イスラエルからのニュース(かなり長いです。)
2009年5月10日(日)
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*予算削減をめぐり政府内で不協和音。バラク国防相が、
大幅な予算削減案を「非現実的で無責任」と非難した。
(H,P)
*月曜に予定されているローマ教皇の到着を控え、ベン
グリオン空港では今日、国防軍の軍楽隊を動員した
大規模なリハーサル。(H,P)
*自治政府のアッバス議長がファイヤド首相に組閣を
依頼へ。ハマスとの連立交渉が進まないため、
アッバス議長はファタハ系閣僚による新内閣を構築
する構え。ハマスは反発している。(H,P)
*米国のオバマ大統領が、シリアに対する制裁継続を
決定。シリアが米国の国益を害し、イラク再建を妨げて
いると非難した。その一方で、米政府は高官をシリアに
派遣し交渉を続けている。(H)
*ハマスの指導者マシャールが、イスラエルとの共存を
拒否する方針を再確認。しかし、1967年の軍事境界線
でパレスチナ国家ができるなら、連立内閣に参加する
ことはあると語った。(H)
*ネタニヤフ首相が今週にヨルダンのアブドラ国王と会談
か。訪米に先立ち、中東和平に関して意見の調整を
行うのが目的。(P)
*国連がガザに戦争犯罪の調査団を派遣へ。双方の
戦争犯罪を調査する として、イスラエル政府にも協力を
求めている。(P)
*エルサレムの周辺を入植地や公園で囲み、市の分割を
防ぐ秘密計画が、昨年秋にオルマート首相とエルサレム
市長に提出されていたことが判明。左派団体は「極右
思想に基づく計画」と非難している。(H)
2009年5月11日(月)
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*教皇がヨルダンで「カトリックとユダヤ人には切れない
関係がある」 と語り、ユダヤ人との関係改善を目指す
考えを表明。(H,P)
*国防予算をめぐり、ネタニヤフ首相とバラク国防相が
会談。しかし、双方の主張は食い違ったままで、合意
には至らなかった。(P)
*治安省が課税によって組織犯罪に対抗する計画を
推進中。しかし、職員が危険にさらされるとして、税務
当局は協力を渋っている。(H,P)
*ファタハの指導部を選ぶ選挙の方法をめぐり、ファタハ
内部で権力闘争。前回に選挙が行われたのは
1989年だった。(H)
*ピース・ナウの要請で、政府がテルアビブ-エル
サレム間の高速鉄道に関する公聴会。現在の計画
路線は自治区内を通過しており、工事面でもパレス
チナ人に大きな負担がかかると予想されている。(H)
*EUの調査で、パレスチナ自治政府の刑務所に拘束
されている住民の88%は、裁判手続きもなく収監され
ていることが判明。(H)
*ペレス大統領が0.5平方ミリの超小型旧約聖書を
ローマ教皇に贈呈へ。テクニオン大学が、自慢のナノテク
ノロジーで作成した。同大学では、分子レベルでの
DNAの直接加工を目指している。(P)
*イスラエルの気象台が、今年の冬の降水量は北部で
例年の80%程度だと発表。昨年より降水は多かったが、
それでもガリラヤ湖の水位は昨年同期より1mも低い。
今年もイスラエルは水不足。(H)
*10年前に比べてイスラエル人男性の精子の数が
4割も減少しているとの報告。食品に含まれるホルモン
の影響だとの見方も。(H)
2009年5月12日(火)
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*昨日イスラエル入りした教皇が、虐殺記念館(ヤッド・
バシェム)で演説。しかし、カトリックとしての謝罪の言葉
もなく不十分だとして、 虐殺記念館委員会のラウ議長
は不満を表明した。(P,H,Y)
*教皇と会談したイスラム教指導者が「ガザの子供を
虐殺した」などと激しい反イスラエル発言。クリスチャンと
イスラム教徒が反イスラエルで団結すべきだと呼びか
けた。教皇は会談を途中退席。(P,H,Y)
*ネタニヤフ首相がエジプトでムバラク大統領と会談。
首相は早期に和 平交渉を再開すると語ったが、
2国家共存は明言せず。(P,H,Y)
*ナチスの強制収容所の元看守デムヤンユクを米国が
ドイツに引き渡しへ。89歳で体調が悪く、救急車で自宅
から運ばれた。(P,H,Y)
*EUのユダヤ人団体が、ベルギーで行われる予定の宗教
対話集会をボイコット。イスラム教の代表者の多くが
テロ組織に関係しており、集会が反イスラエルの敵対的な
ものになる可能性が高いため。(P)
*ガザでの作戦中にパレスチナ人の家から盗んだクレ
ジットカードで買い物をしたとして、2人の国防軍兵士が
逮捕された。(H)
*住宅不足などのため、西岸地区で育った多くの若者が
「追放」されていると、入植者指導者が政府を批判。
住宅増設を求めた。(H,Y)
*昨夜から、高名なラビの命日である「ラグ・バオメル」の
祭り。ラビの墓所があるガリラヤのメロン山には多くの
正統派が集った。(H)
*2千年前にテトス率いるローマ軍がエルサレムの神殿
から奪った財宝の返還を求め、右派活動家がローマ教皇
を訴え。しかしエルサレム地裁は「国家元首は訴追
できない」との理由で訴えを却下した。(Y)
2009年5月13日(水)
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*ローマ教皇ベネディクト16世が神殿の丘と西壁を
訪問。ユダヤ人の風習に従い、平和への祈りを書いた
紙を西壁に挿入した。(P,H,Y)
*教皇がゲッセマネの教会で特別ミサ。「イエスの苦難は
あなたたちを通じて今も続いている」とエルサレムの
信者に向かい説教。(H,Y)
*教皇が神学生時代にヒトラー・ユーゲントに加入したの
は「強制加入 させられただけで、ナチには反対だった」
と報道官が説明。(P,H)
*教皇がエルサレムのチーフ・ラビと会談。カトリック教会
はユダヤ人 の間でいっさいの宣教活動をしないことで
合意。ラビは「歴史的合意」 「我々にとって非常に重要
なメッセージ」と評価した。(P)
*リーバーマン外相がイギリスのミリバンド外相との会談
のためロンドンに到着。英国の反イスラエル諸団体が
外務省前で抗議。(P,H)
*2006年の第二次レバノン戦争の、クラスター爆弾処理
のため、投下位置情報を国防軍が国連軍に提供。
不発弾により戦争後20人以上の市民が犠牲になり、
200人が負傷している。(H,Y)
*ナチスの強制収容所の元看守デムヤンユクが米国から
ドイツに到着。 約3万人のユダヤ人虐殺の従犯容疑に
より裁判へ。(P,H,Y)
*教育費の予算削減が国会で討議されるのに抗議し、
主要15自治体の学校が水曜日に2時間のストライキ。
(P,H)
*人気インターネット・サイト「フェイスブック」が、ホロ
コースト否定論者の利用をあえて排除しないと発表。
同サイトはユダヤ人が運営 しているため、否定論支持
でないことは明白だとした。(H)
2009年5月14日(木)
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*教皇が水曜日にベツレヘムとパレスチナ難民キャンプ
を訪問。「パレスチナ人の主権的故国」を支持すると
語った。また、西岸地区の防護壁も、和平の行き詰まり
を象徴するものだと語った。(P,H,Y)
*労働党以外の連立政権の議員らがネタニヤフ首相に、
来週の訪米時にパレスチナ国家設立の呼びかけに
乗らないよう要請した。(P)
*国防軍高官アシュケナジ氏が、火曜日の予算委員会で、
感情的になっ てネタニヤフ首相を避難したことについて、
謝罪を表明。国防軍キャリア組の定年退職年齢の引き
上げ案に激怒したことで。(H,Y)
*アメリカの左派ユダヤ人団体と元外交官たちが、ネタ
ニヤフ首相との会談時にパレスチナ国家設立による
和平を推し進めるよう、オバマ大統領に要望書を提出。
(H)
*リーバーマン外相がイギリスでミリバンド外相と中東
問題等で会談。 メディアの取材はシャットアウト、
記者会見も無かった。(P)
*レバノンでは、イスラエルの「スパイ網」の摘発が進行
しており、新たに6人が逮捕された。ここ数週間で逮捕
者数は計12人に。他にも25人の容疑者がいると
されている。(H,Y)
*オーストラリアで、ウェブサイトにホロコースト否定論を
掲載し、裁判所の停止命令を無視した人物に禁固
3ヶ月の有罪判決。(P,H,Y)
*西岸地区の6つの不法入植地に対して2004年に撤去
命令が出されているのに、そのまま放置されていると
裁判所が政府を非難。90日以内に説明するよう、
高裁が政府に命令した。(H,Y)
2009年5月15日(金)
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*教皇と会談したネタニヤフ首相が、イランのアフマディ
ネジャド大統領による反ユダヤ発言を明確に非難する
よう教皇に要請。教皇は穏健 勢力を支援する必要性が
あるとの考えを示した。(H,P,Y)
*イスラエルを訪問した米国CIA長官が、イスラエルが
米国に無断でイラン攻撃を行なわないよう、ネタニヤフ
首相に要求していたことが判明。
首相はこの要求を受け入れるもよう。(H,Y)
*野党になったリブニ元外相が、ネタニヤフ首相の和平
政策に懸念を表明。積極的に和平を進めないと不利に
なると指摘した。(H)
*検査官が、私服で基地に侵入できるか試験をしたとこ
ろ、数箇所で侵入に成功。ある基地ではパソコンを盗む
ことができた。事態を重く見た国防軍は、警備体制を
全面的に見直す。(P)
*自治政府のアッバス議長が新内閣の結成を延期か。
ファタハ内部の権力闘争のため、意見の調整が非常に
難しいもよう。(P)
*ナザレで行なわれた教皇によるミサに4万人が参加。
教皇は、ナザレ のイスラム教徒とキリスト教徒に平和
共存を呼びかけた。(P)
*西暦でイスラエルの独立の日となる14日を、各地で
パレスチナ人がナクバ(破局)として記念。反イスラエル
デモを行なった。(Y)
*世論調査で58%のイスラエル人がパレスチナ国家
設立に賛成。宗教派は7割が反対、世俗派は7割が
賛成と、意見が分かれた。(Y)
*歌手のマドンナが22歳のモデルと結婚か。マドンナは
ユダヤ教神秘主義のカバラに傾倒、結婚式もカバラ式に
なるという。(H)
2009年5月17日(日)
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*米国でのオバマ大統領との会談を前に、ネタニヤフ
首相の側近がパレスチナ和平に関する立場を米国
関係者と調整中。首相はパレスチナ国家設立を明言
するのは避けるもよう。(H,P,Y)
*シリアのアサド大統領が、イスラエルの新政権は交渉
相手にならないと発言。イスラエルのアヤロン副外相は、
シリアは和平に本気で取り組む意志はないとの見方を
示した。(H,P,Y)
*ペレス大統領がヨルダンでアブドラ国王と今日会談。
ガザ戦争以来、悪化している両国の関係修復を
目指す。(H,P)
*国際原子力機関のエルバラダイ事務局長が「イスラ
エルがイランを軍事攻撃するとすれば、狂気の沙汰」
と発言。(H,P,Y)
*エジプトが、ガザとの間のラファ検問所を双方向に運用。
人道的理由によるものだという。運用期間などは不明。
(Y)
*エジプトで、ファタハとハマスが連立政権の構築に向け
て最後の試み。
しかしハマスは、暴力の放棄
などカルテットの3条件を
受け入れることはありえない
と宣言した。(P,Y)
*266発のロケット弾など、莫大な量の武器をエジプトが
シナイ半島で発見。ガザ行きのものだったと見られ
ている。(P,Y)
*教皇が「私はパレスチナ人の友人であると同様に
イスラエル人の友人」 との最後の演説を行い、金曜に
ローマに帰国。(Y)
*イスラエルのユダヤ系市民とアラブ系市民のデュオが、
ユーロビジョ ン歌謡コンテストで16位に。(P)
2009年5月18日(月)
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*ネタニヤフ首相は今日、米国でオバマ大統領と会談へ。
首相はイランの核開発阻止を訴える構えだが、オバマ
大統領はパレスチナ和平の推進を要求するものと
見られている。(H,P,Y)
*ネタニヤフ首相は昨日、米国の親ユダヤロビー
AIPAC幹部と会談。 今日は他のユダヤ人指導者と
会談する。(H)
*ネエマン法相が離婚訴訟をラビ法廷の管轄下に置く
法案を提案へ。シャスを連立政権に入れるため、口頭の
約束があったもよう。成立すれば女性は極めて
不利な立場に置かれる。(H)
*自閉症専門の特別養護学校で、職員による児童虐待
の疑い。父母の訴えを受け警察が捜査を開始した。(H)
*アラブ系市民の40.5%が、ホロコーストを否定している
ことが判明。アラブ系市民の中では、イスラエルの生存
権を認めるとの意見が半数近くまで低下して来ている。
(H,Y)
*アルゼンチンで行われたイスラエル建国61周年の
式典をパレスチナ支援の群衆が妨害。ユダヤ人2人が
負傷した。(H,P,Y)
*ヨルダンで行われている世界経済フォーラムで「イランの
核よりイスラエルの核が危険」と、自治政府のエレカット
氏が発言。(P)
*ヨルダン渓谷に「マスキオット」という新入植地を建設へ。
新しい入植地が建設されるのは26年ぶり。(P)
*ガザで密輸トンネルの一つが崩落し、パレスチナ人1人が
死亡。エジプト警察が重機を使い遺体を回収した。(P)
2009年5月19日(火)
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*ネタニヤフ首相は昨日、米国でオバマ大統領と2時間
近く2人だけで会談。オバマ大統領はパレスチナ国家
設立の明言をネタニヤフ首相に要求したが、
首相は応じなかった。(H,P,Y)
*ネタニヤフ首相が、マーク・トウェインの聖地旅行記を
オバマ大統領に贈呈。トウェインは1867年にパレス
チナを旅した。(H)
*レバノンが国内の「イスラエルのスパイ網」の摘発中。
モサドの接触を受けたとされる人物が新たに逮捕され
た。逮捕を恐れた2人が家族らを連れてイスラエルに
逃げた。(H,P,Y)
*2003年にティベリヤで行方不明になった18歳の女性の
遺体を発見したと警察が発表。しかし、遺体の状況など
細かい情報は報道規制により伝えられていない。(H,P,Y)
*6月12日のイランの選挙を前に、国防軍がイランの
今後を分析。どの大統領でも核開発の中止は無いと
予想した。(P)
*自治政府が西岸地区の治安を守るため、3大隊を
増設へ。米国の調整担当者であるデイトン氏が明らか
にした。(P)
*フェイスブックなどの電子コミュニティーを使い、テロ
組織がイスラエル人を勧誘か。誘拐の危険もあると
シンベトが警告。(P,Y)
*エジプトで行われていたファタハとハマスの和解交渉
が決裂。両派が和解しないとガザ復興支援に大きな
支障がある。(Y)
*少量の水で育つとして持ち込まれたアカシア属の木が、
イスラエルの在来植物を駆逐していると研究者が警告。
(H)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp