグル暴動 真相ヤブの中 発生、計画的か偶発的か
中国新疆ウイグル自治区ウルムチで多数の死傷者を出した「ウイグル暴動」発生から15日で10日を迎えるが、「発端」をめぐる中国政府の主張とウイグル族住民の証言は隔たったままだ。在外組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長(62)を首謀者とする「計画的な暴動」と非難する中国政府に対し、ウイグル族の住民はカーディルさんのデモへの関与を一様に否定、「平和裏に行進していたデモ隊に武装部隊が発砲した」と反論する。真相をめぐる対立は今後も影を落としそうだ。(ウルムチ 河崎真澄)
◇
◆ラビアビル封鎖
カーディルさんが少数民族の実業家としては希有(けう)の成功を遂げた1980年代に建てたという「ラビアビル」は、14日も全館の封鎖が続いていた。ウルムチ市内の解放南路と龍泉路の交差点に位置する高さ30メートルほどのビルで、漢族も含め知らない人はまずいない。
だが、99年にカーディルさんが国家機密漏洩(ろうえい)罪で逮捕され、投獄されてからは外壁もはげ、往年の“栄華”はみられない。この日はビル前に立つ数人の武装警察に加え、ほぼ10分おきに部隊を乗せたトラック数台が拡声器で「民族団結!」と叫びながら周囲を威嚇した。
ビルの裏手でようやく話を聞いたウイグル族の男性は、「(2005年の)亡命後、ラビアの名で何か連絡してきたことなど聞いたことがない。ラビアは(暴動には)無関係だ」と身ぶりを交えて強調。逆に「暴動の首謀者」とする当局の発表を「日本人は信じているのか?」と聞かれた。別の男性によるとカーディルさんの息子の一人は「デモ行進にも参加しなかった」という。
◆「お祭り気分」
ウイグル族住民によるデモは5日の午後6時(日本時間同7時)ごろ、市中心部の人民広場近くで始まった。広東省の玩具工場で6月末にウイグル族が襲撃された事件がウルムチで話題になっていた。ウイグル族の若い女性によると、5日午後、携帯メールに「合法的に政府に抗議しよう」とするメッセージが入り、友人の何人かは、「お祭り気分で」出かけたという。
人民広場近くでデモを見かけたという漢族の女性店員は、「最初は静かなデモだったがウイグル族が興奮して窓ガラスを割り、暴力をふるい始めたので、あわてて逃げた」と話した。
解放南路で会ったウイグル族の男性は、日本人記者の身分証明書を確かめた上で、「平和的なデモだったのに突然、武装部隊が現れてウイグル族めがけて銃撃し始めたため、怒りが爆発した」との“目撃談”を語った。デモ隊は人民広場から解放南路を南下するうちに、周辺のウイグル族住民らを次々と巻き込んで雪だるま式に規模が膨らみ、やがて暴徒化したようだ。
◆「悪の根源」?
暴徒化が先か、部隊による発砲が先か、確実な証言は得られなかったが、中国政府が主張する「海外からの指揮で実行された計画的かつ組織的な暴動」との主張を信じるウイグル族を探すことはできなかった。
一方、中国でカーディルさんの「存在感」は急速に高まっている。カーディルさんが中東の衛星テレビ、アルジャジーラに出演し、5日のデモは当初は平和的だったとする「証拠写真」を公表した。だが中国紙、国際先駆導報は、この写真が6月26日に湖北省で行われた別のデモの写真だと報じて「世界ウイグル会議」側も結局、ミスを認めた。
同紙はまた、昨年8月に新疆ウイグル自治区で警察部隊が襲撃され警官が死傷した事件についてもカーディルさんを「名実ともに悪の根源だ」と指弾した。
中国メディアはこれまで、カーディルさんを名指しで批判したことはなかったが、5日の暴動を契機に漢族に嫌悪感が広がった。ウイグル族と漢族の「溝」は一段と深まったように見える。
◇
◆ラビアビル封鎖
カーディルさんが少数民族の実業家としては希有(けう)の成功を遂げた1980年代に建てたという「ラビアビル」は、14日も全館の封鎖が続いていた。ウルムチ市内の解放南路と龍泉路の交差点に位置する高さ30メートルほどのビルで、漢族も含め知らない人はまずいない。
だが、99年にカーディルさんが国家機密漏洩(ろうえい)罪で逮捕され、投獄されてからは外壁もはげ、往年の“栄華”はみられない。この日はビル前に立つ数人の武装警察に加え、ほぼ10分おきに部隊を乗せたトラック数台が拡声器で「民族団結!」と叫びながら周囲を威嚇した。
ビルの裏手でようやく話を聞いたウイグル族の男性は、「(2005年の)亡命後、ラビアの名で何か連絡してきたことなど聞いたことがない。ラビアは(暴動には)無関係だ」と身ぶりを交えて強調。逆に「暴動の首謀者」とする当局の発表を「日本人は信じているのか?」と聞かれた。別の男性によるとカーディルさんの息子の一人は「デモ行進にも参加しなかった」という。
◆「お祭り気分」
ウイグル族住民によるデモは5日の午後6時(日本時間同7時)ごろ、市中心部の人民広場近くで始まった。広東省の玩具工場で6月末にウイグル族が襲撃された事件がウルムチで話題になっていた。ウイグル族の若い女性によると、5日午後、携帯メールに「合法的に政府に抗議しよう」とするメッセージが入り、友人の何人かは、「お祭り気分で」出かけたという。
人民広場近くでデモを見かけたという漢族の女性店員は、「最初は静かなデモだったがウイグル族が興奮して窓ガラスを割り、暴力をふるい始めたので、あわてて逃げた」と話した。
解放南路で会ったウイグル族の男性は、日本人記者の身分証明書を確かめた上で、「平和的なデモだったのに突然、武装部隊が現れてウイグル族めがけて銃撃し始めたため、怒りが爆発した」との“目撃談”を語った。デモ隊は人民広場から解放南路を南下するうちに、周辺のウイグル族住民らを次々と巻き込んで雪だるま式に規模が膨らみ、やがて暴徒化したようだ。
◆「悪の根源」?
暴徒化が先か、部隊による発砲が先か、確実な証言は得られなかったが、中国政府が主張する「海外からの指揮で実行された計画的かつ組織的な暴動」との主張を信じるウイグル族を探すことはできなかった。
一方、中国でカーディルさんの「存在感」は急速に高まっている。カーディルさんが中東の衛星テレビ、アルジャジーラに出演し、5日のデモは当初は平和的だったとする「証拠写真」を公表した。だが中国紙、国際先駆導報は、この写真が6月26日に湖北省で行われた別のデモの写真だと報じて「世界ウイグル会議」側も結局、ミスを認めた。
同紙はまた、昨年8月に新疆ウイグル自治区で警察部隊が襲撃され警官が死傷した事件についてもカーディルさんを「名実ともに悪の根源だ」と指弾した。
中国メディアはこれまで、カーディルさんを名指しで批判したことはなかったが、5日の暴動を契機に漢族に嫌悪感が広がった。ウイグル族と漢族の「溝」は一段と深まったように見える。
7月15日7時57分配信 産経新聞
ウイグル議長、アル・カーイダ計画に抗議
【ワシントン=本間圭一】亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」議長で米国在住のラビア・カーディルさんは14日、国際テロ組織アル・カーイダが、中国・新疆ウイグル自治区の暴動でイスラム教徒に死傷者が出た「報復」として中国を標的にすると報じられたことについて、テロ行為を批判する声明を発表した。
声明は、「暴力は問題の解決に寄与しない」とした上で、「テロリストはテロの口実としてウイグル人の悲劇を利用すべきでない」と強調した。
声明は、「暴力は問題の解決に寄与しない」とした上で、「テロリストはテロの口実としてウイグル人の悲劇を利用すべきでない」と強調した。
7月15日10時39分配信 読売新聞