頂門の一針 自民・歴史教育議連のNHKへの質問状全文 阿比留 瑠比
わたなべりやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 1531号平成21(2009)年4月30日(木)
発行周期 不定期(原則日曜日発行)
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自民・歴史教育議連のNHKへの質問状全文
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阿比留 瑠比
29日の産経は政治面に小さく「自民議連、偏向問題でNHK」に質問状という記事を載せています。イザニュースでも以下のようにアップされていましたので、まず、それを再掲しますが、いかにも短い記事なので、質問内容など詳しいことは分かりませんね。
実は私はこの番組を観ていないので、自分自身はどう感じたか、ということは記せないのですが、雑誌などで番組を批判した記事や、私の耳に入ってくる情報などを総合すると、相当、ひどいものだったのだろうと思います。
《NHK総合テレビが4月5日に放送した「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」に、日台友好団体などから「内容が偏向している」と批判が上がっている問題で、自民党の議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長・中山成彬元文部科学相)は28日、NHKの福地茂雄会長あてに質問状を発送した。
質問状では、同番組の内容について、
(1)1910年にロンドンで開催された「日英博覧会」の紹介で、日本人と台湾パイワン族との集合写真に「人間動物園」とのキャプションを表記していた
(2)台湾で神社参拝を強制して、道教を禁止した-など13項目にわたり、資料の有無などの明示を求めている。
同番組をめぐっては「日本李登輝友の会」(小田村四郎会長)がすでに、福地会長あてに、「日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作することは、公共放送として許されるべきではない」とする抗議声明を出した。》
で、同じく29日の産経の社会面には、《いわゆる「従軍慰安婦」を特集したNHKの番組が放送前、政治家の意図を忖度して改編された疑いが持たれた問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は28日、「番組制作の幹部が放送前に政治家らと面会し、前後して改編指示した一連の行動は、NHKの自主自律を危うくし、重大な疑念を抱かせた」との意見を発表した。
ただ、川端委員長は会見で「自主自律をゆがめる改編を、外部圧力で行ったと認定したのではない」と説明した…》という内容の記事が出ていました。
期せずして、政治(家)と公共放送の関係、距離の置き方について考えさせられる記事が並んだわけです。この問題については、この慰安婦番組が話題になったときにさんざん論じられたし、私自身も何か意見を述べた記憶があるのであまり長々と書く気はありませんが、一つ改めて強調しておきたいことがあります。それは、政治家にとってNHKとは非常に有難い存在であるということです。
政治家が閣僚や政党の役職に就くと、潤沢な資金を持つNHKの記者は、まずほとんどの出張や講演、政治資金パーティーなどに同行し、その際の発言を報じてくれます。
これは政治家にとって、ただで自分の宣伝をしてくれるようなものです。
また、新聞は政局記事が多いと批判されていますが、それだけ政治家自身の本音や思惑、所属する派閥の事情や人間関係、国会での駆け引きの舞台裏の類を書かれた相手に嫌がられながらも書いているともいえます。
私も、自民党の山崎派と亀井派について書いた記事で、この2つの派閥から「出入り禁止」処分を受けたことがあります(だからといって、別にどうということはありませんが)。
一方、NHKは不祥事でも起こさない限り、そういうどろどろとした部分はまず報じず、ひたすら表の発言を視聴者に伝えてくれます。
また、新聞などではあまり大きく言動が報じられることのない社民党や国民新党など小政党の幹部も、NHKの番組に出れば、所属議員数に比例した以上の時間を与えられ、自分と自党の宣伝の場にすることができます。
実際、以前、ある小政党の幹部がNHKの不祥事を批判した際、NHKの記者が「あんなにテレビに出してやっているのに」と怒っていた姿を見たこともあります。まあ、そんな感じで、NHK予算などは、だいた
いいつも与野党双方から特に異論も出ずに「しゃんしゃん」で承認されます。
数年前のことですが、26日に名古屋市長選に当選した民主党の河村たかし氏に、NHKと政治家の関係をどう思うか聞いたことがあります。そのとき、河村氏は例の名古屋弁で「NHKに逆らおうなんて政治家はいない。そりゃ有難い存在だし、逆に敵に回して無視されたりしたら大変だから」という趣旨のことを語りました。
私は、NHKと政治(家)の関係を論じるのであれば、単純に政治家による圧力だとか何だとかすぐ「分かりやすく俗受けする」視点にばかり囚われるのではなく、実際のところ、NHKはどういう存在なのかの実
態を踏まえて議論した方がいいと常々感じてきました。
例の慰安婦番組の件で、安倍元首相(当時は官房副長官)と中川昭一氏(当時は無役)が圧力をかけて番組を改編させたという虚報を朝日が書
いたのは記憶に新しいところですが、あのころ若手政治家に過ぎなかった2人と、自民党の主流派閥だった橋本派と密接につながっていたNHKの力関係は、もう問題にならないほど後者が上でした。
実際、党の関係部会などで安倍、中川両氏と同じくあの番組はおかしいと感じた古屋圭司氏らが発言しようとすると、橋本派議員らが「全く問題はない!」などと大声を上げて発言を封じていました。
まあもっとも、現在のNHKはその後頻発した不祥事で国民の批判を浴びたこともあり、このころに比べれば直接的な政治力は小さくなっている気もしますが…。
さて、余談がやたらと長くなってしまいました。今回のエントリで私がやりたかったのは、記事ではほとんど省略された冒頭の歴史教育議連の質問状の内容を、ここで改めて紹介することでした。あとは番組を観てもいない私の余分な所感などはさまず、質問状の文言をそのまま書き写すこととします。
《質問状
日本を代表する報道機関NHK総合テレビは、国民の財産であるテレビ電波を、国民の「公共の福祉」に貢献して頂けることを前提に、破格な電波利用管理費(年間・NHK・12億1500万円)だけで付託され、年間約7500億円の事業収入を得ています。
ここでの「公共の福祉」とは、国民の知る権利を充たすことであります。
NHKは、平成21年4月5日「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの一等国』」を放送しました。
その番組に対して、日本・台湾の友好親善団体ならびに日・台の有識者から、番組が、偏った視点で制作されていると、尋常ならざる批判が巻き起こっていることは、ご承知のことと存じます。
それは、世紀をこえる日本・台湾国民双方の市民交流にまで、拭いがたい不信感を及ぼしたからに他なりません。
そこで、自由民主党「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、国民が当該番組に抱いた疑問に則して下記の質問をします。
尚、国民が、報道番組制作者の基本的姿勢を知る為と、貴社番組の質の向上を実現するため、質問は、誤解が生じることのない方法として、択一で回答して頂くことにしました。宜しくお願いいたします。
一、1910年に、ロンドンで開催された『日英博覧会』を紹介した映像で、日本人と台湾パイワン族との「一枚の集合写真」に「人間動物園」と侮辱的キャプションを表記していたが、「集合写真」に「人間動物園」と記述してあったか否か。
(イ)記述してあった
(ロ)記述してなかった
二、「一枚の集合写真」に関して、日英博覧会関係資料に、台湾パイワン族を「人間動物園」と指摘した当時の資料があったか否か。
(イ)指摘した資料はあった
(ロ)指摘した資料はなかった
(ハ)調べていない
三、台湾で実施された「改正名」(1937年)が、強制的に実施されたように報道したが、強制を示す資料があったか否か。
(イ)示す資料はある
(ロ)示す資料はない
(ハ)調べていない
四、公務員は、仕方なく「改正名」をしたと報道したが、全公務員が「改正名」をしたことを示す資料があったのか否か。
(イ)示す資料はある
(ロ)示す資料はない
(ハ)調べていない
五、台湾の南北400!)の鉄道建設は、樟脳貿易のため敷設したように報道したが、それを裏付ける資料があったか否か。
(イ)裏付ける資料はある
(ロ)裏付ける資料はない
(ハ)調べていない
六、本来、鉄道建設は、社会基盤整備事業であるが、仮に、貿易のために特化したものとして、当時の台湾貿易統計で、樟脳が占める比率を調べたか否か。
(イ)比率を調べた
(ロ)比率を調べていない
七、台湾で、神社参拝を強制して、道教を禁止したと報道したが、それを裏付ける資料があったか否か。
(イ)裏付ける資料はあった
(ロ)裏付ける資料はなかった
(ハ)調べていない
八、日本語を話せないものは、バスに乗せなかったと報道したが、行政政策として、指し示す資料はあったか否か。
(イ)指し示す資料はあった
(ロ)指し示す資料はなかった
(ハ)調べていない
九、学校・新聞などで、中国語を禁止して日本語を強要したと報道したが、行政政策として、それを指し示す資料があったか否か。
(イ)指し示す資料はあった
(ロ)指し示す資料はなかった
(ハ)調べていない
十、台湾人女性が日本人と結婚しても、戸籍に入れなかったと報道したが、朝鮮での「創氏改名」は、民事令の改正の中で実施された。その改正は三項目、一、氏名の共通、二、内鮮通婚、三、内鮮縁組。以上の改正だった。
朝日新聞『朝鮮版』(昭和15年2月11日付、中鮮版)には、「内地人同様の待遇、内地人の戸籍に入籍の朝鮮人 京城府が率先実施」との記事がある。台湾では、朝鮮と違い日本人の戸籍に入れなかったと受け取れるが、行政政策として、結婚しても終戦まで、日本人の戸籍に入れなかったことを示す資料があったか否か。
(イ)指し示す資料はあった
(ロ)指し示す資料はなかった
(ハ)調べていない
十一、日中戦争当時、台湾に500万人の漢民族がいたと報道したが、原住民の人口比率などの資料を精査したうえで示した数字か否か。
(イ)精査した数字である
(ロ)調べていない
十二、1919年、パリ講話会議に於いて、ウィルソン(米国大統領)
議長が「民族自決主義」を唱えたことで、東ヨーロッパ・インド・ベトナムなどの独立運動が始まったと報道したが、同講和会議でウィルソン議長は、日本が提出した「人種差別撤廃決議案」が、19人の委員の内11人の委員が賛成したにも拘わらず、採択しなかったことを知っていたか否か。
(イ)知っていた
(ロ)知らなかった
(ハ)調べていない
十三、同番組に出演していた柯徳三氏は、日本で『母国は日本、祖国は台湾』を上梓して、植民地時代の功罪をバランスよく執筆している。
しかし、同番組は、柯氏が「罪」だけを語ったこととして放送したが、柯氏は、インタビューに対して「功」について語らなかったか否か。
(イ)「功」も語った
(ロ)「功」は語らなかった
(ハ)「功」についても語ったが使わなかった
以上、右記質問は、国民の視点に立脚して、シリーズ・JAPANデビューが、真に「未来を見通す鍵は歴史にある」ことを実証して頂きたく、国民の疑問とシリーズ番組の「質」の向上を願って質問させていただきました。
尚、右記質問、13問に関して、わが国を代表する報道機関の代表としての誠意ある回答を、書状受け取り後1週間以内に頂けることを願っています。》
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戦後60年の悪夢
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MoMotarou
「日本列島は日本人だけの所有物じゃないんですから」(コメント7万件。ただいま赤マル上昇中メ↑)
鳩山由紀夫 民主党幹事長 4月17日 ニコニコ動画生放送より
http://yutori2ch.blog67.fc2.com/blog-entry-270.html
驚きであります。いつからこんな戯言(タワゴト)がまかり通るようなことになったのでありましょうか。親の顔が見たい!
■狂った政治家
民主党もいくら支持率が落ちてきたとは言え、国の独立を売ってまで政権を取りたいとは思ってもみませんでした。鳩山氏は民主党の仲間から「宇宙人」と呼ばれておるそうですが、宇宙人でも国や星を売り飛ばすことはないでしょう。
小沢党主の「国連中心主義」もおかしなお話です。国連の命令があれば自衛隊を地の果てまでも派遺するそうです。まったく国としての尊厳もなく、国よりも国連を上位に置く奴隷国家に日本を位置付ける「不埒」
な思想であります。
■芸能ニュース
問題の一つに、この鳩山破廉恥発言をまったくマスコミが伝えようとしていないことです。草ナギ某の酔払い裸踊りがテレビのトップニュ一スとは聞いて見て呆れます。いつからNHKまでも芸能ニュースに成り下がったのでしょうか。
■乗っ取られた国営放送
チャンネル桜の水島社長によると、先ごろNHKで放映された「Japanデビュー」の冒頭に違法なサブリミナル画像が混入されているそうです。これは3分の1秒の映像を混ぜることで、視聴者に気付かせずメッセージを送る手法です。明らかに北京の管理下のプロによって製作されたものです。
(重要)
*【映像分析】NHKスペシャル「JAPANデビュー」オープニング
タイトルの映像工作
http://www.youtube.com/watch?v=I1YtklJ56-o&feature=related
■戦わずして勝つ
おかしな事になってきました。 占領が昭和27年に終了し米国の洗脳「これが真実だ!」が終わったと思ったら、次はソ連中共の「平和攻勢」で頭の中が「平和、平和」で一杯になりました。それが一段落したら、「謝罪、謝罪」の大合唱です。最後が「グローバリゼーション」の連呼。
■戦争は始まっている
これらプロパガンダの特徴は,ラジオ・新聞そしてテレビ等のマスメディアを使用しているのが特徴であります。そして外国勢力の「飴と鞭」に呼応している連中が国内にいることです。
まさに謀略工作そのものですね。安岡正篤氏が言っているように,「(先の大戦は)決して物量に敗れたとか何とかというような簡単なものではない。」という一言を思い出しましょう。
●付録:現代版「醜いアヒルの子」とでも言うようなお話。話題の英国
動画訳詩つき。
http://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0&feature=haxa_popt00jp03
*「外務官僚の背骨」渡部亮次郎 -ハンディキャップ国家論
http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/485200
お勧めサイト
・杜父魚(かじか)文庫ブログ
「世襲批判は選挙民の判断に委ねる事柄 古沢襄」
http://blog.kajika.net/?eid=948475
・「急落する日本の貯蓄率 田村秀雄」
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/1011011/
・「国民自重の心」小泉信三
http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/470460/
・「皇太子様への直言」西尾幹二
http://www.youtube.com/watch?v=RK1IG7O8AGE&feature=channel_page
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濡れたマスクは危険
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古澤 襄
新型インフルエンザがメキシコから世界に拡散する状況になって、マス
クの着用を各国がPRしている。日本でも、この不況の中でマスクを作
る業者が需要に製造が間に合わない”馬鹿売れ”で嬉しい悲鳴をあげる
始末。
マスクの着用は杉花粉などアレルギー防止に役立っているが、新型イン
フルエンザの感染防止には、使用方法を間違えるとかえって被害の拡大
するとイギリスの健康保護局の専門家が警告している。
この専門家は「マスクは濡れるとウイルスが侵入しやすくなるので、1
日に2度は交換する必要がある」と言う。ロンドンから共同が伝えてき
た。
こういう情報は遅滞なく国民に伝えた方がいい。
<【ロンドン28日共同】新型インフルエンザをめぐり、28日付の英紙デ
ーリー・エクスプレスは英健康保護局の専門家の話として、マスクを着
用しても感染を防ぐ効果は乏しく、大量の使用済みマスクがかえって被
害の拡大を招く恐れがあると報じた。
マスクは一般的に感染リスクを減らすと期待されており、英国では、感
染者の確認が報じられて以降、マスクが飛ぶように売れている。
しかし、この専門家は「マスクは濡れるとウイルスが侵入しやすくなる
ので、1日に2度は交換する必要がある」と指摘。
その上で「(ウイルス)感染の疑いがあるマスクの大量処分は、重大な
公衆衛生上の危険を招く恐れがある」と警告し、マスクよりも「治療薬
にお金を使うべきだ」とした。
日本では、日常の予防策として厚労相がマスクや手洗いなどを求めてい
るが、英保健相は「マスク着用を支持する科学的根拠はないが、感染者
に接する介護員らのために、マスクの備蓄増強を急いでいる」と消極的
な発言をしている。(共同)>
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世界中がマスクマン
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平井 修一
30年前、日本人が冬になると風邪の予防や治療のためにマスクをしてい
たことを当時の世界中のメディアは笑った。1ミクロンにも及ばない菌を
ザルのような大きな網目のマスクで防げるわけないじゃないかと、マス
クをした日本人カップルがキスするシーンを描いて嘲ったのである。
今、世界中がマスクをしている。マスクでインフルエンザが防げるのか。
30年前よりもマスクの機能は格段に向上したかもしれないが、多分相変
わらずのザルで、菌を出さない、菌を吸わないという菌除け効果はある
のかどうか。幕末の「ええじゃないか」のお札みたいにほとんど気休め
のおまじないではないか。
マスクは「私は病気に注意しています」というメッセージで、マスクで
菌の感染、蔓延を防げるなんて医者は信じているのだろうか。そんなも
ので用が足りるのなら医者は要らないだろう。
<世界保健機関(WHO)は「マスクはすでに感染している人がウイルスを
広めないことには役立つが、感染予防については過信しないで」と注意
を喚起。また、「パニックのような反応だ。ウイルスをよせつけないよ
うに、手洗いなど通常の予防方法を励行してほしい」と呼び掛けている
>(CNN4月29日)
インフルエンザを理解し、それを克服するには膨大なワクチンと時間と
金がかかり、それよりは蔓延するスピードのほうが速そうだから、対策
は後手後手で、天に召される人は続くのだろう。
ピンチはチャンスでもあるから医薬品業界では早くも特需への期待が高
まっているという。禍福はあざなえる縄の如しだ。
<インフルエンザ治療薬「タミフル」を販売する中外製薬の株価は27日、
先週末比227円高の1845円まで急騰。抗ウイルス素材を使ったマスクをつ
くるダイワボウやシキボウはストップ高となり、「豚インフルエンザ問
題が長引くとの不安から、関連銘柄が活況を呈した」(大手証券)とい
う>(夕刊フジ4月28日)
しぶといなあ、この根性ならば世界はインフルエンザも不況も克服する
ことだろう。
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話 の 福 袋
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◎ 「小沢辞めろ」ついに連判状 民主有志議員が検討
西松建設の違法献金事件に伴う小沢一郎民主党代表の進退問題で、党内の反小沢勢力の有志議員らが、小沢氏の辞任を求める「連判状」作成を検討していることが28日、分かった。
水面下で署名集めを進め、大型連休明けにも動きを本格化させる。小沢氏は同日の記者会見で、代表続投の意思を改めて示したが、署名者の顔
ぶれや数によっては、窮地に追い込まれる可能性が出てきた。
署名集めを検討しているのは、小沢氏と距離を置く中堅、ベテラン議員ら。若手にも次期衆院選への影響を懸念し、小沢氏の早期退陣を望む声
があるが、ある中堅は「若手に決起させるとリスクがある。われわれが動いた方がいい」としている。
また、渡部恒三最高顧問は28日、国会内で記者団に対し「次期衆院選は今の態勢では勝てない」と述べ、小沢氏が早期に辞任すべきだとの考えを重ねて強調した。
だが党内には、「小沢氏は渡部氏の意見は気にかけていない。菅直人代表代行か鳩山由紀夫幹事長が説得しないと無理だ」(別の中堅)との見方が強い。このため、「連判状」の提出先は、菅氏か鳩山氏が検討されているという。
小沢氏は28日、党本部で記者会見し、自身の進退問題について「いろんな意見があることは風の便りに聞いている」と、辞任論があることを認めたうえで「(次期衆院選で)国民の信頼を必ず獲得できると現時点では思っている」と、代表辞任を改めて否定した。4月29日7時56分配信 産経新聞
◎分社化 揺れる“城下町” チッソ撤退を住民懸念
水俣病の原因企業・チッソ(東京)の分社化をめぐり、熊本県水俣市が揺れている。チッソの分社化は、与党が水俣病未認定患者の補償費などを工面するため、今国会に提出した救済法案の「柱」だ。しかし、一世紀もの間、水俣市に根を下ろす大手企業の分社化は「将来の生活を左右する問題」として、水俣病被害者だけでなく、広く市民の関心を集めつ
つある。
■勉強会が活発化
水俣市の交流施設「もやい館」で22日夜、「チッソの分社化を考える勉強会」が催された。水俣病被害者の支援組織主催の会には、市民約20人が集まった。
主催者は「チッソが分社化されたら水俣製造所は水俣病と関係がなくなる。そうなれば、水俣から出て行く可能性がある」と指摘。参加者からは「大変な問題。国会議員は市民にも説明すべきだ」との声が上がった。
こうした勉強会が今、市内のあちこちで開かれている。
「水俣病が解決するなら、最初は(分社化を)いいと思った。けれど、
今は…」。60代の自営業の女性が不安そうな顔で話した。
■税収の6分の1
煙突から白煙が上がり、鉄パイプが敷地内を縦横無尽に走るチッソ水俣製造所。社名の由来となった「日本窒素肥料」が水俣で創業して今年で101年。ここでは現在、世界市場の半分近いシェアを握る液晶や電子部品などが製造されている。
チッソが2007年度に水俣市に納めた税金は約5億円、市の税収の6分の1を占める。製造所の従業員だけで約570人。市内には関連会社や取引企
業も多く、人口約2万8000人のうち「5人に1人がチッソの関係者」といわれる。水俣はチッソが支える典型的な企業城下町なのだ。
■市民に広がらず
「地元社員が多く、主力の液晶事業も展開中。撤退は考えにくい」。チッソの大衡(おおひら)一郎執行役員は16日、分社化反対を訴えた水俣病被害者団体のメンバーにこう話し、水俣で広がる「チッソ撤退論」を否定した。
だが、水俣病問題に詳しい熊本学園大水俣学研究センター事務局長の花田昌宣教授は「紛争に巻き込まれやすい地域を避けるのは、企業経営の
常道。分社化されれば、チッソが水俣を出る可能性は否定できない」と予測。
世界的な不況で家電や半導体などの工場閉鎖が全国で相次ぐ今、水俣市民の間には「チッソも例外でないかも」という漠然とした不安がくすぶり続ける。ただ、分社化反対の動きが市民運動として広がる気配はない。
地元のある経営者がこう漏らす。
「不安はあるが、この街でチッソにたてつくことはできんよ」
4月30日7時8分配信 西日本新聞
◎新型インフル「弱毒性」でも警戒必要
今回の新型インフルエンザのウイルスについて、専門家の間では、当初
想定していた強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に比べて、感染しても比較的軽症で済む「弱毒性」との見方が強まっている。
世界保健機関(WHO)の緊急委員会のメンバーでもある国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長は29日、今回のウイルスが鳥と人、豚由来のウイルス遺伝子が混ざったもので、「強い病原性を示唆する遺伝子はなかった」と「弱毒性」との見解を明らかにした。
強毒性のH5N1型ウイルスは、のどや肺などの呼吸器だけでなく、内臓など全身に感染が広がるのが特徴で、感染者の免疫機能が過剰反応して、重症化すると考えられている。
しかし、米疾病対策センター(CDC)の遺伝子解析によると、今回のウイルスは強毒性のH5N1型と異なり、呼吸器にしか感染できない構造だったという。
東北大の押谷仁教授(ウイルス学)も、「感染者の症状から考えると、H5N1型に比べて、毒性ははるかに弱いと考えられる。国内で流行しても感染者が重症で死亡する割合は低いのではないか」と指摘する。
しかし、たとえ毒性が弱いとしても、今回の新型ウイルスは、ほとんどの人が経験したことがなく、免疫を持っていない。今後、世界各地で、爆発的に感染が広がる恐れがある。
国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長は「毒性が弱く、重症化率が低くても、多くの人が感染すれば死亡者数は増える。弱毒性の方が感染に気づかないうちに周囲に広げる危険性が高い。
マスクをするなど、感染拡大を抑えることが大事だ」と指摘する。さらに、インフルエンザウイルスは、遺伝子が変異しやすい。大流行して人間の間で感染を繰り返すうちに、弱毒性が強毒性に変わることも考えられる。
実際、1918年から19年にかけて世界で4000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだった。
外岡立人・元小樽市保健所長は「弱毒性と安心せず、毒性がどう変化するか、今後も、注意する必要がある」と強調する。
4月30日12時3分配信 読売新聞
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反 響
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1)世襲は抜け駆けだと思います。なぜなら、一般の人が立候補のことを考える前に議員になってしまっているからです。小選挙区制だと、一度政党の公認候補として当選すると、他の人は同じ政党から立候補できないので、若くして当選した世襲議員が党の公認候補として同じ選挙区から出馬し続けることになります。
ですから衆議院議員の被選挙権を35歳以上にすべきだと考えます。そうすれば若くして当選する抜け駆けはできませんし、35歳以上なら職歴で判断されるので、世襲候補が議員秘書の経験しかなかったら有権者は釈然としないし、公設秘書なら家業で議員をやってるとみなされます。
衆議院議員の被選挙権を35歳以上にしても、衆議院の優越で衆議院議員のほうが参議院議員より見識が問われるんですから、いいと思います。
国会議員になりないなら30歳以上なら参議院に立候補すればいいし、議員になりたいなら25歳以上なら都道府県議会、市町村議会に立候補すれ
ばいいからです。(佐藤 真)
2)「平手造酒・小澤一郎:渡部亮次郎」は「小澤はなぜ代表を辞めないか」という疑問を平手造酒を触媒にしてズバリ解剖してみせた。手だれの一刀あざやかなり。
「世間は小澤を角栄2世と簡単に呼ぶが角栄は拘置所に2度も入ったが小澤は一度もない。拘置所が怖いのだ」「代表を辞めたらやられる」この分析が民主党の方々何人に分かっているか聞いてみたい。
「人は自分の得意技で敗れる」という。
田中角栄の1回目の拘置所入りは「炭鉱国管汚職」だったが、獄中から立候補し当選。裁判も結局、無罪となる。
ロッキード裁判の陪席判事と司法試験同期という弁護士は「無罪の経験がロッキードで敗れる自信につながった」と分析していた。
というのは、200万円だかの収賄の追求を、検事が指摘した鞄に新札なら入るが、旧札では入りきれないことを角栄側は法廷でやって見せたというのだ。
その角さんが平手造酒につながる。
合併で香取市になった千葉県東庄町にある天保水滸伝遺品館に笹川繁蔵、平手造酒が使ったという品々に並んで田中角栄首相在任中の揮毫という
色紙を見たとき思わず唸った。
「利根の川風・・」得意の浪曲が聞こえるような色紙だった。(大谷英
彦)
http://ekikaramanhole.whitebeach.org/images
3)毎日楽しみに読んでおります。『暗い日本メーデー史』は知らないことだらけで勉強になりました。実は小生恥かしながらメーデーが誕生日でございます。
人から誕生日を訊かれると、決まって『1年で一番デモの多い日』と答えます(もしかして事実ではないのかも知れませんが)。そう答えたところで分かる人は少ないので、メーデーと答えてやっと分かってもらえます(中にはそれでも分からない人がいます)。
個人的に5月1日という日は好きではありません。10年前の韓国留学時代、この日にソウルの中心街へ行くと、大きな労働者のデモをやっていました。日本で云えば、銀座の大通りのど真ん中を労働者達がデモをしているという光景でした。
恐らく世界中でデモばかりやっていて、世間は小生の誕生日を祝ってくれないのだなあとつくづく感じました。もっともそこまでして祝ってほしいとも思ってませんが、せめてもう少し静かな一日であったらいいのにと思います。
そんな個人的感情も重なっているせいか、小生はデモ自体好きではありません。とりわけ『○○反対』と叫ぶような、ただただ反対するだけのスローガンで満足しているようなデモは、生産性がなく嫌いです。
偉そうなことを書かせてもらえば、デモは命を賭してやるものではないかと思います。それくらいの必死さが必要ではないのでしょうか。デモから少し外れますが、それは韓国へ留学した際に感じたことでした。あ
る時留学先の大学職員が一斉ストライキを起こし、事務的な面で大学側はすっかり機能しなくなってしまいました。
留学生の窓口となっていた国際課という課は、いつも親切に接して下さった女性の事務の方がストで不在、代わりに課長一人だけがポツンといましたが、実質的な仕事をしていなかったため、『今ストだから今度にしてくれ』との返事で、留学生一同大変に困りました。
致しかたないと諦めたものの、ふとキャンパスの方々に目をやると、スト中と思しき職員たちが赤いチョッキと鉢巻をして、車座になってのんきに食事をしていたり、中には酒を飲んでいたりと、正直呆れてしまいした。
韓国はデモを始め、民衆による運動が戦後の体制を節目節目で大きく変えてきたという歴史的自負があるのでしょう、現在も労働運動や市民運動が盛んです。
しかしながら、今や必死さに欠くせいか、どこか自己満足に陥っているような気がします。
過剰な労働運動が、韓国経済の成長を阻害しているという話は一般的によく聞かれます。皮肉なことだと感じます。
翻って日本も韓国以上にゆるい空気になっていると思います。数年前に朝鮮の打楽器演奏の依頼で、メーデーのイベントにどこかの広い屋外会場へ行って叩いてきたことがありましたが、完全にお祭のイベントであり、とても労働者の権利を勝ち取るという気概のものではありませんでした。
自分が参加するかどうか直前まで迷いましたが、やはり不参した方が良かったと今は悔やんでおります。今は介護の仕事をしているので、メーデーだろうが勤労感謝の日だろうが、利用者が毎日生きている以上、介護に携わる人間にカレンダー通りの祝日はありません。
デモやイベントを催す暇があるだけでも平和でありがたいことなのではと感ずる今日この頃です。
以上長々とメーデー批判をしてしまいましたが、5月1日に生まれたからと云って決して生んでくれた母を批判しているつもりはなく、今はただただ母に感謝をしている次第です(一応、母もこのメルマガは読んでいるので)。門 佳之
4)オバマ大統領の就任後100日と言うが、遙か以前に大統領になっていた気もする。彼は自ら望んでChange"を掲げて大統領になったのだが、現実に彼を待っていたのは急場を凌ぐ経済対策での野党共和党との葛藤。次には金融・証券・損保生保の救済策とボーナス支給への怒りの対応。
そこに自助努力を諦めて政府の救済を求める自動車産業の大手2社が登場。
それがしかも、自家用機でワシントンDCに乗り込んでくる有様。マスコミが怒って見せた。そこに何の因果か新型インフルエンザ(Swine fluと言う)が大流行 の兆しである。これも即刻対応せねば
ならぬ重大問題化した。
彼には喫緊の問題として対応する以外にない事案ばかりが襲ってきて、"Change"には何時着手できるかも解らないのである。彼にとって気の毒なのは、これらの問題への対応策はしかるべく100点満点を取らねばならないことで、合格点以下は許されないのである。
私は「表面に浮かんできた問題をどれほど巧みに処理しても、多くの問題を引き起こした根本になっている事柄に対応していかないことには、遠からぬ将来また同じ問題が発生する」と指摘してきた。
それらは何度でも言うが「初等教育の徹底」、「識字率の向上」、「基本的計算能力の向上」であり、それらがアメリカの長年の病巣である「低い労働力に質」を改善する重要な対策である。
労働力の質の低さがアメリカの製造業の国際競争力の低下を招いていた最大の要因である。強いアメリカを復活させるためにはここから手を付けない限り、百年河清を待つに等しいのである。これは断じて理論ではなく、22年の経験から言っているとご理解願いたい。
だが、天はなかなか大統領に救いの手を差し伸べない。今度は予算が不足したカリフォルニア州では8,500人の教師を削減すると言い出して、大問題となっている。
これはまさしく大問題である。すなわち、上記の三大病巣を改善・改革していくべき教師を減らそうと言うのであるから。オバマ大統領も怒って早速145億円だったかの予算を組んだという。
その怒れる教師の1人がインタビューに答えて「これぞ我が天職と心得て教職に就いたのに」と憤慨していた。NHKのスーパーインポーズには「天職」となっていたところは"I was born to be a teacher."となって
いたと聞こえた。だが、この先生の発言は"you know"の連発で「到底子供に教えるべき品格ある英語ではない」と思いながら聞いていた。
それは兎も角、アメリカには難問山積である。大統領の支持率が69%とか報じられたが、余程奮起して対策を講じた上で可及的速やかに"Yes, we can."とばかりに"make the changes happening"の段階
の進んでいかねば、高支持率の維持が難しくなるだろう。未だ彼の評価をするのは時期尚早だ。(前田正晶 )
5)「一針会」川崎支部を設立
オフ会に行ってきた。PCを離れて(オフラインにして)会いましょうというやつである。
最初は2003年で、「台湾の声」編集長・林建良さんが呼びかけた反中共集会・デモであり、黄文雄氏も顔を出していた。2回目は2005年の人権擁護法案反対集会で、平沼赳夫先生も参加していた。今回は3回目だが、読者からのお誘いで、一対一のタイマンだったから、正直言って警戒した。
小生は言いたい放題をブログやメルマガに書いているから、殴られることも覚悟している。だから会場は昼間の近所のそば屋にして、刺されても大丈夫なように鎖カタビラを着ていった。
幸いにも読者のUさんは同年生まれ、経済誌の現役編集者でカタギだったからよかった。図らずも1970年前後の早稲田の中核派リーダーの井川君は共通の知人だった。
「余は如何にして保守派になりしか」なんていう話をして、しこたま呑んでご馳走になったが、鎖カタビラが無用になったことはすこぶるよかった。
席上、メルマガ「頂門の一針」を勝手に応援する「一針会」川崎支部を立ち上げた。メンバーは小生とUさん。ま、ただの呑み会である。お花見とかなんか理由をつけてご近所で集まったら楽しかろうというだけである。
いっぱい集まったほうが楽しいから、ご賛同いただける皆様は、まで乞うご一報。(平井修一)
ishiifam@minos.ocn.ne.jp
6)上坂冬子さんの訃報を恥ずかしながら『頂門の一針』で初めて知りました。大変にショックを受けました。訃報のニュースをインターネットで検索してみましたら、上坂さんもすっかり白髪となっていらっしゃ
ったのが印象的でした。
小生は上坂さんの著書は2冊しか知りませんが、いずれも名著に巡り合えたと信じて疑いません。1冊は『虎口の総統李登輝とその妻』(講談社 2001年)です。尊敬する政治家李登輝さんの伝記といってよいでしょう。
最近は全く読んでいなかったのですが、先日のNHKの台湾を特集した番組に憤慨した小生としては、近々久しぶりに読もうかと思っていたところです。確かこの本の中のくだりにあったと記憶しますが、李登輝さんと曹文恵夫人が、『お茶を入れて下さい』などというちょっとした日常会話を今でも日本語でやり取りしているということを知りとても驚いたことを思い出します。
もう1冊は、韓国へ10年前に留学したにもかかわらず、やっと昨年になって読んだ『慶州ナザレ園 忘れられた日本人妻たち』(中公文庫 1984年)です。まえがきに、幼き頃の上坂さんが奈良に転校した当時、親しくなった朝鮮人同級生の部落に足を踏み入れて、思わず逃げてきてしまったという幼心に刺さった棘の話から始まるこの書は戦前戦後の日韓関係を現場目線で描いた名著だと思います。
『反日の韓国』とか『近くて遠い国』などというもっともらしく聞こえのいいフレーズが世間に蔓延る中、ご多分に漏れず小生も日韓関係のことを仲間内で得意げに語ったりすることがあります。
しかし、上坂さんの著書を読むと、いかにそれらが陳腐なことかと反省させられます。戦後韓国に残った日本人妻たちはもちろん、それを支えてきた韓国の方々の真摯な生き方に感銘を受けました。また一人大切な方を日本は失ってしまったような気がします。ご冥福を祈ります。門 佳之
7)2008年11月9日 1374号で渡部さんは脚気についてお書きになりました。 実はこの件につきまして、前田家はあるエピソードを持っております。
但し客観的な資料も残っていないため、世間様に向かって大声で主張できるものではありませんが、亡き曾祖父の名誉?のため、恥ずかしながら駄文ならぬ、駄メールをお送りすることをお許しください。
私の曾祖父、(当然ですが、父正晶にとっては祖父)の前田政四郎は帝国陸軍の軍医(最終階級:陸軍軍医監)でございました。医者になるにあたっては、福澤諭吉先生が曾祖父のため、わざわざ慶應義塾内に慶応医学所を設置して頂いたお陰で医者の路に進むことが出来ました。
その政四郎は大東亜戦争以外すべての主要な紛争・戦争に出征いたしましたが、 1900年の義和団の乱(北清事変)にも第五師団の軍医部長として出征しております。
その際、政四郎は2000人を超える脚気患者への対応に追われていたそうでありますが、それらの試行錯誤の中、本国の陸軍医務局に対して「日本米の支給で脚気患者を出し、中国米の支給で脚気を著しく抑えた。脚
気に効果があるとされる麦飯の支給を希望する」と麦飯の支給を要請致しました。(所謂「前田報告」)
脚気対策については曾祖父の報告以前に海軍軍医であった高木兼寛氏の話が有名でありますが、高木説はタンパク質の不足説で結果的に間違っていたことと、渡辺先生のお書きになった通り、石黒軍医総監、森林太
郎軍医部長など東大閥に否定されてしまいました。
(ビタミン自体が発見されていない当時ですから、「栄養不足」として捉えれば、 間違っていたわけではないと思いますが、曾祖父の偉業を讃える?為、あえて「間違っていた」と表現させて頂きます。お許しください。)
結論から言えば、曾祖父政四郎の報告も顧みられることはなく、結局その後の日清・日露戦争でも帝国陸軍は多くの兵士の命を脚気で失ってしまいましたが、有効な脚気対策を初めて公に提唱した軍医は曾祖父政四郎だったのではないかと信じております。
今日、頑迷の権化として語られる帝国陸軍軍医ではありますが、臨床的なアプローチにより脚気に対し有効な処置を講じていた者も曾祖父だけでなく、多数いたと伝え聞いております。
もちろん、先生も「師団付きの軍医たちが、現場の判断で麦飯を採用したため、陸軍でも脚気は根絶した」とわざわざ陸軍軍医についても触れて頂きました。
しかし、今日多くの記述で「帝国陸軍軍医=脚気犠牲者の根源」のごとき扱いが多いのではないかと感じていたため、あえて述べさせて頂きま
した。
ここからは私の個人的な考えでございますが、
脚気問題に限らず、 「陸軍、海軍の違い」というよりは、父正晶の持論
である戦後三悪「銀行、マスコミ、労組」ではございませんが、 現場を見ず、万事公論に決することなく、自らが寄って立つ権威を盲信し、多くの場合存在するはずのない、「唯一の正解」を求めようとする「記憶型秀才(官僚)養成機関」である、東○大学気質?が生んだ“科挙の呪い”にも似たものが諸悪の根源ではないかと感じております。
政四郎に関してその後を申し上げれば、少将に相当する陸軍軍医監に昇進した直後、上司である陸軍軍医総監に森林太郎(森鴎外)が就任し、数ヶ月後、辞職(退役)してしまいました。
前田家の記録には「後進のため病気と称して職を辞す。」とあり、故郷和歌山の洲崎に隠居したそうであります
今では確かめようがありませんが、曾祖父政四郎の心中を察するに、自らの報告を無視され、結果的に多数の将兵を失う原因を作った軍医が上司になるとは、耐え難い屈辱的なものがあったのではないかと思っております。
祖母は生前、「前田家は清く、正しく、美しく、地位にしがみつかない」と申しておりましたが、曾祖父政四郎の教えを受け継いだのかもしれません。 残念ながら、かなり劣化の進んでしまった子孫ではありますが、曾祖父の偉業?名誉?のため、明治期の脚気問題についてメールさせて
頂きました。(前田和俊)
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身 辺 雑 記
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前田和俊さんのご指摘は脚気史研究に一石を投ずるもの。貴重なご発言です。誠に有難うございました。
遅くなりましたが4月最終便を配信いたします。連休はしません。