オーストラリアのウラン採掘能力を拡大するための中国の投資を支援すべきだとの主張は、いかがなものか
【世界の新聞「101紙」の視点】
~2009年4月29日(水)の紙面より~
独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】
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24日付「シドニー・モーニング・ヘラルド」(オーストラリア紙)
『中国から原発増設の朗報』の社説。
『中国から伝えられたニュースは、オーストラリアに影響を与えるものであり、同時に勇気づけられるものである。』
『中国には多くの石炭埋蔵量と石炭火力発電所があるにもかかわらず、中国政府はその原子力計画を拡充し、(中略)今後20年間に100基に達すると見込まれる。』
『これは大事業であり、同時にオーストラリアにとって大変な好機となる。』
『中国は、石炭燃焼時の排出ガスを削減するため原子力発電能力を拡充している。また中国はその温室効果ガスの排出を減らすよう国際的な圧力を受けている。』
『いまや中国は、オーストラリアの埋蔵ウランをさらに採掘することを望んでいる。』
『オーストラリアの(中略)ウラン埋蔵量は現時点では世界最大である。
しかし最大の輸出国はカナダであり、カザフスタンも積極的に輸出している。』
『インドもオーストラリアのウラン入手を希望しているが、ラッド政権は、インドには中国と同じ保障措置がとられるにもかかわらず拒否した。』
『日本も原発をかなり増設することを検討しており、ドイツ、イタリア、英国はみな、原発を再び受け入れることにした。』
『オーストラリアにとってウラン輸出の潜在的可能性は自明であり、年間90億ドルと10倍の輸出産業になり得る。』
『米国のエネルギー省が公表した数字を見てほしい。1メガワット時の発電をするのに出る炭素排出量は石炭火力なら855キログラム、天然ガスは361キロなのに対して、原子力の場合は5キロにすぎない。』
『そのコストでも、石炭は優位を失いつつある。もしも世界的な炭素排出量の取引制度の対象となって炭素税が課せられることになれば、石炭は最も二酸化炭素を排出するだけでなく、より高価なものとなるだろう。』
『原発とウラン輸出に反対する勢力は、主として、道徳的な懸念を動機としている。核拡散と、核廃棄物の長期的な貯蔵が、ウラン輸出反対派にとって大きな問題になっている。』
『確かにこれらの問題は重要であり、対処しなければならないが、きれいな
エネルギーの利点と比べるなら、さほどではない。』
『ラッド政権は、クイーンズランド州でのウラン採掘禁止措置を解除し、インドへのウラン輸出を承認するとともに、オーストラリアのウラン採掘能力を拡大するための中国の投資を支援すべきだ。』
『ほぼ23年前の1986年4月26日、チェルノブイリ原発事故が発生した。
それ以来、原子力産業は変わってきた。同様に、地球温暖化ガスをめぐる論議も変わってきたのである。』
個人的に感じた、この社説のポイントは3点。
・中国が原子力発電を拡充すること
・ウラン埋蔵量世界最大のオーストラリアに商機があること
・原発を推進していること
その中からあえて1点に絞れば、「オーストラリアに商機があること」となろうか。
いかに自国が儲かるからとはいえ、
『インドへのウラン輸出を承認するとともに、(中略)オーストラリアの
ウラン採掘能力を拡大するための中国の投資を支援すべきだ』
及び、
『核拡散と、核廃棄物の長期的な貯蔵が、ウラン輸出反対派にとって大きな問題になっている。確かにこれらの問題は重要であり、対処しなければならないが、きれいなエネルギーの利点と比べるなら、さほどではない』
との主張は、いかがなものだろうか。
(桐鳳)
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オーストラリアの新聞も
チュウゴク人に乗っ取られているのかなあ。
by日本のお姉さん