「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 中国は着々と資源外交で得点、満を持してヒラリー訪中を待つ | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 中国は着々と資源外交で得点、満を持してヒラリー訪中を待つ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)2月18日(水曜日)
       通巻第2499号

 ヒラリー来日で興奮している場合だろうか?
  中国は着々と資源外交で得点、満を持してヒラリー訪中を待つ
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 胡錦涛はアフリカ八カ国歴訪の旅を終えて北京へ戻った。
 主席として三回、副主席時代の歴訪を含めると合計五回、アフリカ諸国合計20ヶ国を訪問したことになる。

 『フィナンシャル・タイムズ』(09年2月10日付け)は、中国のアフリカにおける「資源目当て」外交、その横暴な振る舞いを批判した。
 とくに露骨な投資がコンゴに向けられており、道路、鉄道、学校、病院の建設に北京政府は90億ドルもの資金を投入する。

 何が狙いか? 交換条件は銅鉱山だ。銅の鉱脈に付帯するのがレアメタルの代表=コバルト。これがないとハイブリッド車のエンジンの触媒や高速輪転機の裁断機などが生産出来なくなる。
 つまり戦略物資の独占的確保である。

 かつてコンゴの内戦はコバルト鉱山の権益をめぐって争われ、ベルギー、フランスなどが落下傘部隊を投入してコバルトを守った。

 モブツ・セセ・セコという大統領が同国に君臨していた時代、凄まじい汚職に国民は疲弊し、一方で、モブツは大統領専用機に、秘書官三十数名を連れて欧州にたびたび出現し、保養地で遊んだ。
 秘書官の大半が美女で、何故「秘書官」か分からないほど政治も国際情勢も知らなかった。
 
 中国はスーダンとアンゴラで石油鉱区を保有し、輸入石油の20%前後は、この両国からである。ナイジェリア、タンザニアにも触手を伸ばしている。

 資源大陸アフリカにおける列強の角逐に、日本外交は今日も拱手傍観を決め込んでいる。
 大臣が酔っぱらったという理由だけで辞任に追い込まれたり、(エリツィンは日本に来て泥酔しましたね。ブッシュは晩餐会で嘔吐しましたっけ)、徒に反対のための反対を繰り返す野党。
日本は中東のおいてすら独自の「日の丸鉱区」を失っているのに。。。

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(読者の声1)政府紙幣発行論をめぐって、貴誌でもようやく取り上げられるようになったかと思えば、とつじょ、重厚な考察が続き参考になりました。それにしても、「早読み」の貴誌が久しぶりに「遅まきの議論」? テレビをご覧にならないから、いまのトピックスは海外情報ばかりになっていると思います。
     (KK生、静岡)

(編集部より)小誌は既に四、五年ほど前に政府紙幣発行論を何回か報じております。
というわけで、じつは小誌にとっては、この議論は終わった議論で、結論は丹羽理論は正しい。しかしそれを咀嚼し、理解できる政治家がすくなく、しかも政治家がリーダーシップを発揮しない限り、官僚のあつい壁は乗り越えられないから丹羽理論の通りには政府紙幣の発行は実現されない。まして、もし実現されても政治の妥協の産物となり、副作用をともなう危険性が同時にたかまる。財務省ならびに日銀はいやがるから政策に整合性が生まれず、基本的に通用性が希薄である、というものです。
率直に申し上げて時系列では、大手マスコミのほうがよほど遅れているのでは?

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(読者の声2)貴誌通巻第2498号での、「日本のマスコミだけが、なぜか意図的にトップの見出しに深刻な数字を用いているように見える。市場はところで、まったく反応せず2月16日の株価は28円下がっただけである」との指摘はまさに正鵠を射ています。
センセーショナルな題字にしないと客の気を引かないと思っているのでしょう。実は、購読者に馬鹿にされているのに気付かない。
新聞雑誌の発行部数が減りテレビの視聴率が下がるのはインターネットの所為だけではありません。
 ところでTK氏が(読者の声2)で書かれた「政府紙幣発行をめぐって日本の政・財・官界の右往左往」に関する意見は言いえて妙です。
特に最後の[また政府紙幣の発行に反対の論拠は、主に「世の中に打ち出の小槌やフリーランチはない」「国家財政を毀損しない政府紙幣発行を任すには、政治家の知的・道徳的レベルが低すぎる⇒モラルハザードは避けられない」の二点にあるように思うが、小生はその見解に傾斜しています]
はまさに意を得たりです。
今から十数年前にTK氏も言及された小野盛一氏と議論したとき、私が政府通貨発行に反対したのも、まともに実行できるだけの理解と実行力のある指導者がいない状態への危惧が主因でした。
さらに同様な効果が他のより理解力の低い人にも理解しやすい方法で得られます。
一番即効性があって簡単な方法は、日銀によるCP大量購入です。
毎月5兆円ずつ累計年間60兆円くらい購入するのです。
貸し倒れで日銀の資産が毀損する危険性を指摘する向きもありますが、全く心配ありません。
貸倒れになれば、日銀が損をした分だけ市場に通貨が供給され、倒産した企業に債権を持っていた企業、たとえば下請け業者、に倒産前に多少でもお金が回ります。これこそ最高の景気浮揚策です。
年利3%で一ヶ月償還のCPを毎月5兆円購入すれば、年間で1500億円の利息が日銀に入ってきます。CPのように償還期限が短く、かつ優良企業しか発行できないもので、年間1500億円以内に貸倒を抑えられないようなら、日銀の幹部は総とっかえです。
   (ST生、神奈川)

(宮崎正弘のコメント)中川財務相辞任、与謝野さんは迫力なし。日銀総裁はもっと迫力乏しき人。これで政府紙幣発行が出来ます?

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(読者の声3)貴誌の「民主党の鳩山由紀夫が中心になって通そうとしている危険な法案があるのですが、あまりマスコミでも話題になっていないようです。」、との陽山氏の投稿記事を読んで、“はっ”としました。
私も其の流れの中にある広島市に対して抗議文を纏めているところでした。
陽山氏紹介の文脈から、広島市が密に推し進めている「広島市子ども権利に関する条例」も裏では民主党が蠢いているのか、と空恐ろしく成りました。
この条例案は紛れも無く国家破壊を目論む者達が企んでいるものと想われます。
明らかに子どもの権利に名を借りて合法的に国家破壊工作に乗り出そうとしています。この手の企みは「男女共同参画社会」の連中が全国で密に推進している様です。一刻の猶予もなりません。
読者の皆様方も是非下記のホ-ムペ-ジを開いて、広島市が推進する「広島市子ども権利に関する条例」が如何に国の宝を堕落させる条例であるかを喝破していただきたい、と切に願っています。
 この条例、真に子ども達の将来を願ったものではなく、自立して往く子ども達の将来を破滅へと導き、国家崩壊を目論む者達の企みに外なりません。素読みしても直ぐに判りますが、将来を担う子ども達を育成するための条例ではありません。この条例は子どもに名を借りた『反日組織』の明らかな破壊工作です。
 将来、『ネットカフェ』へ逃避して『漫画本』を読みながら、刹那的に人生を生きる方向へと子ども達を導くのではなく、どの様な苦境に遭遇しても奮起して立ち上がれる『質実剛健』の子ども達を育てるのが真の教育です。
国家に誇りを持っていた先人達はその様な子ども達を育んで来ました。
 然るに「広島市子ども権利に関する条例」は、国家破壊を目論む子ども教育の外なりません。如何全国の皆様方も『美しい国、日本』を守るため、日本国の騎士と成って『土竜叩き』をして頂きたく切にお願い致します。
     (久米哲次)

 「広島市子どもの権利に関する条例(仮称)の骨子(試案)」について 
http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1222339683826/index.html
 広島市子どもの権利に関する条例(仮称)制定のための検討資料 http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1226645833172/index.html
 広島市・・・(試案)に対するご意見をお寄せください http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1223450889942/index.html

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(読者の声4)自由主義経済の異端児「資本主義市場(至上?)経済」犯人説が渦巻き、計画主義者の靴音が響いています。
中谷巌教授が早くも変異し(グルーグマン教授程ではありませんが)高橋洋一氏は丹羽学説を掠め取り、大々的に「ケインズ回帰論」を吹聴しています。そもそも丹羽教授の学説は貴誌が最初に取り上げた高論でありますので、高橋洋一氏は貴誌の読者ではないかとかんぐりたくなります。
先に紹介しました、丹羽教授が論説を寄稿しました「甦れ美しい日本」第270号に元民社党書記長塚本三郎先生が連載されている「塚本三郎の「今を斬る」」で
 「私が畏敬する丹羽春喜氏は、熱心なケインズ経済学の信奉者である。氏は、不況にはまず公共事業を、その為に「政府紙幣」を発行せよと、懸命に説く。既に明治元年に新政府は、由利公正に命じて「太政官札」を発行している。何の裏付けも財産もない明治政府にとっては、これが新日本の船出であった」
といっておられます。
「神の見えざる手」に対する「国が人を集めて穴を掘って、また埋めればよい」的、対立構図のみで語られる、経済論では現在の状況を把握はおろか、将来のビジョンを提示することはできないのではないでしょうか?
(補足:塚本先生を私は大変畏敬しております。宗教論や国防論はおそらく現在最高の論客であると尊敬しております)
塚本先生をして経済を計画できると論説されることに驚愕を覚えるとともに、丹羽教授学説が全体主義者へ悪用されないことを祈るばかりです。

ハイエク教授は自論を「ケインズは分かってくれているだろうが、それを言うことはできないだろう」というような発言をしているように、官僚としてのケインズは業務遂行上それを言うことが出来なかったので、その胸のうちを密かにハイエクに語っていたのではと想像しています。
また私は丹羽教授の「政府紙幣発行論」を読んでおりませんので、内容について正確にわかりませんが、想像するに、周辺論説、学説に「ケインズ的」なものを使いながらも最終的には防衛権や警察権と同様に経済権は国家が握っているよという、メッセージを市場に与えることが重要であることを説いているのではないかと思います。
「まかせることは任せるけど、ルールを守ってくれよ。その限りでは最終的に政府は助けるよ」ということです。

私は民主国家においてグランドデザイン(国民的コンセンサス)なしにむやみやたらに中央政府が民間に対し政策を実行しても、残るのは膨大な借金のみではないかと思っています。
参議院などでその「グランドデザイン」を議論してみるのも大変有効かと思いますが、そのためには参議院議員は政党に所属しない無所属議員のみで組織されて、それぞれが思想家のごとくグランドデザインを議論できるようにしなければならないと考えています。
ちなみに私の「グランドデザイン」は経済的には江戸時代の江戸市中における民間経済を一つの理想として(この辺り石川英輔氏の著書が示唆的です)、思想的には万葉歌人の惟神(かむながら)の精神を支柱に置くような神と人、君と臣を相分かつ国家、社会をボーっと考えています(科学的かつ民主的では無いのかもしれません)。
   (万葉至乃輔)

(宮崎正弘のコメント)。。。。。。「計画経済」というとマルクスと誤解されそうですが、「挙国一致経済」「統制経済」「国家総動員法」など。難波田春夫が、いま見直されております。

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(読者の声5)貴誌「読者の声」にでた「doraQ」さん(2497号、読者の声5)。御達見に、わが不勉強を反省した次第。なんとしても主観に走りがちになる。ユダヤ系米人も多種多様ですわね。
一概にはなんにも言えない。国家関係は、個人関係ではないので、プーチンでも友人を裏切ることが起きる。
WPのヒラリー訪日記事にハラが立った。日本を貶める、日本人を辱める、日本の失敗を期待する意図が明確だ。東京の外国人特派員のなん%が親日なのか?と思った。政治屋もマスコミも、平気で嘘をつく時代。こうなりゃ、「直感&本能」を頼りましょうや。
貴誌2498号「戦中・戦後の昭和を生き延びた一老婆より」の苦労話を拝読しました。頑張って生きてこられたですね。余生を楽しんでください。
なんでもかんでも生活優先ではないです。モラルと言っても分からない人が増えた。紳士淑女はいます。あなたがそうですよ。
(伊勢・ルイジアナ)
(編集部より)次号は小誌2500号記念号です。
宮崎正弘の新刊 
 
http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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