吉田さんを「鍵のかかっていない金庫」と表現した熊谷被告 | 日本のお姉さん

吉田さんを「鍵のかかっていない金庫」と表現した熊谷被告

熊谷被告に懲役15年判決 宝くじ殺人事件

 2億円の宝くじに当せんした岩手県一関市の無職、吉田寿子さん=当時(42)=が殺害された事件で、殺人罪に問われた元新聞配達員、熊谷甚一被告(52)の判決公判が11日、盛岡地裁で開かれ、佐々木直人裁判長は懲役15年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 これまでの公判で、熊谷被告は、吉田さんから受け取った約9000万円の大半を経営する会社の運営資金や別の愛人女性のために使っていたことが分かっている。

 検察側は、吉田さんを「鍵のかかっていない金庫」と表現した熊谷被告に対し「犯行は自己中心的で、人間のすることとは思えない」と断罪。争点となった殺意の発生時期については、検察側は田さんから頼まれて購入する予定だった土地建物の代金を使い込んでしまい、それを伝えた際に吉田さんが激高したことから殺意が生じたとして、計画性があったと主張し、殺人罪の有期懲役期間としては最長の懲役20年を求刑していた。

 一方、弁護側は、殺害現場で吉田さんから妻と離婚できずにいることなどをなじられたことにカッとなって首を絞め、その後殺害を決意したという偶発的で突発的な犯行だったと主張。「吉田さんの墓に一生手を合わせていきたい」などと反省の意を示しているとして情状酌量を求めていた。熊谷被告は最後に「遺族の方には大変ご迷惑をおかけしたことをおわびしたいと思います」と述べた。

 論告によると熊谷被告は平成17年5月2日ごろ、同県陸前高田市の建物の敷地内で、交際相手だった吉田さんの首をロープで絞めて窒息死させたとされる。その後シートに包んで敷地内に遺体を埋めたとされるが、死体遺棄罪については時効が成立している。

6月11日16時8分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090611-00000588-san-soci