「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」反米政治家は同時に媚中政治家だった。 | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」反米政治家は同時に媚中政治家だった。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年)3月9日(月曜日)
         通巻第2520号   

オザワ沈没にもっとも狼狽しているのは胡錦涛政権ではないのか?
反米政治家は同時に媚中政治家だった。
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 オザワ民主党に大打撃は間違いないだろう。
これで次期総選挙は民主党の圧勝というシナリオもなくなった。
北朝鮮パチンコ問題も、オザワ・コレクションに付帯し、政治献金スキャンダルは暗い政局を予測させる。

 さてテレビを見ない筆者には、日本のマスコミにおいてオザワ論議がどう発展しているか、具体的には分からない。
そもそもこうした類いの後ろ向きの議論に興味はない。けれども、それが国際的広がりをもってきた場合、俄然、関心が広がる。

 田中ロッキード事件は米国の陰謀であり、田中が動いた自主的な資源外交を警戒した米国が、ついでに田中を失脚させてしまったという噴飯モノの陰謀説がある。
これは小長某通産次官(当時)が田中と打ち合わせて仕組んだ。小長自身が書いている。「(田中と)相談の結果、これでいこう」となった、と。
 巷で、この米国陰謀説を流したジャーナリストも多く、その筆頭は田原某だろう。

 オザワは腐臭を放った金権政治家の秘蔵っ子であり、田中のあとは金丸の番頭格だった。
 田中失脚が米国の陰謀だったという説をオザワは、自身を納得させるためにも信じ込んだ節があり、米国へ私怨をつのらせ、それがシェーファー大使との面会での尊大な態度や、ヒラリー国務長官との会見前後に見せた反米姿勢のパフォーマンスに如実に露見した。

その背景を勘案した米国陰謀説がまた飛び出した。オザワは反米的だから、それゆえに今度のニシマツ醜聞も、米国が仕組んだそうな。
しかし陰謀論にしては、ちょっと出来が悪いんじゃありませんか?

 オザワは反米だが、親中派、いや媚中派と言っても良いだろう。
 田中訪中以来、日中のODA、円借款ほかの「金銭スキャンダル」は田中、大平派の専売だった。中曽根が割り込み、竹下派が隙を付き、そして各派入り乱れての利権争奪が、日中関係の裏面にうごめいた。
 もし米国陰謀説が正しいのなら、日中関係にくさびを打ったというシナリオが一番先に浮かぶ筈だろう。。。

 ▲日本利権は曽慶紅が握っていた時期がある

 日本と中国とのパイプ役の大物は胡燿邦の失脚以後、江沢民の懐刀・曽慶紅だった。
 それが上海派と太子党の利益を代弁し、日本政界のカウンター・パートが二階某という政治家に代表された。

二階某は江沢民の銅像をたてようと動いていたほどだ。かの反日暴動のときにも和歌山の選挙区後援会に王毅大使(当時)を招いて講演をさせていた。

 中国政界の舞台裏では、この江沢民・上海派と太子党が連帯しており、かれらの政敵は言うまでのなく「団派」(共産主義青年団)、すなわち胡錦涛派である。
 胡錦涛は、しかし国家主席、軍事委員会主席、党総書記という三つの重要ポストを独占しながらも、軍権をいまも掌握できず、次期政権を、上海派+太子党連合の習近平に渡さざるを得ないところまで追い込まれている。

 一方、オザワの中国コネクションは「団派」(共産主義青年団)である。
つまり胡錦涛主席への直結ルートであり、胡のライバル江沢民らの上海派・太子党コネクションとは距離があった。
 オザワの岩手県の実家には胡の右腕・李克強がホーム・ステイをしたほどつきあいが深いのである。

 いずれにしても、日本の政界と中国を結んでいた暗闇のコネクション。
 オザワと二階某が、ニシマツ醜聞で同時に浮上し、政治力に影がさした。一番あわてているのは中国ではないのか?
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(読者の声1)最近出た対談本に中国共産党と中華民国国民党は今や第三次国共合作状態にあり、その仮想敵国は第一次、第二次国共合作と同じ日本である、と述べられていました。
その彼らが狙っているのは沖縄であり、すでにかなり福建省あたりの中国商人が入り込んでいるというのです
沖縄と沖縄人をないがしろにしていると日本人は離反される憂き目に遭い、大切な国土を失い、安全保障を危うくする恐れがあるとの警告だと観じました。
その書籍は佐藤優氏と田原某の『第三次世界大戦』左巻・右巻です。
田原は世界情勢については姿勢を低くして佐藤氏の発言を伺っているのですが、憲法論議になると真っ向対立して電波怪獣ぶりを発揮しています。一方で、田原が参加した日中ジャーナリスト会議に習近平が現れたとの自慢話に、佐藤氏は「流石、田原さん!」とヨイショしていて、微笑ましい内容です。
(HN生、品川)

(宮崎正弘のコメント)佐藤氏も、最悪の相手と対談したものですね。

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(読者の声2)貴誌2519号にでた『太平洋戦争はなぜ負けたか』の書評に関してですが、太平洋における海戦の敗因が「物量の差」などではなく海軍の稚拙な作戦の問題である事は、最近様々な研究者によって指摘されつつあり、その点では著者の主張はもっともだろうと思います。
 しかしあの戦争の最大の問題は大日本帝国軍が米軍に個々の戦闘で負けたことではなく、ミッドウェー敗北以降の海軍軍令部が戦闘の結果に関して天皇陛下及び政府や陸軍に対してしばしば嘘の報告をし、戦争指導の根幹を誤らせた点にあります。
これは自国の政府、国民、友軍、そして天皇陛下に対する背信と言っても過言ではありません。
   (A生)

   ♪
(読者の声3)貴誌2518号。「諸君」の左傾化良く判ります。私も読者でしたが頭の悪い私でも読みたくなくなり、昨年の夏からは読んで居ません。
司馬歴史観の明治は良いが昭和は「悪」これで私は氏の本は一切読まなくなりました。
モンゴル語が得意とか聞きますが、やって居られる事は違いますが平山郁夫さんと同じ様な感じを受けて居ます。
家内には「お父さん」は極端で困るといつも云われますが「嫌」なものは「嫌」ですから仕方がない様です。
  (B生)
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