イランのニュース
サファヴィー司令官「戦争になれば、いかなる船舶もペルシア湾地域を航行することはできない」
2008年09月18日付 E'temad-e Melli紙
ハーメネイー最高指導者兼全軍総司令官軍事問題担当上級補佐官・顧問のセイエド・ヤフヤー・サファヴィー革命防衛隊少将は、ペルシア湾防衛の任務はイスラーム革命防衛隊海軍に任されていると述べた翌日、ファールス通信とのインタビューの中で、「戦争になれば、いかなる船舶もペルシア湾地域を航行することは不可能であり、革命防衛隊の地対海ミサイルの射程圏から逃れることはできない。これは三軍の成果だ」と強調した。
他方、二日間にわたるカタル訪問を終えたイラン国防相は、「イランはホルモズ海峡の安全確立のために、必要なあらゆる警戒や措置を講じている。地域や世界全体に貢献するこの航路の安全を脅かす行為を許すことは、断じてないだろう」と述べた。
イラン学生通信がクウェート通信の報道を引用して伝えたところによると、モスタファー・モハンマド・ナッジャール准将は、イラン軍はあり得べきあらゆる行為に対応する用意はできており、イラン国民も最高指導者の指導の下、あらゆる攻撃に一致団結して抵抗するだろうと強調した上で、「地域のすべての国は、イランの友人であると私は考えている。自らが被害を受け、あるいはペルシア湾の安全が脅かされるような事態を地域諸国が許すようなことは、決してないだろう。もし戦争が勃発すれば、すべての国が危機に見舞われることになるからだ」と語った。
同相はまた、イランが〔アラブ首長国連邦と領有権を争っているペルシア湾の〕三島に行政事務所を開設したことに関しては、次のように述べた。「三島問題は極めて単純な問題だ。イランはペルシア湾地域の諸国に対して、友好的な眼差しを向けている。解決が困難な問題など、ここには存在しない。すべての問題は対話で解決されるはずで、このことはアラブ首長国連邦に対しても強調してきたことだ」。
モハンマド・ナッジャール国防相はカタルの統合参謀長アル・アティーヤ少将との会談の中で、ペルシア湾地域の安全確保はイラン・イスラーム共和国の基本政策であるとの見方を示し、「イランの戦略は、地域のすべての国の包括的参加による安全作りにある」と論じた。
他方、仏フィガロ紙はジョルジュ・マルブロノ執筆による記事を掲載して、「イランは各種潜水艦や〔軍事的な装備を〕備えた高速艇によって、あらゆる米艦船に対して打撃を加えることが可能だ」と報じている。
同紙はその上で、「ペルシア湾水域にいるイラン海軍が同国へのあり得べき攻撃への対抗措置として取るであろう戦術として、米艦船への攻撃がある」と指摘、さらに次のように論じている。「ペルシア湾のおけるイランの動きをウオッチしているあるフランス国防省高官は、イランはロケット・ランチャーを装備した巡回艇や高速艇をつかって、西側の大型艦船に対して打撃を加えることが可能だと指摘している」。
フィガロ紙によると、イランは旧ソ連製の潜水艦3隻、小型潜水艦約10隻、ならびに〔軍事的な〕任務に備えて武装した小型艇計1000隻(高速艇数百隻を含む)を保有しているという。以前在イラン仏大使館で軍事アタッシュを務めたこともあるユベール・ブリッチ氏は、同紙に対して「これらの小型艇は見えないところにおり、乗組員の士気も高いことが、〔西側の〕船舶を危険に晒している」と語る。
フィガロ紙は次のように指摘している。「イランはいかなる説明も行う用意を見せることなく、新たに射程距離300キロメートル超の対艦艇ミサイルの実験を行った。彼らはまた、魚雷発射も可能な新型の中型潜水艦『ガーエム』の運用を始めている」。
同紙は、海軍の領域では革命防衛隊と国軍は良好な協力関係を有しており、ペルシア湾のおけるこれらの部隊の国防能力を侮ることはできない、との見方を示している。また、革命防衛隊は音を立てることなく極めて静かに、敵の潜水艦を偵察する偵察機を自らの戦力の一部としており、これは西側の部隊にとっても懸念材料となっていることを、同紙は認めている。
「もしホルモズ海峡がイランによって封鎖されれば、石油の輸出を阻害し、〔世界〕各国の経済に影響を与えるだろう。過去数ヶ月間、〔もしイランへの攻撃があれば〕いかなる米の軍事・政治施設もイランによる報復攻撃から免れることはないとの発言が〔イラン側から〕なされている」。
記事はこのように強調し、さらにイランのミサイル力に触れて、次のように付け加えている。「これらのミサイルは可動式のプラットフォームから発射されるもので、国のあらゆる地点から発射が可能だ。これらのミサイル・ランチャーの場所を特定することは不可能だ。というのも、ミサイル発射装置は隠すことができるからだ」。
ジョルジュ・マルブロノ氏は記事の別の箇所で、あらゆる攻撃に対するイラン側の応答の様々な可能性について言及し、「14万人の米兵一人一人が標的となりうる」と論じている。
この記事の原文はこちら 関連記事(サファヴィー顧問「ペルシア湾の防衛は革命防衛隊の任務」)
(翻訳者:斉藤正道)(記事ID:14773)
2008年09月18日付 E'temad-e Melli紙
ハーメネイー最高指導者兼全軍総司令官軍事問題担当上級補佐官・顧問のセイエド・ヤフヤー・サファヴィー革命防衛隊少将は、ペルシア湾防衛の任務はイスラーム革命防衛隊海軍に任されていると述べた翌日、ファールス通信とのインタビューの中で、「戦争になれば、いかなる船舶もペルシア湾地域を航行することは不可能であり、革命防衛隊の地対海ミサイルの射程圏から逃れることはできない。これは三軍の成果だ」と強調した。
他方、二日間にわたるカタル訪問を終えたイラン国防相は、「イランはホルモズ海峡の安全確立のために、必要なあらゆる警戒や措置を講じている。地域や世界全体に貢献するこの航路の安全を脅かす行為を許すことは、断じてないだろう」と述べた。
イラン学生通信がクウェート通信の報道を引用して伝えたところによると、モスタファー・モハンマド・ナッジャール准将は、イラン軍はあり得べきあらゆる行為に対応する用意はできており、イラン国民も最高指導者の指導の下、あらゆる攻撃に一致団結して抵抗するだろうと強調した上で、「地域のすべての国は、イランの友人であると私は考えている。自らが被害を受け、あるいはペルシア湾の安全が脅かされるような事態を地域諸国が許すようなことは、決してないだろう。もし戦争が勃発すれば、すべての国が危機に見舞われることになるからだ」と語った。
同相はまた、イランが〔アラブ首長国連邦と領有権を争っているペルシア湾の〕三島に行政事務所を開設したことに関しては、次のように述べた。「三島問題は極めて単純な問題だ。イランはペルシア湾地域の諸国に対して、友好的な眼差しを向けている。解決が困難な問題など、ここには存在しない。すべての問題は対話で解決されるはずで、このことはアラブ首長国連邦に対しても強調してきたことだ」。
モハンマド・ナッジャール国防相はカタルの統合参謀長アル・アティーヤ少将との会談の中で、ペルシア湾地域の安全確保はイラン・イスラーム共和国の基本政策であるとの見方を示し、「イランの戦略は、地域のすべての国の包括的参加による安全作りにある」と論じた。
他方、仏フィガロ紙はジョルジュ・マルブロノ執筆による記事を掲載して、「イランは各種潜水艦や〔軍事的な装備を〕備えた高速艇によって、あらゆる米艦船に対して打撃を加えることが可能だ」と報じている。
同紙はその上で、「ペルシア湾水域にいるイラン海軍が同国へのあり得べき攻撃への対抗措置として取るであろう戦術として、米艦船への攻撃がある」と指摘、さらに次のように論じている。「ペルシア湾のおけるイランの動きをウオッチしているあるフランス国防省高官は、イランはロケット・ランチャーを装備した巡回艇や高速艇をつかって、西側の大型艦船に対して打撃を加えることが可能だと指摘している」。
フィガロ紙によると、イランは旧ソ連製の潜水艦3隻、小型潜水艦約10隻、ならびに〔軍事的な〕任務に備えて武装した小型艇計1000隻(高速艇数百隻を含む)を保有しているという。以前在イラン仏大使館で軍事アタッシュを務めたこともあるユベール・ブリッチ氏は、同紙に対して「これらの小型艇は見えないところにおり、乗組員の士気も高いことが、〔西側の〕船舶を危険に晒している」と語る。
フィガロ紙は次のように指摘している。「イランはいかなる説明も行う用意を見せることなく、新たに射程距離300キロメートル超の対艦艇ミサイルの実験を行った。彼らはまた、魚雷発射も可能な新型の中型潜水艦『ガーエム』の運用を始めている」。
同紙は、海軍の領域では革命防衛隊と国軍は良好な協力関係を有しており、ペルシア湾のおけるこれらの部隊の国防能力を侮ることはできない、との見方を示している。また、革命防衛隊は音を立てることなく極めて静かに、敵の潜水艦を偵察する偵察機を自らの戦力の一部としており、これは西側の部隊にとっても懸念材料となっていることを、同紙は認めている。
「もしホルモズ海峡がイランによって封鎖されれば、石油の輸出を阻害し、〔世界〕各国の経済に影響を与えるだろう。過去数ヶ月間、〔もしイランへの攻撃があれば〕いかなる米の軍事・政治施設もイランによる報復攻撃から免れることはないとの発言が〔イラン側から〕なされている」。
記事はこのように強調し、さらにイランのミサイル力に触れて、次のように付け加えている。「これらのミサイルは可動式のプラットフォームから発射されるもので、国のあらゆる地点から発射が可能だ。これらのミサイル・ランチャーの場所を特定することは不可能だ。というのも、ミサイル発射装置は隠すことができるからだ」。
ジョルジュ・マルブロノ氏は記事の別の箇所で、あらゆる攻撃に対するイラン側の応答の様々な可能性について言及し、「14万人の米兵一人一人が標的となりうる」と論じている。
この記事の原文はこちら 関連記事(サファヴィー顧問「ペルシア湾の防衛は革命防衛隊の任務」)
(翻訳者:斉藤正道)(記事ID:14773)
射程距離2千キロの新型ミサイル「セッジール」の発射実験、成功
2008年11月13日付 E'temad-e Melli紙
写真:ハミード・レザー・アッラーイー(メフル通信)
イランの新型ミサイルの発射実験が、昨日成功裏に行われた。
国防軍需相のモスタファー・モハンマド=ナッジャール司令官(准将)が見守る中、「ヤー・アリー・エブネ・ムーサー・アッレザー」〔おお、神に嘉せし者ムーサーの子アリーよ、第8代イマーム・レザーのこと〕との聖なるコードネームとともに、新世代地対地ミサイル「セッジール」〔※〕の発射実験が成功裏に行われた。
イラン学生通信の報道によると、モスタファー・モハンマド=ナッジャール准将はこのミサイルの特徴を説明して、「国防省航空センターの有能なる専門家たちは、合成固形燃料を用いた新世代地対地ミサイルを実験した」と語った。
「この二段階ミサイルは、合成固形燃料を燃料とする二基のエンジンを備え、極めて高い性能を誇る」。ナッジャール国防相はこう述べ、さらに「このミサイルならびに発射システムのもう一つの特徴は、設置、発射、そして撤収が極めてスピーディーなことである」と指摘、その上で「セッジール・ミサイルならびに同ミサイル発射台の設計・製造の全工程は、国防省の有能な専門家らの手によって行われた」と胸を張った。
「今回のミサイル実験実施は、防衛抑止ドクトリン・戦略を基本としたもので、イラン・イスラーム共和国による通常のミサイル活動の一環であり、地域の安定と平和を強化するべく、もっぱら国防を旨として行われたものであって、いかなる国も対象としたものではない」。ナッジャール司令官はこう述べ、さらに「セッジール・ミサイルの実験計画は昨年から練り上げられてきたものであり、最近の地域・国際情勢とはいかなる関連もない」と強調した。
〔中略〕
同国防相はミサイル発射式典の傍らで、セッジール・ミサイルで注目すべき特徴の一つとして、同ミサイルの高い精度を挙げ、「イランの新型地対地ミサイルの射程距離は2000キロに迫る」と指摘した。
同司令官はまた、このミサイルが実戦配置されるまでの時間が極めて短く済むことも、セッジールの特徴の一つであるとした上で、「このミサイルは極めて短時間のうちに発射準備がなされ、セッジールのランチャーもミサイル発射後すぐに、発射場所から撤収させることができる」と述べた。
その上で、「セッジール・ミサイル、発射装置、ならびにその他付属装置はいずれもイラン国防専門家らの手で設計・製造されたものであり、我が国の軍に新たな能力を付加するだろう」と強調した。
※「セッジール」とは、クルアーン第105章「象」に出てくる「焼き土の礫」のことで、イエメン軍を滅ぼしたとされる。
(翻訳者:斉藤正道)(記事ID:15122)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.html