軍事情報 第379号平成21年(2009年)3月1日
【3月7日(土)兵頭二十八さん講演会@横浜について】
並木書房さんのHPで紹介されています。兵頭さんの最新刊をサイン付で即売します!
http://www.namiki-shobo.co.jp/
*講演会の内容は、こちら。
http://www15.ocn.ne.jp/~gungaku/hyoudou-poster.pdf
*お申し込みフォームは、こちら。3月4日(水)24時に受
付停止です。http://www.formpro.jp/form.php?fid=38906
軍事情報 第379号(最新軍事情報) 11,332部
平成21年(2009年)3月1日
こんにちは!!
おき軍事のエンリケ航海王子です。
オバマさんがイラク戦争の完全終結を明言しましたね。
ただ、ゲーツ国防長官の言葉には非常に含みがあり、12年以後、イラクから実際米軍部隊がいなくなるかどうかは、よく分かりません。
次はアフガンだ!というふうに見えますが、それも少しニュアンスが違うようですね。詳細は記事でどうぞ。
(エンリケ)
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■~自らの身は顧みず~ 前空幕長 田母神俊雄退役空将 講演会情報
●現在閣下は米国滞在中!
2009年3月1~5日渡米
米国カリフォルニア州の日本人(有志)が講演会開催を実現しました。
●「拉致問題と国防」講演会、無事終了
主催:若宮会講塾
共催:田母神論文を支援する市民の会・北朝鮮による拉致被害者を救う会愛知
登壇者:
田母神俊雄氏(前航空幕僚長)
増元照明氏(拉致被害者家族会事務局長)
荒木和博氏(特定失踪者問題調査会代表)
ご案内しました、
2月28日(土)に名古屋市公会堂(4階ホール) で行なわれた
「拉致問題と国防」講演会が無事に終了したとのことです。
http://congresswakamiya.web.fc2.com/index2.html
当日の模様は、後日動画でも公開されるようです。
講演会翌日、閣下は米国に向かわれました。
これからも田母神閣下の講演会情報が入ります。
入り次第迅速にお知らせします。どうぞお楽しみに!
(おき軍事)
■講演会にいけなかった人も、これさえあればあんしん!現在大好評受付中
田母神さんの講演録
「自らの身は顧みず ~日本は、本当に侵略国家だったのか!~
前航空幕僚長 田母神俊雄講演録」
WAC株式会社 収録時間:87分
⇒ http://tinyurl.com/dka4q3
◎◎◎ 最新軍事情報 ◎◎◎
■2011年末でイラクから全面撤収する
米のオバマ大統領は27日、海兵隊のレジューン駐屯地で演説を行い、
イラクで戦闘任務についている10万人規模の部隊を、来年8月までに本土に帰還させると表明しました。
非戦闘任務につく5万人規模の部隊は残しますが、2011年末にはそれも全て撤収するということです。
演説内容のエッセンスは以下のとおりです。
1.イラク駐留米軍戦闘部隊を、2010年8月末までに撤収させる
1.後に残る非戦闘部隊の3万5千~5万人も2011年末までに引き揚げ、米軍はイラクから全面的に撤収する
1.米はイラク領土や資源を求めない
1.アフガンとパキスタンのアルカーイダに再度焦点を合わせる
1.イラン、シリア等、中東諸国との対話を追求する
1.イラクのことはイラク人に委ねる。われわれはイラク戦争を終結させる準備にとりかかった
今後のイラク駐留米軍に関連するタイムテーブルです。
2009・6・30 米軍戦闘部隊の都市部からの撤収期限
2009・7・30 米軍撤収の日程を定めた地位協定の是非を問うイラク国民投票
2009年末~2010年はじめ イラク連邦議会選挙(日程はまだ決まっていない)
2010年8月末 米軍戦闘部隊の撤収完了
2011年12月31日 米軍イラク撤収完了期限
⇒演説の中で大統領は次のようなことも述べています。
・大統領選の際、16ヶ月以内の米戦闘部隊のイラク撤収実現を公約として掲げた。その一方で自分は、軍指導部と密接に協議すると約束した。軍と協議した結果、そのスケジュールを今後18ヶ月以内にすることを自分は
選んだ。
・戦闘部隊撤収後のわが軍の任務は、「戦闘」から「イラク政府と軍を支援すること」に切り替わる。訓練・装備・指導の3分野で移行のための部隊を残す。
・残留する部隊はわが外交官の警護、限定的な対テロ作戦にも就く。
・今後のイラクが国家として長期的に成功するには、政治指導者の決心、イラク人の不屈の精神にかかっている。それにあたって米による強力な政治・外交・非軍事面での支援が必要となるだろう。この取り組みは新任のヒル・イラク大使に委ねられる。
・米はその持つ全ての力を用いてイランの核開発を、阻止するための戦略を構築し、イスラエルとアラブ諸国との間の持続的な平和を追求する
ひとことでいえば、欧米にとって中東における現下での最大の問題は「イラン核武装」であり、それと切っても切れない関係にあるパキスタンの能力と意図でしょう。
両者に対処する最前線がアフガンですから、米の新政権は、アフガンに出るとアナウンスすることで、イラン問題で新たなステージに入ると宣言しているのでしょう。これまでは欧州主導でイランと対話してきましたが、これからは米も主役になるということでは?
なんだか、イラン攻撃が現実味を帯びてきた感を持ちます。
中東におけるアルカーイダの名はいまや、いってみればパキスタン・アフガンへの介入・威圧を正当化するために使われる「ダシ」以上の意味を持たなくなっている感を持ちます。
この流れをサウジのアブドラ国王はどう見ているんでしょうね。
軍からすれば、アフガンはあまりにやばすぎる前線ですよね。
アフガンへの増派、展開を望まないことはよく理解できます。
それと、新しいイラク大使があの「ヒル」さんというのも、北鮮のときみたいにわが国が金づるにされる布石のようで、ヤナ感じですね。
■米シが国防対話を再開
27日、米とシナの中共が昨年10月以来中断していた米シ国防政策対話を再開しました。
参加したのは米側がセドニー国防次官補代理(東アジア担当)ら、シナ側は国防省外事弁公室の銭主任らです。
「米とシナの軍事関係は重要である」との認識で一致しています。
⇒この対話は、ほぼ年1回ペースで行なわれてきました。
■米国務長官、北鮮担当特別代表の東アジア訪問を発表
クリントン米国務長官は26日、北鮮問題担当特別代表に任命されたボスワーズ元駐韓大使が、今週東アジア諸国を訪問すると発表しました。
一部情報によれば訪問目的は、
・オバマ政権の北鮮政策の説明
・北鮮が弾道弾を発射した際の対応策について各国と調整する
ことだそうです。
⇒訪問先はわが国、韓国、シナ、ロシアです。
■米の財政赤字、171兆円
米のオバマ大統領は26日、2010会計年度の予算編成方針を示す「予算教書」を議会に提出しました。
これによれば、経済対策の財政出動がふくらみ、2009会計年度は171兆円を超える史上最大規模の赤字幅に拡大していることが明らかになり、10、11年度も同水準の赤字が続くと見込んでいます。
予算教書のエッセンスを記します。
1.2009会計年度の財政赤字は、1兆7521億ドルと過去最大の見通し。GDP比で12.3%の割合
1.2010、2011年度とも同水準の財政赤字が続く見通し
1.ブッシュ政権から引き継いだ財政赤字を四年で半減、13年度の赤字見通しは5326億ドル(約53兆円)
1.金融安定化のため、必要に応じて公的資金2500億ドル(約25兆円)を追加する
1.重点投資するのは、環境・エネルギー、教育、医療の3分野1.2010年度国防予算は前年度比4%増の5337億ドル(約53兆円)
⇒このお金は、主にどこから調達するのでしょうね?
■パレスチナ系各勢力の和解協議がスタート
ハマスとファタハの和解を目的とするパレスチナ各勢力の協議が26日、エジプトのカイロでスタートしました。
パレスチナ自治区における挙国一致内閣の創設、自治政府議長及び評議会の選挙実施について合意することを目指しています。
この協議を仲介するのはエジプトのスレイマン情報相で、冒頭「今回の協議は、あまりに長期化してしまったパレスチナの分裂を終わらせる新たな時期のはじまり」と強調し、「和解に向けた真摯な取り組み」を要望しています。
⇒エジプト政府は3月の終わりにカタールのドーハで行なわれるアラブ連盟首脳会議までの合意成立を目指しています。
中東のもうひとつの火種「パレスチナ問題」に積極的に取り組んでいる大国エジプトの視線の先には、イランがあるのでしょうか。
■海賊新法の早期成立に意欲
麻生首相は26日、衆議院予算委員会でソマリア沖の海賊被害について、「わが国だけでなく国際社会の脅威」「わが国の財産・生命にかかわる重要な案件」と述べ、わが自衛隊の派遣を随時可能とする海賊新法を今国会に提出し、早期成立させることに意欲を示しています。
⇒政府はこの法案を3月10日に閣議決定し、国会に提出する方針を固めています。
武器使用権限が、軍事合理性に基かない現状の海保・警察並みのままであれば、わが自衛官を随時現地に送ること、のみを可能とする法案に反対します。
わが自衛官は戦後日本の歪さを隠し、それを維持するための生贄・生き餌ではありません。
いくら立派な箱を作っても、それを動かすソフトがなければ意味はないのです。
この法案を支持・提出する方々は、憲法9条の抹消を同時に主張しなければ筋が通りません。
なんでもそうですが、小手先細工ではダメなんですよ。メッキはすぐにはがれます。上に立つものがまずしなければならないのは、国家百年の計を見据えた決心なんですよね。
余談ですが、
「憲法9条がある限り、米への依存から脱却することはできない。永遠に「ポチ」でありつづける」とのことばは真実です。
そういえば二十四日に政府は、在沖海兵隊のグアム移転に関するわが方の負担金支出に関する協定の締結承認案件を国会に提出しています。二十八億ドルを限度とする資金提供です。
なぜこういうお金を我々が負担しなければならないのか?突き詰めていえばそれも憲法9条の存在ゆえなんです。
■海賊新法について
25日に与党が了承した新法案の概要エッセンスは以下のとおりです。
1.航行中の船舶の強奪、運航の支配、船内の財物強奪を目的として、船舶へ著しく接近することを海賊行為とし、処罰規定を整備する
1.武器使用については警察官職務執行法7条の規定を基礎とする(*)(*)凶悪犯罪を行なった者が抵抗するなどした場合に武器使用が可能とする同条1項の準用を明確にする、ということです。国際社会で軍人として処遇さ
れているわが自衛官が、おまわりさんと同じ武器使用権限しか与えられていないのが、戦後日本の現実です。
1.海賊目的で船舶に著しく接近する船舶を停止させるために、ほかに手段がないと信じるに足る相当理由があるときには、合理的に必要と判断される限度で武器使用を可能とする
1.海賊行為には海上保安庁が対処する
1.防衛相は、特別の必要があるときには首相の承認を得て自衛隊に対処を命じる。首相は承認したときに国会報告する。
1.他国の軍艦が目の前で海賊に襲われても、わが方は見てみぬふりをする(駆けつけ警護はしない)
です。
⇒海上警備行動におけるわが海自の武器使用権限は、海保と同じです。
大層な名前ですが、これが発令されてはじめて海保(海のおまわりさん)と同じことができる、というのが、国際社会で海軍として処遇されているわが海自に戦後日本が示している現実です。
ちなみに戦後日本には、内閣法制局という、意味・出処不明で「法律解釈」の全権を握り、事実上国の意思決定の全権を握っている役人機構が存在します。
どうでもいいことですけどね。
背広を着た人が軍を蔑視し、支配下におき、権益確保ツールとして利用し、軍事に無関心で軍人の名誉・生命をもてあそぶ国は、例外なく滅びています。
戦後日本の現状はまさにその渦中にあります。
そこから脱却するためにも、わが自衛隊を行政機構から切り離し、普通の国のように各権力から等距離の地点に軍を位置付けなければなりません。
それをするのは私どもとあなたです。
■ソマリアPKO部隊に自爆テロ
APによれば2月22日、ソマリアの首都モガディシオで、アフリカ連合(AU)平和維持部隊の駐屯地が自爆テロに遭い、ブルンジ軍から派遣されていた要員11名が戦死しました。
AUは2007年からソマリアにPKO部隊を派遣していますが、以来最悪の犠牲者となります。
アルカーイダに近いとされ、AU部隊のソマリアからの完全撤収を求めるイスラム過激派組織「アッシャハーブ」が犯行声明を出しています。
この組織は、近年ソマリア全土で実効支配を拡大しているとされています。
APによれば犯行は、駐屯地に日常的に物資を運んでいた人物によるものだったそうです。
⇒ソマリアでは1月下旬に暫定政府支援のため駐留していたエチオピア軍が完全撤収し、現在はAUの3500名規模の部隊が駐留するのみです。
以前からこの規模では安定確保は困難と懸念をもたれていました。
■北鮮が「ムスダン」を配備?
2月23日に発行された韓国国防白書によれば、以前からマガジンでもお伝えしてきた中距離弾道弾「ムスダン」を北鮮が実戦配備したとのことです。
試射が行なわれたことは、現時点で確認されていませんが、韓国国防当局の一部には「撃ってみなくてもシミュレーションにより性能の検証は可能」との意見もあるそうです。
というわけであまり信用できないはなしですが、楽観視して痛い目に合うのがわが国が持つ影の部分です。ですから少なくともあなたは「ムスダンはすでに配備された」との話を、頭の片隅に残しておくべきと考えます。
北鮮が「ムスダン」をぶっ放すかぶっ放さないかは、はっきりいって関係ないどうでもいいことなのです。その選択は北鮮が自分の都合で行うことで、わが方がコントロールすることはできないんです。
重要なのは、核弾頭を乗っけたムスダンを突きつけられ、北鮮に「意志を強要される」「わが方の意志をコントロールされる」可能性がわが国に生まれたということです。忘れてはいけません。「あまりに無防備なわが国にとっての脅威である」ということを。
【参考】
<090209配信 「軍事情報」376号 より>
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■ムスダンでは?
2月といえば北鮮ではよく演習が行なわれる時期です。
新年(旧正月)を迎えて弛みがちな国内の士気を引き締める意味があると聞きます。
そんななか、
北鮮が「西海岸(黄海側)で長距離弾道弾「テポドン2」の発射準備を進めている」との韓国情報が先週少し取り上げられたとか聞きます。
少しヘンだなと思いました。西岸ということで真っ先に着目すべきは、いまだ試射が確認されていない中距離弾道弾「ムスダン」では?
ほとんどの方は今回の北鮮の行動を「オバマ新政権への瀬戸際外交」という見方で捉えているようですが、違うように感じます。
それはおそらくおもて向きの狙いで、真の狙いは違うのではないでしょうか。
以前お伝えしましたように、「西岸に弾道弾」の意味は射程4000キロ級の弾道弾を試射するためと見るのが自然です。(太田文雄『インテリジェンスと国際情勢分析』)ひとことでいえば、中距離弾道弾「ムスダン」の試射ではないのでしょうか。
まだ確認されてないですからね。
それに、2006年7月に東岸からの試射に失敗したテポドン2を今度は西岸に持ってきて試射するというのもなんだか不自然なはなしです。
もし本気なら同じところから再度試すでしょう。
ムスダンが試射された場合米は、「米に対する敵対行動と見なし、黄海に米イージス艦を進出させ、発射後のブースト・フェイズでミサイルを迎撃する」(ペリー元国防長官 2007年の発言)としています。(太田文雄『インテリジ
ェンスと国際情勢分析』 P84 参照)
その際わが国は、集団自衛権行使を発動する必要に迫られ、米と共同作戦を展開することになるでしょう。
麻生さんは就任直後に国連で行使を容認すると発言したと記憶してます。
しかしわが国では、いまだ自衛隊が軍事行動をとる上で必要な環境整備はほとんど整っていません。すなわちこれは、いまだ武器使用権限が警察と同じレベルに置かれ、軍事行動をする権限を与えられていないわが自衛隊の問題、国防の病理に直結するはなしなんですね。
アメリカを狙っているからうちは関係ない。大丈夫。
いざとなったら自衛隊に頼めばいい。
という戦後日本特有のノー天気な感覚に染まってはいけないと感じます。
それですむ話ではないんですよね。
今議会が取り組むべき最優先順位は、経済再建ではなく国防再建です。
いまや、人の努力ではどうしようもないところまですでに来ています。
このままでは、事なかれ主義が蔓延する中、国防体制は破綻します。
武器使用権限をわが自衛隊に与える
基本法を作る
憲法を変える
各種法律を変える
・・・
議会がすべきことは信じられないほど膨大です。
マスコミや圧力団体の顔色をうかがっている暇はないはずです。
【参考 (070613 軍事情報より)】
政府は先月、「R-27」(SS-N-6)をベースに北鮮が作った新型中距離弾道ミサイルについて、日米韓の軍事・情報コミュニティにおける識別名が「ムスダン」であることを明らかにしました。
この名前は、新型ミサイルシステムが最初に確認された場所に最も近い地名「舞水端里」(ムスダンリ)にちなんで付けられたものです。
⇒ノドンやテポドンと同じですね。
以下は、WEB軍事辞書・事典「コモ辞書」による「SS-N-6」と北鮮のIRBM(中距離弾道ミサイル)についての解説で
す。
1.SS-N-6 (北朝鮮版)
北朝鮮、新型中距離弾道ミサイル(IRBM)、'03・闇ルートで入手した旧ソ連の
潜水艦発射弾道ミサイルSS-N-6の改良型と推定、射程3,000~4,000km(グアム・ハワイ周辺迄射程内)、地上移動型、地下基地を平安南道陽徳と咸鏡北道虚川に建設し10~20基の実戦配備開始
2.北鮮のIRBM
北朝鮮はノドン1(射程約1,000km)・ノドン2(射程約2,000km)・テポドン1(射程約1,500km)・テポドン2(射程約3,500km)を保有していると見られる。これらの弾道ミサイルは核運搬能力をもつと考えられる。
北朝鮮は2002年12月12日に核凍結解除と核施設稼働再開を表明、12月22日に核施設の封印と監視カメラを撤去し12月31日にIAEA監視員を退去させ2003年4月18日にはプルトニウム抽出可能な使用済み燃料棒の再処理作業を再開。燃料棒800本からプルトニウム爆弾1個が製造可能といわれる。
2003年4月23日、北京で開催されたアメリカ・中国・北朝鮮3か国協議で北朝鮮代表はケリー米国務次官補に対して核保有を認めた。
北朝鮮の核開発問題はわが国はもちろん東アジアの安全保障上の重大懸案事項となっている。
'03・新型中距離弾道ミサイル(IRBM)を開発。
【出典 コモ辞書 http://homepage3.nifty.com/OKOMO/
】
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<080922配信 「軍事情報」361号>
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■ムスダンという視点
前号で、以下のような記事をお届けしました。
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■北鮮に新ミサイル基地?
AP通信が十日、北鮮西岸のポンドン里に長距離ミサイル発射施設の建設を進めていると報じています。
韓国の李国防相はAPに対し、「北鮮が弾道ミサイル開発を継続している明確な証拠」と指摘しています。
少なくとも八年前から建設ははじまっており、各国情報当局も存在を把握しています。
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このときは、金正日の動向と絡めて推察しました。
しかし、なにか違和感があり、あれやこれや調べました。
そしてようやく違和感の原因がわかりました。
昨年六月にお届けした以下記事をご覧ください。
「北鮮の新型中距離弾道ミサイルは「ムスダン」」
http://okigunnji.com/cat18/300/post_26.html
重要なのは、「射程3,000~4,000km (グアム・ハワイ周辺迄射程内)」という点です。
これを受け、ムスダン情報、射程と領空侵犯の関係を記載した資料を求めておりましたところ、先週金曜日、思いがけぬ形でドンピシャリの資料が手に入りました。平澤さん、ありがとうございました。
太田退役海将の最新刊
『インテリジェンスと国際情勢分析【改訂新版】』です。
エキスを以下に記します。
・問題は、このミサイルの発射実験が未だに確認されていないこと。(2007年年頭にイランが数多くの弾道ミサイル発射実験を行ったとされるが、そのなかにムスダンが入っていたかどうかは定かでない)
・北鮮が射程約4000kmの弾道ミサイル発射実験をするとすれば、東岸でなく、西岸から他国領空を侵さない狭い回廊がある南西方面に向かって発射しなければならない。
・今後の北鮮の弾道ミサイル発射は、常に東岸から日本海方面に向けて行われるとは限らないことに留意しなければならない
・二〇〇七年七月に来日した米のペリー元国防長官は、ムスダンが西岸からグアム島方向に向かって発射されるという想定に対し、「それは米国に対する敵対行動とみなし黄海に米イージス艦を進出させ、発射後のブースト・フェイズでミサイルを迎撃する」との反応を表明していた。
すなわちこの基地情報は、「北鮮の米への挑戦」という枠組で捉えなければならないということです。
北鮮に近い売国奴各位は、北鮮指導部に警告した方がいいですよ。
へたな冒険は、我が国内の北鮮勢力殲滅、北鮮の消滅、シナによる北部朝鮮制圧を招きますよ。またもやシナに制圧されてもいいのですか?とお伝えいただきたいものですね。
問題は、米のBMD発動、その後の北鮮攻撃の際、武装難民が日本海を越えてやってきて、国内に工作勢力を抱え、ミサイルも飛んでくることになるわが国はどう行動するの?ということですね。一国平和主義、その言葉と表裏一体の関係にある一国国防主義は、既に成立しない時代になっているということです。
北鮮以上に重大な脅威「シナ」を抱えているわが国が、たかが北鮮への対処ができないようでは困りますね。
⇒一部報道には「テポドン2号か改良型の燃焼実験」とかいう話も出ているそうですが、昨年のテポドン2号発射実験が「東岸から」行われ、あえなく失敗したことを忘れてはならないでしょう。
優先順位は、米に失敗を周知するメッセージとして無意味な発射をしたとさえいわれる昨年の「テポドン2号」でなく「ムスダン」の動向に置かれるべきでしょうね。
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(おき軍事情報部)
◎◎◎ 高志さんのコラム 「国民年金の花柳な生活」◎◎◎
■2009/02/24 (火) 経費
ある事を成し遂げる為に必要な費用を「経費」と言うが、商売上必要な経費には税金は掛からない。その代わり何もかも経費として認められるものではなく、確定申告でも一番気を使う項目だ。
同じ商売でも売り上げと仕入れがはっきりしている小売商の場合は経費の取り方で課税所得が大きく変わる。税務調査の時、真っ先に調べられるのはこの項目である。個人商店などでは生活費の一部を営業経費に回して「節税」している者もある。勿論品格の低い輩だが、それに似た事を大企業がやっていた。
《朝日新聞社が東京国税局の税務調査を受け、出張費や取材費の過大計上があったとして平成20年3月期までの7年間で、計4億円の所得隠しを指摘されていたことが23日、分かった。記者がカラ出張などで経費を水増し請求していた。このほか、支払い基準が不明確な販売関連会社への奨励金などをめぐり、計約1億2000万円の申告漏れも指摘されており、重加算税を含む追徴税額は1億3800万円に上る見通し。(産経)》
カラ出張は役人の専売だと思っていたが、そうではなかった。今日の朝日新聞を見ると相変わらず麻生内閣の誹謗中傷記事に埋まった中で、僅かに「おくりびと」のオスカー受賞が輝いているものの目立つのは広告ばかり。ようやく32面(社会面)に小さい記事があった。
【本社 5億1800万円申告漏れ】《東京国税局は、取材費の一部を交際費と認定したり、出張費の過大計上を指摘したりして、編集関係費のうち約3億9700万円を経費とは認めず、重加算税の対象と認定した。このうち、京都総局が出張費などで計上した約1800万円については、カラ出張などによる架空経費と指摘した。(朝日)》
何となく他人事の様な記述である。夕刊のコラム「素粒子」を見ると今日は《「師」のつくひとびと》で納棺師、荒事師、如何様師など11種類並べている。ただ、ありふれた「詐欺師」がない。流石に自分の事は書けなかったのだ
ろう。カラ出張など詐欺以外の何者でもない。
朝日新聞に又一つ肩書きが増えた。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20090224
■2009/02/23 (月) 数字のからくり
3週間ほど前から歯科医院に通っているが、待合室には何種類かの週刊誌が置いてある。今日、偶々手にしたのが「週刊文春」の2月26日号で、問題の「首相ランキング」を読む事が出来た。こんな記事にお金を払ってまで読む気はしないが、どんな手法でワースト・ワンを選び出したのか興味はあった。
何時も言う様に数字は魔物である。上手く操れば如何様にも変身するし、事実を歪曲して伝える事も簡単なのだ。数字を並べるだけで曖昧な事柄も信憑性を帯びる。
今度の調査は全国の有名無名の人々約2千人から聞き取ったもので、30名の宰相の中から、悪いと思う人を1番から3番まで3名選ぶ。1位に3点、2位に2点、3位に1点を与え、その合計得点の多い者をワースト1として、以下順位を定めるという方法である。
こういう事に慣れた人は此処まで聞けば結果を予測出来るであろう。このアンケートにはワナがある。その第1は30名という数だ。東久邇宮稔彦殿下。幣原喜重郎氏と言っても今の若い人は何も思い浮かばないだろう。名前は知られていても在職期間が余りにも短く、実績を挙げ様にも挙げられなかった人もいる。そういう人と最近の人を比べること自体に無理がある。
ベストでもワーストでも自分の知識の中から答えるのが普通だ。又、同じ人物でも角栄さんの様に光と陰を併せ持つ者もいる。彼はどちらに登場しても可笑しくない人物なのだ。「悪い人」を選ぶ場合、先ず頭に浮かぶのは最近のニュースである。その点では朝から晩まで悪口を言われている麻生さんが一番分が悪い。
更に【3人選ぶ】という所に問題がある。こういう場合、余程怨み辛みがなければ一度に3人も思い付かないものだ。一人、二人と名を挙げた後、思いつかないところは「麻生」で埋める人もあるだろう。順位によって点数を付けるという所もくせ者だ。1位に何度か顔を出すよりも3位に満遍なく顔を出す方が得点は多くなるのだ。
こういうからくりで1位を決めると後はそれが一人歩きする。記事には夫々の宰相について、識者の評価が載っている。村山富市氏はワースト7位に挙げられているが、本人は消極的だったが、政権に復帰したい自民党が無理やり担いだと擁護している。だからと言って何もしなかった事の言い訳にはならない。
彼は「談話」だけで収まらず時の外相河野洋平氏と組んで「従軍慰安婦」のお詫びまでしているのである。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20090223
【「国民年金の花柳な生活」より http://www5.diary.ne.jp/user/514369/
】
◎◎◎ 編集雑記 ◎◎◎
入浴剤探しのため、街をウロウロしました。
入浴剤については、昔CMでやっていた「登別の湯」とか「白骨の白い湯」といった「健康」「温泉ブランドを自宅で体験!」というイメージを持ってたんですが・・・・ 実際行ってみてビックリしました。
健康になるとか、旅行気分に浸るとか、疲れを取るというよりも、「お風呂でキレイになる」いまやこれが、入浴剤のベネフィットの柱になってるようですね。
不二子ちゃんとキューティハニーの入浴剤をカゴに入れながら、「男もキレイになりたいのかなあ・・・」
とふと思いました。
(エンリケ航海王子)
■組織論へのあらたなアプローチ
先日ご紹介した、わが空自将校・高橋2佐の新刊。
『空軍創設と組織のイノベーション--旧軍ではなぜ独立できなかったのか--』
著者:高橋秀幸
編集:戦略研究学会
監修:川村康之
発行:芙蓉書房出版
発行日:2008/12/25
http://tinyurl.com/b7tn68
現在好評受付中です。
http://tinyurl.com/b7tn68
■軍事図書情報の環境を変えよう
<わが国の軍事図書情報の総合環境を、すこしでも改善するために、広く皆様のお知恵をあつめたいものと念じております。>(兵頭二十八さん)
⇒あなたのお知恵を、ぜひお貸しください。(エンリケ)
■メルマガ紹介
これまで一貫して自衛隊を「人」の側面から見つめ、文筆活動を行なってこられた教育家・荒木肇さんのメルマガです。御著書「指揮官は語る」はエンリケの座右の書です。
http://www.melma.com/backnumber_174026/
今年も大ブレイク予定♪ 今や話題の人となった北野幸伯さんのメルマガです。
「RPEジャーナル」は、硬派な話題を軟派に解説するという新しいメディアスタ
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