アジアの街角から (7月8日版) 応急処置ばかりの国(中) | 日本のお姉さん

アジアの街角から (7月8日版) 応急処置ばかりの国(中)

応急処置ばかりの国(中) ──────────────── 紋起さん


法の内容ではなく、党の性格が露呈してくるので、臓器移植法案の審議は興味深い。

「議論が尽くされていない」と、共産党が党議拘束をかけて全員採決を棄権していることはよく分からない。1997年の臓器移植法制定の時も棄権しているのだが、

唯物論を信じている政党なんだから、人の死生について物質的に一番結論を出しやすいグループのはずだが、党議拘束をかけてまで全員棄権するのは、党の本質の露見が嫌だからなんだろうか。

「議論が尽くされていない」というのは、革新系用語では「自分の望む結論が出ていない」という意味で、本当に議論が尽くされいるか否か、とは関係ない話というのが巷[ちまた]の解釈だ。

社民党は、党議拘束はかけていないのだけれど、衆議院の採決では全員揃ってA案反対であった。同党の阿部知子議員の取りまとめ力が強いせいなのかもしれないが、

現法より厳格なC案でまとまっているようで、臓器移植を望む人達のことをどう考えているのか表明しないので、日頃の言動と違っているような感じもしてこの党の判断もよく分からない。

民主党もA案反対が多く、公明党も同じである。A案は自民党の賛成多数で衆議院を通過した。

そもそも、今年臓器移植法の改正案が国会審議されたのは、WHOが総会において、臓器不正売買防止を目的に、移植ツーリズムの原則禁止を決議する見込みになったことから、日本の国会においても、2009年になって改正の機運が出てきた。

----WHOの決議自体は、新型インフルエンザの流行に伴い、総会の開催期間が短縮され、2010年に延期された。

1997年の法制定から11年間も、不都合な部分の改正もせず放置してきたのであるが、世界に臓器を求めて出かけることができなくなりそうだから対応する、という、典型的な「応急処置ばかりの国」の面目躍如というところだ。

私は、臓器移植というのは、極めてきわどいところで成り立っている法的承認を受けた医療行為だと思っている。臓器を移植しなければ死んでしまうという患者(レシピエント)は、毎年、数千人いると日本移植学会が発表している。

この方々に提供される臓器は、実は、昔の死亡時点=呼吸が止まり、心機能が停止し、体温が冷たくなっていくような時点のモノでは、移植しても機能を発揮しない。

生体細胞には、アポトーシスという、自分の細胞を溶融していく段階があって今までの死亡と判断される時点ではそれが進行しており、臓器としての機能を果さないからである。

だから、臓器は生きている時に近い状態で、臓器提供者(ドナー)から取り出さねばならない。もし、生きている患者から臓器を取り出せば、それは医者が殺人を行ったことになるが、一方、患者が従来の死亡診断の根拠となる心肺機能停止になってからでは遅過ぎるのである。

したがって、ドナーは生前に臓器提供を自分の意思で決めていたとしても、身体は温かく心臓も動いているが、もう生きている状態には戻れない段階を超えていると医学的に検証できれば、その患者は死亡したとして、殺人でなく医療行為で臓器摘出を認めようという考えである。いわゆる「脳死」という概念がこれである。

だから、従前の死亡した状態=心臓は止まり身体は冷たくなる)とは、脳死では、(体温だとか心臓の活動だとかで)明らかな差が生ずるのである。

しかも、脳死の患者は、多くは突然の事故でそうなるわけだから、家族は動転しており、脳死を「死」とは受け入れられない場合があることは理解できる。

しかし一方では、臓器移植を受けることができれば健常な生活を送れる人が、また数多くいることも事実である。そして、医療技術の進歩で、脳死のドナーからレシピエントへの臓器移植が可能となり、不治の病の克服が可能になったのであるが、

前述のように、従来の死亡時点では臓器移植はできない、のために死亡時点を生きてる方向に移動させざるを得ず、このような事情から、常に臓器移植は際どいところが存在するのである。

日本で臓器移植法が定められたのは、1997年であったが、議員立法で種々揉めた挙句に制定された。決められた条件は、大きな条件だけを述べれば、
┌--------
1.医師による「脳死」判定があり

2.本人が臓器提供をする意思を文書で提示しており

3.15歳以上である
└--------
を満たせば、臓器移植を可能とした。

これは諸外国に比べて厳しいとされるが、それはそれで一つの考え方であり、妥当な結論と考えることもできる。ーーーしかし現実は異なった。

日本では15歳以下の臓器提供はしないと決めたことから、臓器移植を受けたい患者は日本を出て、外国で臓器移植を受けることを継続したのである。

私が、以前、どなたかの投稿にコメントさせて頂いたことがあったが、これは臓器をお金で漁る、極めてズルイやり方と諸外国から見られても仕方がないからやめるべきだと申し上げた。

すなわち、臓器提供の基準と、臓器移植を受ける基準が異なっていて、ダブルスタンダードでやっているのである。臓器提供側の基準は、日本人の死生観だといいながら、臓器を移植してもらう時は、そのような死生観を都合よく放棄して臓器の提供を受けようというのだから、極めてムシのいい話だ。

しかも、その費用を賄う募金の姿を取り上げて、マスコミは美談として報じるのだから低劣である。

日本で決めた臓器移植の基準は、日本国籍の人々全てに適用されるべきだから15歳以下の子が海外で臓器移植を受けるのは禁止されるべきだったはずだ。

臓器移植法は、臓器移植を受けたい人と、提供する人との合意する条件であらねばならない。すなわち、これを定める時の政治家は、15歳以下の児童で、臓器移植を受けなければ生きていけない方に対して、申し訳ないですが死んで下さいと、患者並びにその家族に伝え納得させなくてはならない。

なぜ15歳以下は臓器移植を受けれないのか、欧米と何が異なるのか、等々の説明をして、論理的にも感情的にも説得しなくてはならない。もしその説得ができないような法律を制定したのならば、それは政治家失格である。

「ポッポの本質」のコメントのお答えでも申し上げたように、政治家は正義などを振りかざすのではなくて、この場合なら、臓器移植希望の方と臓器提供の方との間に立って、日本人の死生観にも照らして、これでやりましょうという合意の形成を進めねばならないはずである。

私は、政治家が面倒なことを避けて、双方に良い顔をしたために、ダブルスタンダードという、臓器提供側に立つ諸外国から見れば極めてズルイ、札束で顔を張るような行動を患者家族に取らせたのである。

しかもその実体を知りながら、11年間にわたり見て見ぬ振りをして臓器移植法改正の議論の土俵にさえ上がらなかった。

阿部知子議員のメールマガジンのアーカイブサイトでは、臓器移植法改正に対する彼女の姿勢を示すメルマガを見ることができる。
http://archive.mag2.com/0000058959/20090618003255000.html

その多くは、脳死判定後何十日間生存した子供の患者がいたなどの事例を示して、臓器移植法の改定は改悪であると指弾している。事実、彼女らの提案は、現行法をさらに厳しくしようという提案であり、臓器移植を願っている患者の心は理解していないものだろう。

確かに、現在の脳死判定の後も、生存する患者が少数いることは確かである。

そのような場合、臓器移植法を厳しくしたり、廃案にするのではなく、脳死判定後も生存する子供と、判定後直ぐに死去する子供とを判別する、進化した検査法の開発を進めるのが正しいやり方だと私は思う。それが、提供者と移植希望者が折り合える線を形成することになるはずである。

脳死イコール死亡とすることが、申し上げたように際どい点をもっているのだから、その判定方法の妥当性の検証なくしては、臓器移植が万人の認める治療行為とはならない。問題の焦点はそこに存在するはずである。

ーーーしかし、問題の先送りと、痛み緩和の処置だけが得意な国は、そのような視点を持たなかった。

本来すべきことを申し上げると、できるだけ多くの脳死の患者から、国の費用でデータを取り、それをベースに、どのような判定方法が妥当であるのかを検討したり、あるいは開発したりする地道な活動が必要である。

ーーー11年あれば十分にできたはずである。

現在、参院で、1年間の脳死臨調をやろうという修正案が出されるようだが、データなしに議論をしても、声の大きいほうが勝つことで終わる。単なる見せかけのアリバイ工作でしかないと思う。

日本人の死生観云々とマスコミがいっているが、私は殆ど関係がないと思っている。もし、脳死した人が100%、3~4日後に身体が冷たくなる、古くからの死を迎えるのなら、脳死を死とすることに反対の人は、きわめて少ないだろう。

それに反する例などが出てくるから、脳死と判定しても生きているのだという話が執拗に出てくる。

臓器移植は殺人だと告発する本を書いている著者は結構多い。しかし不思議なのは、妊娠中絶を告発する本を彼らは出版していない。

中絶をしなければ100%近くこの世に生まれ出る命に対して、22週間以内なら一定の条件(経済的条件でも可)が整えば殺人としないのだが、実に奇妙なことに、脳死判定での臓器移植は殺人だと告発している。

私の読んだ限りでは、脳死と判定されて、意識回復まで戻った例は知らない。

どちらのほうが罪深いかといえば、私は妊娠中絶だと思う。臓器移植は殺人だと、目を吊り上げて告発する人が、なぜ妊娠中絶は止めろという本を出さないのかといえば、多分「慣れ」のレベルが異なるだけなのかもしれない。

しかも、臓器移植は年間数例~多くて100件だろうが、中絶は年間30万件近くあるといわれている。政治で人の死を決めてもよいのか、などの論を舌鋒鋭く述べる論者がいるが、ーーー母体保護法で、22週までの生命を絶っても殺人にならないというのも政治が決めたことなのだ。

言いたくはないが、この論者さん達は、心底から命を大事だと思っている訳ではないのだろう、と推測している。

私が興味深く見たのは、仏教関係者のアンケートであった。

反対が結構多かった。だが、お坊さんなら「金光明経」を習っているはずで、そこには、釈迦がその前世で、餓死寸前の7匹の仔を持つ虎に我が身を与えようとした説話があったはずである。国宝「玉虫の厨子」にその絵があり「捨身飼虎[しゃしんしこ]」図と名付けられている。

他人に臓器提供を強要することはないが、せめて自らは釈迦の教えに従う僧がおられてもおかしくないはずだ。しかしそのような雰囲気は、アンケートからは見えなかった。

カソリックとも異なり、仏教関係者から中絶は止めようという運動も聞いたことがない。~~~ちゃっかり、水子供養の商品だけは用意しておられるだけである。

宗教関係者だから生命をどう考えるか、などと問いかけるのはやめたほうがよいと思う。

                        = この稿つづく =
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 「応急処置ばかりの国(中)」

◆-この説に賛成!
http://clickenquete.com/a/a.php?M0000088Q0029781A19aa0
◆-どちらかといえば賛成
http://clickenquete.com/a/a.php?M0000088Q0029781A212fe
◆-どちらともいえない
http://clickenquete.com/a/a.php?M0000088Q0029781A33854
◆-どちらかといえば反対
http://clickenquete.com/a/a.php?M0000088Q0029781A455e1
◆-この説に反対!
http://clickenquete.com/a/a.php?M0000088Q0029781A5a73a
○結果を見る
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○コメントボード
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締切:2009年07月11日18時00分
協力:クリックアンケート
http://clickenquete.com/

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│●│「応急処置ばかりの国(上)」読後アンケート結果。
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◇ この説に賛成 ---------------------------------------- 46人 (59%)
◇ どちらかといえば賛成 -------------------------------- 18人 (23%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 6人 ( 8%)
◇ どちらかといえば反対 -------------------------------- 5人 ( 6%)
◇ この説に反対 ---------------------------------------- 3人 ( 4%)

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│●│ お寄せいただきましたご意見や感想。
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┌──────────「中山香さん」

経済のグローバル化の時代では、理論上は経済原則が全てという論調が受け入れ易いのは当然ですが、原則論だけでいかないのが現実ですよね。

正社員とか派遣社員とかで雇用維持の難易度を決めるのではなく「雇用契約」で経営者と労働者が取り決めた条件、内容がグローバルの時代に競争力があるか否かが問われている時代ではないでしょうか。

経済も政治も、従来の延長上に何かを期待する議論=悪役と正義の味方が最初から決まっている三文ドラマ的)も時には必要でしょうが、やはり自力で問題を解決していくことが必要と思います。

ーーーまだまだ日本に余裕があるうちに────。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

派遣社員が非常に低い給与レベルにも関わらず、増加の一途をたどっている現実は、正社員の雇用を守り、正社員の新規採用を抑制した90年代の後半から顕著になりました。

池田教授のブログでは、ノーワーキングリッチという表現で呼ばれている、正社員で年配の人達が、既得権の中で仕事を殆どせずにのうのうと高給を取ることの非合理を指摘しておられます。

年功序列賃金は、若い時の薄給を会社に預金して、歳がいってから引き出すような仕組みですが、それが機能しない時代にきたわけで、会社も永続どころか速いテンポで新陳代謝する時代ですから、それに合わせての制度の転換がいると思います。

理論どおりにいく訳がないのはその通りでしょうが、理論に真逆のことをしていては矛盾は更に大きく深くなり、不幸な人が増え続けるでしょう。

それを果敢に修正する人が出てこなくてはなりませんが、その為には、我々国民が正しい方向を知り、その方向に動く人を応援しなくてはならないと思います。その意味で、理論的に何が正しいのかを知っておくことは意味のあることだと思っています。

それが中山香さんの言われる、自力で解決する一つの方法だと思います。

└──────────

┌──────────「御座侯さん」

御説の通りだと思います。既存の正社員を守って新卒採用を抑制するというのは、所詮は既得権益の擁護にしか繋がりません。

ーーー若者が希望を持てない社会に、未来があろうはずがありません。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

若者が希望を持てる社会を残したいな、と思っております。

そのためには、仰るように既得権益の解体が必要だと確信しているのですが、昨今は、小泉改革が間違いだという既得権益層からの反撃が、リーマンショックの恐慌などに力を持ち、一般大衆の賛意を引き付けているだけに、注意しなくてはならない局面にいるのだろうと思うのです。

若者が「良い子」症候群で、年配者の言うことを聞き過ぎますね。

立ち上がってテーブルをひっくり返す迫力が欲しいです。今のままでは、若者は惨めな一生を送らざるを得ないでしょう。心配です。----過保護かな?----

└──────────

┌──────────「あさん」

同意します。今だに日本の企業社会の美徳であるかのように吹聴され続けている「正社員雇用の維持義務(解雇禁止)」が、非正規労働者も含めた労働者全体の利益からみた場合には極めて不公正(アンフェア)な慣行であることは、お説の通り明らかです。

私には、今に至るまで、このような慣行が制度化、拡大し、維持され続けてきた最大の推進力は、実は、公務員や士族=医師、教師、法曹等)の既得権益が犯されること=資格更新の義務化や人材ローテーション)がないようにと、

行政=官僚)と法曹とが協力して巧妙に仕組んで作りあげてきた制度、防御ラインなのではないか?と思えます。OECDの勧告に対する各界の対応も、そう考えると大いに腑に落ちるのではないでしょうか?

ですから、実は正社員雇用義務を外して公正な労働市場を作る為の一番の近道は、公務員、医師、法曹等の資格に期限・更新を義務付けることなのだろう、と思います。

これ(本丸)を実現する(落とす)には、勿論、正社員解雇規制の緩和=堀割りを埋める以上の大変な抵抗があるでしょうけれど、国民全体の利益には最も沿ったものとなるはずです。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

私も、一番大きい影響を持つと思っておりますのは、仰せの通りで公務員の終身雇用と年功序列を止めることだと思います。全部は無理としても、半分の公務員は出入り自由にすれば良いと思うのです。

しかも、出入り自由の人と終身雇用の人と、評価に少なくとも差を付けない、できれば出入り自由の人のほうが少し良い点を貰える制度にすれば、終身雇用を希望する人が少なくなりますから、世の中変わると思いますね。

公務員改革もこのぐらいの展望を持ってやって欲しいと思うのです。

公務員が流動性を持つようになれば、既得権益の維持にも異なった面がでるのではないでしょうか。

└──────────

┌──────────「みはらしさん」

では、スウェーデン並のセイフティーネットが構築できればいいですね。
それなら会社を解雇されても、安心して職探しや職探し期間に職業訓練などを受けることができると思います。

派遣切りされた労働者に対して、自己責任論のバッシングが起きたときに思ったのですが、日本人一般の認識の中に、セイフティーネットを拡充すると自分の払う税金が高くなるのが嫌だというコスト削減意識があるのではないかと。

こうした、誤ったコスト削減意識は改革する必要があると思います。コスト観点からいえば、セイフティーネットのない状態とある状態では、ない状態のほうが最終的に国の税負担が増える、と考え直さなければならないと思います。

----アメリカで、セイフティーネットのない貧困層を、増えるに任せてかえって財政がピンチになっているようなので。

日本で失業保険の給付を受けていない失業者の割合は77%と、先進国の中で最悪の水準にあることが、ILOが24日発表した報告書で明らかになった、という報道を眼にしました。日本の今の体制は、本当に不十分だと思います。

正社員の人員削減に関しては、会社が本当に成長していくためのものでなければならず、コストを削減することを目的とするものではなく、会社が成長していくためにやる、ということを常に意識しないといけないと思います。

----手段が目的にすり替る罠に気をつけないと。

現状では、人員削減などをする場合、たとえば部署の力関係に左右されてしまい、力のある部署の人は残るが、力のない部署の人員は過剰に削減されてしまうという弊害が考えられるので、難しい問題ではあると思います。

----私は派遣だったのですが、これが見られました、同じ派遣さんでも力の強い部署の方は残っておりました。

これは会社の経営者の問題なので、仕方ないことかもしれませんが。

あと、懸念は今回のような長期不況の場合、セイフティーネットをどこまで拡充できるのかですね。それは財政とバランスをとっていかなければならないので、非常に難しいかもしれません。

感情的でない、バランスのとれた議論が必要とされると思います。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

セフティネットが不十分のために、言われるようにロスが発生します。例えば解雇撤回の労働争議が起こると、それだけで国全体でも不労働時間が増えてしまいます。

もし、セフティネットが完備されて、転職する為に自分の能力を高められる機会だと捉えられれば、解雇に暗くなることなく応じることができるでしょう。
そして国全体としても、国際競争力のついた国民を育てることができたと評価できるはずです。

同じ会社でも職場により扱いが様々で、特に解雇などの厳しい条件の時ほど、上司の力で扱いが変わります。そういうときに俗な力が露呈しますね。しかし長い目で見ると、必ずしも守られたから良いというわけではないところが悩ましいところです。

長期不況といっても、世界全部がそうではなく、日本が酷い状態であるだけの面が多いです。その根本原因は、起業が少なく、会社の新陳代謝ができてないことです。

今回のエコポイントなどでも、問題は、古い企業を延命させる効果が強く、政府の市場介入がさらなる日本の国際競争力を落とすことになる、ような気がします。

└──────────

┌──────────「さぶろうさん」

大変、勉強になりました。チャンネル桜の40分、全て観ました。
ーーーそのうえで、紋起さんの分析とご意見に賛成しています。

問題は、いかにして北欧型の転職システムを確立するかですね。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

チャンネル桜の番組を全部見てくださいまして、ありがとうございます。

過去の日本の成功体験は非常に強烈ですから、昔に戻れば栄光の時が再現すると思ってしまうのですが、それが本当は落とし穴で、過去の成功の要因が今の不適合の原因だというのが辛いですよね。ーーーまるでドン・キホーテの世界なんです。

確かに、いかにして北欧型の転職システムを確立するかが喫緊の問題だと思います。色んなところで賛同者を増やすことしかないのかなと、いささか日暮れて道遠し、方策を考えております。

└──────────

┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」

ほんとうに、100年とは言わないからせめて50年、いや、たった20年先でもいい・・・そういう将来ビジョンを掲げていくのが政治家じゃないのか!

与野党とも、目先の問題の対処に右往左往している今の政治は、政治に非ず!!!ただの実務処理にしか過ぎない!!

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

嘆かれるように、政治家が劣化しましたね。それは多分国民の劣化と軌を一にしているのだと思うのです。

どこが劣化したかといえば、国民が目先の利益に汲々としているからなのですが、それは、年配者の多くが、先のことなど関係ないワイと振舞っているからなのかもしれません。

これだけ種々の意見が出される時代なので、よく読んで、何を自分の心棒にするかを考えなくてはいけませんね。仰るとおりです。

└──────────

┌──────────「なみおさん」

「ぽっぽの本質(下)」を読んで

まぁ、あっちからこっちから取ってつけたような、屁理屈を並べたような正当化論を述べていらっしゃるようですが、国民の目は節穴ではないんですよ。

スターリンになぞらえて批判されているのには、そのままお返ししたいぐらいです。

こうなる展開になったのも、すべては、無策極まるのか、当初から計算づくでやった政官の癒着構造であり、特に小泉政権の功罪は、今日の経済不況を加速させるに十分な効果があったと言えそうですね。

いまさら、オリックスへの売却話だけを捉えた話では収まらないでしょう。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

ご期待に反して悪いですが、残念ながら国民の目は「節穴」でしょうね。

この類のことは過去から幾らでもあり、皆知っておられるように、対米戦争は国民が望んでいた戦争でしたし、60年安保闘争も、安保条約を破棄することが日本の平和に資するというのが国民の声でした。

共通するのは、マスコミの煽りに乗せられている点です。

「ポッポの本質(下)」が屁理屈と評価されておられるようですが、小論が正しい証拠は、109億円ならば我が社はもっと高く買います、と名乗りを上げる企業が1社も表れないことです。

ミラーマンは、400億で応札した会社があるなどと書いていますが、もし今もその会社が400億で買うというなら、読売新聞が大キャンペーンをしてるでしょう。

2010年度に黒字にするように日本郵政に命じたと佐藤総務相が言ってますが、黒字にするためにかんぽの宿から日本郵政に人を戻すでしょうから、表面的にかんぽの宿が黒字になったといっても、日本郵政に人件費を肩代わりしてもらうだけで、結局、赤字の総額はほとんど変わらない訳です。

小泉政権で政官の癒着構造が強くなった?

官僚寄りの政治は、麻生政権になってからの話ですよね。

事実をたどることなく、マスコミや既得権益御用評論家のいうことをそのまま聞いていると、ご自身が生き難くなると思います。

└──────────

┌──────────「Hal さん」60代@男性@専門職@海外

http://chinachips.fc2web.com/argue3/0922.html コメントの続き。

中国が、労働人口激減対策に、ファナックなどから自動機械などを入れているそうですね。日本の適正人口の検討を含めてのご投稿を、お待ちしています。

「私は、隣国から1千万人を受け入れるなんて全く考えていない。受け入れるなら、もっと穏やかな国民性の国から来て貰ったほうが良いと思っています」

ですよね。日本語もろくに話せず、人間性の根本を作ると思われる宗教、しきたり、心栄えのまったく違う国から、大挙してやってくるんですよ。計画では日本人の10人に1人とか。

日本が「新地球人」を率先して作る実験をやるとでもいうんでなければ、ポッポに60%もの同意を寄せる日本人なんて、20年もすれば完全に日本人じゃなくなっているでしょう。

それこそ「友愛」が、過酷な「家畜人ヤフー」の世を生き延びるための、慰めの合言葉になることでしょう。

移入候補として、ベトナム、カンボジア、ラオスの人たちはいかがですか。この人たちは、少なくともまだ日本人に好意と憧れを持っていてくれています。選考基準も合わせてお知らせください。「君が代」は必須かな?

「散砂の民」の移入利権で大儲けする人も出ることでしょうが、結局は臍を噛む事になりますよ。日本人のアイデンティティなど脆いもんです。今の教育が教育ですから。

「今の若者の資質を、教育で変えられると思っておられる点」

紋起さんの想像と食い違っていないと思います。上記のようには全く思っていません。ーーー今の若者を変えようと思っているのではなく、

まだ生まれていない未来の日本人のために、今の大人が「日本が日本であるためには何を耐え、何を変えていかなければならないか」、ここらでよーく考えてみようといっているのです。

安易に移民に頼るのではなく、自助努力の方策は考え付きませんか。そのための教育制度の改革はどのようなものにするのか、徒にマスゴミを責めるのではなく、マスゴミに影響されないだけの思考力を持った日本人を育てるために、ーーー紋起さんは、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

ご寄稿を、楽しみにお待ちいたしております。

└──────────

┌──────────「紋起さんから」

三橋貴明氏のブログをご存知でしょうか。大変人気の高いブログだそうです。

基本は、日本はすばらしい、近隣諸国の追随などありえないほど、技術的にも人的にも優れた日本だという主旨の書き込みが多く、若者で崇める人もいるらしいです。

私たちの時代にも同様の方がおられました。唐津一氏で、いつも日本の電気の素晴らしさを述べておられました。今の電機業界を見て氏の話が作り話であったことは歴然です。

何を申し上げたいのかといえば、日本は優れていると言いはじめる人がウケる時代は没落の最中だということです。それを敏感に感じている若者が、明るい話にすがっている風景なんでしょう。

自らが行動しなくてはならない若者が、明るい予言にすがり何もしないところにこの国の問題が浮かび上がると思います。ーーー行き着くところまで行かねば直らないかもしれないな、と思うことがしばしばあります。

いささか悲観的過ぎるかな、と思ったりもしています────。

└──────────


「坂の上の雲を」▼ 過去記事はこちら!
http://chinachips.fc2web.com/argue3/monki.html