主張 国会人事不同意 民主は、政争の具にするな
主張 国会人事不同意 民主は、政争の具にするな
産経新聞↓
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090225/stt0902250328002-n1.htm
政府が国会に提出した8機関16人の同意人事案件のうち、3機関7人の人事案が民主党などの反対により参院で不同意となった。衆院は自民、公明両党などの賛成多数で16人全員に同意した。国会同意人事には両院の賛成が必要なため、7ポストが白紙に戻った。
野党の反対で不同意となった人事案は、「ねじれ国会」以降、今回の7人を含めて延べ27人にのぼる。いまだに日銀の審議委員が1人空席になっており、金融政策の円滑な展開に少なからぬ支障をきたしている。さらに欠員が生じた組織では問題も出始めている。
人事案件がスムーズに進まないため、国政が停滞していると指摘せざるを得ない。参院第一党である民主党の責任は大きい。政府を揺さぶるための「武器」にしてはならない。政権担当能力を示すために良識ある対応をすべきではないか。
今回の同意人事で民主党は再就職等監視委員会の委員長および委員を不同意とした。昨年6、11月に続いて3回目だ。「天下りを認める委員会の設置自体に反対しているため」と説明しているが、委員会は法律で設置された。
法律で決まったことを認めないのは、立法府の一員としてあるまじきことだろう。天下りを繰り返した谷公士人事院総裁の再任に民主党は同意した。これでは一貫性がないとの批判を免れまい。
人事院人事官候補の千野境子・産経新聞特別記者についての対応も不可解だ。所信聴取を行った上で、18日の党総務部門会議では「同意に差し支えない」と結論を出した。ところが翌日の役員会で「人事官ポストの一つがマスコミ出身者の指定席になっている」として突如不同意に転じた。千野氏がマスコミ関係者であることは当初から分かっていた。党執行部は、現場の判断を曲げてまで反対した理由を明確にすべきだ。
政府・与党にも、野党との調整に積極姿勢がみられなかった点は反省を求めたい。同意人事の対象は36機関240人に上るという。与野党で同意のための人選基準を決めることも重要だろう。
首相指名は衆院議決が優先される。首相が判断した人事案が、参院の反対で認められないというのは制度の欠陥といえよう。
参院がいたずらに不同意を繰り返せば参院無用論に発展するのは避けられない。