中国専門学者の罪(中韓を知りすぎた男)
中国専門学者の罪(中韓を知りすぎた男)
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日本もアメリカも過去と現在、中国政策において多くの間違いをしてきました。
現在もこの両国の政治家の中で「中国重視論」と「中国脅威論」とが二分しています。この両国において中国の現実から遊離した異常なまでの中国礼賛の合掌が長く続きました。
まだ一部の政治家たちは「中国の思い入れ」が強く感情移入だけが先行して「大いなる幻想」を生み出しています。この傾向は日本やアメリカだけでなくフランス、オーストラリア、イギリス、ドイツその他多くの先進国に共通した現象です。
それでは何故、このようなセンチメンタルな「中国への想いいれ」に陥ったのか、日本とアメリカを平行して考えてみます。
日本の政府もアメリカの政府も中国政策を考える場合、必ず中国専門学者からアドバイスをもらいます。この学者達が中国の間違ったイメージを政治家たちに植え付けたのです。
日本の学者もアメリカの学者も元々中国が好きだから、中国に興味があるから中国専門学者になったのです。
学者達の中国文明への憧れが、冷徹な目を曇らし、現実から遊離した「幻想中国」を政治家たちにレクチャーしたのです。
政治家もビジネスマンも失敗しないように、行動を起こす前は専門家といわれる人たちの知識を手に入れます。しかし私の経験上その道の専門家ほどその道に詳しくありません。
個人が興味や趣味で専門家の学者の本を読んで知識を得るだけなら何も問題はありませんが、国や会社の命運を預かる政治家やビジネスマンにとって間違った情報は命取りになります。
20数年前、天安門事件の1~2年前です。中国へ進出するために中国セミナーを何回も聞きにいきました。
そこで語られた講師たちの中国情報はいま思えば現実の中国と180度違っていました。
そしてこれらの「中国への思い入れが強い」中国専門学者の間違った情報で 数えきれないほどの日本の中小企業が大陸進出を図ってきました。そして大多数の企業は中国人に騙され 痛い目にあわされて、撤退してきました。
日本政府も同じようにいつも中国政府の白々しい嘘で国益を毀損してきました。そして未だ目の覚めない政治家は日中友好という美名にごまかされて卑屈外交を続けています。
アメリカ人の中国観も東洋の神秘というロマンティシズムに覆われて「暗黒の中国」が見えていませんでした。
ヘンリー・キッシンジャーが中国の竹のカーテンを開けて以来、アメリカの多くの学者、政治家、企業家達が中国を訪問しています。
しかし長く中国を「東洋の神秘」として見ていた彼らは中国を正しく見る目をなくしていました。
日本を飛ばして中国を重視しだしたクリントンによって、始めてアメリカの幻想に覆われた「中国重視」を知り、日本人は衝撃を受けました。
クリントンに間違った中国観を植え付けたのも中国専門学者です。クリントン政権第一期目にハーバード大学教授ジョセフ・ナイという中国学者が政権入りをしています。
この学者によってクリントンは誤った中国第一主義政策をとり日本を無視し 過酷なまでに日本叩きをしました。そのバックには中国資金と日本を嫌うキッシンジャーの関与も見て取れます。
以前雑誌で目にしたことですが、アメリカにおいては日本専門学者より中国専門学者の方が格上で、政府内でも中国専門家が重宝されているという記事を目にしました。
日本やアメリカの政治家が未だに中国に対して深い「想い入れ」を抱いている理由の中には、中国工作の資金と中国幻想をかもし出す、巧みな心理的外交の巧みさがあります。
この中国独自の外交戦術を彼らは世界中に展開しています。
世界中に中国幻想を振りまいた最大の罪はパール・バックの「大地」だと思います。このノーベル文学賞をもらった「大地」によって初めて欧米人に、神秘な国中国というものを開いて見せました。
そこに描かれている幻想中国によって、なにか非常にロマンチックな妖しいまでの美しい「情念の中国」のイメージを植えつけてしまいました。
それとアメリカ人の誤った中国観の最大の大罪者はエドガー・スノーの「中国の赤い星」です。彼は一貫して中国礼賛を綴っています。彼は日本が嫌いで「アジアの戦争」を書き、有りもしない南京大虐殺
を世に広めました。
この影響が大きくてアメリカ人知識人を未だに暗黒中国を見えなくしています。
日本の誤った中国観は遣隋使や遣唐使が持ち帰った膨大な漢籍を勉強した学者であり(過去ブログを参考にしてください)、アメリカの中国観も2000年前の過去の中国研究によってもたらされた学者の思い込みによるものです。
アメリカの学者の振りまいた東洋の神秘中国を土台にして「大地」や「中国の赤い星」が生まれました。
日本も2000年前の漢文や漢詩を深く研究した近代の学者によって中国の抜きがたいイメージが出来上がってしまいました。
しかし日本もアメリカも最近の中国の 厚顔無恥な人格や,止まらない軍拡、農民の暴動、ニセモノの中国商品、チベットやウイグルの大虐殺を目の当たりにして、やっと危うい暗黒中国の真実が見えてきましたが、日本の低レベルな政治家だけが未だ中国の真実が見えていません。
いったいいつになったら「中国幻想」から目覚めるのですか?
あまり時間は残されていません。