パチンコ店放火「テロに近い] | 日本のお姉さん

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パチンコ店放火「テロに近い」…消防法の限界も 消防局査察隊長

 「殺人が目的のテロに近い行動。防ぐのは消防法の規制だけでは非常に困難だろう」。大阪市此花区のパチンコ店「cross-ニコニコ」が放火され、23人が死傷した事件について、繁華街のビルの立ち入り検査などを担当する大阪市消防局特別査察隊の加藤晃隊長(55)が産経新聞の取材に応じ、査察のスペシャリストとしての事件の印象を語った。火災の発生と被害を最小限に抑える消防法の“限界”を感じたという。

 特別査察隊が発足したきっかけは、16人の犠牲者が出た昨年10月の個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」(浪速区)の放火事件。それ以来、精力的に活動してきたが、今回のパチンコ店は特別査察の対象ではなかった。

 店は平成18年の開店以降、消防法で義務付けられた定期点検報告を一度も行っていなかったことが判明する一方、火災報知機の不備など設備上の問題はこれまで見つかっていない。加藤隊長は未報告について「人命の危険に直結する違反でない」と指摘。消防法上、危険だったかどうかについては「事件後に店の外観を見た程度なので現段階で断定できないが、比較的優良な店ではないか」。

 個室ビデオ店では明確な消防法違反はなかったが、個室が並ぶ袋小路の構造や排煙設備の不備などが被害を拡大させた。今回は対照的に3カ所の出入り口があった店の構造が被害を抑えた面もあるという。

 「出入り口が1カ所という飲食店のビルは少なくない。仮にそんなところでガソリンをまいて火をつけたら、100人単位で死者が出てもおかしくなかった」

 それだけに、惨事を防ぐかぎは、地道に防火意識の向上を図るしかないとあらためて痛感している。

 「大阪市内だけでも約9万8千のビルがある。すべて査察するのは人員的に不可能だ。究極的には『自分のビルは自分で守る』というふうに意識を変えていくしか道はない」
7月10日11時9分配信 産経新聞

高見容疑者「数日前から人を殺したいと思うようになった」

2009/07/09 14:11更新


阪市此花区のパチンコ店「cross-ニコニコ」が放火された事件で、高見素直(すなお)容疑者(41)が「事件の数日前から人を殺したいと思うようになった」と供述していることが9日、捜査関係者への取材で分かった。高見容疑者は昨年9月に石油製品販売会社を辞めた後、再就職した食品会社も今年4月末に退職。此花署捜査本部は、多額の借金を抱える一方、思うような待遇を得られない状況への不満を殺意に転嫁させた経緯について、さらに詳しく調べる。


記事本文の続き 関係者らによると、高見容疑者は大阪に転居してくる以前の平成18年、鹿児島県で木材を運ぶトラック運転手をしていた。しかし収入が不安定だったため、19年3月末に「年間を通じて仕事がある大阪の会社に移りたい」として退職した。

 翌月に大阪市此花区に移り住み、石油製品販売会社に就職してタンクローリーの運転手として勤務。しかし、不況のあおりで仕事の受注が減り、昨年9月に「仕事がないのに会社にいれば迷惑がかかる」と自主退職した。

 今年2月、職業安定所を通じて此花区内の食品会社に就職。月額約15万円の手取りでスーパーに食品を配送していたが、「積み降ろしの作業がきつい」と訴えて4月末に退職。その後も職を探していたとみられるが、事件直前は無職だった。

 高見容疑者は消費者金融に約300万円の借金を抱えており、これまでの捜査本部の調べに「どうして自分だけがこんな目にあうのかと嫌気がさした」と心境を説明。「借金があるのに仕事が見つからず、どうでもよくなった。だれでもいいから殺したくなった」と供述していた。