世界の新聞「101紙」の視点  プーチン首相来日について書かれた社説を見てみる。 | 日本のお姉さん

世界の新聞「101紙」の視点  プーチン首相来日について書かれた社説を見てみる。

独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】
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プーチン首相来日について書かれた社説を見てみる。


朝日。
『ロシアの大統領を8年間つとめたプーチン氏が、今度は「首相」として訪日し、麻生首相らと会談した。』

『首相はもっぱら経済政策を担当し、大統領が外交、軍事などを仕切るという分業だ。』

『とはいうものの、強権的な統治や国民の厚い支持に支えられたプーチン氏の威光に陰りはない。ロシア最高首脳の久々の訪問といっていいだろう。』

『今回、(中略)注目されるのは日ロ原子力協定だ。これにより、原子力発電用のウラン濃縮をロシアに委託できるようになるなど、原子力分野での協力が大きく広がる。』

『これまで大半を欧米に依存してきた日本にとって、ロシアにも供給源を広げられる意義は大きい。』

『ただ残念なのは、日ロ間に横たわる最大の懸案である北方領土問題がなかなか進展しないことだ。』

『両国の経済交流はここ数年、拡大の一途をたどり、(中略)5年間で5倍も伸びた。ロシアにとって、今や日本はドイツ、中国などにつぐ主要貿易相手国である。』

『経済での結びつきが深まれば、領土問題解決への環境ができると期待されていたのに、領土はすっかり置いてけぼりの様相だ。日本の首相が毎年のように交代するという、不安定な政権が続いたことが痛かった。』

『ロシア側が誠意をもって新アプローチに基づく具体案を示すことを期待したいが、そうこうしているうちに、世界不況の影響で日ロ間の貿易が急激に冷え込んできた。』

『経済危機が長引けば、せっかく積み上げてきた経済面での協力は再び低調な状態に戻ってしまいかねない。』

『ここを踏みとどまるには、日本側の腰を据えた取り組みが不可欠だろう。
長期的な視点で対ロシア外交の戦略を描いてこそ、領土という難しい問題を動かすことができるのではないか。』

『総選挙を控えた今の麻生政権に、そんな余裕があるとは思えないのが残念だ。』


産経。
『両首脳は(中略)、経済的な連携を一層深めることで合意した。ただ、懸案の北方領土問題では(中略)、今後に懸念を残す形となった。』

『領土問題の解決の道筋はいぜん、ついていない。会談は、当初から経済中心としていたロシア側の思惑が先行する形で終始した感は否めない。』

『ロシアの国家財政は原油・天然ガス価格の急落で苦しさを増している。今回の訪問を経済優先とした背景には、資源に依存するロシアの自己資金が払底する中で、日本の資金や技術に目を向けざるを得ないロシア側の事情がある。』

『日本はあわてる必要はない。(中略)「サハリン2」では、ロシア側に半分の権益を半ば強制的に譲渡させられた苦い経験がある。そうしたことを想起しながら、協力関係を進めていくべきだ。』

『原子力協定もメリットばかりが強調されているが、ロシアは核開発の野望を捨てないイランなど米国が警戒する国々とも積極的に協力している。協定締結も、リスクとコストを含めた日本国内の議論を深める必要があった。』

『経済面ばかりを重視していると北方領土問題は置き去りにされ、その重要性や解決の必要性が薄められる危険がある。日本側は今後ともロシアの経済優先策に惑わされず、四島返還の原則を貫き、粘り強く交渉を継続すべきだ。』


日経。
『北方領土問題で目立った進展はなかったが、協議の加速とともに四島の帰属問題を解決してこそ、日ロが真の戦略的パートナーになり得るという点で一致したことは一定の意義がある。』

『プーチン首相は(中略)、今もメドベージェフ大統領との双頭政権を担っている。なお大きな影響力を持つ実力者だ。』

『外交は大統領、内政は首相という大まかな役割分担はあるが、重要案件は2人が協議して決めているとされる。日本政府がプーチン首相訪日を重視したゆえんでもある。』

『普段は経済対策など内政に忙殺されるプーチン首相が、数少ない外遊先に日本を選んだ理由は明白だ。極東・シベリア地域を中心に日ロの経済連携を強化し、国内経済の活性化に結びつけたいとの期待である。』

『資源高を追い風に急成長してきたロシア経済は、米国発の金融危機や原油相場下落の影響で急減速している。(中略)経済苦境の長期化は、首相の人気低落にもつながりかねない。』

『両国は今回、日ロ原子力協定など多くの協定や覚書に署名した。日ロの経済連携の成果を誇示できる訪日だったといえよう。』

『日本にとって重要なのは、今回の首相訪日を領土問題の進展にどう利用していくかだ。(中略)経済協力だけが先行し、領土問題が置き去りにされるとの日本側の懸念をぬぐい去る意味でも、前向きな対応を求めたい。』

『日本側が4島の日本帰属という主張を堅持すべきなのはいうまでもない。』

『平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言の履行が最大限の譲歩とするロシアとの溝はなお深いが、首脳間の政治対話や経済協力を重ねて打開の道を探るしかない。』


毎日。
『北方領土問題について4島の帰属問題の最終的解決を図る必要性で一致し、作業を加速することを確認した。』

『イタリアでの主要国首脳会議(サミット)の際に予定されている麻生首相とメドベージェフ大統領の会談で領土問題の前進が図られることを期待したい。』

『プーチン首相は「負の遺産を早く取り除くことが重要だ」とも語ったという。
領土問題解決への意欲の表明と受け止めたい。』

『ロシアは原油、天然ガスの価格下落と金融危機のあおりで苦しい経済状況にある。雇用情勢も悪化し、給与遅配や失業率上昇で国民生活への影響も出始めているという。』

『プーチン首相としては、日本との貿易、経済交流の促進に力を入れたいとの思いがあるのだろう。』

『両首相は(中略)日露原子力協定、(中略)刑事共助条約などに署名した。こうした協力拡大は双方の利益につながるだろう。』

『ただ、北方領土問題で(中略)ロシアとの溝が埋まったわけではない。
プーチン首相は(中略)あらゆる選択肢が話し合われるとの見通しを明らかにした。日本はそれに備えた、しっかりした戦略を練っておく必要がある。』


読売。
『ロシアにとって、日本の先進技術や投資能力は大きな魅力だろう。』

『日露の経済協力の進展が呼び水となって、北方領土問題の打開に結びつくのかどうか。ロシア側の出方を注視する時だ。』

『ロシアはアジア太平洋地域への影響力拡大を目指している。極東や東シベリアの開発を進めるには日本の技術力を導入し、投資を引き出したいところだ。』

『「経済」をテコに「領土」を動かしたい日本にとって、好環境が整ってきたとも言えよう。』

『無論、経済協力を進めるにあたっては慎重さも必要だ。2年前、サハリンでの液化天然ガス事業でロシア側が経営権を強引に奪取した一事もある。本格的な経済協力には、領土問題の進展が前提となるのは言うまでもない。』

『大統領は2月のサハリンでの首脳会談で、領土問題に「新たな独創的で型にはまらないアプローチ」で取り組むと表明した。』

『プーチン首相が大統領だった時代は歯舞、色丹2島返還での決着を主張し、交渉は難航した。「新たなアプローチ」の中身については、慎重な見極めが必要だ。』

『日本政府の立場は、国後、択捉両島を含めた4島の日本への帰属をロシアが認めるなら、返還の時期や方法は柔軟に対応し得る、というものだ。』

『ところが、(中略)政府代表が「3・5島でもいいのではないか」と発言したと報じられた。』

『日本側に譲歩の用意があるかのような、誤ったシグナルを与えたのではないか。「新たなアプローチ」を見極める時期と思うならなおのこと、政府関係者は不用意な発言を慎まねばなるまい。』



どの社説も、内容そのものにはさほど大差ないように思える。

「経済連携はいいことだが、領土問題が進展しなかったことは残念」と、いうところだろうか。

しかし、社説から受ける印象には、けっこうな違いがある。


朝日紙の、
『経済での結びつきが深まれば、領土問題解決への環境ができると期待されていたのに、領土はすっかり置いてけぼりの様相だ。日本の首相が毎年のように交代するという、不安定な政権が続いたことが痛かった』
の一節が、気になる。

ここだけ読むと、領土問題が解決しないのは、日本側に問題があるかのような印象を受ける。

産経紙は、「ロシアは信用できない」という価値観がよく表れている。

日経紙は、「日本“経済”新聞」というだけあって、経済協力を重視している。
「これを足がかりに領土問題解決を」といったところだろうか。

毎日・読売紙も、わりと好意的だろうか。
共に、やや楽観的との印象も、個人的にはある。

読売紙が、政府関係者、つまり自民党に注意を促したのは、いかにもという感じだ。

朝日紙の、現政権に対する視線との違いが興味深い。
(桐鳳)


【編集後記】

「まただまされるぞ!」(例、サハリン2)

そのとおり。

しかし、それは大きな方向性の問題というより、契約の問題でしょう。

そういう心配があるのなら、定年した百戦錬磨の元一流商社マンを顧問にむかえ、だまされないように交渉をつめていけばいい

(以上、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル No.515」より抜粋)
http://archive.mag2.com/0000012950/20080430051148000.html?start=120

産経紙が懸念しているように、確かにロシアには信頼しかねる部分があります。

しかし。
ならばアメリカは、充分信頼できるといえるのでしょうか。
(桐鳳)

◎世界の新聞「101紙」の視点 のバックナンバーはこちら
http://archive.mag2.com/0000174275/index.html
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日本のお姉さんの意見。↓

いくら契約しても、契約を守らないのがロシアなのでは?

アメリカだろうとロシアだろうと、チュウゴクだろうと、

外国は自国の利益優先で自国に有利になるように交渉しようと

日本に向かってくるのだから、日本だって

ずるがしこく、最初から騙されるかもしれないという

前提のもとに、騙された場合のことまで考えて条件をつける

なり、日本を騙したら「もっと損する」と思わせるような

取り決めなどを考えるしかないと思うな。


逆に騙してやる!という気持ちで相手に向かわないと

手玉に取られるダケなのかもしれない。

日本人は、誠実だからなあ~。そういうところが好き。

でも、それで損ばかりしている。

ロシアは、ずっと日本を騙し続けてきたらか日本に

これだけ信用されないんだ。日頃の行いが悪いからだろ。

テレビのニュースを観ていて、「今回はプーチンは、

日本に来る前にいつも国民に行っていた

島を日本に返すことについてどう思うかという

アンケートをとってこなかったのかな?」と思った。

いつも、プーチンは、

日本に来る前に「わざわざ」国民にアンケートをとって

いたのに。

アンケートをとったけど、日本の

新聞が発表しなかっただけなのか?

いくらプーチンがロシアの独裁者で影の帝王でも

ひとりで、日本の島を日本に返すような荒技は

できないだろう。また、馬の前にニンジンをぶらさげるように

日本の前に島の返還問題をぶらさげながら、

日本から技術やら援助やらを引き出そうとしているだけでしょう。

それでも、話あわないことには、何も始まらないから

日本側が、ロシアにニンジンをぶら下げたらどうか。

先に、北方領土問題をかたずけないと

日本はロシアに何もしませんよと、

はっきり示せばいいのでは?今までの日本のやり方では、

ロシアのぶらさげるニンジンに向かって走るだけで

何も手に入れることができなかったので、

少しは学習して、やり方を変えるしかない。

日本は、戦後、常に領土や人間や資源を失う側なので、

これ以上失うものはないという状態。ロシアから島を

奪い返すまで、ロシアを信用してはいけないのだと思う。

麻生首相は、省エネの技術などをニンジンとして

ぶらさげたのだと思うが、

北方領土の返還なしに、ニンジンだけ食べられちゃうのでは?

麻生首相は、「我々の時代で解決したい。」とプーチンに

言ったらしいけど、そういう風にはっきり言っただけでも

麻生首相は偉いと思う。まず、意志表示が必要でしょう。

ロシアが日本の領土を返すまで、返せと言い続けて、

ロシアに「本当はあそこは、日本の島だったのよね~。」と

思わせておかないと、日本が優位に立てない。

もっと、日頃から世界中で「ロシアは、日本の領土を

不当に奪ったまま返さない。」と宣伝し続けないとダメでしょ。

日本は被害者でロシアに対して怒っていると表現しつづけ

ないと。あの、チュウゴクだって、ロシアやベトナムや

フィリピンと仲良くするために、不当に自国の領土だと

主張し続けていた領土問題について話合いで一応の

決着をつけたのだから、日本だって、しつこく、しつこく、

ロシアに文句を言い続けないといけないのだと思う。

領土問題の解決なしに友好関係なんて結べないんだ、

本当は。