「頂門の一針」 李承晩ラインがあった
わたなべりやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 1596号
平成21(2009)年7月5日(日)
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李承晩ラインがあった
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渡部亮次郎
李承晩(イ・スンマン、1875年3月26日―1965年7月19日)は、朝鮮の独立運動家で、大韓民国の初代大統領(在任1948年―1960年)。われわれは「り・しょうばん」と言い習わしていた。
だから見出しは「りしょうばんライン」である。
1911年(明治44年)、寺内正毅総督暗殺計画に連座して投獄される。
1934年(昭和9年)滞米中、オーストリア人のフランチェスカ・ドナーと結婚。1941年『日本の内幕記』を著し日本の対米宣戦を予告。1945年(昭和20年)10月、アメリカより帰国。
1946年2月大韓独立促進国民会を結成、総裁に就任。
1948年(昭和23年)8月13日、アメリカの梃入れにより大韓民国成立、初代大統領に就任。以後、「反共」を掲げるも圧倒的な「独裁」を12年間貫いた。
李承晩は、朝鮮の独立運動に関わっていたという経歴から分かる通り、日本を激しく嫌った。
代表的な対日政策の一つに1952年の一方的な海洋主権宣言、いわゆる「李承晩ラインの設定」がある。日本官憲による投獄中、生爪はがしの拷問を受けたため、憎悪の念は激しかった。
李承晩ラインは、1952(昭和27)年1月18日、大統領・李承晩の海洋主権宣言に基づき韓国側が一方的に設定した軍事境界線。韓国では「平和線」と宣言された。
海洋資源の保護のため、韓国付近の公海での漁業を韓国籍以外の漁船で行うことを禁止したものとされたがが、本当の狙いは韓国で獨島(「独島」)と呼ばれている竹島と対馬の領有を主張するためであるとする説がある。
これに違反したとされる日本漁船は以後韓国側による臨検・拿捕の対象となり、銃撃され殺害される事件が起こった(第1大邦丸事件など)。
西日本の漁民は切歯扼腕、塗炭の苦しみを味わった。
国際法上の慣例を無視した措置として日米側は強く抗議したが、このラインの廃止は1965年(昭和40年)の日韓漁業協定の成立まで待たなくてはならなかった。
私はこの頃既にNHKの政治記者であり、たまたま衆議院担当だった。問題の日韓漁業協定を含む日韓条約の国会批准にあたって日本社会党と共産党が反対した。北朝鮮びいきだったからだ。
このため、自民党は衆参両院とも本会議で強硬採決を断行した。特に衆議院本会議は1960年の安保改訂国会以来の乱闘となり、野党が議長席占拠のため駆け上がるため起きた地鳴りは44年経った今も耳に残っている。
協定が成立するまでの13年間に、韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。
李承晩ラインの問題を解決するにあたり、日本政府は韓国政府の要求に応じて、日本人抑留者の返還と引き換えに、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国・朝鮮人472人を収容所より放免して在留特別許可を与えた。
領土問題に関しては、他にも「対馬も韓国領土」「沖縄は韓国固有の領土である」などと発言したり、朝鮮戦争の際にも「釜山が陥落したら、福岡に亡命政府を置く」などと主張して、幾度となくマッカーサーから叱咤を受けていたほど、日本を占領したいとも発言している。
また、日本の大衆文化を「公序良俗に反する表現」として規制した。その結果、日本の大衆文化を剽窃したものや海賊版などが横行する事態に陥った。
のちに韓国でも著作権の概念が浸透し、また金大中政権以降、段階的に日本の大衆文化の開放が行われるようにはなったこともあってしだいに改善されてきている。
李承晩政権は日本との国交正常化には消極的で、結果的に日本からの公の経済援助を得る機会を大幅に遅らせることになった。交易拡大についても消極的で、外貨流出や北送事業(北朝鮮帰国運動)への抗議を理由に、1955年8月~1956年1月、1959年6月~1960年4月に日本と通商断交している。
また、1959年8月には「日本は人道主義の名の下に北朝鮮傀儡政権の共産主義建設を助けようとしている」と非難し、予定されていた日韓会談の中止を指示した。
後の朴正煕政権は日本との妥協点を模索し、日韓基本条約を交わした。
日本からの多額の無償経済援助や借款を得るとともに、対日貿易が経済発展の唯一の方法として積極的に推進した。
このような朴正煕政権の政策と対比して、李承晩政権の対日政策と1950年代の経済低迷との因果関係が指摘されている。
1960年、李承晩が4選を狙った大統領選挙に際して、3月15日、大統領李承晩、副大統領李起鵬の当選が報じられると、反対デモが頻発。8人死亡50人以上が怪我という馬山事件になった。
馬山事件に抗議するデモは瞬く間に韓国中に飛び火し、4月18日には高麗大学とソウル市立大学の学生が国会前で座り込み、翌4月19日にはソウルで数万人規模のデモが行われた。各主要都市でも学生と警察隊が衝突し、186人の死者を出した(4・19学生革命)。
国会は、大統領の即時辞任を要求する決議が全会一致で採択した。このことを受けて午前中に、李承晩はラジオで「国民が望むなら大統領職を辞任する」と宣言し、下野した。12年間続いた独裁体制はようやく崩壊することになった。
副大統領の李起鵬は4月28日に一家心中し、大統領の李承晩は1960年5月29日に夫人を引き連れ、アメリカハワイに亡命した。それから5年後の1965年7月19日、その地で90年の生涯に幕を閉じた。
因みに、フランチェスカ夫人は夫の没後、ハワイから故郷であるオーストリアを経て、1970年5月16日に韓国へ戻り、1992年3月19日にソウルにおいて92歳で死去している。2009・06・21
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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支離滅裂この4年
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山堂コラム 273
麻生がやろうが誰がやろうが、今度の総選挙は「小泉行革の総決算」。
これだけははっきりしている。
そもそも前回の小泉郵政解散で衆院自民党に3分の2以上の大量議席を与えた有権者。選挙が済んで2日目に「ん?・・・こりゃ騙されたわい」の猫騙し。臍を噛んだりゴマメの歯ぎしり。
だから小泉引き継いだ安倍(晋)・福田(康)内閣にはすぐ「NO」よ。
現・麻生政権に対しても世論は最低の支持率で応えている。
その意味合い。総括しないで「バラ撒き」や「そのまんま東」に縋(すが)っても、所詮は無駄。支持者引き戻すこと不可能のアフガン、ソマリア、北朝鮮。
郵政民営化選挙は「猫騙し解散」ではあった。しかし国民の多くが期待した構造改革、つまり「小泉行革」。カンポの宿は脇に置いておくとして、その真髄。!)公務員制度改革と!)財政再建、この2つ。
常識ある国民なら誰しもが必要と思う喫緊の課題。この2つを着実に進め「足腰強い国家を樹立」すること。それに有権者は小泉以後の自民党に期待し、賭けもしたのだ。
安倍・福田両内閣、現・麻生内閣も表向き「小泉行革路線」の継承・推進。しかし言ってることとやってることは全く逆。一杯のつもりがいつの間にやら梯子酒(はしござけ)。気がつきゃ「別人28号」で、郵政解
散に造反した弘文や聖子ちゃん、いまの内閣では主要閣僚だで。
行革推進どころか、後退。いや官僚の抵抗に抗しきれずの逆噴射。「骨太の方針」なんぞ鳥ガラよ。
まずは安倍内閣からみていこう。
3分の2議席貰ってやっと残した実績といえば。そう「教育基本法」の強行可決くらいのもの。「美しい国日本」ねえ・・・ひたすら「憲法改正」への地ならしよ。
いまでも評価する向きはあるようだが、所詮は時代錯誤の修身愛国。政友会内閣への先祖がえり。よいしょするは保守でも所詮は少数派。ネオコン乃至「売文屋」。晋三こけたらみな食い逃げしたがの。
そもそも「美しい国」なんて、誰も頼んで(選挙の洗礼を経て)やってもらったものではない。だから多くの国民はついては行かん。かくして安倍参院選はボロ負け。
国民が期待したのは官僚退治、つまり「国家公務員制度改革」。そんなもの晋ちゃん、ハナからやる気なし。やる実力もない。いまや官僚仲間から「守護神」とまで崇められるようになったMrチョピン(官房副長
官)。公務員改革徹底抗戦の闘志。彼を寵用、のさばらせた元凶は晋ちゃんだべ。麻生も甘利(行革相)もあのピアノ弾き、いまはほとほと手を焼いとるわなあ。
福田(康)内閣はと言えば・・・「国家公務員改革基本法」「消費者庁新設」「温暖化対策」など、「行革」にはまあまあ取り組む姿勢をみせていた。くそ真面目な顔をして。
官僚退治(国家公務員改革)の「基本法」通し、本丸まさにこれからという時。おそらく官僚の差し金だろう、マスコミ束になってヤスの足を引っ張り始める。誰に唆されたか道新のバカ。ヤスも売り言葉に買い言葉で「忠治(国定)はアンタとは違うんです」なーんて捨てゼリフ。残して赤城の山に消えちゃった。
それみたことかのMr.チョピン。「官僚人事権の政治主導」や「天下りや渡りを禁止する」の関連法案。人事院総裁や元検事総長(法制局長官)らとタッグを組んで、寄ってたかって骨抜き粉砕。甘利行革相なすすべもなし。「勝った、勝った」の霞が関。自民党政治の下で美味しく肥る官僚ら。いまや笑いが止まらんのよ。
「西松建設の捜査は自民党には及ばない・・・」などとそこまで言うかよ国家権力の傲慢さ。自民党・民主党も含め「政党政治そのもの」が、官僚らに完全に舐められるようになった。それがオラの感じるこの4年。
(この項つづく)
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イランに対する示威的な軍事行動か
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古澤 襄
イスラエルのドルフィン級潜水艦がスエズ運河を通って紅海に向かっているという情報(エルサレム・ポスト7月2日)は各国の軍事情報筋に緊張を与えている。核弾頭を搭載した巡航ミサイルを4発備えているとみられているからである。
通常型潜水艦だが航続距離8000海里、無補給航海限度は30日以上と推定されている。イスラエルはドルフィン級潜水艦について、ほとんど情報を明らかにしていない。1999年の就航とみられている。
ウイキペデイアによるとイスラエルに、国土が大量破壊兵器による先制攻撃を受けても、影響を受けずに報復攻撃可能な潜水艦の価値を認めて、事あるときにはインド洋や紅海からペルシャ湾に突入して、イランに対して核報復を行える態勢を構築しているといわれていた。
ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺の負い目のあるドイツが、イスラエルの要求に屈して潜水艦建造について協力しているというのが、各国軍事筋の共通する見方である。
ドルフィン級潜水艦で2000年にインド洋で核搭載の巡航ミサイル発射実験をしたという説があるが、確認はされていない。
イスラエルはイランの核武装を実力で阻止する構えをみせている。フセインのイラクに対して核施設とみられる建造物に越境空爆をかけて破壊した前歴がある。最近では北朝鮮の貨物船がシリアの港に荷揚げをした直後に、荷物が搬入されたシリアの建造物に越境空爆をかけて破壊している。
イランの核施設に対する越境空爆も目論んでいるとみられていたが、米国はイスラエル空軍機がイラク領空を通過することを認めていない。そこで浮上したのが、ドルフィン級潜水艦の巡航ミサイルによるイラン攻撃であろう。
だが、米国はイスラエルの攻撃意図を認めていない。あらゆる手段を尽くしてイスラエルに圧力をかける筈である。また長期間、潜水活動が続けられる原子力潜水艦と違って、通常型のドルフィン級潜水艦では30日以上の軍事行動は不可能である。米国が給油に協力するとは思えない。
結局はイランに対する示威的な軍事行動にとどまるのではないか。
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チームプレーが崩壊した自民党の惨状
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花岡 信昭
*日本政治はなぜかくも「縮こまって」しまったのか
政治の動きがなんともあわただしい。この週に1回のコラムも、書いているそばから状況が変わったりするから、締め切りぎりぎりの時点でえいやっと取りかかることになる。アップされたときには様相が異なっていることがあるかもしれないが、こうしたコラムの特質上、お許し願いたい。
そこで、解散時期、内閣改造、党役員人事などをめぐる神経戦が展開されているのだが、これまでの流れでどうも気になっていることがある。
政治の動きが「小さく」なっているのではないかという点だ。「縮こまって」しまったのである。
政治というのは権力の配分をめぐる争奪戦だから、何があっても不思議ではない。若い学生に政治とは何かなどと真正面から聞かれると、「勘定と感情の世界だ」ときざっぽく答えることにしている。
言ってみればスポーツに似ている。プロ野球を考えよう。試合に勝つために、監督やコーチはあらゆる作戦を考え、展開を計算する。相手の弱みをどうつくか、これまでのデータに基づき、さまざまな策を打ち出す。
これが勘定の部分だ。一方で、野球も人間がやることだから、選手の感情が左右する。監督やコーチとの人間関係も微妙に反映されよう。
勘定と感情に基づくのは当たり前なのだが、チームプレーに徹しないと、ときに試合を落とすことがある。強打者がバントを命じられてカーッとなり、失敗するようなケースは少なくない。
*完全に浮き足立っている自民党の議員
いまの自民党の動きはチームプレーを完全に忘れている。優勝するために選ばれた監督のもとに結集していない。それぞれが、個人の記録ばかりを追っている。
早い話が、支持率急落の麻生首相とどの程度の距離感を持っていれば、自分の選挙に有利かといった計算ばかりが先走っている。チームは負けても、自分の記録が出ればいいと考えているプロ野球選手ばかりになってしまった。
「麻生おろし」の実相はそこにある。申し訳ないが、山本拓氏という政治家はほとんどの人が知らない存在であったろう。この人が始めた総裁選前倒しキャンペーンに100人を超える賛同者が出たというのだから、これはもう完全に浮き足だっているとしかいいようがない。
中川秀直、武部勤両氏らも、いよいよ倒閣運動に本腰を入れ始めた。ではだれを担ぐのかというと、そこがはっきりしない。これもまたシビアな言い方になるが、彼らの動きは、はっきり言えば、自身の選挙区を考えてのことである。
いずれも厳しい選挙を強いられている。政治家は選挙に落ちたら「タダの人」になってしまうのだから、とにかく選挙第一という思いは分かる。であるにしても、麻生首相と距離を置くことで自分の選挙を有利に運ぼうという思惑が透けて見えるというのでは、なんともわきが甘い。
麻生首相の代わりにだれを立てるのか、その展望もなく、さらには、いざとなったら党を飛び出す気概もなく、「ちまちまと」政権の足を引っ張る。
われこそは、という人が堂々と名乗りをあげて麻生首相に退陣を迫るというのならば、まだ分かる。実態はそうなっていない。ちくちくと「いじめられっ子」を集団でいじめ抜くうすら寒い教室のようである。
*かつての政治抗争はダイナミズムを有していた
鳩山邦夫前総務相は、西川善文日本郵政社長の退陣を求めて果たせなかったため「正義を貫く」と辞任した。事実上の更迭だが、選挙区では「男じゃのう」とがぜん評判がいいらしい。鳩山氏の選挙区も強力な民主党議員がいて、選挙情勢は必ずしもよくない。この一件で情勢を転換させてしまった。
ときの「総理・総裁」を引きずり降ろそうというからには、それなりの大義と政治的パワーがなくてはならない。党利党略、派利派略どころか、「個利個略」の寄せ集めが麻生おろしの実態なのではないか。
われわれは、角福戦争、40日抗争など歴史に残る権力抗争を体験してきた。まさに「死闘」であった。現に大平正芳氏はこれで命を縮めた。同じ自民党から首相候補が2人出て首相指名選挙を争うといった前代未聞の事態まで起きたのだが、それでもこの党は分裂しなかった。
あのころのダイナミズムがまったく見えてこない。長期にわたって日本政治を切り盛りしてきた政権党の「矜持」が消えてしまった。
福田康夫前首相の退陣によって誕生した麻生政権だが、あのとき、「キャラが立つ」と自らを称した麻生氏の特異なキャラクターに自民党はすがったのではなかったか。
正直言って麻生氏は「総理総裁レース」の主要プレーヤーではなかった。筆者と同世代の政治ジャーナリストの中で、麻生氏が政権の座を手にすると予測していた人を寡聞にして知らない。
そういう立場の麻生氏を担いだのだから、自民党としては背水の陣どころではない。そうした表現よりもさらに厳しい状況に追い込まれていたはずである。
麻生氏は「吉田茂の孫」という血筋ゆえか、「しれっとしたたくましさ」を備えた政治家である。あれこれの雑音に動じることなく、予想以上に打たれ強い一面を持つ。これは宰相の資質としては悪くない。目先の動きにあたふたしていて、国家経営などできるわけがない。
*麻生首相に残された道は、勝負どころをつかむこと
それにしても自民党内の動きは、情けないことおびただしい。夜な夜な集まっては愚痴をこぼし合う。サラリーマンが新橋や神田の安酒場で上司の悪口を声高に言い募ってストレスを解消するさまに似ている。
竹下登氏は「もののふの進退は瞬時にして決すべし」と、よく口にしていた。何度もきいていたはずなのだが、最後のところで「竹下首相、あす退陣表明」と毎日新聞に抜かれた。毎日の記者が夜中まで近くにいたらしい。ちょっと気を抜いたところでばさっとやられた。
出処進退、人事、解散など、最高の政治決断は、ほとんどの人が「ないだろう」と思う局面でずばっと打ち出すのが、もっとも効果的だ。そのことによって、政治指導者としての力量、求心力が出てくる。それによって、その後の政治展開に影響力を残すことが可能になる。
麻生首相の起死回生策は、これしかない。あっと思わせる時点をどうつかむか、そこが勝負どころだ。
*摩訶不思議な「民主ブランド」の台頭をどう読むか
自民党内部がごたついているためか、メディアや世論の動向に不思議な現象が起きている。「麻生自民」以上に民主党側にも不祥事、不始末が相次いでいるのだが、そうしたことに対する批判が目立たないのだ。
「西松献金事件」の西松側公判では、検察側から小沢一郎前代表の「天の声」が働いたことが明らかにされた。障害者団体を偽装した郵便料金割引制度悪用事件では、石井一氏らの関与が喧伝された。
さらに鳩山由紀夫代表の政治資金疑惑だ。自身の政治資金管理団体の政治資金収支報告書に故人の名前が使われた献金が記載されており、4年
間で総額2000万円を超えるという。
自民も自民なら民主も民主、と言ってしまっては実もふたもないが、こうしたことが起きると、自民党に対しては厳しい非難が出る一方で、民主党にはなんとも「甘い」というのが昨今の様相だ。
いわば、民主党の「ブランド力」がそうした不祥事をわきに追いやるほど高まっているといっていい。そこにある種の「錯誤」が世間を席巻しているといったら言い過ぎか。
「民主ブランド」によって、千葉市には31歳の全国最年少市長が誕生した。千葉市民は95万都市の経営をこの人生経験も行政体験も乏しいと思われる若者に託したわけだ。
選挙による審判が民主主義の原点だから、この結果は尊重しなくてはいけないが、「流行ブランド」がうつろいやすいことだけは踏まえておく必要がある。そのことによって引き起こされる結果は、千葉市民が甘んじて受けなくてはならない。
小泉純一郎元首相のおひざ元、神奈川県横須賀市では、小泉氏系の候補が敗れた。こちらは自民も民主も推していた人である。小泉氏も「人生いろいろ、選挙もいろいろ」などとばかり言ってはいられまい。何かが変わりつつあるのだ。
麻生首相の進退をめぐる党内抗争の行方も、そうした「ご時世」と無縁ではあり得ない。地殻変動の実態、核心をつかめるかどうかが勝負どころだ。
【日経BPネット・時評コラム連載「我々の国家はどこに向かっているのか」7月2日更新・再掲】
★★花岡信昭メールマガジン★★733号[2009・7・4]転載。
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朱に交われば紅くなる
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平井 修一
孫子の兵法に、「最上策は戦わずに勝つことだ」というのがあった。
「中華的戦略戦術」というサイトにはこうある。
<百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。 (百度戦闘して百度勝利を収めるのは、最善の方策ではない。戦わずに敵の
軍事力を屈服させることこそ、最善の方策なのである)>
中共は一滴の血も流さずに台湾を事実上併呑しつつある。台湾は国共合作で香港同様の事実上の一国二制度になりつつある。経済的に中国と一体化、緊密化しつつあり、もはや後戻りできないのは米国も日本も同様だろう。
米国債の最大の保有国は中国で、日本の最大の貿易パートナーは中国なのだ。
日本の観光産業も中国市場にやがては縋ることになりそうだ。「中国人の海外旅行が急増中 2012年には年間1億人超」と「人民網日本語版」
2009年7月2日がこう報道している。
<日本政府は7月1日、中国人に向けた個人旅行ビザの発給を正式にスタートした。日本を旅行する中国人観光客を毎年15万人ずつ増加させるねらいだ。
世界の観光市場が金融危機で打撃を受ける中、中国人の海外旅行は依然として増加しており、世界の観光市場を引っ張る重要な動力となっている。「中国新聞網」が伝えた。
香港紙「文匯報」によると、世界観光機関は、中国の海外旅行者数が2015年までに年間延べ1億人を超え、中国が世界第4の旅行大国になると予想している。・・・
中国国家観光局の最新データによると、今年1月から4月までに・・・海外に観光で出国した中国人は、昨年同期比4.64%増の延べ1587万5千人に達した。中国人の海外旅行者は昨年通年で延べ4600万人におよび、前年から12%近く伸びた>
世界中に中国人があふれる。すさまじい購買力が世界を席巻する。「米国での買い物額でも日本を抜いてトップとなった」という。経済人なら「中国様々」と歓迎し、もはや抜き差しならぬほどの関係になっている
のだろう。
中共はいつでも反日、反米、反仏などの暴動やデモを引き起こすスイッチを握っている。日貨排斥、日本人排斥を呼びかければ全土で日系企業や日本製品、日本人は甚大なダメージを受ける。人質をとられているようなものだ。
外交は和戦両様だが、「戦」のない日本はきわどい場面ではNOと言えない、YESと引き下がるしかない。これでは外交にならない。
そうならないように中国とはきちんと距離を置いた関係を保つべきである。中国人の入国はハードルを高くして、入国者総数の何割かにとどめるといった規制(ゲストミックス)をしないと、あらゆる施設が中国人
であふれかえり、それは中国人以外の人々の顰蹙を買うだろう。
中国人旅行者のマナーの悪さについては「人民網日本語版」でさえ特集していたが、我々は自衛しなければいけない。
一事が万事、朱に交われば紅くなるから、台湾を他山の石としてご用心ご用心。
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反 響
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1)On 2009/07/04, at 9:10, 渡部亮次郎 [メルマ!:00108241] wrote:
> 4)荒木純夫様の海外鮨米事情、肯きながら拝見しました。蛇足を少> 々。
ありがとうございます。インターネットでの情報共有は,金平糖と同じですね。芯となる情報の周りにどんどん情報がくっついていって,断片の情報がまとまったひとつの情報となってきます。
> ┌--------
> この米では使えないよ。鮨米なんてのは、いうならばクズ米。江戸時代> に鮨が料理として登場した頃は下層庶民の食べ物だったんだ。美味しく> ない米を、酢で誤魔化して美味しく食べさせた。酢
> には、ナマの材料の> 鮮度を保たせるという以外に、そういう意味もあるんだ。
ご指摘の通り,鮨屋の発祥は屋台でした。ですから鮨屋に元々板場はなく,鮨を作る人達は「板前」とは呼ばずに「鮨職人」と呼びます。テレビの娯楽番組で鮨屋を紹介する時よく「板前さん」と言っていますが,
ここにもマスコミの不勉強が出ています。
> それをベースにして鮨の技術は進化してきたから、鮨米については今で> も同じ。いい米を使うと云々。----この云々部分の理由は失念----
>
> 回転鮨を食べたことがあるだろう。ウチの店とそれほど味が隔絶してる
> わけじゃないだろう?使ってる米が五十歩百歩だからだよ。値段の違い
> は、シャリじゃなくネタの違いなんだよ。
>
> だから、このいい米は鮨米としては使えない。
おそらく,粘りの問題ではないでしょうか。コシヒカリに代表される高級米は粘りがかなり強くなっています。ところが,鮨ではふわっと握って食べる時にある程度ぱらっとほぐれないといけない。
> カリフォルニア米を使っているアムステルダムの店が旨い、というのが
> 納得できる理由です。
なるほど,カリフォルニア米に対して価格競争力がある理由が良くわかります。
> ーーーもちろん海外の鮨屋の鮨がマズイというの はそれだけの理由ではないようです。
> ーーー水も大いに関係があるそうです。
>
> 以前、当地に駐在されて自炊していた方から教えられたのですが、
>
> いくら米を日本から持ってきても、ここの水で炊いたら五十歩百歩。日本の水は軟水で、欧州やアメリカや中国の水は硬水で、硬水で米を炊くと絶対に美味くは炊けない、ーーーということでした。
>
> 日本で使われている(正しい?)鮨米と、軟水のウオーターをセットにして
おお,そうでした。そう言えば,スキポール空港の鮨屋で頼んだ緑茶,ちゃんとした味が出ていました。すなわち,軟水を使っているということです。
以前ポーランドにいた時,日本から高級玉露の茶葉を持っていったのですが,玉露独特の甘味は全く出ず,本当においしくありませんでした。
ヨーロッパの硬水には,日本のお茶でしたら焙じ茶が合います。むしろ日本で飲むより味にこくがあるくらいです。
> ----ついでに正しい鮨の作り方も----輸出すれば、バンバン売れるかもしれないですね。(^^) (老玩童 OJIN )
海外の鮨屋がおいしくない理由,ネタの問題もありますが,もうひとつあります。刺身の柵から切り身に切り分ける時,どのように切るかにおいしさの秘密があります。
刺身を切り身に切り分ける時柳刃庖丁を使いますが,柵を切り分ける時に庖丁の手前から刃身の長さいっぱいに,手前に一方向に引き切って切り分けます。庖丁を往復させて切ると切断面の細胞を破壊してしまい,味が落ちます。ですから,柳刃庖丁のような刀身の長い包丁を使うのです。これは,刺身を作る時の基本中の基本です。
日本人の調理人の下で修業をしないと,当然このような切り方は理解できません。(荒木純夫)
2)前田正晶です。
上西さんが火をつけられたのか、あるいは私だったか覚えていないが、英語に関する論議が盛んになり、背中を伸ばして姿勢を正しくして読むべき投稿が多くなったのは、非常に良いことだった。
「我が国には英語に関してチャンとお解りの方がこのようにいて下さったことに大いに力強い」と感じました
特に山田さんとKSさんのご意見は感心して拝読しました。なるほど、私もチャンと此処でも苗字とイニシャルの後に「さん」を付けているのです。こういう立派なご意見をお持ちの方の投稿を、頂門の一針の中だけ
で終わらせては勿体ない。
文科省の役人だけではなく、何とか審議会の委員の方々、「会話力向上憧憬派」と「東南アジアに負けている派」の全員に正座して読んで貰いたいのです。
KSさんのご指摘には、いわば唸っております。1975年に私に「日本で日本人同士の話の中に、外国語をそのままの発音で言うのは良いことではない」と注意を喚起してくれたのは、W社の東京事務所のワシントン大学のMBAを持つ日系人のBJさんでした。
これは私に対して言っているのではなく、日本駐在副社長の秘書で日系カナダ人(の女性)を批判したものでした、念のため。こういうことを言う理由は、日系人にこのような認識があった点をお知らせしたかった
のです。言うまでもないのですが、私の話し方は昔から意識せずにJさんが言う通りになっていました。
私は日本語で目上に呼びかける場合には敬称の「さん」をつけ、男性間では俗語の「ため」は苗字の呼び捨てであり、目下か自分よりも年少の相手には苗字に「君」を付けるか、あっさりと呼び捨てであると認識しています。だが、此処では渾名や愛称で呼ぶ場合を除いて論じてあります。
私は日本人が外国人との英語による話の中で、自社の社員や身内の者のことを語る場合にMr.を付けることが多いのは、この日本語における敬称を付けることの影響と、その場にその者がいる場合の配慮と認識していました。しかし、英語の習慣から考えればおかしなことかも知れません。
では、アメリカ人等の外国人が我々にどのように話しかけ呼びかけてくるかを、経験した範囲内で。多くのアメリカ人は何処で覚えたのか、あるいは来日前にブリーフィングを受けてきたせいか、圧倒的多数が苗字の後に「さん」を自発的に付けます。時たまMr.を付ける人もいます。
では「そう言われた場合に、どのように通訳していたか」と尋ねられると「もう覚えていない」と言いたいのですが、私にとっても身内、即アメリカ人には「さん」もMr.も付けません。
彼らは一般の日本の方々が考えておられる以上に社交的で、相手を持ち上げ煽てるような話し方をします。換言すれば、お世辞ないしは社交辞令を巧みに使います。
であれば、Mr.を付ける習慣がなくても、日本人に呼びかけるか、話の中で触れる場合に、彼らが敬称と認識している「さん」を付けるのです。
しかも、苗字と名前をチャンと識別して付けてくる辺りは「端倪すべからざるものあり」です。
それも、地位が上がるほどその辺りの使い分けが巧妙になります。現に、W社のW家4代目にして39歳でCEOに就任して会社を飛躍的に成長させたジョージはとりわけ見事でした。帝王学を完璧に身に付けていました。
彼は日本の社員には全て苗字+「さん」で語りかけました。副社長級以下のアメリカ側の社員には"first name"だけでした。しかし、株主総会などで誰かに株主の質問に答えさせる場 合にはファースト・ネームではなく「この件は何々部門担当の副社長誰々(=苗字)に答えさせます」と振るが、これは当然すぎることでしょう。
ある意味ではW社のように総売上高の10%以上が対日輸出である会社ではこれくらいの対応は当然で、それだけ日米間の文化の違いを弁えて対応していると言えるのです。因みに、ジョージは私を「さん」付けて呼んでいました。
確かに我が国では男性と女性では呼びかけ方に違いがありますが、私はそれの主たる原因に「男性語」と「女性語」の違いがあると考えています。
アメリカでは女性なるが故に呼び方を変えたりなどすれば、たちまち「差別」となってしまう。私たちは社内でも取引先相手でも、ファースト・ネームで呼びかけて良い人と「Mr.を付けろと要求する人」の違いを弁えて、粗相がないように気を付けていました。これも結構神経を消耗する仕事でした。
但し、公式発表などは面倒で、以前にも書いたがマイクルさんを検屍した役人は"Mr. Jackson"と呼んだように注意が必要です。ジョージはMr.を付けて呼ばれることを"ceremonious"、すなわち「儀式張った」か「仰々しい」と言って嫌ったそうです。
だが、ceremoniousでなければならない場合があることを忘れてはならないのが英語の世界です。
3)┌--------「なみおさん」
「ぽっぽの本質(下)」を読んで
まぁ、あっちからこっちから取ってつけたような、屁理屈を並べたような正当化論を述べていらっしゃるようですが、国民の目は節穴ではないんですよ。こうなる展開になったのも、すべては、無策極まるのか、当
初から計算づくでやった政官の癒着構造であり、特に小泉政権の功罪は、今日の経済不況を加速させるに十分な効果があったと言えそうですね。いまさら、オリックスへの売却話だけを捉えた話では収まらないでしょう。
└--------
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┌--------「紋起さんから」
ご期待に反して悪いですが、残念ながら国民の目は「節穴」でしょうね。
この類のことは過去から幾らでもあり、皆知っておられるように、対米戦争は国民が望んでいた戦争でしたし、60年安保闘争も、安保条約を破棄することが日本の平和に資するというのが国民の声でした。
共通するのは、マスコミの煽りに乗せられている点です。
私の「ポッポの本質(下)」が屁理屈と評価されておられるようですが、申し上げていることが正しい証拠は、109億円ならわが社はもっと高く買いますと名乗りを上げる企業が1社もないことです。
ミラーマンは、400億で応札した会社があるなどと書いていますが、もし今もその会社が400億で買うというなら、読売新聞が大キャンペーンをしてるでしょう。
2010年度に黒字にするように日本郵政に命じたと佐藤総務相が言ってますが、黒字にするためにかんぽ宿から日本郵政に人を戻すでしょうから、表面的にかんぽの宿が黒字になったといっても、日本郵政に人件費を肩代わりしてもらうだけで、赤字の総額はそう変わらない訳です。
小泉政権で政官の癒着構造が強くなった?
官僚寄りの政治は、麻生政権になってからの話ですよね。
事実をたどることなく、マスコミや既得権益御用評論家のいうことをそのまま聞いていると、ご自身が生き難くなると思います。
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4)地方分権論には、人の移転という視点が欠けているように思います。
地方格差が生じれば、人々は、地方の中でも、より生活環境のいい地域に移って行くでしょうし、外国人は、神奈川県大和市のような市政への外国人参政権を認めた市に、転入していくでしょう。(まこと)
5)早わかり「資本論」1日講座の表題に誘われて朝日カルチャーに行ってきました
遠い昔 遊部教授の授業で分かったのか分からなかったのか 安保の余韻の中で分厚い岩波版を読んだ記憶に加えて ソ連の崩壊 東欧の動きそして中国 ベトナムなどの興隆 GM救済に一役かう中国資本。。。
これをどう考えるか もう一度読み直そうと思ったのです
各章を読み進むための案内とかで30人を上回る人いっぱい 驚きは学生 女性 そして我々老人各3分の1です
固唾を呑んで聞き漏らすまいとノートをとりましたが残念ながら昔と同じ語り口なのにちょっとがっかりしました
即ち 労働者と資本家 賃金 搾取 使用価値 交換価値から始まって剰余価値 商品価値 可変価値 絶対剰余価値 資本家の策略 労働強化。。。
忠実に論じていくのは間違いではありませんが 今日の経済状況なり社会体制をどうみるのか どうとらえるのか労働者と資本家のレベルで掌握する視点は正しいとしてもそれで十分なのか
むしろ 行き詰っている自由社会―この言い方がいいかは別にしてーをどう考えるのか 中国に代表される社会主義国はどう捉えるのか これからはどうなるのかを含めての分析は付け足しのようにほんのわずかあったかなかったか大学教授には無理なのかなと不波哲三氏の楽観的な展望を裏返して見ることにしようと帰ってきました
帰りの新宿の街が大混雑 老いも若きも 男も女も わあわあやってます高層ビルはコウコウ そのもの影に男女にホームレスの群れ地下鉄はモノをパクパク食べて平気な若い女 10人のうち7人がケータイ
後は居眠り つり革は千切れそう ちいさな子供が泣いてます「資本論」など関係なしの世界が展開されているのでしょうか 否その世界そのものなのかなあとも痛感しました (一)
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昨日の記事ですが、李承晩という韓国人は
本当に日本の敵だったのだなと思いました。
ノムヒョンも敵だった。