「宮崎正弘の国際ニュース」支那人は清朝滅亡以来26年ぶりに平和な生活をすることが出来たのです。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成21年(2009年)4月16日(木曜日)
通巻第2566号 (4月15日発行)
チャベスのベネズエラでも中国は欧米メジャーと合弁で鉱区開発
資源戦略を一部修正、リスクヘッジ方式を取り入れた中国メジャー
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フランスの石油メジャーはトタルSA。
同社は数十億ドルかけて、ベネズエラ三箇所の石油生産サイトと精油所を建設する交渉を続けてきた。チャベス反米政権と交渉するのはフランスの外交技量か、それともフランス人特有のフレンチ至上主義(中華思想に似ている)からか。
現在、ベネズエラから中国向け石油輸出は日量30万バーレル。
五月に首都カラカスでフランスのトタル社、中国代表(CNPC=中国国有石油)がベネズエラ国営石油企業「ペトロレオス・デ・ベネズエラ」社幹部との交渉に決着をつける。
とくにオリンコ地区にあるカラボボ石油鉱区(推定埋蔵は2720億バーレル)の開発はインドなども参入してきたが、この契約は主として中国向けとなり、同地区で精製所を建設後、ガソリン、ディーゼルとして中国へ輸出される。2013年に日量100万バーレルの輸出を見込んでいる。
原油精製は広東省の精製所でも行われ、これもベネズエラーフランスー中国の国際合弁形式になるという(ウォールストリートジャーナル、4月15日付け)。
つまり中国の遣り方が洗練されてきたのである。
第一に欧米メジャーの発掘と精製技術を、中国が必要とするためだ。
とくにベネズエラ産原油は質が重く、ガソリン、ディーゼルになるが、これは中国がつねに品不足である。中国単独の技術では精製に問題がある。
第二に欧米メジャーが中国と組むのは、将来、中国北西部に眠るガス鉱区開発に重点的狙いがある。
第三はひとくにに鉱区開発などと言っても、いざ石油を掘り出すと埋蔵の当てがはずれたりするリスクを伴うため、リスクを合弁でヘッジしあうビジネス・モデルを、ようやく中国が理解できるようになったからだ。
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(読者の声)貴誌前号の「樋泉克夫のコラム」(『漢奸裁判史 1946-1948』(益井康一 みすず書房 1977年)ですが、「中国和平運動に殉じた諸烈士には墳墓だになく、慰霊の消息すら知らない」と「哀々切々と響く祭文に、その場に参列していた著者は「強く胸を打たれた」。そして「改めて問う。『漢奸として処刑されたこの人びとは、そのことごとくが、真の漢奸であったのか?』と」
<引用終わり>
感想です。
1.日本の支那支配:支那事変では日本は支那の沿海部と人口の半分以上、一千近い大中都市(除く重慶)、9割以上の工業を七年近く、国民党南京政府と支配しました。この間に日本は講和を実現しようと何度も講和提案しましたが、米ソの傀儡である蒋介石は講和できず、ようやく日本に講和を言ってきたのは、191945年3月の南京政府のミョウヒンを使った工作でした。しかし手遅れでした。日本撤退後は国共の内戦が始まり、蒋介石は1949年大陸から台湾へ脱出しました。
2.汪兆銘夫人:
この間に蒋介石は対日講和使節のミョウヒンはじめ南京政府の要人を処刑しましたが、その中に汪兆銘夫人の陳碧君女史がいました。彼女は法廷で「我々を漢奸というなら、蒋介石も米ソの傀儡ではなかったのか。我々の存在は支那人にとって必要だった」と堂々と反論し、多くの人に感銘を与えました。(死亡したのは中共の上海監獄と言われる)
日本政府は敗戦直前に戦後故汪兆銘の遺族が迫害を受けることを予想して、横山大観の名画を贈呈し、その絵を在米の遺族が数年前に高価で売却したという報道記事を見た記憶があります。
3.中共の大量処刑:
1949年中共が大陸を支配すると、米国は19世紀以来営々ときずいてきた支那の全拠点から蹴りだされました。すると毛沢東は国境を封鎖し全土で恐怖政治を開始しました。その処刑対象は地域の一定割合の人口を抽出し、人民裁判その他で口実を作り大量虐殺したものですが、区分としては、元国民党関係者や宗教関係、その他などがありますが、その中に日本占領中に日本人と付き合いのあった人々が入っていました。これは小売商人まで含まれていたというので、戦中日本人を知っていた膨大な支那人が殺されたのです。
4.生き残った人の追憶:
近年知人の北京在住の米国人が、語学教師の老人から「中共支配以前の昔の北京(日本占領時代)は本当に素晴らしかったよ」と聞いたと話していました。日本は蒋介石軍を追い払うと治安を回復し、あとは地域の住民の自治に任せたので、支那人は清朝滅亡以来26年ぶりに平和な生活をすることが出来たのです。
(東海子)
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