追跡・発掘:中高生にはびこる、ネット上の危険な出会い 被害者の危機感薄く /山梨
追跡・発掘:中高生にはびこる、ネット上の危険な出会い 被害者の危機感薄く /山梨
毎日新聞 2009年3月1日 地方版
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20090301ddlk19040041000c.html?link_id=TT003
毎日新聞 2009年3月1日 地方版
◇プロフ、オンラインゲーム…携帯からのアクセスも--“出会う”きっかけ増加
出会い系サイト規制法の改正で、サイト運営業者の届け出が義務化されるなど規制が厳格化され、児童買春などの被害を防ぐ取り組みが動き始めている。しかし、インターネット上では、出会い系サイト以外にもオンラインゲームやブログなど見知らぬ人と出会う機会は多く、問題の根は深い。【藤野基文、水脇友輔】
2月11日、県内に住む女子中学生の裸の写真をインターネット上に公開したとして、横浜市の専門学校生(19)が、県警少年課と甲府署に児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ公然陳列)容疑で逮捕された。
捜査関係者によると、専門学校生と少女はネットゲームを通じて知り合った。ゲームをしながら携帯電話のメールアドレスや番号を交換。やがて専門学校生はメールで少女に顔写真を送るように求めた。少女が応じて送ったところ、専門学校生は「上半身の裸の写真を送らないと、顔写真や連絡先を出会い系サイトに掲載する」とメールで脅した。少女はその求めにも応じた。要求はさらにエスカレートし、やはりメールによる「出会い系サイトに載せる」との脅しで、今度は全裸の写真を送らされた。
その後も専門学校生からの連絡が続いたため、少女はメールアドレスを変更して連絡を取れなくした。すると、専門学校生は少女になりすまして自己紹介サイト(プロフ)を作成、少女が以前送った全半裸の写真を掲載した。専門学校生は「連絡が取れなくなったので腹いせにやった」と供述しているという。
出会い系サイト規制法の改正で運営業者は▽都道府県公安委員会への届け出▽児童に関する書き込みの削除▽利用者に18歳以上であることの証明を求める--などが義務付けられた。県警少年課によると、1月5日までに届け出た業者は全国で432社、県内では1社あった。県警生活安全企画課によると、昨年は県内で出会い系サイトに関係する事件が四つあり、4人が検挙された。被害者はすべて少女だった。事件件数の増減に傾向はないが、同課は「被害者が危機感を持っていないことが問題で、発覚は氷山の一角」と指摘する。
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一方、県高等学校教育研究会が、県内の高校2年生2693人(男子1362人、女子1331人)を対象に07年に実施した意識調査では、出会い系サイトを利用したことのある生徒は、02年の調査に比べ3・9ポイント減り、全体の1・7%だった。
「危険性があるので絶対に使わない」と回答した生徒が8割を超えており、同研究会は「高校生が出会い系サイトによる事件の多発を認識してきた」と分析している。
甲府市内の県立高校に通う高校1年の女子生徒(16)は「出会い系サイトは危ないから絶対に利用しない」と言い切る。しかし、普段使っている携帯メールアドレスの他に、一時的に使用する“サブアドレス”を作り、「ブログにサブアドレスを書き込んで、(見知らぬ人と)連絡を取り合うことはよくやっている」という。「実際に会うようなことはしてないから危険はないと思う」と話す。
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県警少年課の仙洞田茂雄・少年対策官は「出会い系サイトでなくても、ネットゲーム、プロフやブログなど“出会う”きっかけはいくらでもある。事件に巻き込まれないよう判断力を身に着けなくてはいけない」と注意を呼びかけている。
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