イスラエルからのニュース
2009年2月11日(水)
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*昨日の選挙は、悪天候にもかかわらず前回の選挙を
上回る65%の投票率。投票率の低下傾向に歯止め。
出口調査によるとカディマが僅差でリクードを破り、
第一党の地位を確保したもよう。(H,P,Y)
*アラブ人地区では「選挙はイスラエルを民主国家に
見せかけるだけ」として極左勢力がボイコットを呼びかけ。
しかし、アラブ政党は投票を呼びかけ、結局、投票率は
前回に近い54%だった。(H,P)
*右派政党がアラブ人地区のウムエルファームに投票
立会人を派遣したため、現地では混乱があり5人が
逮捕。選挙法では、どの政党も任意の投票所に立会
人を送り込める。(H,P)
*出口調査によると、リクードはカディマに惜敗。党員は
落胆の声。しかし、連立交渉はリクードが有利と見ら
れている。(H,P)
*ガザや自治区では「カディマもリクードも同じ」と、イス
ラエルの選挙に対する関心は今ひとつ。ハマスの広報
担当者は、選挙でどちらが勝っても停戦交渉に影響は
無いとの見方を示した。(H,Y)
*ガザの子供たちの人権教育の教科書を印刷する紙を、
国防軍が搬入させてくれないと国連が苦情。国防省は、
紙は転用される危険性があるとして、印刷済みの
教科書を持ち込むように求めている。(P)
*人権団体のアムネスティが、ガザ住民に対するハマス
の人権侵害を非難。反対派への暴行、殺害で恐怖政治
を行なっているもよう。(P,Y)
*反ユダヤ主義と戦うADLがヨーロッパで行った調査で、
31%の人 が世界的な経済危機はユダヤ人のせいだ
と回答。(Y)
2009年2月12日(木)
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*選挙結果は昨日の段階でカディマ28、リクード27、
右派のイスラエル我が家、民族一致、ユダヤ人の家が
各15と4と3、左派の労働党とメレツが13と3、宗教
政党のシャスとUTJが11と5、アラブ政党が合計11
議席だった。国会の議員定数は120。(H)
*第一党党首の地位を確保したリブニ氏は、早速、連立
交渉のためイスラエル我が家のリーバーマン党首と会談。
非宗教の同党に対し、世俗 結婚の公認などを軸に連立
参加を呼びかけた。(H,P,Y)
*イスラエルに右派政権が誕生すると見て、アッバス
議長は先週からEU諸国首脳と会談して懸念を表明。
イスラエルの新政権に対して外交圧力を高め、和平を
推進するよう要請した。(H,P)
*カディマに投票した人の40%は、投票まで3日以内の
段階でカディマ支持を決めたことが判明。(H,P)
*米政府は、公式にはイスラエルの選挙結果を静観する
構えだが、右派政権の誕生による和平停滞を懸念する
政府関係者も。(P,Y)
*自治政府のエレカット氏が、イスラエルに右派政権が
誕生してオスロ合意が無視される可能性があると懸念を
表明。ハマス高官は「イスラエルの選挙結果は、テロと
戦争をもたらすものだ」と語った。(P)
*ガザから3発の迫撃砲攻撃。
しかし被害は無かった。国防軍はガザのカンユニスに
あるハマスの拠点を空爆。負傷者は無かった。(Y)
*ガザからカーネーション2万5千本を、オランダに輸出
へ。バレンタインデーに合わせて同国で販売される
予定。(P)
2009年2月13日(金)
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*リブニ氏はリクード政権への参加を否定しているが、
内外からカディマとリクードの連立を望む声。カディマと
リクードが連立を組めば極 端な政党を外しても安定した
政権が出来るため。(H,P,Y)
*15議席のイスラエル我が家は、連立政権構成に欠かせ
ないが、リーバーマン党首の入閣ポストは難題。同氏に
対しては、すでに汚職に関する刑事捜査が進行中で、
法相も財務相も問題があるため。(H,Y)
*兵士の投票が加算され得票数が確定。議席数は変わ
らず。(H,P,Y)
*ハマスの担当者が、3日後に停戦合意が完了すると
語った。イスラエルはシャリート兵士の解放と、ハマスの
武器密輸防止を要求しているが、停戦合意の内容には
含まれないとの情報も。(H,P,Y)
*クリントン米国務長官が3月3日からイスラエルを訪問へ。
2日にエジプトで行なわれるガザ復興会議の後に立ち
寄る。(H,Y)
*ユダヤ人団体指導者と会談したローマ教皇が「ホロコー
スト否定論は 許容できない」と明言。5月に予定され
ているイスラエル訪問で、カ トリックとユダヤ人の関係が
強まるとの期待を語った。(H)
*イスラエルがガザに人道援助物資として送った医薬品の
ビンが、手榴弾に使われていたことが判明。国防軍は
写真を公開した。(P)
*親パレスチナ団体からのボイコット圧力に屈せず、日本の
村上春樹氏が日曜のイスラエル賞受賞式のためイスラ
エルを訪問へ。(P)
*年金党が議席を失ったため、年金受給者省が廃止に。
同省の支援で開設されたホロコースト生存者福祉施設の
将来に懸念も。(H,Y)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp