北ミサイル「第三国から技術流入」示唆…防衛省報告書
北ミサイル「第三国から技術流入」示唆…防衛省報告書
防衛省は15日午前、北朝鮮が4月に発射した長距離弾道ミサイルに関する報告書をまとめ、首相官邸で開かれた安全保障会議で説明した。
飛行距離は3000キロ以上で、北朝鮮はミサイルの性能向上に必要な技術的検証を行うことができたと分析、第三国から資材・技術の流入などがあった可能性も指摘した。「人工衛星の軌道進入に成功した」との北朝鮮の主張は否定した。
報告書によると、ミサイルはテポドン2(2段式)またはその改良型(3段式)で、全長は約30メートル。1段目ブースターの推進剤は液体燃料を使用したとみている。
ミサイルは4月5日午前11時30分、北朝鮮北東部から発射され、秋田・岩手両県上空を通過した。1段目は秋田県の西約320キロ、2段目以降は発射から約16分後に太平洋に落下。いずれも北朝鮮が事前に警告した区域内と推定している。2段目以降の飛行距離について、防衛省幹部は「発射地点から3150キロから3200キロ」と説明している。
北朝鮮が、2006年にテポドン2を発射して以降、実験をほとんど行っていないことから、イラン、パキスタンなどを念頭に、第三国の協力を示唆。「ミサイル輸出先で試験を行い、結果を利用しているとも考えられる」と踏み込んだ。
ミサイルが衛星を軌道に乗せるための速度に達していないことなどを理由に、「人工衛星を軌道に進入させることに成功したものとは考えられない」と結論づけた。
5月15日8時39分配信 読売新聞