まことに結構なことではありますが、条約が締結されるかは、微妙な状況なのです。
ロシア政治経済ジャーナル No.596
2009/7/10号
★オバマのロシア訪問
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
読者の皆さまが、健康で幸せで豊かでありますように!
皆さまのご家族に、愛と信頼と調和が満ちていますように!
オバマさんがロシアに来ました。
今回は米ロ関係を見てみましょう。
▼米ロ関係をふりかえる
簡単に米ロ関係をふりかえってみましょう。
90年代、ロシアは欧米日・国際金融機関から借金しまくる。
そのため、ロシアは欧米に頭があがらず、よって米ロ関係も良好だ
った。
00年、プーチンさんがロシア大統領に。
01年、ブッシュさんがアメリカ大統領に。
01年9月11日、米同時テロ。
01年10月、アフガン攻撃。
プーチンは、アメリカのアフガン攻撃を支持した。
当時、米ロ関係はおおむね良好。
02年、アメリカはイラク攻撃の工作を開始する。
イラクに石油利権を持つロシアは、同じく利権をもつ国連安保理常
任理事国フランス・中国と共に「イラク戦争」に反対する。
03年3月、アメリカはイラク攻撃を開始。
ロシア・フランス・中国は、石油利権を奪われる。
米ロ関係はこれで少し悪化。
02~03年、アメリカのエクソンモービル、シェブロンテキサコは、ロ
シアの石油最大手(当時)ユコス買収を目指し、交渉を行う。
03年10月、ロシアの石油利権をアメリカに渡したくないプーチンは、
ユコス社長ホドロコフスキー逮捕を命じる。
アメリカの野心は挫折。
(●ホドロコフスキーさんとロスチャイルド、ロックフェラーとの関係に
ついては、
【RPE】プーチンの野望(ルーブルを基軸通貨に)09年2月18日号)
をご一読ください。↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090218184811000.html
アメリカは激怒し、米ロ関係は悪化。
アメリカは、旧ソ連諸国(ロシアの実質旧植民地)で次々とカラー革
命を起こしていく。
(03年グルジア・バラ革命、04年ウクライナ・オレンジ革命、05年キ
ルギス・チューリップ革命)
米ロ関係はこれで決定的に悪化する。
05年、プーチンは仮想敵NO2中国と同盟し、アメリカ倒幕を決意。
中ロの大戦略は二つ。
1、ドル基軸通貨体制を崩壊させましょう
2、上海協力機構(SCO)を反米の砦にしてしまいましょう
05年、中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・ウズベキスタン・タジ
キスタンからなるSCOは、インド・パキスタン・イランを準加盟国とし、
一大勢力になる。
06年、ロシア「ルーブル建ての原油取引」を開始。
(目的は当然、「ドル体制」を崩壊させること。)
<ルーブル建て原油取引開始 ロシア、影響力強化狙う
【モスクワ9日共同】モスクワの取引所、ロシア取引システム(RTS)で
8日、初のルーブル建てロシア原油の先物取引が始まった。
サウジアラビアに次ぐ世界第2位の産油国であるロシアは、自国通貨
建ての自国産原油市場を創設することで、国際原油市場での影響力
強化を図る狙いだ。>
(共同通信06年6月9日)
07年2月、プーチンはミュンヘン安全保障会議で「アメリカ一極世界の終
焉」を宣言する。
曰く、「一極世界は成立しなかった。
どんなに言葉を飾っても、(一極世界の)意味するところは一つである。
一つの権力の中心、一つの力の中心、一人の主・一人の主権者の世界。
これはシステム自体にとっても、主権者自身にとっても破滅的である。
なぜなら、内部から崩壊するからだ」
「今の世界にとって、一極モデルは受け入れがたいだけではない、不可
能なのだ」
一般の人々もさすがに、「米ロ関係は最悪」であることに気がつく。
新聞でも「米ロ新冷戦」という言葉が出はじめる。
07年6月、プーチン「ルーブルを世界通貨にする」と宣言。
<米露“破顔一笑” 「ルーブルを世界通貨に」プーチン大統領ますま
す強気
07年6月12日8時0分配信 産経新聞
【サンクトペテルブルク=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は10日、
出身地サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで、同国の
通貨ルーブルを世界的な基軸通貨とすることなどを提唱した。
同国など急成長する新興国の利益を反映した経済の世界新秩序が必
要であるとの考えを示した形だ。
世界的な原油価格高騰を追い風に強気のロシアは、米国主導の世界
経済に対抗し、欧米諸国に挑戦する姿勢を強めるものとみられる。>
07年夏、サブプライム問題顕在化。
08年、フレディーマック、ファニーメイ、AIG、リーマン等々の危機がたて
つづけに起こり、世界金融危機ぼっ発。
ついに普通の新聞・雑誌等も、「アメリカの没落」について書きはじめる。
新世紀に入ってからの米ロ関係をまとめると、
1、アメリカにいじめられたロシアが
2、仮想敵NO2中国と同盟し
3、倒幕活動を強力に推進した
4、そしてアメリカ発の危機が起こった
といえるでしょう。
一般的にアメリカの危機は、住宅バブル崩壊、サブプライム問題などが原因とされています。
しかし、もう一つ超重要な要因は、中国・ロシアが意図的に「ドル基軸通貨体制」を崩壊させてきたことなのです。
このあたりの詳細は、「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」
( → http://tinyurl.com/yro8r7
)をご一読ください。
▼オバマ訪ロの結果
さて、世界的金融危機が起こった08年。
普通の人も「アメリカの衰退に気づいてしまった」08年。
この年、米ロで指導者の交代がありました。
ロシアの大統領は、プーチンさんからメドベージェフさんに。
アメリカの大統領は、ブッシュさんからオバマさんに。(就任は09年1月)
そして、オバマさんは常々、「イランやロシアとも対話する」と公言してきました。
そんなオバマさんがモスクワにやってきた。
結果はどうだったのでしょうか?
ロイターさんが簡単な言葉でズバリと書いています。
↓
<米ロ首脳会談、核弾頭の削減などで合意
7月7日19時7分配信 ロイター
[モスクワ 6日 ロイター] オバマ米大統領とロシアのメドベージ
ェフ大統領は、核兵器の削減目標と、アフガニスタンに向かう米軍
機のロシア上空通過を容認することで合意した。>
1、核兵器の削減目標を設定した
2、アフガニスタンに向かう米軍機のロシア上空通過を容認した
大きな成果はこの二つ。
▼アメリカ外交の勝利
まず、
<2、アフガニスタンに向かう米軍機のロシア上空通過を容認した>
から見てみましょう。
アフガニスタン問題では、両国間でゴタゴタがあったのです。
まず今年の2月、中央アジア・キルギスが、米軍撤退を要求します。
↓
<キルギス、米軍基地閉鎖へ=対アフガン作戦に打撃も
2月4日6時9分配信 時事通信
【モスクワ3日時事】キルギスのバキエフ大統領は3日、モスクワで
ロシアのメドベージェフ大統領と会談した後、キルギス首都ビシケク郊
外のマナス空港にある米空軍基地の閉鎖を決定したと言明した。
閉鎖期日は近く発表するとしている。
同基地はアフガニスタンでの対テロ作戦の拠点となってきただけに、
オバマ米政権に打撃となるのは必至。>
どうして追い出すのでしょうか?
<<キルギス>米軍への基地貸与打ち切りへ オバマ政権に打撃>
(2月4日20時0分配信 毎日新聞)
から引用。
< キルギスは01年から米軍にマナス基地を提供しているが、バキエフ
大統領は「米軍の基地駐留に関する契約の打ち切りを決定し、近く通告
する」と表明。
基地使用料などで折り合いが付かなかったことを理由に挙げた。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
バキエフさんは記者会見で、こんなことをいっています。
「われわれは、何度もアメリカと(米軍)駐留費用について協議してきた。
しかし、残念ながらアメリカの理解は得られなかった。
われわれは既に3年も、合意条件を変更するべきだといいつづけてきた」
要するに、「米軍は金を払ってくれない」と文句いっているわけです。
一方ロシアは。。。
<一方、メドベージェフ大統領は会見でキルギス向けに20億ドルの融資
を発表。
中央アジアでの米国の影響力拡大を懸念するロシアが、キルギスへの
経済支援をテコに米軍排除を果たした形だ。>(同上)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
要するに、ロシアはキルギスの大統領を買収してアメリカを追い出そうと
したわけです。
ところが・・・。
6月に状況は一変します。
<キルギス、米軍による基地継続使用認める 利用料3倍以上に
6月25日16時51分配信 CNN.co.jp
ワシントン(CNN) 米国務省のケリー報道官は25日までに、中央アジア
のキルギスが同国にあるマナス空軍基地を米軍に継続使用させる協定
に合意したと述べた。アフガニスタン軍事作戦で、非軍事物質輸送の拠
点として使う。
キルギスは今年2月、ロシアによる巨額支援の約束を受け、米軍による
同基地使用の合意破棄を決め、8月中旬まで撤退するよう通告していた。
米国はこれを受け、代替基地を探すと共に、キルギスと交渉、翻意を迫
っていた。
同報道官によると、継続使用の合意に従い、米国はキルギスに年間60
00万ドル(約58億円)を支払う。>
これを見て、「キルギスの独断だろう」と考えるのは無理があります。
なぜか?
1、キルギスは反米の砦・上海協力機構(SCO)のメンバーであり、ロシア
と相談することなく重要決定をくだすとは考えにくい
2、勝手にアメリカと話をつければ、年間6000万ドルの基地使用料をえて
もロシアからの支援20億ドルを失うリスクがある
考えられるのは、「キルギスはロシアからの同意を得て、基地使用の継
続を認めたのだろう」ということ。
その証拠に、ロシア・・・
<2、アフガニスタンに向かう米軍機のロシア上空通過を容認した>
<アフガニスタンに向かう兵士と武器を乗せた米軍機のロシア上空通
過について、ロシアは年間4500機の無償横断を認める。>
(ロイター7月7日)
どうしてロシアは、こんなことを認めたのでしょうか?
確かに、ロシアにとってアフガニスタンのタリバン・アルカイダは脅威。
地図を見ると、アフガンは中央アジアの旧ソ連諸国と接している。
それでプーチンは01年、アメリカのアフガン攻撃を支持しています。
とはいえ、基本的にこれは「アメリカの戦争」というのもまた事実。
「敵アメリカと敵アフガンを戦わせて両方とも疲弊させよう」(^▽^)
と考えることもできます。
ではなぜロシアは、(キルギスの件も含めて)アメリカに協力的になっ
たのでしょうか?
これはアメリカサイドから、「アメリカはロシアと和解したがっている」
と一貫したシグナルが送られてきたから。
キッシンジャーさんやジェームズ・ベーカーさんなどの大物などからも、
「今度ばかりは本気だ。アメリカ経済ボロボロだから」とシグナルが
きていた。
それで、お人よしのメドベージェフさんは信じてしまったのです。
日米関係を見るとわかりますが、アメリカ外交の本質は徹底的に、
アメリカWIN - 他国LOSE
です。
天領日本の場合は、「おい長銀10億円で売れよ!」と命令するだ
けでいい。
あるいは、「おい!米国債買い増せよ!」と命令するだけでいい。
それで日米関係は常に アメリカWIN - 日本LOSE でした。
ところが、ロシアはアメリカの天領ではありませんので、命令する
だけでは動かない。
ではどうするのか?
アメリカWIN - ロシアWINと見せかけて、実は
アメリカWIN - ロシアLOSE という状態にもっていく。
冷戦末期、アメリカは「(対NATO軍事ブロック)ワルシャワ条約機
構解体しちゃいなよ!NATOの東方拡大は絶対ないから!」とい
い、信じやすいゴルバチョフを説得した。
ところが、その後どんどんNATOを拡大しています。
80年代末~90年代はじめ、アメリカ外交は完璧でした。
なんといっても、一発の銃弾も使わずに、
・ソ連の勢力圏だった東欧を、自陣営に引き入れた
・最大の敵ソ連を崩壊させた
のですから。
奇跡的とすらいえます。
その外交力はブッシュ(子)の時代著しく衰えていました。
ところが、やはり「国家存亡の危機」で必死なのか、今は外交力がもどってきたように感じます。
だって、アメリカは何も失わずに、ロシアとキルギスの協力をえることができたのですから。
アメリカ外交、貴重な一勝といえるでしょう。
▼核兵器削減問題
次。
<1、核兵器の削減目標を設定した>
< 両国は、今年12月に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約で、両国の戦略核弾頭数をこれまでの2200超の水準から1500─1675に削減することで合意し、年内の締結を目指す方針を示した。>(ロイター7月7日)
この第1次戦略兵器削減条約ってなんでしょうか?
米・ソ連両国は冷戦時代、ジャンジャン核兵器を生産していました。
そして、両国共「もういいかげんやめましょうよ」となった。
それで、1982年から戦略兵器削減交渉を開始します。
交渉は長引き、条約が調印されたのはソ連崩壊直前の91年7月。
米ソは保有する戦略核弾頭数の上限を6,000発、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や爆撃機など戦略核の運搬手段の総計を1,600機に削減する。
弾道ミサイルへ装着した核弾頭数も4,900発に制限することで合意しています。
条約調印直後ソ連が崩壊してしまったため、批准は94年までのびました。
当然この時は、ソ連ではなく新生ロシアです。
94年に条約は発効しましたが、期限は15年。
要するに今年末には失効するので、「この後どうするよ?」という交渉がはじまっていたのです。
▼残る対立点とオバマのウソ
米ロが核兵器を削減しようとしている。
まことに結構なことではありますが、条約が締結されるかは、微妙な状況なのです。
なぜか。
↓
< ロシアは米国が東欧などで計画するミサイル防衛(MD)網の配備見直しを新たな核削減条約締結の条件ともしている。
「米MD網が完成すればロシアの核が無力化され、核戦力の均衡が崩れる」(露専門家)との危機感からだ。>
(産経新聞7月7日)
↑
つまり、ロシアは「アメリカが東欧MD計画をやめれば条約を締結する」といっている。
もしアメリカが東欧MDをやめなければ、条約もなしということでしょう。
これはなんで?
核抑止力といいます。
1、アメリカが核ミサイルをロシアにうちました
2、ロシアもアメリカに核ミサイルをうちました
3、米ロ両国ともこの世から消えました
二つの国がお互いの国を破壊しつくせる核兵器をもっている場合、「こわくて攻撃できませんよ」というのが核抑止力。
じゃあ東欧MDが配備され、技術が完璧になったらどうでしょうか。
1、アメリカが核ミサイルをロシアにうちました
2、ロシアもアメリカに核ミサイルをうちました
3、しかし東欧MDにうちおとされてしまい、米本土にはとどきませんでした
4、ロシアは消滅し、アメリカは無傷でした
ロシアはこうなることを恐れているので、「東欧MD計画をやめなければ、条約は締結しない!」と主張しているのです。
ですから、年内に条約が締結される可能性は極めて低い。
もしロシア側がおれて「東欧MD計画がありでも、条約を締結します」となれば、アメリカ外交の大勝利となります。
この件に関してオバマさんは。。。
↓
<「イラン核放棄ならMDは不要」オバマ米大統領、米露新時代へ決意
7月7日21時15分配信 産経新聞
【モスクワ=遠藤良介】ロシアを訪問中のオバマ米大統領は7日、モスクワの高等経済大学で演説し、ロシアが強硬に反発している米国のミサイル防衛(MD)計画について「イランが核兵器開発を放棄すればMDも必要なくなる」と表明した。>
↑
アメリカは、「東欧MDは対ロシアではなく、対イランだ」としています。
しかし、日本の軍事専門家もロシアの軍事専門家も、「これは対ロシアだろう」といっている。
ロシア側は、「本当に対イランなら、イランのお隣の国、米ロ両国とも関係が良好なアゼルバイジャンにMDをおけばいいじゃないか」と提案しています。
そして、アゼルバイジャンも「どうぞどうぞ」と賛成している。
アメリカ側は、「アゼルバイジャンも東欧もならOK」なんていっている。
なんとしても「東欧MD」を配備したいのですね。
仮に「対イラン」だったしても、「そんなものいらない」という意見がアメリカ側からも出ています。
<東欧MD計画、信頼性低い=イラン核脅威切迫せず-米ロ専門家
5月20日10時43分配信 時事通信
【ワシントン19日時事】米ロに拠点を置くシンクタンク「東西研究所」は19日、イラン弾道ミサイルの脅威に対処するためブッシュ前政権が計画した東欧へのミサイル防衛(MD)配備は信頼性が低く、見直すべきだと提言した。
イランのミサイルの脅威は切迫したものではないと結論付けている。
提言作成には、ペリー元米国防長官もかかわり、ジョーンズ米大統領補佐官(国家安全保障担当)とラブロフ・ロシア外相にも提示された。>
オバマさんは「イランが核兵器開発を放棄すればMDも必要なくなる」といっている。
しかし、北朝鮮とは違い、イランは核兵器をもっていませんし、そもそも核兵器開発しているかどうかも疑問なのです。
このことはアメリカ自身が指摘しています。
<<イラン核>米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正
07年12月4日11時34分配信 毎日新聞
【ワシントン笠原敏彦】マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に関する最新の 機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との分析結果を明らかにした。>
最近IAEA事務局長に選出された天野さんも。。。
↓
<イランが核開発目指している証拠ない=IAEA次期事務局長
7月4日5時7分配信 ロイター
[ウィーン 3日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)次期事務局長は3日、イランが核兵器開発能力の取得を目指していることを示す確固たる証拠はみられないとの見解を示した。
ロイターに対して述べた。
天野氏は、イランが核兵器開発能力を持とうとしていると確信しているかとの問いに対し「IAEAの公的文書にはいかなる証拠もみられない」と答えた。>
これらを総合して考えれば、「対イランで東欧MDを配備する理由はない」ことがわかるでしょう。
▼アメリカのねらい
では、「イランが核兵器開発をやめれば東欧MD計画はやめる」とするアメリカの真意はなんなのでしょうか?
要するに、「東欧MDが配備され、米ロの軍事バランスは崩れますよ」と脅しているわけです。
それがいやなら、「対イラン政策でアメリカに協調しなさい」と。
しかし、アメリカもIAEAも「イランは核兵器開発をしていない」としているのに、いったい何がのぞみなのでしょうか?
なにか思い出しませんか?
そう、「フセインは大量破壊兵器をもっている」といちゃもんをつけて攻撃した03年。
アメリカは対イランに対しても同じアプローチをとっている。
では、アメリカがイランをいじめる真の理由は?
これです。
↓
<イラン原油決済イラン、原油のドル建て決済を中止=通信社
07年12月10日9時31分配信 ロイター
[テヘラン 8日 ロイター] イラン学生通信(ISNA)は8日、ノザリ石油相の話として、同国が原油のドル建て決済を完全に中止した、と伝えた。>
これが強力なドル下げ圧力になっている。
さらに、「アメリカがイランを見逃したら、おれたちもドルはずしをしよう!」と決意しているのが、中東産油国。
GCC加盟国のうち4カ国(サウジアラビア、バーレーン、クウェート、
カタール)は6月7日、サウジアラビアの首都リヤドで、
湾岸共通通貨創設
に関する合意書に署名しています。
この構想が実現すると、「ドルで原油が買えなくなる」という驚愕の
事態が起こってしまう。
(湾岸共通通貨の詳細についてはこちらをご一読ください。
↓
【RPE】ドル体制をぶち壊す湾岸共通通貨 09年6月15日
http://archive.mag2.com/0000012950/20090615212218000.html
アメリカはイランを見せしめにし、その後「湾岸共通通貨なんてねぼけたこといってると、次はおまえたちの番だ!」と脅迫したい。
そして、崩壊しつつあるドル体制をなんとか維持したい。
しかし、イラク攻撃時のように根拠をでっちあげてしまうと、アメリカが「悪の帝国」になってしまう。
ですからパールハーバーやアフガン攻撃時のように、うまいこと世論つくりをしていきたいのです。
そういえば、大統領選挙後、イランのイメージは超悪化しています。
そして、バイデンさんは「イスラエルがイランを空爆しても、アメリカは邪魔しない」といっています。
いまだに、
1、イスラエルがイランの核施設を空爆
2、イランがイスラエルに反撃
3、アメリカ参戦
というシナリオも存在しているのでしょう。
こうみると、米ロ関係は「話しのトーン」が変わっただけで、本質は何も変わっていないことがわかります。
オバマさんとメドベージェフさんは笑顔で「関係改善」をアピールしていましたが、「米ロ新冷戦」はやはりつづいていくのでしょう。
対立する大国(米中ロ)にはさまれた日本はどうすればいいのでしょうか?
ここでは長すぎて書ききれません。
是非これをお読みください。↓
( http://tinyurl.com/6zcszc
)
山盛り資料つきで全部わかります。
★「僕が生まれたのは、中華人民共和国
小日本省です・・・」
~~~~~~~~~~
アメリカの衰退により、放り出される
天領日本。
~~~~
戦後60年以上「自分で決定したことがない」
依存政治家は、
次の依存先を探し始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本には二つの道があります。
1、中国幕府の天領(小日本省)になるのか?
2、真の自立国家になるのか?
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しかし、前から順番にお読みください。
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★編集後記
アメリカのテレビを見ると、いまだにマイケルジャクソンさんがらみのゴタゴタがつづいているようです。
なくなって何日すぎても騒がれつづける。
あらためて「偉大な人だった」ことを認識させられます。
とはいえ、マイケルさんご自身は、そのことを理解していなかったのでしょう。
若いころはバリバリ黒人の容貌でしたが、いつの間にかイタリア人のようになっていました。
黒人で、俳優でも歌手でもスポーツ選手でも活躍している人がたくさんいます。
スーパーモデルのハイディ・クルムさんも黒人の方と結婚され、「私のだんなは世界一かっこいい!」といっている。
↓
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=pp7JNzjQ5xg
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=KsHQJaTRT1Y
マイケルさんは、黒人のままスーパースターになり、みんなから愛されてきた。
それでも、本人だけは自分自身を受け入れることができなかったのかもしれません。
わかること。
どんなに金や名声があっても、自分自身を受け入れることができなければ、幸せになれない。
別の言葉でいえば、金や名声がそんなになくても、自分自身を受け入れることができれば、幸せになれるということ。
マイケルさん。
この歌は最高です。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=beFTORlM6TU
この曲が入っているCDは。↓
http://tinyurl.com/np66jv
RPEジャーナル
北野幸伯
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/
) 358
◎ロシア政治経済ジャーナル
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⇒ http://archive.mag2.com/0000012950/index.html
~~~~
マイケルは、お肌の病気でまだらに白くなってしまって、
最後には全身真っ白になってしまったのだと言っています。
そういう病気もあるのかなあ。B子に言っても
「そんなん、ウソや!なんか漂白剤使ったんや!」と
言っています。
B子のお母さんも、「いろいろ手術していじったから副作用で
あちこち体が痛かったんや。だから痛み止めを打ち過ぎて
死んだんや。」と言っています。
整形も適当にかっこよくなったところで止めておけば
よかったのに、やりすぎたから途中で鼻が溶けてきて
大変だったらしい。整形も刺青もクセになったら、
どこで止めるかわかんなくなって、やり続けるようになるのが
恐い。一か所いじると、全体のバランスが崩れたような気が
して、もっといじりたくなるのでしょうね。
しかし、まさかマイケルが50歳で死んでしまうとは。
マイケルはもっと生きると思ってた。死ぬまではみんな
マイケルを無視していたのに、死んでしまうとさびしく
なったりするようです。
やっぱり、みんなに愛されていたのだということかな。
日本のファンは、マイケルを愛していたから、マイケルも
日本ではご機嫌だったのではないかな。日本ではマイケルと
一緒に写真を撮る会のような、プレミアムチケットを
売ったりしていたっけ。常識はずれなことをたまにするので
みんなに誤解されやすかったけど、子供の頃から
ツアーでこきつかわれていたら、常識も身につかないよね。
芸能一家に生まれたから、仕方がない。
マイケルは、神さまを信じていただろうから、今頃天国で、
神さまと一緒にいて、楽しく歌っているはず。
ダメな人でも神さまを信じていたら、罪を赦されて
救われているから大丈夫。マイケルは、ダメな人だったかも
しれないけど、子供にとっては、いいパパだったようだし、
歌手として、パフォーマーとして、音楽の歴史を変えるような
すばらしい人だった。有名になるのも、辛いことだったのかも。