「金丸氏から西松を託されたのが小沢氏だった」(西松関係者) | 日本のお姉さん

「金丸氏から西松を託されたのが小沢氏だった」(西松関係者)

小沢氏選挙に西松社員 元秘書 自身の比例も大量動員

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、小沢氏の元秘書が、西松建設の社員を小沢氏の選挙に大量動員していたことが15日、西松関係者の話で分かった。元秘書は自身が当選した平成12年の衆院選で、小沢氏だけでなく、自分が名簿に載っていた比例代表にも西松の社員を動員していたという。捜査関係者によると、東京地検特捜部は、元秘書が西松に、こうした小沢氏への支援の一環として、トンネル献金を始めさせたとみているもようだ。一方、元秘書は「献金の仕組みにかかわったことはない」と否定している。

 西松関係者によると、元秘書は岩手県の旧胆沢町(現奥州市)出身で、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)の前任者。小沢氏の秘書を20年以上にわたって務めた。小沢氏の選挙を実質的に取り仕切っていた実力者で、小沢氏の“腹心”とも呼ばれた。ゼネコン幹部が公共工事の受注にあたり、繰り返し元秘書のもとを訪れるなど、東北の建設業界に発言力を持っていたとされる。

 捜査関係者によると、西松が考案したトンネル献金の仕組みも、元秘書が了承し、後任の大久保容疑者らに引き継いだとされる。

 地元関係者によると、元秘書は小沢氏の選挙で、西松に支援者の名簿作りを要請。西松は、下請け業者で作る任意団体「松和会」などを通じて小沢氏への支援を依頼し、献金やパーティー券の購入、後援会への入会や選挙運動の支援を行わせていた。西松も運動員として社員を多数派遣、ポスター張りや演説会に参加させるなどしていた。

 元秘書は旧自由党候補として比例代表東北ブロックから出馬した12年の衆院選で、西松に自由党側の運動員として社員の派遣を求め、選挙運動を展開。自身の当選にもつなげた。

 東北のゼネコン関係者は、「元秘書の信用を得なければ、工事は受注できなかった」と証言。西松は、東北の公共工事に影響力のある小沢氏の選挙支援を重視していたという。これらの選挙運動は、小沢氏側と西松との深いつながりを示すものとみられる。

 元秘書は1期で衆院議員を退き、小沢氏との関係を絶っている。元秘書は、トンネル献金への関与を否定しており、選挙への西松社員の動員などについても「関係ない」と話している。

3月16日7時57分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090316-00000043-san-soci

【疑惑の濁流】みかじめ料?政・業の癒着

2009/03/15 20:58更新

小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、準大手ゼネコン「西松建設」(東京)が拠出した巨額の違法献金は、小沢氏の影響力を期待し東北地方の公共工事受注を狙ったものだった疑いが強まっている。政治家、ゼネコン、公共工事…。事件をめぐるキーワードは東京地検特捜部がかつて摘発したゼネコン汚職を彷彿とさせ、旧態依然とした「政・業」の癒着構造が、形を変えて温存されてきたことをうかがわせる。


 「(献金は)ダムや空港など東北地方の公共工事の受注のためだった」

 ダミーの政治団体を使った小沢氏側への迂回献金が、平成18年までの12年間で2億円近くにのぼった西松建設。捜査関係者によると、西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)ら西松の関係者は特捜部の調べに、“実弾”の趣旨についてそう供述しているという。

 公共工事の受注を狙った政治家側へのカネ-。

 すぐに思い起こされるのが、5~6年に建設相や宮城県知事、仙台市長らが、大手ゼネコン幹部らとともに摘発されたゼネコン汚職事件だ。ゼネコン側が、公共工事をめぐる、いわゆる“天の声”を期待して政治家にわいろを渡すという「政・業」の癒着構造があぶり出された。

 事件の背景には、東北地方の強固な談合体質とその変質があったといわれている。

 東北地方の政界関係者が明かす。

 「東北では古くから大手ゼネコンの支店幹部が談合の仕切り役となって業界をまとめ、うまみのある大規模工事は大手が独占していた。西松などの後発組は、それが不満で発注権限を持つ地方首長らにわいろを渡すようになり、強固だった談合組織に亀裂が入った」

 西松関係者によると、ゼネコン汚職後、西松が頼ったのが、自民党を離党したばかりの小沢氏だった。

 西松と小沢氏との関係の背景には、自民党元副総裁の故金丸信氏の存在がある。金丸氏は竹下派七奉行の中でも、小沢氏を特に重用。金丸氏の次男が西松元社長の娘と結婚しており、「金丸氏から西松を託されたのが小沢氏だった」(西松関係者)という。

 建設業界に君臨した故田中角栄元首相の秘蔵っ子とも呼ばれた小沢氏は、自民党を出た後も、東北地方の建設業界に影響力を持ち続けてきたとされる。

 西松はこのころ、ダミーの政治団体を使った小沢氏側への迂回献金を始めた。 「○○(大手ゼネコン)さんからは、これくらいの献金を受けている。西松さんも、もっと増やすことはできないのか」

 小沢氏側の窓口は、小沢氏の「側近中の側近」といわれた元秘書だったとされる。

 西松は元秘書と、年間2500万円程度を献金する約束を取り交わした。献金先を指示されるなど、元秘書の“言いなり”だった。

 「元秘書は東北の公共工事に強い影響力があった」

 西松元幹部はそう話すが、小沢氏の“虎の威”を借りた結果であるのは想像に難くない。

 ゼネコン汚職後、業界の“手法”はどのように変化したのだろうか。

 東北の建設業界に詳しい国会議員秘書は「ゼネコン汚職後に水面下で談合は復活したが、業界では教訓として、わいろによる受注工作は行わなくなった」と前置きし、こう話す。

 「代わりに頼ったのが小沢氏の影響力だ。依然として大手ゼネコン支店幹部が談合を仕切るが、その後に小沢氏の元秘書の了承を得て、受注額に応じて小沢氏側への献金額が決まる。つまり、裏のわいろが表の献金に変わったわけだ」

 捜査関係者の話では、小沢氏側が18年まで、多数のゼネコンから年間総額2億円の資金を集めていた疑いが強いことが分かっている。

 そのうちの多くが、東北地方を中心とした下請け業者側をダミーにした献金やパーティー券の購入だったとみられている。ある下請け業者は「献金の入金が遅れると、小沢氏の元秘書から『早く振り込め』と催促された」と証言した。

 ただ、献金が特定の工事受注のためかというと、必ずしもそうではないという。

 ゼネコン関係者はこう打ち明ける。

 「業界では、小沢事務所に受注の邪魔をされたくないから競って献金するし、選挙の応援もする。献金は保険みたいなもの。一種のみかじめ料といってもいいかもしれない」

 みかじめ料とは、“暴力装置”が飲食店などから徴収する用心棒代のことだ。

 建設業界は度重なる談合の摘発や公共工事の減少などで弱体化し、そこに政治家側が付け入って幅広くカネを徴収する-。両者の微妙なバランスを示す象徴的な比喩(ひゆ)といえる。

 捜査関係者は「ゼネコンと政界の癒着構造は今も昔も変わっていない」とした上で、こう指摘した。

 「政治家は基本的に何もしないことが多い。隠然たる影響力をちらつかせて業界から献金を集める。それが法に触れず、有効にカネを集める手口だ」

 小沢氏は公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が逮捕された後の記者会見で「私はなんらやましい点もありませんし、政治資金規正法にのっとって正確に処理し、収支もオープンにしております」と語った。

 小沢氏はこれまでも、自身の政治資金問題が浮上するたびに適法処理を強調し、その場をしのいできた。だが、そのオープンな献金の“性質”が問われたのが今回の事件である。

 「東北での影響力を期待した西松から、違法な献金を受け続けた構図は収賄とよく似ている」(検察関係者)。特捜部は、ゼネコン側などから一斉に参考人聴取して実態解明を進める。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/231890/


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「東北は何と言っても小沢さん」献金は受注狙いか

2009/03/07 01:51更新

小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、献金の目的が、東北地方の公共工事受注を期待したものだった疑いが強まっている。小沢氏側は東北での影響力を否定しているが、業界関係者によると、ゼネコン側は“小沢事務所詣で”を繰り返していたという。「工事をお願いした」「献金しないと受注の邪魔をされる」。西松建設などゼネコン関係者が、畏怖(いふ)の念を込めてこう口々に語る“豪腕・小沢”側の真の実力とは、どのようなものだっただろうか。

■地元の「裏選対」

 「東北は何と言っても小沢さん。献金は、小沢さんの公共工事での影響力を期待したから」

 西松の元幹部は、西松がダミーの政治団体を使って多額の違法献金を続けてきた理由をそう話す。

 政界関係者によると、小沢氏、建設業界に長く君臨した故田中角栄元首相や、故金丸信元自民党副総裁の腹心で、自民党を出た後も業界に影響力を持ち続けてきたといい、特に岩手、青森、秋田の北東北3県で強いといわれる。

 ゼネコン側は、その影響力を頼りに、選挙では小沢氏側の集票と資金集めに奔走するという。ゼネコン汚職が摘発された平成5年には、新生党代表幹事だった小沢氏の地元選対が、ゼネコン社員を動員した“裏選対”を組織していたことが国会で取り上げられた。

 当時の名簿によると、総括責任者が鹿島、本部長が大成建設のそれぞれ地元支店幹部で、委員には西松の支店幹部も名を連ねた。

■元秘書側が考案?

 ゼネコン関係者によると、東北地方では古くから、ゼネコン最大手の鹿島が、強固な営業基盤を誇っていたという。西松の元幹部は、「西松は東北では後発だったため、受注拡大を図るには、小沢さんに頼るしかなかった」と話す。

 西松関係者によると、小沢氏側の窓口となったのが、陸山会の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)の前任者で、小沢氏の「側近中の側近」といわれた元秘書だったという。

 西松は平成7年ごろ、元秘書側と、毎年2500万円前後の献金をすることで合意。ダミーの政治団体「新政治問題研究会」を使ったトンネル献金システムを考案したとされる。11年からは「未来産業研究会」もダミーに加えた。

 ある国会議員秘書は「北東北3県の公共工事は、鹿島の東北支店幹部と元秘書側が調整し、受注高に応じて小沢氏側への献金額を決めていた」と証言する。

■180億円受注

 こうしたノウハウを元秘書側から引き継いだとされるのが、12年に陸山会の会計責任者となった大久保容疑者だった。東北地方の建設会社幹部は「仕事を取るためだけでなく、邪魔をされないためにも献金する。大久保さんは小沢さんの代理人。東北の業界では知らない人はいない」と語る。

 業界関係者によると、西松も大久保容疑者の“言いなり”で、献金を続けたことによって、東北での受注を拡大したという。

 工事経歴書によると、西松が16~20年に着工した国や自治体発注の主な公共工事は10件で、総額は約180億円にのぼる。最も受注額が高かったのが、国土交通省東北地方整備局が18年に発注し、西松が受注した岩手県の胆沢(いさわ)ダム関連施設工事で約47億円。また、秋田県の森吉山ダムの本体工事が約44億円、山形県の長井ダムの本体工事が約41億円と続く。

 ダムではほかに、宮城県の長沼ダムも約16億円で本体工事を受注した。胆沢ダムをめぐっては、西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)が、大久保容疑者に工事受注の口利きを依頼していた疑惑もある。特捜部は地元・岩手の小沢事務所関係者からも事情を聴くなど調べを進めている。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/231890/

談合体質、浄化できない「闇の澱」 変わらぬ実態

2009/03/11 01:54更新

【献金の底流】(上)

 民主党の小沢一郎代表の地元中心部であるJR東北線水沢駅(岩手県奥州市)から約20キロ。残雪で覆われた焼石連峰の山間に、胆沢(いさわ)ダムの工事現場はある。岩石や土砂を積み上げ建設する「ロックフィルダム」では国内最大級。工事現場に立つと、ダム工事で準大手ゼネコン「西松建設」が請け負う巨大な滑り台のような排水設備が目に飛び込んでくる。受注額は約47億円だった。

記事本文の続き 「ダム工事が受注できるようお願いした」

 小沢代表の公設第1秘書、大久保隆規(たかのり)容疑者(47)とともに、政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された西松前社長、国沢幹雄容疑者(70)は、調べに対してこう供述したとされる。

 政界との関係を西松で一手に仕切っていたという国沢容疑者。平成5年6月、特捜部が仙台市長を摘発したゼネコン汚職事件で、西松の副社長が贈賄容疑で逮捕された際に、当時、常務だった国沢容疑者は報道陣を前に次のように語っていた。

 「十分にチェックできなかった不明朗な現金支出は、徹底してチェックできる体制にしたい」

 しかし、政界への不明朗な献金実態は何も変わっていなかった。西松OBが代表を務めていたダミーの政治団体である「新政治問題研究会」など2団体をトンネルとして献金を続けたり、西松社員や下請け業者を利用して個人献金を偽装した疑いが次々と明らかになっている。2団体からの小沢氏側への献金総額は平成7年から18年までに2億円近くに上る。

 「西松といえば、多くの政治家が献金でお世話になっている企業として知られていた。中でも、小沢さんの所と西松との密接な関係はよく知られ、額も突出していた」。自民党中堅議員のある秘書はこう証言する。

 西松の巨額献金の背景には、「東北地方での公共工事受注拡大の狙いがあった」(ゼネコン元役員)と指摘されている。 

 東北地方に勤務した経験のある中堅ゼネコン元幹部は、「仙台を拠点にしていた大手ゼネコンの幹部などが政治家秘書などとともに、東北地方の公共工事の各社への割り振りのようなことを行っていた」と証言する。

 仙台市長のゼネコン汚職事件摘発から16年。公共工事をめぐる政治と建設業界との不明朗な金による結びつきはそのまま温存されていたのだろうか。

    ◇  ◇

 「小沢さんと正々堂々戦う」

 9日午後、水沢駅近くで小沢氏の元秘書が声を張り上げ街頭演説を行っていた。元秘書は次期衆院選で自民党公認として小沢氏と対決する予定だ。

 元秘書は、公設第1秘書の大久保容疑者に献金の仕組みや建設業界との関係を引き継いだとされる。演説では事件には全く触れていなかった。

 反小沢派で県内の首長経験者はこう代弁する。「秘書時代の澱(おり)のようなものがたまっていて、それを自分で浄化しなければいけないと考えている。小沢さんは独善的で、すべてを把握していないと気が済まない性格。迂回(うかい)献金の仕組みがあるとするならば、小沢氏が考えてやらせたことではないだろうか」

 一方、大久保容疑者の姿は、地元ではなぜか目立っていない。建設業者の1人は以前、東京・永田町の議員会館で大久保容疑者にこう告げられたことを覚えている。「釜石市長選で落選し、一から勉強している」。政治への強い意欲を感じたという。

 小沢氏の後援会関係者は小沢氏や大久保容疑者をかばうように次のように語った。

 「大久保容疑者は建設業界を取り仕切るようなタイプに見えなかった。岩手県、東北地方は公共工事をめぐって談合体質だった。でもひと昔前の話。小沢さんへの献金で公共工事の見返りを期待している業者は、いまだに影響力があると思いこんでいるのでは」

 雪降る中、小沢氏の地元の人々は、今回の事件について一様に口が重かった。ようやく話してくれたことだった。

     ◇

 衆院選の帰趨(きすう)によっては、次期首相とされる小沢氏の公設第1秘書の逮捕から10日で1週間を迎えた。衝撃的事態から始まった西松建設による政界への政治資金規正法違反容疑事件は、自民党議員側への捜査波及も確実視されている。献金の底流を探る。(献金事件取材班)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/230302/

小沢氏と政治資金 突出する保有資産

2009/03/12 01:50更新

【献金の底流】(中)

 「今の法秩序にのっとって処理している。『その法がザル法だからけしからん』とか、『そんな脱法行為的なことをしてけしからん』とか、そういうたぐいの批判だ。今の税法の仕組みで許容されているいろんな特例や、税務署の裁量の余地がたくさんある。そこがけしからんということになったら、それに準じて処理している人は、みなけしからんことになる」

民主党の小沢一郎代表は新生党代表幹事だった平成6年2月、読売新聞で佐々木毅東大教授(当時)のインタビューに対し、政治献金の「適法処理」についての考え方をこう赤裸々に答えている。

 小沢氏はこれまで、自身の政治資金問題が浮上するたびに適法処理を強調し、その場をしのいできた。だが、それで疑惑が払拭(ふっしょく)されたわけではなく、西松建設のトンネル献金問題でも、報道各社の世論調査で7~8割の人が「説明に納得できない」と答えている。

 小沢氏の資金管理団体で、公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が会計責任者を務める「陸山会」をめぐっても2年前の19年、政界で大きな話題となった。

■不動産次々と

 国民の税金である政党助成金も含む政治資金(事務所費)で、都内の一等地などに計13件、約10億円相当の土地・マンションなどの不動産を次々に購入し、登記簿上の名義はすべて小沢氏となっている問題が報じられたためだ。

 資金管理団体が土地を買っているのは現職の国会議員で小沢氏だけ。仮に小沢氏が死亡した場合は法制上、これらの不動産は小沢氏の親族が相続することになる問題が指摘された。

 「資産として活用する方が、献金してくれた人の意見を大事にし、有効に使う方法だ」

 小沢氏は19年2月の記者会見で、不動産購入目的についてこう語った。だが、これでは何のために10カ所以上の不動産が必要だったかの説明になっていない。

 小沢氏の元秘書の1人は「小沢先生は体が弱く、休憩したいときにいつでもすぐ休める場所が必要だ。ホテルではくつろげないので、それにはマンションがいい」と語るが、国民には理解し難い言い分だ。

 小沢氏は記者会見で不動産について、「私個人としては何の権利も持たない」と主張し、所有者はあくまで「陸山会」だと主張したが、これも後に裁判で実質的に否定された。

 東京高裁は昨年6月、不動産問題について書いた週刊現代の記事に対し、小沢氏が名誉を傷つけられたとして発行元の講談社などに6000万円の損害賠償を求める訴えを起こしていた裁判で、請求を棄却した一審判決を支持して小沢氏の控訴を棄却。判決は「本件各マンションが陸山会のものであると断定することはできない」と認定した。

 また、「陸山会」を含めた小沢氏の政治団体や関係団体の保有資産が、繰越金と不動産だけで計30億円以上に上ることも政界で突出している。これらの政治団体の資金も不透明さを否めない。

 昨年9月公開の19年政治資金収支報告書によると、小沢氏側近の平野貞夫元参院議員がともに会計責任者を務め、「関係団体だが、小沢氏自身の政治団体ではない」(小沢事務所)とされる「改革国民会議」の繰越金は11億1104万円、「改革フォーラム21」の繰越金は6億9036万円に上る。改革国民会議は小沢氏が党首だった自由党の政治団体、改革フォーラム21は小沢氏が代表幹事を務めた新生党の政治団体だ。

■不自然な寄付

 また、小沢氏が党首だった自由党は15年9月26日の解党の2日前、合併相手の民主党(菅直人代表)からなぜか2億9540万円もの寄付を受けた。一方、解党当日には、「改革国民会議」に13億6816万円(うち政党助成金から5億6096万円)を寄付するという不自然さを見せた。

 17年2月の衆院予算委員会で、自民党の松岡利勝元農相(故人)は「政党助成金は、解散時に残高がある場合は国に返還しなければならない。自由党が解散日に政党助成金も合わせて約13億円以上の金を他団体に寄付したのは、返還逃れではないか」と指摘している。

 小沢氏の秘書を約20年間務め、今はたもとを分かった高橋嘉信元衆院議員は昨年9月、産経新聞の取材に対し、こう答えていた。

 「自由党が民主党と合併するときの(改革国民会議に寄付された)金には、国民の税金である政党助成金も含まれているとしか言いようがない。これは国に返すか、民主党の中で使途を検討すべきだ」 (献金事件取材班)

 ■小沢一郎氏の政治団体(総務省届け出分)の資産

(1)陸山会          10億8727万円

(2)誠山会           1億3145万円

(3)小沢一郎東京後援会        113万円

(4)小沢一郎政経研究会       2530万円

(5)改革国民会議       11億1104万円

(6)改革フォーラム21     6億9036万円

 総計           30億4655万円

※金額は繰越金(陸山会は不動産資産を含む)。(5)、(6)について小沢事務所は「関係団体だが、小沢氏自身の政治団体ではない」と説明

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/230720/

旧態依然の癒着 「わいろ」そのもの

2009/03/13 01:20更新

【献金の底流】(下)

 「国策捜査だ」

 3月3日、小沢一郎民主党代表の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)が逮捕されたことを知った民主党執行部から、一斉に東京地検特捜部の捜査を批判する声が上がった。

 政界捜査を担う特捜部は、捜査が政局に利用されるのを嫌い、選挙や予算成立を控えた時期の事件着手は極力避けてきた。

 事実、強制捜査のタイミングは、来年度予算案が衆院を通過し、年度内の成立が確定。定額給付金の財源を確保する今年度第2次補正予算の関連法案が翌4日に通過する見通しがたった日だった。2月末には西松建設をめぐる事件で参考人聴取していた長野県参事が自殺しており、自殺防止も考慮し、事前の任意聴取は行わない電撃逮捕だった。

 「だが、しかし」である。小沢氏側にとって政権交代、総理のポストも視野に入ったこの時期、法務・検察当局が強制捜査に着手した背後には「麻生政権の陰謀」があるのではないか-。

 西松のダミー献金は20人以上の国会議員側に及び、大半が自民党だったことも、民主党側に“狙い撃ち”の印象を与えた。

 「なぜ小沢氏なのか」

 小沢氏自身も“側近”逮捕の翌日、会見で「この種の問題で逮捕の前例はない」「不公正な権力の行使」と言い切り、法務・検察当局への対決色を鮮明にした。一方、自民党側も反発。森英介法相は「政治の圧力などない。検察は法と証拠にのっとって捜査している」と語気を強めた。

■少ない立件額

 容疑は、西松から2100万円の献金を受けながら、ダミーの政治団体から受けたとの虚偽の記載を、政治資金収支報告書にするなどしたというものだ。

 立件額は、特捜部がこれまでに摘発してきた規正法違反事件に比べれば、少なさが際立つ。故土屋義彦元埼玉県知事側の事件は約1億1600万円の虚偽記載。坂井隆憲元衆院議員は約1億6800万円の虚偽記載、村岡兼造元官房長官は1億円の不記載だった。

 特捜部幹部は「高額でもないが少額でもない。2100万円は献金の一部に過ぎない」と説明。時効分を含めた献金総額が2億円近くにのぼる点を考慮したとの認識を示した。

 選挙を控えた微妙な時期での着手について、検察幹部は「月末で700万円分の時効が成立するから」と口をそろえる。だが、時効分も含めた総額を考慮したとする説明とは矛盾する。

 ある検察関係者は「自民党が事件に乗じて解散総選挙をしたら、国民は逆に自民党の策略と思う。だから自民党も即解散できないのでは」と指摘し、この時期の着手が政局に影響しないとの認識をにじませた。

■構図の実態は…

 陰謀や選挙妨害との反発が避けられないにもかかわらず、あえて逮捕に踏み切ったのはなぜだったのか。

 「献金の性格」

 特捜部幹部は逮捕会見で、この言葉を3回繰り返して強調してみせた。

 小沢氏側は、10年以上にわたり、西松から違法な献金を受け続けてきたとされる。献金額も指示されるなど、西松は小沢氏側の“言いなり”だったという。

 「ダムや空港工事の受注を期待した」「工事が取れたのは献金のおかげ」

 特捜部幹部のいう献金の性質とは、「わいろ」を示唆したものだ。だが、職務権限の壁のため、事実上のわいろを受け取っただけでは収賄罪には問えない。近年は手口も巧妙になり、立件へのハードルは、より高くなっているとされる。

 検察関係者は「東北での影響力を期待した西松から、違法な献金を受け続けた構図の実態は収賄とよく似ている。2100万円を、仮にわいろに見立てたら少ない額とは言えない」と語る。「政治とカネ」の透明性確保のために、規正法はある。別の検察関係者は「わいろ性のある政治献金に規正法を適用するのは当然。いまどきゼネコン側から多額の献金を集めていたこと自体、異常だ」と断じる。

 “田中金脈”“金丸金脈”を断罪してきた特捜検察は、小沢氏側とゼネコンの関係を、旧態依然とした癒着とみているわけだ。

 特捜部幹部は言った。

 「献金の性質をみれば、政治的な配慮で見逃すというわけにはいかない」

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/231063/

テレビのニュースでは、

東北の人が、顔を明かさないという条件で、

「西松建設から、この分(献金)は

小沢さんの分だと言われた。」と

証言していた。西松建設は、取引先にも

献金を強要していた。

東北の人は、「献金を断れば

仕事が全く来なくなるだけ」と

言っていた。

献金をしたら、どうなるかというより、

献金をしないと仕事が来なくなるのだから

嫌でも献金をしないといけないのだ。

西松建設だって、小沢氏の秘書に請求されるから

献金しないと仕方がなかったのだと思う。

誰が悪いかと言えば、権力を盾に献金しないと

仕事が来なくなるぞと無言で脅迫して

献金を請求してくる小沢氏の秘書と、秘書に自由に

させている無責任な小沢党首が悪い。