「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 チュウゴクで桜の前で着物を着た親子が侮辱された。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成21年(2009年)4月18日(土曜日)
通巻第2570号
日本が寄贈した千本の桜並木が武漢大学キャンパスに花開き
着物をきた中国人母娘が記念写真を撮った。事件がおきた。
********************
その事件は「武漢大学キモノ事件」とよばれる。3月21日の出来事だった。
1938年、日本は湖北省・武漢を制圧し、その後、日本人が多く蝟集したため桜の木を植えた。
1972年、日中国交回復のおり、田中角栄は千本の桜の苗木を寄贈した。中国のあちこちに桜が植えられた。
武漢大学の桜並木はいまでは千本に達し、鮮やかな花を咲かせ、人を集める。
中国人の母と娘がキモノを来て、桜並木をバックに記念撮影をしていた。
学生に取り囲まれ、「恥を知れ」「日本の服装で、しかも武漢大学で何事ぞ」と詰めより、囂々たる非難がおこった。さんざん侮辱され、母と娘は逃げ去った。
これを目撃していた学生がブログに書き込んだ。
「なんであんなことと愛国と関係があるのか」と。
「キモノと桜とナショナリズム」論争は全土に拡がった。なぜなら『中国不高興』(中国は不愉快です)がベストセラー入りし、いま愛国論争、ナショナリズム論議に火がついているからだ。
「侃々諤々の議論のなか、結局、『愛国学生』らの行為を評価したのが51%、逆に「そんなレベルで騒ぐな」「低級のナショナリズム」と批判したのが47%」(アジアタイムズ、4月15日付け)。
日本の芸者に扮しただけで中国人女優がバッシングを受けたり、日本の海軍旗に似たデザインの服装をしたファッションモデルが『媚日派』と非難されたり、ともかく過激攘夷感情に触れると、いまでも現代版義和団の乱がおきる危険性を示す事件である。
武漢大学は、就職率がとくに悪く、大学を出てもまともに職がない典型の大学と言われ、昨年もニセの卒業証書をめぐって一万人の学生が騒いだ。
そういう特殊事情も考慮すべきだろう。だから『あそこの学生はとくに暇だから、そんなことでも騒ぐのさ』と冷静な見方もあるが。。。。。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)『週刊新潮』に朝日新聞社神戸支局襲撃犯の告白記事について編集長並びに編集部取材班名で総括文が掲載されています。
正々堂々とした中身で一読即納得できるものでした。
総括文の中で同誌に連載した告白手記は誤報だったと詫びていますが、私はこれを読んでも「誤報」だとは思いません。白の内容がすべて黒になったのでは無く部分的に黒と分かり灰白色になったのだと受け止めました。
島村某が新潮への発言を翻し他誌紙に実行犯ではなかったと言っていてもそちらが本当だと断定はできません。
カネになるならと別の「事実」を語ったように見えます。
島村某は虚実を綯い混ぜて「事実」を捏ね上げる特殊な才を有している人物です。それを「事実」だと本人も思い込める知能犯的性向の病的な人物です。
物証として新潮が取り上げていた数珠について総括文は敢えて触れていません。島田某が語った数珠を入手したストーリーに作話がみられるからでしょうが、一定の証拠能力はあります。
「決定的な証拠は得られなかったが、ここまで犯行の細部や核心を語れる人間が真犯人と名乗り出た。編集部は真実相当性があると判断して掲載に踏み切った。しかし彼が真犯人かどうかの最終判断は読者個々人にゆだねる」という趣旨の連載記事だったと受け止めればよいと思います。
新聞に週一のコラムを持つ週刊文春の元編集長氏は、早い段階からこの告白記事の信憑性に疑問を投げ掛けていました。
偽の部分があるという確証をつかんでいたのでしょう。
過去に犯した自分の轍を踏まないようにとの思いで早く謝ってダメージ・コントロールをしておいた方がよいとの示唆をコラムを通して新潮サイドに送っていたように見受けます。
川端康成氏の自死の秘密を暴いた『事故のてんまつ』という実録小説がありました。臼井吉見氏が捉えた川端氏の死に至る「真実」で、その痛い内容に川端氏の親族は出版差し止めの訴訟を起こしたことから、「真実のかけら」がその作品中に有ったことが窺えます。
島田某の告白記事について週刊新潮編集部はみずから「事故のてんまつ」を潔く顕らかにしました。
掲載に至った経緯と取材模様を詳らかにし、だから『「真実相当性」があると判断した』と総括文の最終段冒頭で述べ、『週刊誌の使命は、真偽がはっきりしない段階にある「事象」や「疑惑」にまで踏み込んで報道することにある』と誤報を怖れず真実に迫ることを高らかに宣言していてジャーナリズムの神髄に触れた中身と納得しました。
土曜日朝刊のコラムで週刊文春の元編集長氏はどういう評価をこの総括文に下すのでしょうか。
(有楽生)
(宮崎正弘のコメント)今朝の産経、くだんの元編集長は激越に批判していますね。同時に週刊新潮は最近、くだらない芸能記事が多いのも気になるって。
♪
(読者の声2)週刊新潮の冒頭記事は“歴史歪曲と「台湾人」も激怒したNHKの「超偏向」番組”とのタイトルを冠したもので、メルマガ『台湾の声』がそのまま転載されたかと見紛うばかりの番組批判、NHK批判が怒涛のように書き連ねられています。
記事の劈頭に金美齢女士の「偏向番組の一語に尽きます。日本は加害者という自虐史観ありきで、そこから一歩も出ていない」との憤怒のコメントがあり、それに櫻井よしこ氏、林建良氏、柚原正敬氏らの歴史的事実を踏まえた胸のすく言葉が陸続とあります。
日本統治時代の証言者として番組に登場する台湾人の発言が如何にねじ曲げられているかも「台湾の声」編集部の電話取材が援用されて顕らかになっています。
この番組は『JAPANデビュー』というシリーズ企画の第一回ですが、このシリーズ・タイトルからして自虐と偏向の極みです。
日本国は太古のいにしえより天皇家を中心に世界の中に確固と存立しているのです。欧米の列強諸国が東アジアの植民地化を目指して現れ来た『欧米列強デビュー』というタイトルなら頷けます。
NHKは数年前にもチーフプロデューサーの長井某が天皇陛下を戦争犯罪を犯した被告人として裁く「女性国際戦犯法廷」という左巻きプロパガンダ集会を取り上げた番組を制作して、偏向と自虐ぶりを満天下に曝しました。
これには朝日新聞の記者本田某がこの番組が政治圧力で改変されたとの誤報騒ぎを引き起こすオマケまで付きました。
これらNHKにおける偏向と自虐ぶりは長井某や今回台湾統治を取り上げたディレクター濱崎某ら個々人の資質だけでなく左巻き勢力に牛耳られた渋谷電死台の労働組合に禍いの根っこがあります。
新潮の記事は次のように結ばれています。
眉に唾しつつ「シリーズ・JAPANデビュー」の今後を見守ろう、と。
このシリーズは確実に視聴料不払いの動きを亢進させ、NHK衰退の一里塚となることでしょう。
(NH生、品川)
(編集部より)二本つづけて『週刊新潮』論となりました。どうやら今週号、売り切れらしいですね。
♪
(読者の声3)貴誌通巻第2568号(読者の声1)でMC氏が貴誌2567号のご掲載いただいた私が書いた文章に対し真摯な感想をお書きいただきました。
誠に光栄かつありがたく存じます。私の文章が舌足らずであったため誤解を生んだところがあるように思います。
以下に補足させていただきたく存じます。
盧溝橋事件以降の日本軍と蒋介石軍との戦いは、(1)日華(ないし日支)事変初期、(2)中期、(3)大東亜戦争勃発後では状況がまったく違います。
日本が何度も講和の提案を行ったのは、(1)日華事変初期の段階においてでした。
繆斌工作は(3)の段階のさらに最終期においてでした。
東海子氏は、「日本は講和を実現しようと何度も講和提案しましたが、米ソの傀儡である蒋介石は講和できず、ようやく日本に講和を言ってきたのは、191945年3月の南京政府のミョウヒンを使った工作でした。しかし手遅れでした」と書かれたので、繆斌工作のあった(3)の時期には日本政府からの正式な講和提案がなかったことを指摘させていただきました。
この段階を混同すると的外れの議論になります。
なぜなら、(1)と(3)では全く別世界だからです。
(1)の段階では、表面的に観ると日本軍は破竹の勢いで勝ち続けていて、しかも国民党軍はすくなくとも表面的には単独で戦っていました。
しかし当時の蒋介石政権は、政府とは名ばかりで、実効支配していたのは、軍が鎮圧していた地域だけで、日本軍と衝突し、日本人にテロ行為を行なうことだけが存在理由である存在でした。
コップに汲んだ水が表面張力のためあふれているのにこぼれない。これが、盧溝橋事件勃発時の状況でした。
そもそも国家ではないのですから、いくら撤退しても殆ど失うものがありません。こんな相手に講和を提案しても無駄です。講和を受け入れることは、その存在理由を喪失することになるからです。
日本の側からすれば、攻撃をどこまでも続けるか、戦闘をやめて無視するかありません。そして後者は当時の日本の世論が許しませんでした。
新聞が好戦的な記事を書き煽っていたからです。
しかし、(2)、(3)の時期では違います。
米英ソが日本を屈服させた後、中国を支配する国家として蒋介石政権を育て上げようという動きがでてきました。
これは英国大蔵省顧問リース・ロス卿が纏め上げた蒋介石政権の幣制改革にもあらわれています。
つまり皮肉にもこの時期になって蒋介石政権が交渉する可能性のある相手となったのです。
ところが大東亜戦争下では、どちら側も講和するインセンティブを持ちませんでした。
日本にとっては対米戦が主戦場であり。蒋介石から観れば、いずれ対米戦で日本が負けるのと予測していたので、対日交渉はメリットがありませんでした。
この状況のなかで、ぽっかりと開いた奇跡の扉が繆斌工作だったのです。
(1)の段階では英ソ、(2)の段階では英米ソ、(3)の段階では主に米から援助をうけていた蒋介石政権がエアポケットに落ち込んだのがあの時期でした。あまりにもふがいなく、かつすさまじく腐敗した蒋介石政権に米英があきれ果て、終戦後は捨てられるかもしれないという状況です。
おそらく蒋介石はこのことに危機感を持ち、ここで対日講和を行なえば、自身に有利な条件で今後の展開に主導権をもてるかも知れないと考えたのではないのでしょうか。
真珠湾爆撃から既にかなり時間が経ち、国民の関心も薄らいできていたあの時点で、日華講和がなれば、米国は対日戦争を継続するための大義を失います。蒋介石が日米講和の仲介の労をとれば、停戦の実現性は高かったと考えます。
「戦前の日本政府の誹謗中傷:日本人なら止めたいものです」
と書かれましたが、私は事実を客観的に書いただけです。
事実から眼をそらすことこそ、最も愛情に欠けたあり方です。愛があるからこそ事実を冷徹に暖かいまなざしでみることができるのです。
「蒋介石は日本軍の武器が中共側に渡るのを恐れて、恩着せがましく、日本軍に報復しないなどと宣伝したのです。騙されて勘違いしないようにしたいものです」と書かれましたが、全く同感です。
ただし新羅が百済や高句麗を滅ぼした後におこなったような残虐なことまではしなかったということは認めてもよいことでしょう。
(ST生、神奈川)
(宮崎正弘のコメント)。。。。。。。。。。
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(定価980円。ワック文庫)
4月24日配本。四月下旬に全国主要書店に並びます。
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『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
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◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去のバックナンバー閲覧も可能です)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
平成21年(2009年)4月18日(土曜日)
通巻第2570号
日本が寄贈した千本の桜並木が武漢大学キャンパスに花開き
着物をきた中国人母娘が記念写真を撮った。事件がおきた。
********************
その事件は「武漢大学キモノ事件」とよばれる。3月21日の出来事だった。
1938年、日本は湖北省・武漢を制圧し、その後、日本人が多く蝟集したため桜の木を植えた。
1972年、日中国交回復のおり、田中角栄は千本の桜の苗木を寄贈した。中国のあちこちに桜が植えられた。
武漢大学の桜並木はいまでは千本に達し、鮮やかな花を咲かせ、人を集める。
中国人の母と娘がキモノを来て、桜並木をバックに記念撮影をしていた。
学生に取り囲まれ、「恥を知れ」「日本の服装で、しかも武漢大学で何事ぞ」と詰めより、囂々たる非難がおこった。さんざん侮辱され、母と娘は逃げ去った。
これを目撃していた学生がブログに書き込んだ。
「なんであんなことと愛国と関係があるのか」と。
「キモノと桜とナショナリズム」論争は全土に拡がった。なぜなら『中国不高興』(中国は不愉快です)がベストセラー入りし、いま愛国論争、ナショナリズム論議に火がついているからだ。
「侃々諤々の議論のなか、結局、『愛国学生』らの行為を評価したのが51%、逆に「そんなレベルで騒ぐな」「低級のナショナリズム」と批判したのが47%」(アジアタイムズ、4月15日付け)。
日本の芸者に扮しただけで中国人女優がバッシングを受けたり、日本の海軍旗に似たデザインの服装をしたファッションモデルが『媚日派』と非難されたり、ともかく過激攘夷感情に触れると、いまでも現代版義和団の乱がおきる危険性を示す事件である。
武漢大学は、就職率がとくに悪く、大学を出てもまともに職がない典型の大学と言われ、昨年もニセの卒業証書をめぐって一万人の学生が騒いだ。
そういう特殊事情も考慮すべきだろう。だから『あそこの学生はとくに暇だから、そんなことでも騒ぐのさ』と冷静な見方もあるが。。。。。
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(読者の声1)『週刊新潮』に朝日新聞社神戸支局襲撃犯の告白記事について編集長並びに編集部取材班名で総括文が掲載されています。
正々堂々とした中身で一読即納得できるものでした。
総括文の中で同誌に連載した告白手記は誤報だったと詫びていますが、私はこれを読んでも「誤報」だとは思いません。白の内容がすべて黒になったのでは無く部分的に黒と分かり灰白色になったのだと受け止めました。
島村某が新潮への発言を翻し他誌紙に実行犯ではなかったと言っていてもそちらが本当だと断定はできません。
カネになるならと別の「事実」を語ったように見えます。
島村某は虚実を綯い混ぜて「事実」を捏ね上げる特殊な才を有している人物です。それを「事実」だと本人も思い込める知能犯的性向の病的な人物です。
物証として新潮が取り上げていた数珠について総括文は敢えて触れていません。島田某が語った数珠を入手したストーリーに作話がみられるからでしょうが、一定の証拠能力はあります。
「決定的な証拠は得られなかったが、ここまで犯行の細部や核心を語れる人間が真犯人と名乗り出た。編集部は真実相当性があると判断して掲載に踏み切った。しかし彼が真犯人かどうかの最終判断は読者個々人にゆだねる」という趣旨の連載記事だったと受け止めればよいと思います。
新聞に週一のコラムを持つ週刊文春の元編集長氏は、早い段階からこの告白記事の信憑性に疑問を投げ掛けていました。
偽の部分があるという確証をつかんでいたのでしょう。
過去に犯した自分の轍を踏まないようにとの思いで早く謝ってダメージ・コントロールをしておいた方がよいとの示唆をコラムを通して新潮サイドに送っていたように見受けます。
川端康成氏の自死の秘密を暴いた『事故のてんまつ』という実録小説がありました。臼井吉見氏が捉えた川端氏の死に至る「真実」で、その痛い内容に川端氏の親族は出版差し止めの訴訟を起こしたことから、「真実のかけら」がその作品中に有ったことが窺えます。
島田某の告白記事について週刊新潮編集部はみずから「事故のてんまつ」を潔く顕らかにしました。
掲載に至った経緯と取材模様を詳らかにし、だから『「真実相当性」があると判断した』と総括文の最終段冒頭で述べ、『週刊誌の使命は、真偽がはっきりしない段階にある「事象」や「疑惑」にまで踏み込んで報道することにある』と誤報を怖れず真実に迫ることを高らかに宣言していてジャーナリズムの神髄に触れた中身と納得しました。
土曜日朝刊のコラムで週刊文春の元編集長氏はどういう評価をこの総括文に下すのでしょうか。
(有楽生)
(宮崎正弘のコメント)今朝の産経、くだんの元編集長は激越に批判していますね。同時に週刊新潮は最近、くだらない芸能記事が多いのも気になるって。
♪
(読者の声2)週刊新潮の冒頭記事は“歴史歪曲と「台湾人」も激怒したNHKの「超偏向」番組”とのタイトルを冠したもので、メルマガ『台湾の声』がそのまま転載されたかと見紛うばかりの番組批判、NHK批判が怒涛のように書き連ねられています。
記事の劈頭に金美齢女士の「偏向番組の一語に尽きます。日本は加害者という自虐史観ありきで、そこから一歩も出ていない」との憤怒のコメントがあり、それに櫻井よしこ氏、林建良氏、柚原正敬氏らの歴史的事実を踏まえた胸のすく言葉が陸続とあります。
日本統治時代の証言者として番組に登場する台湾人の発言が如何にねじ曲げられているかも「台湾の声」編集部の電話取材が援用されて顕らかになっています。
この番組は『JAPANデビュー』というシリーズ企画の第一回ですが、このシリーズ・タイトルからして自虐と偏向の極みです。
日本国は太古のいにしえより天皇家を中心に世界の中に確固と存立しているのです。欧米の列強諸国が東アジアの植民地化を目指して現れ来た『欧米列強デビュー』というタイトルなら頷けます。
NHKは数年前にもチーフプロデューサーの長井某が天皇陛下を戦争犯罪を犯した被告人として裁く「女性国際戦犯法廷」という左巻きプロパガンダ集会を取り上げた番組を制作して、偏向と自虐ぶりを満天下に曝しました。
これには朝日新聞の記者本田某がこの番組が政治圧力で改変されたとの誤報騒ぎを引き起こすオマケまで付きました。
これらNHKにおける偏向と自虐ぶりは長井某や今回台湾統治を取り上げたディレクター濱崎某ら個々人の資質だけでなく左巻き勢力に牛耳られた渋谷電死台の労働組合に禍いの根っこがあります。
新潮の記事は次のように結ばれています。
眉に唾しつつ「シリーズ・JAPANデビュー」の今後を見守ろう、と。
このシリーズは確実に視聴料不払いの動きを亢進させ、NHK衰退の一里塚となることでしょう。
(NH生、品川)
(編集部より)二本つづけて『週刊新潮』論となりました。どうやら今週号、売り切れらしいですね。
♪
(読者の声3)貴誌通巻第2568号(読者の声1)でMC氏が貴誌2567号のご掲載いただいた私が書いた文章に対し真摯な感想をお書きいただきました。
誠に光栄かつありがたく存じます。私の文章が舌足らずであったため誤解を生んだところがあるように思います。
以下に補足させていただきたく存じます。
盧溝橋事件以降の日本軍と蒋介石軍との戦いは、(1)日華(ないし日支)事変初期、(2)中期、(3)大東亜戦争勃発後では状況がまったく違います。
日本が何度も講和の提案を行ったのは、(1)日華事変初期の段階においてでした。
繆斌工作は(3)の段階のさらに最終期においてでした。
東海子氏は、「日本は講和を実現しようと何度も講和提案しましたが、米ソの傀儡である蒋介石は講和できず、ようやく日本に講和を言ってきたのは、191945年3月の南京政府のミョウヒンを使った工作でした。しかし手遅れでした」と書かれたので、繆斌工作のあった(3)の時期には日本政府からの正式な講和提案がなかったことを指摘させていただきました。
この段階を混同すると的外れの議論になります。
なぜなら、(1)と(3)では全く別世界だからです。
(1)の段階では、表面的に観ると日本軍は破竹の勢いで勝ち続けていて、しかも国民党軍はすくなくとも表面的には単独で戦っていました。
しかし当時の蒋介石政権は、政府とは名ばかりで、実効支配していたのは、軍が鎮圧していた地域だけで、日本軍と衝突し、日本人にテロ行為を行なうことだけが存在理由である存在でした。
コップに汲んだ水が表面張力のためあふれているのにこぼれない。これが、盧溝橋事件勃発時の状況でした。
そもそも国家ではないのですから、いくら撤退しても殆ど失うものがありません。こんな相手に講和を提案しても無駄です。講和を受け入れることは、その存在理由を喪失することになるからです。
日本の側からすれば、攻撃をどこまでも続けるか、戦闘をやめて無視するかありません。そして後者は当時の日本の世論が許しませんでした。
新聞が好戦的な記事を書き煽っていたからです。
しかし、(2)、(3)の時期では違います。
米英ソが日本を屈服させた後、中国を支配する国家として蒋介石政権を育て上げようという動きがでてきました。
これは英国大蔵省顧問リース・ロス卿が纏め上げた蒋介石政権の幣制改革にもあらわれています。
つまり皮肉にもこの時期になって蒋介石政権が交渉する可能性のある相手となったのです。
ところが大東亜戦争下では、どちら側も講和するインセンティブを持ちませんでした。
日本にとっては対米戦が主戦場であり。蒋介石から観れば、いずれ対米戦で日本が負けるのと予測していたので、対日交渉はメリットがありませんでした。
この状況のなかで、ぽっかりと開いた奇跡の扉が繆斌工作だったのです。
(1)の段階では英ソ、(2)の段階では英米ソ、(3)の段階では主に米から援助をうけていた蒋介石政権がエアポケットに落ち込んだのがあの時期でした。あまりにもふがいなく、かつすさまじく腐敗した蒋介石政権に米英があきれ果て、終戦後は捨てられるかもしれないという状況です。
おそらく蒋介石はこのことに危機感を持ち、ここで対日講和を行なえば、自身に有利な条件で今後の展開に主導権をもてるかも知れないと考えたのではないのでしょうか。
真珠湾爆撃から既にかなり時間が経ち、国民の関心も薄らいできていたあの時点で、日華講和がなれば、米国は対日戦争を継続するための大義を失います。蒋介石が日米講和の仲介の労をとれば、停戦の実現性は高かったと考えます。
「戦前の日本政府の誹謗中傷:日本人なら止めたいものです」
と書かれましたが、私は事実を客観的に書いただけです。
事実から眼をそらすことこそ、最も愛情に欠けたあり方です。愛があるからこそ事実を冷徹に暖かいまなざしでみることができるのです。
「蒋介石は日本軍の武器が中共側に渡るのを恐れて、恩着せがましく、日本軍に報復しないなどと宣伝したのです。騙されて勘違いしないようにしたいものです」と書かれましたが、全く同感です。
ただし新羅が百済や高句麗を滅ぼした後におこなったような残虐なことまではしなかったということは認めてもよいことでしょう。
(ST生、神奈川)
(宮崎正弘のコメント)。。。。。。。。。。
▲
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宮崎正弘の新刊 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫)
4月24日配本。四月下旬に全国主要書店に並びます。
宮崎正弘の近刊 絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。