軍事情報 | 日本のお姉さん

軍事情報

軍事情報 第371号(最新軍事情報)  平成20年(2008年)12月1日
こんにちは!!
おき軍事のエンリケ航海王子です。
今週もよろしくお願いします。

田母神退役空将ご自身が語る「真実」とは。

現在発売中の月刊「Will」(新年号)で、田母神発言特集が組まれています。
特集の一番初めには、田母神退役空将ご自身の手になる所見があります。
必読です。先日産経で掲載された記事とあわせ、コピーして手元に置き、後世に伝える必要がある貴重な一級資料と思います。
また、12/20に「Will」が主宰する講演会には、田母神閣下も出席して講演を行なわれます。田母神閣下の謦咳に接することのできる、これとない機会です。
講演会の詳細やお申込み方法など詳細は、現在発売中の「Will」でご確認ください。お早めにどうぞ。

◎◎◎ 最新軍事情報 ◎◎◎
■イスラエル、インテリジェンス要員をムンバイに派遣か

複数のイスラエルメディアによれば、百二十五名の死者が発生したインド・ムンバイの同時多発テロ(十一月二十六日水曜日)で、行方不明者等を出したイスラエルは、事件発生直後にインテリジェンス要員をインドに派遣していたようです。

インド軍対テロ部隊の錬度は十分であるが、テロリストに関するインテリジェンス面で十分ではない、とイスラエル当局は判断したようで、バラク国防相はインテリジェンス、治安、人道支援面での協力をインドに申し出たそうです。これについてインド側は、治安支援の申し出については拒否したようです。

国内メディアでは余り正確に伝えられていないようですが、この事件は十箇所で発生した大規模な同時多発テロです。そのほぼすべてが南ムンバイの以下の地で起きています。

・チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅 (CST)
・五つ星ホテル、ナリーマン・ポイントにあるオベロイ・トライデント
(Oberoi Trident)
・同じく五つ星ホテルのタージマハル・ホテル(Taj Mahal Palace & Tower)。
・ムンバイのコラバ地区で旅行者に人気のレストラン、レオポルド・カフェ。
・二つの病院。カマ病院と、ゴークルダース・テージパール病院。
・ユダヤ教正統派のムンバイ・ハバド・ハウス

二十八日金曜日にインド軍対テロ部隊と警察特殊部隊は制圧作戦を発動しました。
まず最初に手をつけたのが、ユダヤ人所有のビルやイスラエルからの観光客が多いユダヤタウン「ナリマン・ポイント」の中心にある「ハバド・ハウス」の解放でした。

複数の情報によれば、今回のテロの主標的となったのはイスラエル人、英国人、米国人でしたが、死亡者百二十五名、怪我人三百名以上の過半はインド人だったそうです。

イスラエル治安当局は、「ムンバイのハバドハウス襲撃が計画的なものであった場合、全世界のハバドハウス警備を再検討する必要がある」と述べています。
イスラエルではテロで死亡した九名の葬儀を大々的に行なったようです。

米のブッシュ大統領は「インドへの全面的支援を行う」との声明を出しています。

犯行は、パキスタンに拠点を置くイスラム原理主義テロ組織「ラシュカトレイバ」によるとされています。声明も出たようです。カシミール独立を以前から主張している組織です。ラシュカトレイバは、パキスタンに拠点を置くMDI(Markaz Dawa ul-Irshad)の軍事部門といわれており、ソ連のアフガン侵攻への抵抗以来、イスラム原理主義運動の拠点として活動しているとされます。

インド情報筋からは「今回のテロは以前パキスタンが計画したものであった」との話も聞きますが、十一月二十九日土曜日にパキスタンはこれを激しく否定しています。

ロシア情報当局は十一月二十七日木曜日に、今回の犯行はアルカーイダと連携している、ラシュカトレイバではないか。との見解を示しています。

⇒今回の事件は、七月七日にカブールで発生したインド大使館自爆テロ(インド武官が死亡)、イスラマバードのマリオットホテルで九月に発生した自爆テロの延長線上にあると見るのが妥当でしょう。パキスタン軍がインド国境地域に終結しつつあるとの未確認情報もありますが、いずれも、米の政権移行に伴う政治空白に乗じた行動といえるでしょう。単なるテロとして片付けるには、あまりに複雑な背景が絡み合っていると思えてなりません

世界はいま、各国家間の仁義なき剥き出しの国益争いの時代に入っています。
世界の現状への意識をしっかり持ち、必要な対処をとっておかないと、気付いたら時代から取り残されて選択肢がなくなり「ジリ貧開戦」の再来を招きかねません。軍事・情報の重要性は高まるばかりです。

冷戦時代の常識・感覚・思考のすべてはもはや通用しないと考えたほうがいいです。平和ぼけの脳内花園に酔いしれていると、「いつかきた道」の地雷を再度踏む結果を生むのは確実です。

いまのわが国には、それへの備えが何もありません。
いますべきことは、挙国一致で国難に当たることです。
政局争いにウロウロするときではありません。

自民、民主、国民新党と無所属のこころある代議士は、政党の枠を超え挙国一致で国難に当たる姿勢を国内外にアピールする必要と責任があるのではないでしょうか?

今わが国が抱える国難のなかで経済危機が占める割合は、想像以上に低いです。
危機対処は事実上すでに終わってますしね。

■米インテリジェンス界の見解を示した文書の追記

先週ご紹介した
二〇二五年の世界情勢に対する米インテリジェンス界の見解を示した文書"Global Trends 2025: A Transformed World"に関する追記です。

http://www.dni.gov/nic/PDF_2025/2025_Global_Trends_Final_Report.pdf

・国際社会の仕組みは、ブラジル・ロシア・インド・シナといった新しいプレーヤーの参加に伴い根本的に変革されることになる。とはいえ、ブラジル以外の諸国はすでにそれなりの発言権を持っており、ブラジルがプレーヤーとして新たに参加する点に大きな意味があると思われる。
・ブラジルには洋々たる未来がある
・富の西から東への移転は今後も進展する。
・ロシアとシナは二〇二五年までに幾つかの深刻な人口問題と取り組む必要が出てくる。
・シナの「ひとりっこ政策」に伴い生まれた「性比率の不均衡」(女性100人に対し男性115人)は、妻を見つけられない農村男性と、農村に住む女性を多くひきつける都会の金持ち男性を産んだ。これにより農村地帯には孤独で貧しく怒りに満ちた青年が充満している。にわか景気で裕福・健康になった年輩者の割合も、減少してゆく労働人口のなかにあって爆発的に増加している。
・インドの場合、シナ同様の男女比率の問題と、今後増加する貧しい人口がシナより多いという問題を抱えている。
・今後のインド・シナでは、中流層の人口を養うに十分なエネルギー・食・水に不足するので、世界中で資源に対する各種圧力が発生すると思われる。
・中東は今後も世界の火薬庫になる。最も懸念されるのは「核兵器拡散」である。

■インド海軍フリゲート、ソマリアの海賊船を撃沈

十一月十九日のインド海軍発表によれば、アデン湾周辺海域で、ソマリア海賊の攻撃から商船を護衛する任務についているインド海軍のフリゲート「タバル」が、海賊の母船を撃沈したそうです。

ソマリアの海賊対策のため周辺海域で展開しているのは、以下でご紹介しているNATO海上部隊とロシア海軍、そしてインド海軍を含めた十五隻前後からなる「CTF150(*)」です。米海軍からも部隊が出ているようですが詳細は不明です。
(*)CTF150

○150混成多国籍任務部隊(Combined Task Force (CTF) 150)
http://okigunnji.com/004/post_58.html
「不朽の自由作戦」発動後に創設された海上作戦に携わる任務部隊。
担任エリアはアデン・オマーン湾岸、アラビア海、紅海、インド洋。
海域の安定・安全確保が任務で、国際テロリストによる海上テロ、海上ルートでの資材、兵器、人員の運搬阻止が主な任務。周辺各国による治安活動・対テロ作戦を支援する役割も担う。
在バーレーンの米中央海軍・混成多国籍海上部隊指揮官の隷下にあり、米五艦隊と連携し任務に当たっている。ジブチに拠点がある。
創設以来、フランス、オランダ、ドイツ、パキスタン、カナダ、英、米、豪、イタリア、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、トルコが参加している。
【参考】
五艦隊HP http://www.cusnc.navy.mil/command/ctf150.html  
Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Combined_Task_Force_150

ちなみに周辺で海上作戦に携わっているその他の任務部隊は以下のとおりです。
・ペルシャ湾北部でオイルターミナルを防護するCTF158。
・ペルシャ湾中部及び南部をパトロールするCTF152。


⇒気になるのは、香港籍の貨物船が九月に海賊に乗っ取られたが解放されたと、同日に中共政府が発表していることです。艦隊のインド洋方面進出意思を示す布石ではないでしょうか。必要なら国内で凍死者が出ても燃料を軍にまわすことでしょう。イランも海賊に自国船籍の船が乗っ取られていると明らかにしています。

少なくとも海賊対策には早く手を打つ必要があると思います。
こんなときにイラクから空自を撤退させる発表をするなど、わが国の現状はかなりずれています。空海統合作戦が出来る可能性もあったのにね。(それはないか)

ちなみに二十四日の朝鮮日報等によれば
http://www.chosunonline.com/article/20081124000013

韓国大統領は来年一月にも四ヶ月前後の予定で駆逐艦「カン・ガムチャン」をCTF150に派遣することを決定しています。海軍の最精鋭特殊部隊とされるUDT/SEAL要員30人余りも派遣されます。

わが海自から部隊を派遣する暁には、特警隊からも要員を出すべきですね。
相手は海賊ですし、特警隊の実力はすでに証明されていますしね。笑
軍事合理性に基く行動が取れるよう制度を整えて、一刻も早く派遣すべきです。

いずれにせよ、ソマリアの海賊問題に関する意識がわが国は低いです。低すぎといっても過言ではありません
アデン湾のコントロールは「スエズ運河の死命を決する」という形で捉えなければいけません。また、インド洋での海上プレゼンスは、インド洋のコントロール⇒ホルムズ海峡の確保という形で捉えなければいけません。
サウジ船籍の巨大タンカーや、ウクライナ船籍の武器を搭載した貨物船は未だソマリアの海賊の制圧下にあります。
【参考】081027配信 軍事情報366号より

■ソマリア沖でNATO艦隊が展開開始

北大西洋条約機構(NATO)は二十四日、「2NATO海上即応戦隊(SNMG2)」によるソマリア沖方面作戦を開始しました。海賊の攻撃から商船を警護することが任務です。
エッセンスは以下のとおりです。

・NATO国防相理事会は九日、国連安保理等の要請を受け現地での海上部隊
展開を承認した。
・展開する部隊は「2NATO海上即応戦隊(SNMG2)」(司令部:ナポリ)
である
・作戦名は「Operation Allied Provider」である

・部隊編成は次のとおり。(NATO発表による)
 [商船護衛任務](三隻)
  イタリア海軍駆逐艦「ドュランド・デ・ラ・ペンネ」(旗艦 D560)
  ギリシャ海軍フリゲート「テミストクレス」(F465)
  英海軍フリゲート「キュンバーランド」(F85)

 [後方支援・周辺海域哨戒任務](四隻)
  ドイツ海軍フリゲート「カールスルーエ」(F211)
  ドイツ海軍補給艦「レーン」(A1443)
  トルコ海軍フリゲート「ゴコバ」(F496)
  米海軍イージスシステム搭載型駆逐艦「ザ・サリバンズ」(DDG68)

⇒SNMG2は、NATO即応軍(NRF)を構成する部隊のひとつで、NATO海上部隊集団司令官(ナポリ・米六艦隊司令官が兼ねる)の指揮下にあります。
NATO海上部隊集団は、NATO統合部隊集団(司令部・ナポリ)を構成する三つの部隊のひとつです。(残りはトルコ・イズミールの航空部隊集団とスペイン・マドリッドの陸上部隊集団)
NATO加盟国ならどの国でも部隊を拠出し活動に参加できますけど、実際に動いているのは、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、トルコ、英、米の諸国です。
米の七艦隊などと同じ任務部隊で、任務に応じて編成は柔軟に行なわれます。
実際は、四~八隻のフリゲート・駆逐艦と一隻の給油艦もしくは補給艦で編成されるのが常です。
部隊指揮官は一年交代で、現在の指揮官はイタリア海軍のグミエロ少将です。
http://www.nato.int/issues/nrf/index.html
http://en.wikipedia.org/wiki/NATO_Response_Force
http://www.jfcnaples.nato.int/
http://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Cumberland_(F85 )
http://www.ussberkeley.com/hs.htm
http://en.wikipedia.org/wiki/Durand_De_la_Penne_class_destroyer
http://en.wikipedia.org/wiki/Standing_NRF_Maritime_Group_2
http://tinyurl.com/5jf33w
http://en.wikipedia.org/wiki/Rh%C3%B6n_class_tanker
http://en.wikipedia.org/wiki/G_class_frigate
http://en.wikipedia.org/wiki/DDG68

⇒ちなみにソマリア沖では今年一~九月までで六十三件の海賊事件が発生しており、前年同期比で二十七件増加、世界全体の海賊事件の三分の一がここで発生したそうです。(国際海事局(INB)海賊情報センター(クアラルンプール)発表による)わが国の会社が管理するタンカーなど二十六隻が乗っ取られ、五百名以上が人
質となった他、二十一隻は自動小銃で攻撃されています。現在も十隻二百名以上が人質に取られています。

INB幹部は、「全ての国に対し海賊とその母船の活動阻止を自国海軍に指示するよう要請する」と述べています。

【参考 前号で紹介した記事です】
■ソマリア沖に海自部隊を派遣へ

十七日の衆議院テロ防止特別委員会で麻生首相は、ソマリア沖で頻発し、わが船舶にも被害が及んでいる海賊行動に対処するため、現地に海自部隊を派遣する考えがあることを明らかにしました。

これを受けた河村官房長官も、「法律が必要なら検討しなければならない」と述べており、法整備に前向きです。

民主党の軍事通として知られる長島代議士が「自衛艦によるエスコートはかなり効果がある。武力行使目的の派遣ではない」と提案したことを受け、麻生首相が「大変建設的な意見」と評価したもので、首相は当日中に、自民党の安全保障調査会長中谷代議士(元防衛庁長官。退役2等陸尉[退役陸軍中尉])に検討を指示しています。

■鴨緑江・豆満江の島は85%が北鮮領
三十日の朝鮮日報によれば
http://www.chosunonline.com/article/20081130000006
シナと北鮮国境地帯の領土問題に関する大学教授の言葉が紹介されています。
ひとことでいえば「シナと北鮮の国境地帯に領土問題はない」というシナ側の立場に立った内容です。
まもなく日韓シ首脳会談が開かれますので、それに向けた布石のようですね。

(おき軍事情報部)

◎◎◎ 高志さんのコラム 「国民年金の花柳な生活」◎◎◎
■2008/11/28 (金) 読む

 往復の車中で読む雑誌の一つに『WiLL』がある。もう、新年号が出ているが、この中に長谷川慶太郎氏の【金融危機はもう終わりました】が載っている。

 《世界の金融危機は終わりました。いや、麻生首相が終わらせたといっていいでしょう。11月15日に開催された金融サミットで、麻生首相はIMF(国際通貨基金)への約10兆円の資金融資を表明しました。「今回の会合は
歴史的なものだったと後世、いわれると思う」とコメントしていましたが、誇張でも何でもありません。日本の融資によって、世界の金融危機は終わりを迎えたのです。》

 私が長谷川慶太郎氏を知ったのはプラザ合意の頃だからかなり古い。その論調と洞察力に魅せられファンになった。湾岸戦争の地上戦を唯一人「1週間で終わる」と予言して的中させた時には経済と軍事との密接なつながりを思い知らされた。軍事専門家はイラク軍の装備、兵力や用兵などしか見ていなかったが、長谷川氏はイラク軍の補給状況を見ていたのである。

 その先見性とは別に氏の論説の根底にあるのは「ネアカ」ともいうべき明るさである。日本の評論家の殆どが「ネクラ」で何事も悲観的に見る傾向があり、それに同調しているのがマスコミだ。特に新聞の論調は酷い。

 トヨタやパナソニックの経常利益が落ちると忽ち大騒ぎする。落ちたと言っても黒字で赤字に転落した訳ではないし、その原因もアメリカ発の金融不況と急な円高によるものだ。ビッグ3の様に仕入れの金もない状態ではない。

 原油価格が大きく下がり、円高の差額によって燃料のコストは劇的に下がっている。しかしそういうニュースは全然流さない。

 私は元商売人なのでよく知っているが、商売人というものは儲かっている時には大人しいのである。少し外部要因が悪く、例えば円高になると「大変だ、大変だ」と騒ぐものなのだ。

 報道する者がどこに視点を置くかによって内容は大きく変わってしまう。
IMFに資金を出し渋ったG20のチャイナの醜態を逆に「存在感あり」と誉めそやし、南米諸国との資源外交を「行動力」と評価する根底にあるものは何なのか。

 日本がIMFに黙ってポンと大金を出したのは意味のない事ではない。直ぐお隣に資金を欲しがっている国があるからだ。欲しければIMFからお借りなさい。日本は貸さない。貸してはいけない。

http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20081128


■2008/11/27 (木) 守る

   『守るも攻むるもくろがねの/浮かべる城ぞ恃みなる/
   浮かべるその城日ノ本の/皇国(みくに)の四方(よも)を

   守るべし/
   鋼鉄(まがね)のその艦(ふね)日ノ本に/仇なす国を

  攻めよかし』

   『石炭(いわき)の煙は海神(わだつみ)の/龍(たつ)かと

   ばかり靡くなり/
   弾丸(たま)撃つ響きは雷(いかづち)の声かとばかり

   どよむなり/
   万里の波濤を乗り越えて/皇国の光輝かせ』

 これは「軍艦行進曲」の歌詞である。この曲は誰知らぬ者もない世界的な名曲だが、歌詞の方は知らない人が多いかもしれない。何分、明治時代の日露戦争よりも前に作られたものだから、ひょっとすると「ナンノコッチャ、訳が分からん」という人がいるかも知れない。あえて現代語訳はしないが、一寸だけ解説すると当時の船は燃料に石炭を使用しており、その煙が長い尾を引いていた。それを龍に例えたのである。

 この歌詞が好戦的だと言って歌碑を塗りつぶしたという話もあるが、そういう発想しか出来ない貧弱な頭が多いのは情けない。きっと、その人たちは「仇なす国を攻めよかし」という言葉を好戦的と言いたいのであろうが、「攻める」という言葉は「侵略」を意味するものではない。
 「攻撃は最良の防御なり」という。核ミサイルを撃ち込まれる前にその発射基地を叩き潰す事は世界の常識である。そうしなければ第2の「ヒロシマ」「ナガサキ」が生まれるだけの話だ。好戦的といえば中華人民共和国の国歌などもっとも戦闘的である。

 今、改めて「軍艦行進曲」の歌詞を読むと、至極当たり前の事を当たり前に言っているだけではないか。そればかりか今の日本にはもっとしっかり守って貰いたいものが山ほどある。独立国である以上国を守る事は当然であるのにそれを放棄し、ただ、平和、平和と叫んでいるだけなのが今の日本だ。

 目を外に向けると領空、領海、経済水域の資源、先祖伝来の島、更に遠く離れた洋上の船舶など存亡の瀬戸際に立たされているものが如何に多い事か。
本来は生命を懸けて守らなければならないものが放置されたままなのである。

 形ある物に留まらない。無形の脅威としては先ごろ衆議院を通過した「国籍法改正(悪)案」がある。これ程の悪法の審議過程を報道もせず、正体不明の殺傷事件ばかり熱心に報道していたメディアが最も「国に仇を為して」いると言えよう。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20081127

■2008/11/25 (火) こころの歌

 BS日テレ(デジタルBS 4チャンネル)に「BS日本こころの歌」という番組がある。毎週月曜日の22時から約1時間の番組だ。内容は童謡や古い歌曲、戦中戦後によく歌われた懐かしい歌が多いので毎週見ている。
この番組では軍歌も普通に歌われていて違和感がない。
 軍歌といっても「雲湧き上がるこの朝(あした)/旭日の下敢然と/正義に起てり大日本/執れ膺懲の銃と剣」とか「出て来いニミッツ、マッカーサー/出て来りゃ地獄へ逆落とし」などという歌は絶対出て来ないから神経過敏な「一国平和主義」の皆さんも安心して観る事が出来るだろう。
 明治の初めから昭和20年まで軍歌は国民の愛唱歌として定着し歌い続けられて来た。今に残る軍歌の歌詞を読むとそれはそのまま日本の歴史であり、文化の一つである事が分かる。軍歌を否定する事は日本の文化を否定する事になる。
 未だに歌われている軍歌を見ると、矢張り良いものだけが残っている。前述の「雲湧き上がる・・・」は支那事変が始まって間もなく、毎日新聞社が陸軍省後援の下に歌詞を募集した時、1等に当選した「進軍の歌」である。
 勇壮なメロディでニュース映画の冒頭には必ず演奏されていた。レコードはA面だが、実は流行らなかったのである。流行ったのは2等賞でB面の「露営の歌」の方だった。

   「勝って来るぞと勇ましく/誓って故郷(くに)を出たからは/
   手柄立てずに死なれうか/進軍ラッパ聞く度に/
   瞼に浮かぶ旗の波」

   「土も草木も火と燃ゆる/果て無き曠野踏みわけて/
   進む日の丸、鉄兜/馬のたてがみ撫でながら/
   明日の生命(いのち)を誰か知る」

 古関裕而さんの哀愁を帯びたメロディが皆の心を捉えた。実際この歌は銃後だけでなく兵営の中でも歌われていたのである。私の家にもレコードがあったが、スレ切れるほど何回も掛けた。
 この事実でも分かる様に現在でもよく歌われている軍歌にはそれなりの評価があるからで、支持されていなければ自然に消えて行くのだ。まあ、2番の歌詞など「侵略だ。侵略だ」と騒ぐ人があるかも知れないが。

 現在まで歌い継がれている軍歌は数多くの作品の中から生き残った文化遺産である。「軍」と名がつけば忽ち「侵略」「戦争」と結び付け、問答無用で拒否する風潮が貴重な文化遺産を侵食している。

 ところで昨日の「BS日本こころの歌」で歌われたのは「加藤隼戦闘隊」と「同期の桜」であった。
 「加藤隼戦闘隊」は他の軍歌と少し違う所がある。というのはこの歌は専門の作詞家や作曲家が作ったものではなく、加藤部隊の「隊歌」だったからだ。
この部隊には隊長の加藤建夫陸軍中佐(戦死後少将)をはじめ文武両道に秀でた隊員が集まっていた。

 「加藤隼戦闘隊」の名は隊長の戦死後、7度目の感状を授与され、加藤少将が軍神として崇められた事によって全国に知れ渡る。その後、隊員の遠藤、檜両中尉の手記が出版され、ベストセラーになった事で更に有名になったのである。昭和19年に東宝で映画化されたが、主題歌にはこの隊歌がそのまま使われた。

   「エンジンの音轟々と/隼は征く雲の果て/
   翼に輝く日の丸と胸に描きし赤鷲の/印は我等が戦闘機」

   「寒風酷暑ものかわと/艱難辛苦打ち耐えて/
   整備に当る強兵(つわもの)がしっかりやって来てくれと/愛機に祈る親心」

   「過ぎし幾多の空中戦/銃弾うなるその中で/
   必ず勝つの信念と死なば共にと団結の/心で握る操縦桿」

 明るい旋律が一転してシンミリとした一節が入る。恐らくここは後で挿入されたものであろう。

   「干戈交ゆる幾星霜/七度(ななたび)重なる感状の/
   勲功(いさお)の蔭に涙あり/ああ今は亡き武士(もののふ)の/
   笑って散ったその心」

 私もよく歌ったが、歌詞の「エンジン」という言葉が軽快で好きだった。当時の表現で言うと「発動機」でなければいけない。「エンジン」は敵性語になるからだ。バカバカしい話だが英語は敵国の言葉だから使ってはならないとされていた。 ポケットは「物入れ」タオルは「汗拭き」という様に言い替えるのである。
 同じ頃アメリカでは日本語の研究に力を入れていたというから、この点でも日本は負けている。「敵を知る」事は兵法の初歩である(海軍は英語を使っていた) この歌の歌詞にクレームがつかなかったのは「隊歌」だった為であろう。
 良く出来た歌詞である。目を瞑ると隊員達の生き生きした姿が浮かんで来る。
皆われらの父祖である。この人たちを強盗や殺人者になぞらえて憚らない子孫がいるのは不思議だ。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20081125
【「国民年金の花柳な生活」より  http://www5.diary.ne.jp/user/514369/

◎◎◎ 編集雑記 ◎◎◎
師走になりました。
ある方から以下のようなメールを頂きました。
<田母神氏の件は「国会が、与野党揃って、氏の独演会となることを怖れた」その一点で充分に価値があった、と考えています。信念の正論を前にすると口先三寸の政策の誤魔化しや一時凌ぎが如何に弱いかを如実に示していましたね。
その後の週刊文春記事なども一見田母神氏を非難しているようで、実は感心している内容でしたね。
トラは野に放たれました。論戦の本番はこれからでしょう。>
まったくご指摘のとおりだと思いますね。
あの不可思議な国会招致不中継は、私とおき軍事にとってもそうですが、それ以上に、戦後日本にとって大きな転換点になったように感じています。
いってみればこれまでの騒ぎは顔見世興行に過ぎず、
舞台の幕はこれから開くのでしょう。笑
そういえば、佐藤守退役空将の手になる「田母神問題は『第二の栗栖事件』だ」が、今発売中の『正論』で発表されています。『Will』とあわせてお求め下さい。こちらも後世に伝えるべき一級資料です。コピーを取っておいてください。
佐藤閣下もブログでおっしゃってましたが、<2009年は大乱の年>になる気がします。
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20081129/1227926664
(エンリケ航海王子)

◎◎◎ おたより ◎◎◎
■おき軍事 様
いつも有益な情報をご提供いただきありがとうございます。
本日は、おき軍事様に緊急アピールのお願いのメールをさせていただきます。
既にご存知かと思いますが、去る11/18に衆議院本会議で「国籍法改正案」が可決(日本国籍取得要件から「婚姻」を外す)し、参議院に送付されました。

男性の認知さえあれば、婚姻が無くとも誰でも国籍が取れるというとんでもない悪法であり、簡単な認知で日本国籍が取得でき、結婚・扶養の義務・DNA鑑定等一切
シナ人・朝鮮人の大量取得へ道開くことになりますが、マスコミは産経新聞以外全く報道しておらず、ひそかに法制化されようとしています。 
 
しかも、重籍も認められるとのことで、結果金銭等が介在した偽装認知が横行し、わが国が偽装日本人に占領される危険性があります。 20未満の子供なら誰でも認知できるので、 実質的に19歳11ヶ月の子供も認知すれば、国籍を得て、1ヵ月後には選挙権が得られるのです。 1億2千万人以上のシナ人に一斉に選挙権を付与してしまえば、日本が乗っ取れてしまうのです!

更に問題なのは、衆参両院の議員が内容について殆んど認識していない(閣僚も!)ことです。当改正案の参院本会議採決は、今月27日午後か28日に採決される予定とのことで、
時間がありません。 そこでお願いですが、メルマガ読者へ参院法務委員にメールかFAXで反対のアピールを呼びかけていただけないでしょうか? (お手数ですが、宛先は以下のURLをご参照願います)
祖国のために色々と有益な情報を毎回送って頂いているおき軍事様にご協力いただけると幸いです。
お忙しいところ誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
ご参考までに、関連URLをお送りします:

国籍法改正案まとめWiki 
http://www19.atwiki.jp/kokuseki/  
国籍法改正の問題を早くから察知し取り組んできた、ジャーナリストの水間政
憲氏公認のまとめページ 
http://www.freejapan.info/?_FaxSaikyou#w65cf87d
チャンネル桜 
http://tinyurl.com/5sja27
DOL冒険発見物のメモリー 
http://ameblo.jp/dol-souraku/entrylist.html

⇒今週中に成立する見通しといわれてますが、断固反対します。
以前もお伝えしたとおり、国籍取得を安易に実施できるようにすることは、一時凌ぎのその場逃れの策に過ぎません。結果、後世に多大な負荷を強いることになり、亡国に直結する愚策でもあります。海外生活が長い方ほどそう主張されています。諸外国はこれまで進めてきた海外からの移民受け入れで現在大いに苦労しており、これまでやってきたことを後悔しているのです。
また、対馬の不気味な動きを見ても分かるとおり、この改正により特ア三国の人海戦術に権威を与えてしまうと、国防は事実上不可能になります。
もしやるのだとしたら、わが陸自で徹底的な日本人化教育を受けさせ、日の丸君が代に忠誠を誓わない限り国籍を与えない、という至極真っ当な高いハードルを越えて初めて、国籍を入手できるようすべきです。

(以下余談。
この法改正の真の狙いは「外人部隊創設」にあると個人的には思ってます。
国防に必須だが、現国民では充足できない兵力を簡単に充足できる。
こういう感覚ではないでしょうか。
もしかしたら、捨て殺しにできる部隊を新日本人に押し付け、あちらこちらに派遣してバングラデシュのように国際貢献しよう、なんてことも検討しているかもしれませんね。
それならいい、という日本人が多いと見積もられる教育・人間の荒廃にこそ、私は最大の懸念を持ちます。

余談終わり )

世界の主要国の潮流は移民排除に動いています。
それに反してわが国のみ逆方向に動くことが何を意味するか。
よくよく考え直すべきです。
それと思うことですが、
古来よりわが国は、朝鮮系日本人、シナ系日本人、アイヌ系日本人、琉球系日本人などとともに共存繁栄してきた「五族協和」の社会です。渡来人という言葉もあります。これを今流行りの安っぽい言葉でいえば「すでに多民族国家」なんです。中共の洗脳を幼児の頃から受けてきたシナ人でさえ、わが国で生活しただけで、中共への忠誠を捨てる人が多数います。
戦後日本はこの国家をうまく統御できているのでしょうか?
外国の謀略に支配され、振り回されているだけではないのですか?

つまらない法律を増やすのではなく、国家の根幹を見直す必要があるのでは
ないですか?
いとも簡単に国籍を乱発するような安い国であってはなりません。
子供や孫、まだ見ぬ子孫達にいらざる負荷を強いてはなりません。
それが今生きる者の義務ではないでしょうか。
おき軍事が何より不可思議に思うのは、田母神閣下や元官僚殺しの騒ぎに乗じて、密かに国会で決議が行われたように一般国民の目に映っていることです。
裁判員制度も、こんな感じで知らないうちに決まっていたような記憶があります。
こういうやり方は、民主主義国家としていかがなものでしょうか。
(エンリケ)
◎軍事情報
のバックナンバーはこちら
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html