IMF改革、こんどは[SDR債]の発行をと中国人民銀行副総裁。 同時に中国は金保有を増加させる
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成21年(2009年)5月12日(火曜日)貳
通巻第2590号
IMF改革、こんどは[SDR債]の発行をと中国人民銀行副総裁
同時に中国は金保有を増加させると英紙に語る
**********************
英紙『ガーディアン』(5月10日付け)は中国の新しい提案を報じている。
三月に中国人民銀行総裁の周小川が、SDRを通貨にと主唱し、欧米がたじろいだが、公の場で議論はおさえられたものの、G20(ロンドン・サミット)のロビィでは、この中国の提案でもちきりだった。
同じく中国人民銀行(日銀に相当)の胡暁煉・副総裁(女性)は「IMF改革のために『SDR債』を発行したらどうか」と提案していることが判った。
SDRは1969年に創設され、185ヶ国でクォータを分かち合っている。さきのロンドンサミットでは、IMF増資が決まり、日本1000億ドル、EU1000億ドル、中国400億ドルなどが決まったばかり。
IMFの資本金は7500億ドルに増えた。
他方、中国は米ドル基軸体制への挑戦を鮮明にしており、金保有を激増させている。2003年に600トンだった中国の金備蓄は、08年に1054トンに増えていたことは小誌でも既報の通り。
中国の提案に賛成したのはロシアだった。
ともあれ、世界経済の潮流がSDR、代替通貨、金本位などに流れを変えようとしているときに我が国はオザワ騒ぎ。二流の政治家が蠢動しても、世界の歴史へのコミットはあり得ないでしょう。
井の中の蛙、大海を知らず、ですか。
△
(今週の本棚)
♪
加瀬英明『徳の国富論』(自由社)
@@@@@@@@@@@@@@@
新しい教科書をつくる会の検定教科書発行元となる自由社から「歴史と美を語ろう」として自由社新書が刊行された。
第一弾は「江戸時代に養われた『徳』こそ日本の唯一の資源」として資源小国日本の力を、優しくて艶のある文体で定評ある加瀬さんが説かれる。
どのページから読んでも加瀬氏独特の艶のある文章は楽しく、すいすいと日本文化の精髄に触れることができる。
♪
白石茂樹・猪狩元秀『武徳教育のすすめ』(展転社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
道徳教育の復活は大事だけれど、教育現場は復活どころか、ますます酷い。
多くの心ある人々は教育の荒廃を憂えてきた。
もう道徳教育の復活をいうより、いきなり武道を教えて、それで手っ取り早く日本人の魂を回復せよ、と本書は説く。サムライの精神を取り戻す武徳教育。つまりは健全な身体を得れば、心が灯り、作法、礼法の覚悟が据わる、と。
GHQは武道を恐れ、禁止した。柔道も剣道も長刀も学校では教わらず、かわりに「スポーツ」。武士道精神をなかなか体現できない科目にはアメリカ流儀の、おかしなスポーツが混ざり、とどのつまりはサムライの精神を毀した。
相撲は外国人ばかり、柔道も弱くなった。かわりに殴り合い(ボクシング)、鞠投げ(ベースボール)、鞠けり(サッカー)の全盛。
ようやくにして選択科目とはいえ、武徳教育が再開される。
♪
半田亜季子『裁判官は宇宙人』(講談社α新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
法律を知らない裁判官に人生をゆだねることになる不条理を前に、実際におかしな裁判を体験した筆者が、一般人の目から裁判制度の矛盾を抉った、ユーモラスな書である。
実際に最近の判例を見ると、えっと悲鳴をあげるようなおかしな判決、不思議な判決、左翼まるだしの偏向判決等々。
イデオロギー的なことがからむ裁判は地裁、高裁で左翼の偏向判決が出て最高裁でひっくり返るというのが、従来の通例だった。
ところが近年は最高裁もおかしくなって、信じられない偏向判決が連続する。いや、ひょっとして「朝日新聞」の命令があったのかと勘ぐるほど左翼的進歩的、もっと具体的に言えば中国や韓国に有利な判決がでる。世界廣しと雖も、自国が不利になって平然としておられる裁判官というのは、まさに宇宙人だ。
もともと司法の独立などと神聖なる場所の勘違いが、裁判官を世間から隔離し、なるべく世間と交わらないルールを裁判官らの世界を強いた。したがって世間知ゼロに近い「法匪」が裁判官を務めるのだから、面妖な判決がでるのも、当然と言えば当然。
そこで裁判員制度が導入され、世間知のある、常識の分かる市民が裁判に加わることになり、裁判もすこしは是正される。
ト思いきや、さにあらず、裁判は裁判員制度の導入によってますます酷いことになるだろうと著者は言う。「素人が他人をさばく?」と。
考えるだに恐ろしいと経験者は言う。
△
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)『ボストン・グローブ』は1972年に設立された新聞社です。マサチューセッツ州で50万部を売ってきた。
この新聞社はリベラルの牙城です。経営はリーマン・ブラザース破綻以前から苦しくなっていた。一応、組合と妥協したというニュースを聞いて、「ああ、立ち直らないな」と直感した。
新聞社やメディアに政府は財政出動は出来ないです。100%のオーナーである『ニューヨーク・タイムズ』の体力が落ちている。高利のカネをメキシコ人富豪から借りたが、担保にした買ったばかりのビルが売れなければ、差し押さえられる。
ワシントン・ポストも人員削減と給与カットを行った。それでも、収益は上がらない。なにしろ、広告を出す企業も、不動産業も、職業紹介業も、需要がゼロですから。
ついに、全米の失業率が8.9%となった。銀行はまだまだ隠し事がある。バフェットが「まだ景気後退は続く」と、「11月に上向く」というバーナンキと逆さまのことを言っている。
第二の金融危機もささやかれている。在米42年になる小生も、オバマノミックスは失敗するとネガティブ。
(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)まさに同じ病気が日本の新聞、テレビ、出版のマスコミ界を襲っています。新聞が売れない。A紙の押し紙は30%、Y紙は40%、M紙は50%などという信じられない数字もあります。産経の押し紙は、もっとも少なく10%前後、それでも社内リストラにはいり、希望退職を100名募集します。
給与体系の異様な高さはNHKと朝日が「なにもしない記者」に平均1400万円前後支払っている、という数字もあります。ですからNYタイムズの悲劇よりも実態は惨状なのです。
年内にどえらい事態がおきると推測しています。
♪
(読者の声2)貴誌2586号での接見に対する先生の再「変化球」、「日独伊三国同盟はあのときの状況から勘案して『最良の選択』だった。後知恵で『あの三国同盟が悪かった』という歴史解釈もおかしいでしょう」
勿論、善悪の問題ではない。これは(反共という要素もあるが)ソビエト・ロシアの脅威という地政学的理由に拠るのであって、仮にフランスとドイツが入れ替っていれば日仏同盟というような事もありえたでしょう。
日露戦争時の日英同盟が大戦中の鬼畜英米に変わる訳ですから国際関係というのは非情です。
かつてビスマルクの立派な髭を伊藤博文など明治の元勲が真似たのに習い、近衛文麿がヒトラーのちょび髭を真似たところに見られるように、当時の政治家や陸軍軍人がヒトラーに「ビスマルクの影」を見ていたというようなセンチメンタルな部分があったのかもしれませんが、少なくとも日本がアーリア人種の優越というようなナチス的人種主義に一度たりとも共鳴したわけではないという事は強調してもし足りないでしょう。
考えてみれば、1960年代まで「自由の国」とされたアメリカで黒人が大学で白人と机を並べて勉強する事が出来なかったわけですが、日本では戦前戦中に朴正煕元韓国大統領や李登輝元台湾総統は帝国大学で日本人と一緒に勉強してくらいなのですから、やはり「ナチスと一緒」と根拠無く繰り返し言われるのは御免蒙りたいものです。
ところで、ヒラリー・クリントン米国国務長官は来日した折に横田めぐみさんのご両親らに「一人の母として会いたい」と言ったそうですが、その、ヒラリーとビル・クリントン元米国大統領の一人娘のチェルシーさんがこの夏に結婚するそうです。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090214/amr0902141824018-n1.htm
相手はマーク・メズビンスキーというユダヤ系の青年ですが、親イスラエルといわれたクリントン夫婦の事なのでさもありなんという気もするところですが、彼の父親はユダヤ人でありながらイスラエルの政策に非常に批判的な事で知られている。
http://www.boston.com/ae/celebrity/articles/2009/05/02/vineyard_wedding_bells_for_chelsea_clinton/
この辺に時のイスラエル政府と米国ユダヤ人社会のズレが見える。米国のユダヤ人団体の名誉毀損防止同盟の調べでは半数の米国ユダヤ人がイランとの対話に賛成している。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1079831.html
さてビル・クリントンはというと、暗殺されたイツハク・ラビンとは強力な信頼感関係を築きましたが、ネタニヤフの事は忌々しい野郎だと思っていたようで、第一次ネヤニヤフ内閣時に「奴は一体、どの国が世界のスーパーパワーと思っているのか」とカンカンだったようです。
http://www.guardian.co.uk/world/2008/aug/02/israelandthepalestinians.middleeast<http://209.85.129.132/search?q=cache:phpdZi-9dicJ:www.guardian.co.uk/world/2008/aug/02/israelandthepalestinians.middleeast+Who+the+fuck+does+he+think+he+is%3F+Who%27s+the+fucking+superpower+here%3F&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
前回、ネヤニヤフが首相時にはイスラエル史上初めて「首相の人格」が政治的イシューになるくらいで右から左まで反ネタニヤフ包囲網が形成されたくらいなのに十年すれば忘れられる。
イスラエル人は政治家の失敗に寛容なのか、単に忘れっぽいのか?
ちなみにネタニヤフ来日時には日本のそうそうたる財界人相手に、「君達は労働力と金をだせ。我々は頭脳を出す」というような思い上がった発言をして驚かしたので、イスラエル外務省は以降首相に二度とそういう発言をさせないように気を付けている(笑)。
(doraQ)
(宮崎正弘のコメント)とはいうものの、ペレス大統領(元首相、ノーベル賞をラビンと一緒に貰った。労働党)が、いまの政治情勢を勘案して、政敵であるネタニエフに首班指名をせざるを得なかった。イスラエルの宿命は第一に生き延びることにありますから。
小生はクリントンとネタニエフを比べたら、ネタニエフのほうが、過剰な自信を別として、政治家の素質がすこし上と思いますよ。
△
♪
宮崎正弘講演会は16日
@@@@@@@@@@@
記
とき 平成21年5月16日(土) 18時(開場:17時45分)
講師と演題 宮崎正弘「どうなる世界と日本のこれから」
ところ 文京シビック三階 第1・2会議室(文京シビックセンター内)
http://www.b-academy.jp/b-civichall/about/about02_04.html
参加費 1000円 (事前申込の女性・学生500円)
◎特記事項 懇親会 20時~22時。参加費:3800円 (事前申込の女性・学生3500円) ◎懇親会参加者は必ず事前にお申し込みください。
【申込先】 士気の集い・青年部 TEL 090-3450-1951 FAX 050-1282-2472
(千田 昌寛宛て)
E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
宮崎正弘の新刊 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫)
宮崎正弘の近刊 絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去のバックナンバー閲覧も可能です)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
平成21年(2009年)5月12日(火曜日)貳
通巻第2590号
IMF改革、こんどは[SDR債]の発行をと中国人民銀行副総裁
同時に中国は金保有を増加させると英紙に語る
**********************
英紙『ガーディアン』(5月10日付け)は中国の新しい提案を報じている。
三月に中国人民銀行総裁の周小川が、SDRを通貨にと主唱し、欧米がたじろいだが、公の場で議論はおさえられたものの、G20(ロンドン・サミット)のロビィでは、この中国の提案でもちきりだった。
同じく中国人民銀行(日銀に相当)の胡暁煉・副総裁(女性)は「IMF改革のために『SDR債』を発行したらどうか」と提案していることが判った。
SDRは1969年に創設され、185ヶ国でクォータを分かち合っている。さきのロンドンサミットでは、IMF増資が決まり、日本1000億ドル、EU1000億ドル、中国400億ドルなどが決まったばかり。
IMFの資本金は7500億ドルに増えた。
他方、中国は米ドル基軸体制への挑戦を鮮明にしており、金保有を激増させている。2003年に600トンだった中国の金備蓄は、08年に1054トンに増えていたことは小誌でも既報の通り。
中国の提案に賛成したのはロシアだった。
ともあれ、世界経済の潮流がSDR、代替通貨、金本位などに流れを変えようとしているときに我が国はオザワ騒ぎ。二流の政治家が蠢動しても、世界の歴史へのコミットはあり得ないでしょう。
井の中の蛙、大海を知らず、ですか。
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(今週の本棚)
♪
加瀬英明『徳の国富論』(自由社)
@@@@@@@@@@@@@@@
新しい教科書をつくる会の検定教科書発行元となる自由社から「歴史と美を語ろう」として自由社新書が刊行された。
第一弾は「江戸時代に養われた『徳』こそ日本の唯一の資源」として資源小国日本の力を、優しくて艶のある文体で定評ある加瀬さんが説かれる。
どのページから読んでも加瀬氏独特の艶のある文章は楽しく、すいすいと日本文化の精髄に触れることができる。
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白石茂樹・猪狩元秀『武徳教育のすすめ』(展転社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
道徳教育の復活は大事だけれど、教育現場は復活どころか、ますます酷い。
多くの心ある人々は教育の荒廃を憂えてきた。
もう道徳教育の復活をいうより、いきなり武道を教えて、それで手っ取り早く日本人の魂を回復せよ、と本書は説く。サムライの精神を取り戻す武徳教育。つまりは健全な身体を得れば、心が灯り、作法、礼法の覚悟が据わる、と。
GHQは武道を恐れ、禁止した。柔道も剣道も長刀も学校では教わらず、かわりに「スポーツ」。武士道精神をなかなか体現できない科目にはアメリカ流儀の、おかしなスポーツが混ざり、とどのつまりはサムライの精神を毀した。
相撲は外国人ばかり、柔道も弱くなった。かわりに殴り合い(ボクシング)、鞠投げ(ベースボール)、鞠けり(サッカー)の全盛。
ようやくにして選択科目とはいえ、武徳教育が再開される。
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半田亜季子『裁判官は宇宙人』(講談社α新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
法律を知らない裁判官に人生をゆだねることになる不条理を前に、実際におかしな裁判を体験した筆者が、一般人の目から裁判制度の矛盾を抉った、ユーモラスな書である。
実際に最近の判例を見ると、えっと悲鳴をあげるようなおかしな判決、不思議な判決、左翼まるだしの偏向判決等々。
イデオロギー的なことがからむ裁判は地裁、高裁で左翼の偏向判決が出て最高裁でひっくり返るというのが、従来の通例だった。
ところが近年は最高裁もおかしくなって、信じられない偏向判決が連続する。いや、ひょっとして「朝日新聞」の命令があったのかと勘ぐるほど左翼的進歩的、もっと具体的に言えば中国や韓国に有利な判決がでる。世界廣しと雖も、自国が不利になって平然としておられる裁判官というのは、まさに宇宙人だ。
もともと司法の独立などと神聖なる場所の勘違いが、裁判官を世間から隔離し、なるべく世間と交わらないルールを裁判官らの世界を強いた。したがって世間知ゼロに近い「法匪」が裁判官を務めるのだから、面妖な判決がでるのも、当然と言えば当然。
そこで裁判員制度が導入され、世間知のある、常識の分かる市民が裁判に加わることになり、裁判もすこしは是正される。
ト思いきや、さにあらず、裁判は裁判員制度の導入によってますます酷いことになるだろうと著者は言う。「素人が他人をさばく?」と。
考えるだに恐ろしいと経験者は言う。
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(読者の声1)『ボストン・グローブ』は1972年に設立された新聞社です。マサチューセッツ州で50万部を売ってきた。
この新聞社はリベラルの牙城です。経営はリーマン・ブラザース破綻以前から苦しくなっていた。一応、組合と妥協したというニュースを聞いて、「ああ、立ち直らないな」と直感した。
新聞社やメディアに政府は財政出動は出来ないです。100%のオーナーである『ニューヨーク・タイムズ』の体力が落ちている。高利のカネをメキシコ人富豪から借りたが、担保にした買ったばかりのビルが売れなければ、差し押さえられる。
ワシントン・ポストも人員削減と給与カットを行った。それでも、収益は上がらない。なにしろ、広告を出す企業も、不動産業も、職業紹介業も、需要がゼロですから。
ついに、全米の失業率が8.9%となった。銀行はまだまだ隠し事がある。バフェットが「まだ景気後退は続く」と、「11月に上向く」というバーナンキと逆さまのことを言っている。
第二の金融危機もささやかれている。在米42年になる小生も、オバマノミックスは失敗するとネガティブ。
(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)まさに同じ病気が日本の新聞、テレビ、出版のマスコミ界を襲っています。新聞が売れない。A紙の押し紙は30%、Y紙は40%、M紙は50%などという信じられない数字もあります。産経の押し紙は、もっとも少なく10%前後、それでも社内リストラにはいり、希望退職を100名募集します。
給与体系の異様な高さはNHKと朝日が「なにもしない記者」に平均1400万円前後支払っている、という数字もあります。ですからNYタイムズの悲劇よりも実態は惨状なのです。
年内にどえらい事態がおきると推測しています。
♪
(読者の声2)貴誌2586号での接見に対する先生の再「変化球」、「日独伊三国同盟はあのときの状況から勘案して『最良の選択』だった。後知恵で『あの三国同盟が悪かった』という歴史解釈もおかしいでしょう」
勿論、善悪の問題ではない。これは(反共という要素もあるが)ソビエト・ロシアの脅威という地政学的理由に拠るのであって、仮にフランスとドイツが入れ替っていれば日仏同盟というような事もありえたでしょう。
日露戦争時の日英同盟が大戦中の鬼畜英米に変わる訳ですから国際関係というのは非情です。
かつてビスマルクの立派な髭を伊藤博文など明治の元勲が真似たのに習い、近衛文麿がヒトラーのちょび髭を真似たところに見られるように、当時の政治家や陸軍軍人がヒトラーに「ビスマルクの影」を見ていたというようなセンチメンタルな部分があったのかもしれませんが、少なくとも日本がアーリア人種の優越というようなナチス的人種主義に一度たりとも共鳴したわけではないという事は強調してもし足りないでしょう。
考えてみれば、1960年代まで「自由の国」とされたアメリカで黒人が大学で白人と机を並べて勉強する事が出来なかったわけですが、日本では戦前戦中に朴正煕元韓国大統領や李登輝元台湾総統は帝国大学で日本人と一緒に勉強してくらいなのですから、やはり「ナチスと一緒」と根拠無く繰り返し言われるのは御免蒙りたいものです。
ところで、ヒラリー・クリントン米国国務長官は来日した折に横田めぐみさんのご両親らに「一人の母として会いたい」と言ったそうですが、その、ヒラリーとビル・クリントン元米国大統領の一人娘のチェルシーさんがこの夏に結婚するそうです。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090214/amr0902141824018-n1.htm
相手はマーク・メズビンスキーというユダヤ系の青年ですが、親イスラエルといわれたクリントン夫婦の事なのでさもありなんという気もするところですが、彼の父親はユダヤ人でありながらイスラエルの政策に非常に批判的な事で知られている。
http://www.boston.com/ae/celebrity/articles/2009/05/02/vineyard_wedding_bells_for_chelsea_clinton/
この辺に時のイスラエル政府と米国ユダヤ人社会のズレが見える。米国のユダヤ人団体の名誉毀損防止同盟の調べでは半数の米国ユダヤ人がイランとの対話に賛成している。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1079831.html
さてビル・クリントンはというと、暗殺されたイツハク・ラビンとは強力な信頼感関係を築きましたが、ネタニヤフの事は忌々しい野郎だと思っていたようで、第一次ネヤニヤフ内閣時に「奴は一体、どの国が世界のスーパーパワーと思っているのか」とカンカンだったようです。
http://www.guardian.co.uk/world/2008/aug/02/israelandthepalestinians.middleeast<http://209.85.129.132/search?q=cache:phpdZi-9dicJ:www.guardian.co.uk/world/2008/aug/02/israelandthepalestinians.middleeast+Who+the+fuck+does+he+think+he+is%3F+Who%27s+the+fucking+superpower+here%3F&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
前回、ネヤニヤフが首相時にはイスラエル史上初めて「首相の人格」が政治的イシューになるくらいで右から左まで反ネタニヤフ包囲網が形成されたくらいなのに十年すれば忘れられる。
イスラエル人は政治家の失敗に寛容なのか、単に忘れっぽいのか?
ちなみにネタニヤフ来日時には日本のそうそうたる財界人相手に、「君達は労働力と金をだせ。我々は頭脳を出す」というような思い上がった発言をして驚かしたので、イスラエル外務省は以降首相に二度とそういう発言をさせないように気を付けている(笑)。
(doraQ)
(宮崎正弘のコメント)とはいうものの、ペレス大統領(元首相、ノーベル賞をラビンと一緒に貰った。労働党)が、いまの政治情勢を勘案して、政敵であるネタニエフに首班指名をせざるを得なかった。イスラエルの宿命は第一に生き延びることにありますから。
小生はクリントンとネタニエフを比べたら、ネタニエフのほうが、過剰な自信を別として、政治家の素質がすこし上と思いますよ。
△
♪
宮崎正弘講演会は16日
@@@@@@@@@@@
記
とき 平成21年5月16日(土) 18時(開場:17時45分)
講師と演題 宮崎正弘「どうなる世界と日本のこれから」
ところ 文京シビック三階 第1・2会議室(文京シビックセンター内)
http://www.b-academy.jp/b-civichall/about/about02_04.html
参加費 1000円 (事前申込の女性・学生500円)
◎特記事項 懇親会 20時~22時。参加費:3800円 (事前申込の女性・学生3500円) ◎懇親会参加者は必ず事前にお申し込みください。
【申込先】 士気の集い・青年部 TEL 090-3450-1951 FAX 050-1282-2472
(千田 昌寛宛て)
E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
宮崎正弘の新刊 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫)
宮崎正弘の近刊 絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。