ロシア政治経済ジャーナル No.576★中国は世界共通通貨創設(=ドル・アメリカ没落)を目指す
ロシア政治経済ジャーナル No.576
2009/3/26号
★中国は世界共通通貨創設(=ドル・アメリカ没落)を目指す
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
どうやら、世界は「新秩序構築」にむけて動きはじめたようです。
その中心は、外貨準備でも外貨保有でもダントツ世界1になった中国。
昔からの読者さまはご存じですが、私の悪い予感は着々と現実化しつつあります。
いったいなんのことでしょうか?
日本の新聞を探してみましたが、これしか見つけることができませんでした。
↓
<準備通貨としてのドルの地位は安全=ラッド豪首相
3月24日12時17分配信 ロイター
[ワシントン 23日 ロイター] オーストラリアのラッド首相は23日、主要準備通貨としてのドルの地位がリスクにさらされていることはない、との見解を示した。
首相は、ウォールストリート・ジャーナル紙主催のフォーラムでの質問に対して「ドルの地位は変わっていない」と述べた。>
ま、オーストラリアは日本と同様、「これまでどおりドル体制でいきましょうよ」という立場。
重要なのはここから。
ラッド首相は、なんでこんなことをわざわざいわなければ、いけなかったのでしょうか?
↓
< これより先に、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は23日、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)がドルに代わる可能性を示唆した。
SDRはIMFが1969年に創設した準備資産。
周小川総裁は、人民銀行のウェブサイトに掲載された論文の中で、SDRが準備通貨として機能する潜在力があると指摘した。>(同上)
↑
要するに、人民銀行の周総裁は、「ドル基軸通貨体制をやめて、SDRを国際通貨にしちゃいましょうよ!」といっているのです。
どうしてこういう話になったのでしょうか?
▼中国が「ドルはずし」に動く理由
いったい中国はなぜ「ドルつぶし」に動くのでしょうか?
ご存じのように、アメリカ「カジノ経済」(俗に金融資本主義)は崩壊しました。
それで、アメリカは膨大な資金を注ぎ込み、経済を救済しようとしています。
で、財政赤字が史上空前の規模になっている。
09年は170兆円という話でしたが、予想どおりさらに膨らむことが確定しました。
↓
<米財政赤字が大幅増、1兆8450億ドルの見通し
3月21日10時20分配信 読売新聞
【ワシントン=矢田俊彦】米議会予算局(CBO)は20日、2009会計年度(08年10月~09年9月)の財政赤字が1兆8450億ドル(約176兆円)となるとの見通しを発表した。
オバマ大統領が2月に発表した予算教書を踏まえて見直した結果、赤字額は1月予想の1兆1860億ドルから大幅に膨らんだ。
10年度は、1兆3790億ドルの赤字を見込む。
09年度の財政赤字は、国内総生産(GDP)比で13・1%、10年度は9・6%となる。
予算教書は、09年度の財政赤字を1兆7520億ドルと見込んでいる。>
↑
どうですかこれ?
2月に発表した予算教書では1兆7520億ドル。
それが1か月後には1兆8450億ドル。
930億ドル(9兆円)増えた。
これからいったいどこまで増えるかわからない状況なのです。
これをせっせと支えているのが、天領日本と中国。
↓
<米国債、日中両国が買い支えの構図明らかに=資産価値の維持が課題―米国
3月18日12時57分配信 Record China
2009年3月16日、米財務省は国際資本流動報告を発表した。
2009年1月の外国人による米国債保有残高は107億ドルの純増加となった。
日中両国が米国債を買い支える構図が浮かび上がっており、ドル安による米国債の資産価値下落が不安視されている。
17日、中国新聞社が伝えた。>
いったい日中はどのくらいアメリカに金を貸しているのでしょうか?
<国別の保有残高を見ると、日中両国が買い支えている構図が鮮明である。
中国が122億ドル(約1兆2000億円)の純増加、日本が88億ドル(約8690億円)の純増加となった。
中国は発行総額の6%に匹敵する7400億ドル(約73兆1000億円)と世界最多の保有残高を有している。>(同上)
どうもありがとうございます。
日本政府は1か月8690億円も紙切れに使っているのですね~。
それを苦しんでいる日本国民のために使えば、どれほど多くのことができることか。。。
私は日本で、「IMFに10兆円」「紙切れ米国債月8700億円」に関する議論が全然出ないところが「天領だなあ」と思います。
しかし、中国は天領ではないので、当然「おい!何やってるんだ!」
という反発が出る。
これみてください。↓
<米国債の発行残高は現在、10兆9000億ドル(約987兆円)と過去最高に達している。
景気低迷ともあいまって今後のドル安、米国債価格下落が懸念されるなか、中国では米国債保有の是非をめぐる議論も起きている。>
(同上)
そんな中、アメリカ政府は、日中や世界をサクッと裏切る行為をしました。
そう、FRBが米国債を29兆円買うことにしたのです。
つまり、「ドルを29兆円あらたに刷る」ことにした。
↓
<米国債29兆円購入、ゼロ金利政策維持
3月19日8時49分配信 産経新聞
【ワシントン=渡辺浩生】米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で、今後半年間に中長期の国債を最大3000億ドル(約29兆円)を買い取るととも
に、現在0-0・25%に設定しているフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を据え置き、事実上の「ゼロ金利政策」を維持することを決めた。>
↑
要するに、「日本・中国に買ってもらってもまだまだ金が足りないから刷っちゃえ!」ということ。
この措置で当然、ドルはほとんどの通貨に対し急落しました。
ドルの価値が下がるということは、日中が保有する米国債の価値がなくなることを意味します。
まず、なぜ中国はドル体制を守りたいのかから考えてみましょう。
1、中国は、米国債保有で世界一だから
わかりますね。
ドルが暴落すると、73兆円の米国債が無価値になる。
これは中国にとって大損です。
2、アメリカは中国最大の顧客である
いうまでもなく中国は、アメリカへの輸出で成長してきました。
アメリカ経済が徹底的に破壊されると、中国もとても困ったことになる。
では、なぜ中国はドル体制破壊に動くのか?
1の「中国は米国債保有で世界1だから」について。
考えてみてください。
「アメリカ経済がダメになりドルが暴落すると中国が保有する米国債も無価値になり大損する」
これは確かに論理的です。
ではどうすればいいのか?
結論はひとつ。
「アメリカ経済がダメにならないよう、中国が金を貸しつづける」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
どうですこれ?
「な~んかおかしいよね」と思うのは私だけではないでしょう。
結局中国には、
・米国債が紙切れにならないよう、永遠に金を貸しつづける
・損を承知で、借金大王にはもう金を貸さない決意をする
しか道はない。
もしアメリカに返す気があるのなら、「もう少し貸してもいいかな」となりますね。
しかし世界中で、「アメリカは借りた金を返す気がある。それができる」なんて思っている人は一人もいないのです。(増刷し、ドルを無価値にして返済することは可能)
それで、中国の指導部や国民の世論は、「もう自分勝手な米帝には金を貸すな!」となってきている。
もう一つ。
2、アメリカは中国最大の顧客である
について。
確かに、アメリカ経済がダメになり、世界経済は甚大な被害をこうむっています。
だって、世界経済は、
世界が作り → アメリカが買う
でなりたってきたのですから。
それが今は、
世界が作っても → アメリカは買えない
となり、恐慌化してきている。
しかし、現在の危機前の構図も、重要なポイントが抜けています。
世界が作り → アメリカが買う
なのですが、より具体的にいうと
世界が作り → アメリカが日中から借りた金で買う
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
どうです?
アメリカ人は、日本と中国から借りた金(返す気はない)で豪邸に住んでいる。
中国政府としては、そのお金を内需拡大策に使い、以下のような構図にしたくなってもおかしくない。
つまり、
世界(特に中国)が作り → 中国が買う
最後に、政治的理由もあるでしょう。
日中がアメリカに金を貸さなくなる。
すると、アメリカに残された道は二つしかありません。
1、国債金利が上がりつづけ、返済不能になり国家破産
2、FRBが国債買い取り(増刷)をつづけ、ハイパーインフレが起こる。
ドルは紙切れになる
こうなったとき、覇権はどこに転がりこむか。
覇権とは支配力のこと。
そして、支配力を支えるのは、金(経済力)と力(軍事力)です。
中国は、軍事費世界2位、経済力(GDP)世界3位。
とはいえ、経済力世界2位の日本に覇権への欲望はありませんから、中国が覇権国家になるチャンスが出てくる。
アヘン戦争以来屈辱を味わいつづけてきた中国。
ついに、世界の頂点にむかって動き出す機会が訪れたのです。
▼SDRってなに?
さて、中国が「ドルにかわる準備通貨」として提案している「SDR」とはなんでしょうか?
IMFのHPから引用してみましょう。
【引用ここから▼】
<特別引出権(SDR)
SDRは、加盟国の既存の準備資産を補完するために1969年にIMFが創設した国際準備資産です。
SDRはIMFのクォータに比例して加盟国に配分されます。
SDRはIMFや一部の国際機関における計算単位として使われています。
SDRの価値は主要な国際通貨のバスケットに基づいて決められます。
●SDRの創出の理由と現在の利用目的
特別引出権(SDR)は、1969年に固定為替相場制のブレトン・ウッズ・システムを支援するためにIMFによって創出されました。
このシステムに参加している国は、為替相場を維持する義務に従い、世界の為替市場で自国通貨を購入するために使用できる公的準備―政府または中央銀行が保有する金及び広く受け入れられる外貨―を必要としました。
しかし、その重要な準備資産の2つである金*と米ドルの国際的供給は、世界貿易の拡大と当時起こりつつあった金融発展を支えるには不十分であることがわかりました。
そのため、国際社会はIMFの監視の下に新しい国際準備資産を創出することを決めたのです。
しかしながら、それからわずか2-3年後、ブレトン・ウッズ・システムは崩壊し、主要通貨は変動為替相場体制に移行しました。
さらに、国際資本市場の成長により、信用力のある国の政府の借り入れが促進されました。
これらの結果、SDRの必要性は減少しました。
現在では、SDRは準備資産としては限定的に利用されているに過ぎず、その主な機能はIMF及び他の一部の国際機関の計算単位として使われるというものになっています。
SDRは通貨ではありませんし、IMFに対する請求権でもありません。
むしろ、それはIMF加盟国がもつ自由に利用できる通貨に対する潜在的請求権といえます。
SDRの保有者は次の二つの方法でSDRと引き換えにこれらの通貨を入手することができます。
一つは、加盟国間の自主的な交換取り決めを通じて、もう一つは、IMFが強い対外ポジションを持つ国を指定して、弱い対外ポジションを持つ国からSDRを購入させることによってです。 >
【引用ここまで▲】
わかったようなわからないような、ですね。
ポイントはここでしょう。
<しかし、その重要な準備資産の2つである金*と米ドルの国際的供給は、世界貿易の拡大と当時起こりつつあった金融発展を支えるには不十分であることがわかりました。>
前々号でノーベル経済学者マンデルさんが、
「金本位制を復活させようとすれば、金は7000ドルになるだろう」と語ったことを書きました。
当時から、ブレトン・ウッズ体制(=金(きん)ドル体制)は、世界経済の発展には不十分だと認識されていた。
<そのため、国際社会はIMFの監視の下に新しい国際準備資産を創出することを決めたのです。>
それで、国際社会はブレトン・ウッズにかわるものとしてSDRを考え出した。
つまり、SDRはもともと「世界通貨になるべく」考案されたものだった。
ところが、ニクソンショックによりブレトン・ウッズ体制は崩壊。
世界は変動相場制に移行し、米ドルを基軸通貨としながら、今までなんとかかんとかやってきた。
それで、SDRは今まで目だたなかった。
しかし、アメリカ経済があんな感じなので、「SDRを進化させて国際通貨にしちゃいましょう」というのが中国の提案なのです。
ちなみにSDR。
実体はないのですが、レートは毎日かわっています。
対円・対ドル・対ユーロ・対英ポンド。
確認したい方はこちらをご覧ください。↓
http://www.imf.org/external/np/fin/data/rms_sdrv.aspx
▼中国の提案
さて、基本をおさえたところで、周さんの提案を見てみましょう。
ポイントをあげておきます。
・世界の金融の安定を確保するために、新しい準備通貨を創設する必要がある
・中国人民銀行は、SDRを準備通貨として使うことを提案する
・一国(つまりアメリカ)に依存しない準備通貨を作る試みは、これまでも何度か行われたが、失敗してきた
・SDRは、(特定の国ではなく)国際金融機関だけにコントロールされる準備通貨になれる可能性がある
・新準備通貨の創設は、世界金融システムの安定化を助け、将来の危機を予防することができるだろう
・中国は、すべての先進国・発展途上国に、「SDRを準備通貨にするために」一体化することを呼びかける
・そのために、SDRは政府と国際機関だけでなく国際貿易と資源価格決定時に使われはじめるべきだ
ま、ここにはありませんが、前提として「IMFの改革」も実施されなければならないでしょう。
なぜなら、IMFは現在、実質「アメリカの機関」のようになっている。
もし、アメリカが「新SDRの発行に責任をもつ」なんてことになれば、今までとあまり変わりません。
▼「新世界秩序構築」をめぐる大国の意図
前々から書いていますが、私自身は「世界共通通貨」に反対です。
なぜかというと、世界通貨を発行する機関は、とてつもない権力をえる。
もし、その少数のグループが腐敗したらどうなりますか?
(そして、権力は必ず腐敗する。)
とてつもない災厄を人類にもたらすことになるでしょう。
とはいえ、私がどう考えているかにかかわらず、世界は動いているわけで。。。
ここでは、大国がどんな「新世界秩序」を描いているのか、事実だけ見てみましょう。
1、アメリカは「ドル体制死守」
アメリカは、「世界通貨の発行権」を手放す気が全然ないようです。
周さんの提案について、ガイトナーさんもバーナンキさんも翌日(24日)明確に「ありえない」と否定しています。
オバマさんはどうかというと。
↓
<米経済への信頼でドルは非常に強い=オバマ大統領
3月25日11時10分配信 ロイター
[ワシントン 24日 ロイター] オバマ米大統領は24日、米経済見通しへの信頼でドルは「非常に強い」との見方を示すとともに、
国際通貨の必要性はないとの認識を示した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大統領は記者会見で「米経済およびドルに対する信頼に関しては、ドルは、現在非常に強いと指摘する」とし、「ドルが現在強いのは、米国は世界で最も強い経済であり、政治システムが最も安定している
と投資家がみなしているから」と語った。
その上で、困難な時期にあるが、世界経済の見通しは非常に強いとの見方を示した。
中国やロシアが、世界的にひとつの国際通貨に移行することを提示していることについての質問には
「国際通貨の必要があるとは思わない」との見方を示した。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まあ、「輪転機をまわすだけで何でも買える」特権を進んで手放す人はいませんね。
それにオバマさんが「国際通貨必要よね~」なんていった日にゃあ。
今日1ドルは30円くらいになっていたでしょう。
2、イギリス・中国・ロシアは「世界共通通貨」創設を支持
・アメリカを捨て、影響力確保を目指すイギリス
昔からの読者さまはご存じですが、
「IMFを進化させて世界中央銀行化する」「そして、世界共通通貨をつくる」というのは、もともとイギリスのブラウンさんが提案したのです。
そして、「中国を必死で口説いている」という話、以前にもしました。
イギリスが世界共通通貨構想の発案国であると聞くと、
「うお!やはりイギリスが世界を牛耳っているのか?やはりロスチャが世界の王なのか!」
と思う人も多いでしょう。
しかし、私の認識はちょっと違います。
19世紀、ビクトリア女王の時代絶頂期を迎え、「日の沈まない国」だったイギリス。
しかし、第1次・2次大戦を経て、覇権をアメリカに奪われてしまった。
イギリスはその後も、新覇権国アメリカと一体化し、操ることで国際社会への影響力を保ってきた。
しかし、今度はそのアメリカもやばいことになってきました。
きっかけは、EU・ロシア・中国が組んで、意図的にドル体制を崩壊させてきたこと。
この件、細かい話が知りたい方は、
「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」
(詳細は→ http://tinyurl.com/yro8r7
)をご一読ください。
山盛りの資料付きで全部わかります。
そして、中国とロシアは、反米諸国をまきこんで強力な「多極主義陣営」を構築しました。
イギリスは、負けが濃厚なアメリカを見限って、中ロ多極主義陣営に寝返ることにした。
しかし、このままいくと中国・ロシアの傘下のような立場になってしまう。
ですから、「新世界秩序」の枠組みを提案することで、「今度は中ロをとおして世界への影響力を確保しておきたい」ということなのです。
繰り返しますが、中国もロシアも、イギリスのいうことを聞かなければいけない理由は全然ありません。
プーチンとロスチャの戦いについては、
【RPE】プーチンの野望(ルーブルを基軸通貨に)(09年2月11日号)をご一読ください。↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090218184811000.html
イギリスの行動は、幕末の土佐藩によく似ているでしょう。
土佐藩は、維新直前まで「佐幕派」でした。
ところが倒幕薩長が優勢になり、困ってしまった。
その時坂本龍馬は、後藤象二郎に「大政奉還」をすすめるよう提案しました。
その構想が実現したために、土佐は「薩長土」と並び称されるようになったのです。
イギリスが狙っているのも同じ。
とはいえ、土佐藩は明治新政府で重要な役割を果たせませんでした。
衰退期イギリスも、中国を利用しようとして、利用できない屈辱をあじわうことになるでしょう。
・二股のロシア
実は、中国の提案に先立つこと一週間前。
ロシア外務省は、周さんとほぼ同様の提案を行っています。
提案の内容は、「ロシアはIMFに、国際準備通貨創設に関する調査を実施するよう依頼する」。
「4月1~2日にロンドンで開かれるG20で検討されるよう、具体的な提案を行う」。
ロシアは、今まで別の考え(後述)でしたが、イギリス・中国と共に、新世界秩序構築を主導する方向に動いているのでしょう。
・中国
コメントはいらないですね。
3、EU・ロシアは複数の地域通貨が併存する状態を目指す
・ユーロを基軸通貨にしたいEU
EU(特に独仏)はもともと、「ユーロをドルにかわる基軸通貨にすることで、アメリカから覇権を欧州に取り戻したい」と考えている。
しかし、いきなりは無理なので、「ドル・ユーロ・円・人民元・ルーブル・湾岸共通通貨」などの地域通貨が併存する状態がいいと主張しています。
最終的には、「ユーロを世界通貨に」と思っているのでしょう。
・二股のロシア2
そもそも「世界に5~6の地域基軸通貨が併存している体制がのぞましい」と語ったのはプーチンさんです。
しかし、プーチンさんは今、「世界共通通貨構想」の方に動いているのでしょう。
これらの事実を踏まえて見えてくることはなんでしょうか?
1、イギリスはアメリカを裏切り、中ロ多極陣営を先導しようとしている
2、中国・ロシアは「ドル体制=アメリカ」を没落させるため、「世界共通通貨構想」をすすめようとしている。
3、EUは、覇権を欧州に取り戻すべく、5~6の地域通貨が併存する状態を目指す
4、アメリカはドル体制維持を目指す
はっきりわかることは、
アメリカ・日本・オーストラリア等々、「ドル体制維持」をのぞむ国々は超少数派ということ。
戦いの構造は、世界 対 アメリカ になっています。
前々から書いていることですが、ドル体制はもうそう長くつづかないでしょう。
ドル体制の終わりは、アメリカ覇権の終わりでもあります。(おわり)
●PS え”~アメリカの覇権が終わったら、天領日本はどうすればいい
のですか???
自立すればいいでしょう。
どうやって?
それはこちらをご覧ください。↓
================================================================
【この本は日本が危機を克服するためのバイブルです。】(京都 山根様)
★「僕が生まれたのは、中華人民共和国
小日本省です・・・」
~~~~~~~~~~
アメリカの衰退により、放り出される
天領日本。
~~~~
戦後60年以上「自分で決定したことがない」
依存政治家は、
次の依存先を探し始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本には二つの道があります。
1、中国幕府の天領(小日本省)になるのか?
2、真の自立国家になるのか?
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現在の危機を予測。
07年9月発売「中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」で
「米ロ新冷戦」勃発を予測した
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http://diamond.jp/series/diabooks/10039/
PS
本の一番最後に「北野の夢」が書いてあります。
しかし、前から順番にお読みください。
▼お勧め本コーナーへ
★(いつまで続くかわからない)北野のお薦め本コーナー!
このコーナーでは、中学時代病気で死線をさまよい、高校時代クラス一の落ちこぼれで先生に見捨てられたRPE北野が、なんやかんやとサバイバルしているのに、役立っている本・DVDを紹介してい
ます。
戦争・テロ・デフレ・財政赤字・失業者・リストラの増加、こんな厳しい時代ですが、せめてRPE読者の皆さんは、健康で幸せで豊かに生きていけますように。
★「ユダヤ5000年の教え」ラビ・マービン・トケイヤー
実業之日本社
(詳細は→ http://tinyurl.com/eca8t
)
世界一謎の多い民族といえばユダヤ人。
世界にわずか1400万人しかいない。
日本人の10分の1以下です。
しかし、有名人・成功者の多さといったら、他民族の比較になりません。
例、キリスト・マルクス・アインシュタイン・フロイト・キッシンジャー・
ロスチャイルド・ソロス・デル・ドラッカー・スピルバーグ等々。
あ、ナタリーポートマン。(^▽^)
私もロシアにきてから、ユダヤ人にとても関心を持ちました。
というのも、ソ連崩壊後ゼロからスタートして新興財閥になったのは、みんなユダヤ人だったのです。(!)
クレムリンのゴッドファーザー・ベレゾフスキー、メディア王グシンスキー、ロシアー英国1の金持ちアブラモービッチ、統一エネルギーシステム社長チュバイス、モスクワ市長ルシコフ、ユコスのホド
ロコフスキー元社長等々。
で、周りを見ても、ユダヤ人はソ連崩壊後の混乱を切り抜けサクサクと成功の階段を昇っていきました。
彼らのほとんどは、他のロシア人と同じ位置からスタートした。
ですから、そこに陰謀論の入り込む余地はありません。
北野「どうしてユダヤ人ばかり、成功していくのだろう?」
長い探求の末、入手したのがこの一冊。
結局、ユダヤ人の哲学が、彼らを偉大にしている、金持ちにしているのだということがわかりました。
例えば私たち日本人は子供のころお金の話はしません。
しかし、ユダヤの聖典タルムードにはこうあります。
「ふくれた財布がすばらしいとはいえない。しかし、カラの財布は悪いのだ」
「世界には三つの重大事がある。金・金・金」
こういう哲学で育てられた人々に、「金持ちが天国に入るのは、ラクダが針の穴を通るより難しい」と教えられて育ったキリスト教徒、「色即是空 空即是色」の仏教徒がビジネスで敗れるのは必然です。
30歳になって野球を始めた男性とイチローが対決するようなもの。
こんなことを強調すると、「お金もちになるより幸せでいたほうがいい」の日本人は、「ユダヤ人てやっぱり嫌なやつらですね」と誤解しそう。
しかし、金の話ばかりじゃないんですよ。
「善行の最大の報酬は何か?もう一つ善行ができることである」
「成功の半分は忍耐だ」
「見知らぬ人に親切にするのは、天使に親切にするようなものである」
「人間が天地の最後の日に作られたのは、傲慢さをなくすためである」
ユダヤ教と他宗教の違うところは、その現実性・有用性・即効性でしょう。
著者は、日本ユダヤ教団の初代ラビ(ユダヤ教の牧師)でホンマもんのユダヤ人。
この人からユダヤの哲学が学べるのは幸せです。
成功したい人、金持ちになりたい人、幸せな家庭を作りたい人みんなに読んで欲しいすばらしい本です。
(でもキレイ事が大好きな人は読まないほうがいいかも。。。)
そしてこの本は、未来を背負っていく若き日本人にも是非よんでほしいです。
「エルサレムが滅びたのは、教育が悪かったからである」
北野絶対お薦めの名著です。(^▽^)
★「ユダヤ5000年の教え」ラビ・マービン・トケイヤー
実業之日本社
(詳細は→ http://tinyurl.com/eca8t
)
★★★今までに紹介した、絶対お薦め本はこちら↓
(めちゃくちゃ面白く・役立つ本ばかりを厳選してありますよ!)(^▽^)
http://www.geocities.jp/rpejournal/
▼おたよりコーナーへ
★フランス在住Kさまからのおたより
いつもロシア政治経済ジャーナルを愛読させて頂いております。
小生、現在、フランスマルセイユに住んでいる日本人でありますが、
日本が現在、非常に危ない状態、政治・経済、教育、医療、などなど・・・
これは
貴殿が言われているとおりであると、強く納得しております。
フランスがすべて正しく、日本がすべて間違っているとは、思いませんが、
日本は日本人の力で立ち直らなければ、と、強く思っているしだいであります。
今回の、アメリカへの依存国の話大変興味深く読ませて頂きました。
今後とも、楽しみに読ませて頂きます。
ひとまずはお礼と感想・・、まで・・・。
ありがとうございます。
▼編集後記へ
★北野絶対お勧めメルマガ
・世界的危機は、これで乗り切れます!
心と体の健康、脳力開発の世界的研究者
斉藤英治博士のメルマガ
★完全無料
登録はいますぐ→ http://www.mag2.com/m/0000146702.html
・軍事情報日本一!これを読まずに今の世界は語れません。
★完全無料
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・中国情報日本一!Xデーはいつくる?
★完全無料
≪ WEB 熱線 ≫≡アジアの街角から≡
登録はいますぐ→ http://chinachips.fc2web.com/common/31mag.html
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★編集後記
やりましたね日本!
<<WBC>イチロー「最後に神が降りた」
3月24日15時34分配信 毎日新聞
◇イチロー選手の談話
ありがとうございます。いやーもう、苦しいところから始まって、
苦しさからつらさになって、つらさを超えたら心の痛みになった。
最後は笑顔になれた。最後の打席では神が降りてきましたね。
自分(の心の中)で実況しながら打席に入った。
一つ壁を越えた。
(「今大会は山あり谷ありでしたが」と質問され)谷しかなかった。
最後に山が来ました。
これからシャンパンファイト、思いっきり浴びてきます。>
うう。(涙)
RPEジャーナル
北野幸伯
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯